非時香果


朝日の車窓から

二日目

 大湊線を陸奥(青森県)方面へ向かう列車。

白田:『橘』の色を確認してみます。
キーパー:朝の太陽の光の下で見ても、確かに緑は鮮やかになっていますね。最初はもっと深緑色だったはずですが。
白田:「……これで俺たちも不老不死に一歩近づいたってわけですかね」と冗談めかして。
村雨:『古事記』とかの古文書には非時香果は何色をしていると書かれているんですかね? それともそういう記述ってないのかな?
キーパー:常世の国から持って帰ってきたということだけで、そういう記述はないみたいですね。大湊駅も近付いてきたころ、皆さんは守子が非時香果を食い入るように見つめていることに気づきます。
村雨:「どうしました?」
キーパー:声を掛けられると、ハッとした表情を浮かべて「な、何でもありません」
村雨:「どうやら色付いてきているようですね。この旅が終わる頃にはオレンジ色にでも色付くんじゃないでしょうか」と鎌をかけてみます(笑)
キーパー:すると驚いた顔をして「ご存知なんですか!?」
村雨:「いや、冗談ですよ、冗談! まさかそんなことってありませんよね?」
キーパー:(守子)「そんなことはないと、私も思っています」と歯切れの悪い答えを返します。
村雨:こりゃ何かあるな……(笑)

 終点の大湊駅の料理屋で朝食(海鮮丼)。そこから特別バスで恐山観光へ。仏具の鈴(りん)の音が聞こえたような聞こえなかったような。
 大湊駅から大湊線を戻って青い森鉄道に入り青森駅へ(昼食は車内でイタリアン)。青森駅から奥羽本線で大鰐温泉駅へ行き、その晩は温泉旅館に投宿。


三日目

 宿泊した宿で朝食。大鰐温泉駅へ戻って朝日に乗車。五能線で日本海側を南下。千畳敷駅で下車して観光した後、車内に戻って昼食(インド料理)。

村雨:『橘』を気にしてみます。
キーパー:緑がより明るくなって、新緑の色合いにまでなりました。
須堂:黄色が強くなって黄緑色に近づいたって感じですか。

 この日の残りは終日車内。夕食は中華料理。麻婆豆腐が辛すぎて、「川越シェフの水」を大量に注文。

四日目

 五能線で秋田まで行って、奥羽本線を通って、秋田から新潟を結ぶ羽越本線で日本海側を南下。あつみ温泉駅で下車し、バスで温泉宿へ移動。朝食に和食をいただいて温泉街を散策。新津駅から信越本線、途中から上越線に入り、越後湯沢へ向かう。上越線からJR白凰線に入り、探索者たちは白凰駅で下車の予定。

キーパー:越後湯沢駅で日下部さんは下車します。急なゴルフの約束が入ったらしいです。(美輝)「ここまで来たからには最後まで行きたかったのですが。このあとの話は、また今度会った時にでも聞かせてよ」
村雨:「お疲れ様でした」
キーパー:美輝は山櫻氏と固い握手をして再会を誓いあうと、下車していきました。
白田:「もう終わりも近いのか~」



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