
鰐、再襲
そぼ降る雨の中、一行を乗せたハイエースは涼ヶ淵村へ向かってひた走ります。
各務: 「嫌な雨だな」
悠乃: 「……ですね」
深崎: 「……悲しい、悲鳴のような雨ね」
圭一郎の話にあった通り、清淵地区の現場は酸鼻を極めています。
涼ヶ淵沼の畔に止められた8台のパトカーと雨濡れも省みず駆け回る警官たち。横転し粉砕された2台のパトカーと倒れた重機によって構成された簡易バリケードの向こうに見えるのは、黄金の巨体で道の行く手を遮る怪物ペトスコス。その金色の巨体にまとわりつくようにして無数の鰐が蠢き、警官隊を威嚇するように唸り、牙をむいてます。
水澱の迷宮内で殉職した木田巡査部長の部下であった警官・林と森村がPC一行を見つけ、駆け寄ってきました。
林によると鰐は深夜に音もなく上陸し、寝静まった清淵の住民を次々と襲ったとのこと。既に50名を超えるの犠牲者が確認されており、ペトスコスの巨体で遮られた道の先にある家屋からは未だに断続的に悲鳴が聞こえてきています。
近隣の地域の個人愛好家や爬虫類センターから鰐が逃げ出す事件が相次いでいることを森村から伝えられますが、今目の前に展開する鰐の軍団は、まるで日本にいる全ての鰐が集結したかのようです。
一行はこの騒動を義景が鰐に命じて起こさせていると睨み、その元凶を断つことで意見を一致させます。幸い水澱地区への迂回路は確保されており、その先導を林と森村が買って出てくれました。
キーパー: 警官ズはパトカーで先導してくれます。圭一郎から借りたハイエースを運転しているのは誰ですか?
各務: 私だろうな
深崎: まさか……運転技能ロール!
淵沼: だと思う
各務: あんまり確率高くないぞw
キーパー: 森村「では着いてきてください」ブブーンと山道を上がっていきます。ずぶ濡れになりながら鰐と対峙している警官隊が背後に小さくなっていきます
各務: 警官って大変な仕事だなあ
古海: こっちも十分大変です

キーパー: 雨の中水澱への山道を登っていくと……〈目星〉>ALL(悠乃を除く4人が成功)。雨にけぶる山道を一台の自転車が走り降りてくることに気付きました。悠乃だけは「スゲー雨」と車窓から空を眺めています
悠乃: あぅ~
淵沼: 余裕あるなあ
古海: 肝が太い
キーパー: 自転車をこいでいる顔は田村姉弟の弟、俊二のものです。警官ズも気付いたようでパトカーを止めました。パトカーに気付いた俊二は自転車から飛び降りて、警官ズに走り寄っていきます
深崎: 「どうしたの?」
古海: そっちに行きましょう
淵沼: 姉の方にトラブルと見た
古海: 生贄?
悠乃: そうでしょうね
深崎: ぞろぞろ、ぴちゃぴちゃ
キーパー: 俊二「た、助けてください!! お姉ちゃんが! 俺のお姉ちゃんが……!!」
古海: 「落ち着きなさい。ゆっくり喋るんだ」
深崎: 「落ち着いて。お姉さんが?」
悠乃: 「お姉さんがどうしたの?」
キーパー: 早口にまくし立てる俊二の話の内容をまとめると……
深崎: まとめると?
悠乃: まとめると?
古海: まとめると?
キーパー: 姉・花梨が鰐の仮面の男によって拉致されて迷宮へと連れ込まれてしまったので、救出を頼むために清淵へ向かっていたとの事です。水澱地区の住民は俊二の祖父母も含めて全員迷宮の入り口前に集まって、なにやら怪しい祈りを捧げているとの事。俊二は隙を突いて村を脱出し、助けを求めて雨の中を爆走してきた、ということです
深崎: 「……居場所、確定ね」
各務: 迷宮に乗り込むしかないね
古海: 「わかった。お姉さんの事は任せておいて、君は町まで避難しておけ」
キーパー: 俊二「やだ! 俺もお姉ちゃんを助けに行く!!」
悠乃: そんなこと(<君は町まで~)、できるわけないですよ、という視線を無言で向けます……
古海: ここには警官が二人もいるし、ここまで来たら道案内はいらないんじゃないですか?
悠乃: というよりも、俊二くんがついて来るのを譲らないのじゃ、という……
古海: 「……本気なら止めない。付いてきなさい」>俊二
悠乃: 説得する時間がもったいないので、車に乗せちゃいましょう <俊二
深崎: 勇敢なのか、無知なのか
各務: 気持ちはわかるけどねー
古海: まあいいや。急ぎましょう
キーパー: 俊二はパトカーの後部座席に保護です。森村が必死に説得しているようですが、彼は「お姉ちゃんを助ける!」と息巻いています
深崎: 「……俊二君、覚悟はあるって、見なすわよ」
キーパー: 林「事は一刻を争うようですし、とりあえず水澱へ急ぎましょう」
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