非時香果


常世の隠(とこよのおに)

一同:4号車の方へ逃げます!
キーパー:その前にSANチェックです。
須堂:成功!(正気度を1ポイント喪失)
村雨:失敗!(4ポイント喪失)
白田:失敗!(8ポイント喪失)
須堂:白田さんはこれで不定の狂気ですね。
白田〈アイデア〉ロールは成功。
村雨:じゃあ一時的発狂と不定の狂気に同時突入だな。この状況なら、とりあえず短期の狂気ですかね?
キーパー:そうですね。(コロコロ……狂気表を振って、11戦闘ラウンドの間、「気絶あるいは金切り声の発作」と決まる)じゃあ、11戦闘ラウンド気絶ということで。
白田:ぱたっ。これで相手を引き付ける役すらできなくなった(泣)
キーパー:しんがりはバー・カウンターから出なくてはならない村雨さんですね。カウンターから出たところで背後から怪物の攻撃。(コロコロ……)手に持った歪な風車のような斧で切られて、5ダメージです。
村雨:「痛っ!!」でもまだ気絶レベルにはいきません。
キーパー:白田さんを除く他の皆さんは4号車まで逃げました。どうしますか?
村雨:立てこもるか、もっと先の車両まで逃げるか、か。
須堂:他のスイートはカードキーじゃなきゃ開かないんですよね? それじゃあ、自室以外には立てこもることはできないってことか。
村雨:怪物を引き離すことができなければ隠れても意味はないよね。つまり4号車で自室に立てこもってもジリ貧だな。先の車両へ逃げていくしかないでしょ。とりあえず、「何なんだよ、あいつは!?」と三宅さんに声を掛けます。
キーパー:(守子)「今はとりあえず距離を稼いで!」背後から一定間隔を置いて「カラン、カラン」という音が追ってきているんですけれども、皆さんが2号車に逃げ込むと、背後で自動扉がシュっと閉まります。
村雨:お? 少し引き離したか?
須堂:それもありますけど、『橘』からの射程距離があるんじゃないでしょうか?
村雨:ははぁ、なるほど。『橘』からあまり離れられないのか?
キーパー:しばらくしても音は聞こえないようですね。すると守子がボイスレコーダーを取り出してスイッチを入れて今日の日付を吹き込んだ後、続けて「オブジェクト・クラス、ユークリッドからケテルに移行。これより本件の関係者に事情を説明」と吹き込みます。
村雨:(SCPか(笑))
キーパー:守子が説明してくれるんですけれども、非時香果というのは、古代日本人が“常世”と呼ぶ異界とこの世を繋ぐ鍵になります。深緑色の時は非活性の状態なんですけれども、何かのきっかけで活性化すると、緑から徐々に黄色、そして赤へと変わっていく、と。赤くなると完全に活性化して、鍵として機能するようになる。さらに時間が経過して赤から黒に変わると、周囲が完全に異界に取り込まれて、もう戻ることはできなくなります。
村雨:東京アラートみたいだな。
キーパー:(守子)「私たちが所属する団体はこの非時香果の力を知っていました。それを安全に保管するために、今回、入手をもくろんでいました」ということだそうです。
須堂:「では、出現した怪物は?」
キーパー:(守子)「非時香果が活性化した際に出現するものです。基本的には非時香果に近づくものを排除するようです」と説明が終わったところで、車両の後ろの方から「ウィン」と自動扉が開く音がして、「カラン、カラン」という音がこの車両に入って来ます。
村雨:「……来た! 理由はとりあえず分かったけど、何か打開策はないのか?」
キーパー:(守子)「とりあえずこの車両から離れましょう。徐々に活動範囲が広がって来ますが、まだ今は拡大過程の段階ですから、1号車まで逃げれば少しは時間が稼げます」
須堂:とりあえず1号車までは逃げますけど、ジリ貧ではある(笑)
キーパー:1号車まで行って説明の続きとなります。(守子)「活性化してしまった非時香果を鎮静化する術というのは伝わっているのですが、時間と手間がかかるので、今この場でそれを行なうことはできません。今できることとしては、非時香果をこの列車から引き離すことです」
須堂:「車両の連結を解くとか?」
村雨:なるほど! でも完全に白田とはバイバイになるけどね(笑)
白田:(泣)
キーパー:「それはシロウトでは無理じゃね?」ということは分かります。
一同:そりゃそうだ。
村雨:石川五ェ門なら展望車の椅子に座ったままでもできるけどね(笑)
白田:五ェ門がいるなら、さっきの怪物を斬ってもらった方が良いのでは?
一同:そりゃそうだ(笑)
須堂:じゃあ、どうするんだっていう……。

