赤い闇をさまようもの

IV:奇妙な宝石、謎のオペラ

泰野教授:早速知り合いに電話します。 「ちょっと見てほしいものがあるんだけど」
宝石キーパー:(工学部の知り合い)「何? 時間かかるの? 今、忙しいんだけど」 この辺は〈説得〉なり〈言いくるめ〉で交渉してみてください。
泰野教授〈説得〉します。(コロコロ……)12、成功。 「すっごい物を手に入れたのよ。ちょっと意見を聞かせてほしいんだけど」
キーパー:(工学部の知り合い)「じゃあ、見るだけだからな」 ということで、二日後に時間が取れるということになりました。
泰野教授:じゃあアポは取っておいた、と。まだ時間はあるよね? この宝石についても文献を当たってみることにします。このカットの様式とか、透過率が低い赤い宝石についてとか。
キーパー〈図書館〉ロールをしてください。(コロコロ……成功)このカットというか形は偏四角多面体(トラペゾヘドロン)と呼ばれるもので、自然界でも発生し得るものです。
泰野教授:そうなのか。へぇ~。
キーパー:向かい合った辺がすべて並行ではない四角形で構成された多面体ということになります。なお、完全透過性の鉱石は、現時点では発見されていないようですね。
泰野教授:そうだよね。じゃあ、これってこの世のものじゃないってことじゃん。ゾッ……。
キーパー:そんなことが、四時間かけて分かりました。

キーパー:オペラ「扉、開かば」調査部隊も〈図書館〉ロールをしてください。
白田須堂:失敗。
一同:(笑)

新城:『扉、開かば』を斜め読みしてみます。
キーパー:斜め読みには10時間が必要です。ちゃんと理解できるのか、まずは〈日本語の読み書き〉ロールをお願いします。
新城:(コロコロ)……99(笑)
キーパー:(笑) 昨日の焼き肉で胃もたれして、字面は追うものの、内容を深く理解することはできませんでした。
須堂:台本は読み慣れないと辛いですからね。
新城:頭に入って来ませんでした。


キーパー:今一つ成果の上がらなかった調査初日は終わって、翌日です。泰野先生は工学部へ行く約束の日ですね。
新城:『扉、開かば』解読は須堂さんへバトンタッチします。入れ替わりに大学図書館へ行ってオペラの調査をします。
須堂:分かりました。読みます。(コロコロ……15)〈日本語の読み書き〉は成功。
キーパー:内容は先ほど述べた通り、民を率いて新王国にたどり着いたアルマンド王と、王弟ピエトロ、王妹マリア、賢者の対立、ピエトロによるアルマンド王殺害までが描いたものです。当然オペラの台本なので演出的な部分も書かれているわけですが、「照明を赤に切り替えなさい」、「舞台には必ずサングイス・クリスティの結晶を置いておきなさい」との指示があります。サングイス・クリスティとはキリストの血液のことです。
須堂:「キリストの血の結晶……」
一同:う~む。
キーパー:何やら不気味な内容の『扉、開かば』を読んだ須堂は正気度1ポイント減らしてください。

泰野加代子泰野教授:私は件のブツを持って工学部へ向かいます。「で、どう思う、コレ?」
キーパー:(工学部の知り合い)「なるほど、確かにコレは……普通じゃないな」
泰野教授:「でしょ?」
キーパー:(工学部の知り合い)「しばらく預けてもらって、分析をしてみないと詳しいことは分からないが」
泰野教授:「天然物なのか、人工的に切り出した物なのかくらいは分からない?」
キーパー:(工学部の知り合い)「おそらく人工物だろうな。こんなに形が整っているのは自然界では奇跡にすぎる」
泰野教授:「預けるっていうことは、サンプルも採るってこと?」
キーパー:(工学部の知り合い):「そうできれば、なお良いな。そもそも、これってお前の物なのか?」
泰野教授:「いえ、うん、それもあって勝手に貸し出すわけにはいかなくて。一応持ち主の許可が取れたら預けられるかも……」 というわけで宝石を持って帰ります。やっぱり成果なしか。

新城:さて、図書館でオペラの調査ですね。昨日の汚名を挽回します(笑)
キーパー:「自分が汚名挽回をしたく――」とジェリド的なモノマネをしながら図書館に着きました(笑) 〈図書館〉ロールをどうぞ。
新城:(コロコロ……)成功。
キーパー:少なくとも、「扉、開かば」というタイトルのオペラの資料は見つかりません。
泰野教授:古典作品ではない、ということか。あるいは、公には出されていないか。
キーパー:名前すらも伝わっていない作品という可能性もありますね。
白田:どん詰まってしまいました。


夕会新城:とりあえず、調査成果を焼き肉屋に持ち寄って共有しましょう。
泰野教授:須堂君の斜め読みが終わった段階で、どうやらこの宝石が「キリストの血」であるらしいぞ、との類推はできるよね。
新城:実際、分かったのってそれくらいですよね(笑) あとは“タケ”でしょう。
泰野教授:行ってみるか、内山設備工業。“タケ”の居所を知るにはそれしかないな。
新城:情報を引き出すには警察を挟んだ方が確実ですけどね。
須堂:警察が駄目なら弁護士を連れて行けば良いのでは?
キーパー:ここで有能なNPCを登場させようという手段はやめましょう。PCでやりましょう。そのための〈説得〉技能であり、〈言いくるめ〉技能です。
一同:なるほど。
泰野教授:ダメもとで行ってみるか、内山設備工業。
新城:行ってみましょう、お供します。
須堂:親御さん(※荒井潔)に頼んで、スマホのメールの履歴を見せてもらいます。“タケ”とのやり取りはすべて通話で行われていたのか、メールが残されているのかチェックします。
新城:キリストの血っていうキーワードが出て来たから、誰かそれに関する宝石を調べてみるってのはどうですか?
白田:では自宅の蔵書を当たりますか(※彼の「探索者の特徴(『クトゥルフ2015』参照)」は「愛書家」です)
泰野教授:この宝石がなければオペラは上演できないようだから、重要な手がかりだと思うんだよね。舞台装置としては、なかなか珍しい感じだし。
新城:オペラについては手がかりがないから、そういう舞台装置として使うような宝石があるのかどうかってことですよね。


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