キーパー:じゃあ、その頃のラウンジ(5号車)。11戦闘ラウンド気絶だったら、白田君はもうそろそろ目を覚ましていいよ。山櫻氏が心配そうに、膝枕していてくれました(笑)
白田:よだれを垂らしながら目を覚まします。
キーパー:解決法は、ざっくりいうとラウンジまで戻って、非時香果を手に入れて、列車から引き離すというところです。
村雨:車外へポイっていうのが現実的だが……。
キーパー:開閉可能な窓がどこにあるのかってところからですね。怪物を引き付けるのは守子がやってくれるそうです。
村雨:じゃあ、もう行くしかねーな。
須堂:開閉可能な窓があるとすると、スイートは全室はめ殺し窓だろうから、先頭か最後尾の車両ということになる。今いるのは1号車(先頭車両)だから、開けられる窓があるかチェックしておきます。
キーパー:運転席の所には開閉可能な扉はあります。朝日はスイッチバックできるので、最後尾にも同じ扉があります。
須堂:ドアの目星はついた。OK。じゃあ、一気にラウンジまで吶喊しますか(笑)
村雨:完全に一本道だからね。まさに突破するって感じでしょうな。
キーパー:守子が先頭を行って、いわゆる「タゲ取り」をやりますので、その間にラウンジへ向かってください。では「ウィン」と2号車へ続く自動ドアを抜けて、「カラン、カラン」という音に向かって走り出します。
須堂:「お互い生き残りましょう!」と言って、三宅さんの脇を走り抜けます。
キーパー:(コロコロ……出目は02)守子のタゲ取りは成功したので、脇を走り抜けることは可能です。皆さんはずーっと列車内を走って行くことができます。では1ラウンドで1車両ということにしましょうかね。4ラウンド目にラウンジに到着します。
村雨:『橘』は何色になっていますか!?
キーパー:赤黒い色になっています。
一同:ヤバイ!!
村雨:「山櫻さん、協力してくれ! ソレ(白田)は放っておいて良いから!」
キーパー:では山櫻氏は白田君を放り出して、こちらに来ます。「何や、どうしたんや!?」
白田:う~ん、むにゃむにゃ。
須堂:「あの殺人鬼の狙いは『橘』なので、窓から破棄したいんです!」
キーパー:山櫻氏は『橘』の入ったケースの鍵を持っていますので、そうだな、山櫻氏への説明に1ラウンド、取り出すのに1ラウンドで6ラウンド経過したということで。その間の守子は(コロコロ……)生き延びています。
一同:おお~。
キーパー:(山櫻)「行きましょか!」と準備が整って、5ラウンド後には最後尾の車両に到着できます。山櫻氏が運転席の扉の鍵を開けてくれて、中に入ると窓を開けられます。
須堂:そこからポイっと。
キーパー:その間の守子はというと(コロコロ……)最後の一発が当たった。
村雨:モリリーーーーーン!(※守子)
キーパー:モリリンの耐久力が12でダメージが7だから……(コロコロ……)気絶しました。幸い最後の戦闘ラウンドでしたが……。

 ここでキーパーがダイスを振って何かの標的をランダムに決め、それは白田に定まりました。

キーパー:窓から『橘』を投げ捨てると列車の背後へフー……っと消えていくんですけれども、後に守子は語るのですが、彼女にとどめを刺そうと斧を振り上げた怪物が、グンッと引っ張られるようにして後ろの車両にすっ飛んでいったそうです。
須堂:なるほど!
村雨:実体化(?)の効果範囲があるから、『橘』に釣られるのか!
キーパー:後にアテンダントの1人が語るのですが、「急に自動扉が開いて「カラン、カラン」という音と共に飛んできたアレに捕まれたかのように、白田さんの身体が引きずられて――!」
白田:「うわぁ~!」ズルズルズル。
キーパー:『橘』を窓から捨てて一息ついていると、廊下の方から何かが引きずられてくる音と、「カラン、カラン」という音が近づいてきます。そして白田さんが怪物に引きずられてこちらへ向かってきます!
須堂:白田さんの身体を掴みます!
村雨:そうだね。見えたら掴みます。
白田:「助けて~!」
キーパー:車外へ引きずり出されないようにするために、3人のSTRを合計して抵抗することができます。
村雨:STR、8!
須堂:10!
白田:10!
須堂:合計で28ですね。
村雨:低っ! 3人で28かよ(笑)
キーパー:(笑)。相手のSTRの30に対する抵抗になります。
須堂:40%! ここは命のかかっている白田さんがどうぞ。頑張って!
白田:(コロコロ)……44!
一同:ああ!
キーパー:車両の前面ガラスを「ガッシャーーーーーン!」と突き破って、闇の中へ「カラン、カラン」という音と共に彼は消えていきます。
白田:「うわあああぁぁぁ……」
キーパー:呆然と見ていると、ふっとトンネルの照明がもとに戻ります。そしてほどなくしてトンネルから出て、列車は白凰駅で停車します。

 白凰駅に到着すると割れたはずの最後尾車両のガラスは割れておらず、バーテンダーの死体もありません。もちろん怪物と白田の姿も。

須堂:「……すべて“常世”での出来事、ということですかね」
村雨:「なるほど、そういう考え方もあるな……」モリリンとオレの怪我は事実として残っているけどね。
白田:事務所に遺影でも飾っておいてください(泣)