#3 神崎 浩輝




(アクション)

1AP 前回、前々回の儀式について調べてみる。
 村役場や学校の図書館なんかで調べられるのでしょうか。
 確認しておきたいのは、死者のうちわけ。御三家の人間とか、前代当時の村長、宮司のような人のなかから死者は出ているか。
 あと、前回の花嫁、つまり今現在の嫁神様はどうなっているのか。持ち回りから祁堂家から出ているはずですが、そちらにいるのか。あるいは、現宮司の芦鷹真輔氏が前回の花婿(あるいはその関係者)と思われるので(花婿も御三家から出すのかまだ不明ですけど)、訊いてみるのいいかもしれないです。

2AP 蒼戸空也について調べてみる
 1APと同様に役場や学校(卒業生名簿)などで調べてみることに。
 偽名の可能性も高いですけど(25年前に亡くなってるとか)、空也の名前の方で探すか、アナグラムならaoto→oota→オオタとかしか思いつかないですねぇ。

3AP 厨子神社へ
 儀式の執り行われる場所の確認に。
 出来れば、真輔氏か巧美さんに会って、儀式の段取りも訊いておきたいですね。何かお手伝いできますか、なんて言ったりしながら。



(補記)

>1AP 前回、前々回の儀式について調べてみる。
> 村役場や学校の図書館なんかで調べられるのでしょうか。

 除籍簿の閲覧は昭和51年に法律で禁止されました。本シナリオは2003年を時代設定としていますので、村役場で過去の死者について調査することは不可能です。
 もしどうしても調べたいというのであれば、もう一度墓地へ出向いて、詳細な統計を取るしかありません(2AP必要です)。

 1AP目の行動を再申請してください。



(アクション・再)

 では、死者について調べるのは、あきらめて(墓場に再び行く時間は無いですね)、前回の花嫁(嫁神様)や前村長などが今はどうなっているのか、滞在先の親戚に訊いてみることにします。
 2AP以降は変更無しです。



(リアクション・1)

【特にどこにも行かない】
 あなたは滞在先の親戚宅に留まって話を聞くことにする。
 話を切り出してはみたものの、親戚の口は重く、歯切れがない。明らかにこの話題に触れたがってはいないようだ。初めは笑ってそんな事を聞いてどうするのか、等と誤魔化そうとしていたが、あなたが引き下がらないことを知ると明らかに表情を曇らせ、伏目がちになった。
 それでも何とか聞き出せた事柄は、前回の嫁神は祁堂家から出されており、その名前は容子(ようこ)だったという事。容子を娶ったのは、御三家とは血縁のない男で、既に亡くなっているとの事。同様に容子も既に故人だという。
 前村長は芦鷹家の人間であり、今でも存命である。ただ、芦鷹家の全権は厨子神社宮司の真輔に移っており、前村長は隠居して村政にはまるで関わっていない。公務からは完全に身を引いており、今回の厨子夜婚の儀で重要な役割を果たす予定もないとの事だ。
 ポツリポツリとではあったがそこまで話すと、それでも話しすぎたと思ったのか、親戚は立ち上がって無言のままどこかへ消えてしまった。


【蒼戸空也について調べる】
 あなたは村役場で住民票を閲覧し、蒼戸空也の名前がないか調べる。
 予想通りというべきか、蒼戸姓の住民は見当たらない。アナグラムで「オオタ」姓なども調べてみたが、年齢と性別で空也と合致するような人物を発見することは出来なかった。
 噂によると、厨子村を本籍とする者には、余さず今回の結婚式の招待状が送付されているという。空也が厨子村を本籍としていないとすれば、彼に招待状は届かない、という事になるのではないか? 奇祭を見学に来た素人学者―――には見えない。祁堂礼一や香住沙奈枝の個人的友人という事もないだろう。

 思案に暮れて、ふと顔を上げる。すると、スチール製の棚に整列した出版物が目に入る。『卒業アルバム』―――背表紙にはそう書かれていた。分校卒業者の資料として、役場に保存してあるのだろう。調べてみる価値は、ありそうだ。
 適当に当たりをつけた年度のページをめくる。蒼戸の姓は・・・ない。落胆しながらも次々と卒業アルバムを脇に積み重ねていく。やがて気づくと、50年以上も前のアルバムをめくっている事に気づく。さすがに空也が50歳を超えているとは思えない。あなたは苦笑しながらアルバムを閉じようとした。
 それが目に飛び込んできたのは、単なる偶然だった。アルバムの最後に掲載されていた卒業者一覧。厨子村の分校の卒業者の中に、「蒼戸」の文字を見つけた。しかし、下の名前は「空也」ではなかった。蒼戸雄三郎(あおと・ゆうざぶろう)。それが一覧に記載されていた名前である。
 写真がないかと思い、アルバムのページを遡る。当該ページを見つけ、写真を見てみると―――
「―――!?」
 確かに写真はあった。分校なので、集合写真だけだったが。数名の学生が並んで写っているが、そのうちの一人、学生服を来た男子学生の顔が・・・削り取られている。写っている学生の名前が写真の下に列挙されているが、そこに蒼戸雄三郎の名前はなかった。いや、これも削り取られた痕跡がある。
 あなたは役場の職員を呼び止め、件の箇所を指し示す。卒業者一覧に「蒼戸雄三郎」の文字を認めた職員の変わり様は、まさに激烈だった。ひったくるように卒業アルバムを抱えると、役場の奥へと姿を消す。唖然としているあなたが見ている前で、数名の役場の職員(特に年配の職員)が慌ててアルバムを追いかける。
 しばらくすると、若い女性職員がお茶と一緒にアルバムを抱えて現れる。お茶を出しながら、失礼しました、と詳しい理由を説明せずにあなたにアルバムを渡す。卒業者一覧のページを確認すると、慌てて処理した事が分かるほど乱暴に、蒼戸雄三郎の名前は削り取られていた。

 緊張した役場の雰囲気の中で、いくつもの視線があなたに集まっているのを感じながら、卒業アルバムを棚に返して役場を後にする。
(※ロールに1回成功しています)


【厨子神社に行く】
 厨子村で最も目を引く建造物が、芦鷹の管理する厨子神社である。厨子村の規模からすると、立派過ぎるほどに感じられる豪奢な社殿に至るには、山の斜面に沿って積まれた数百段の石段を登っていかなくてはならなかった。
 石造りの鳥居をくぐると境内が広がり、左右から灯篭に照らされた石畳の参道が社殿の前まで続いている。境内には本殿の他に舞殿、宝物殿がある。

 厨子夜婚の儀を間近に控えて、厨子神社は大方その準備を終えているようだ。本殿の正面入り口が開け放たれて、中に祭壇が組んであるのが見える。祭壇の中央には神社の御神体「厨子」が置かれており、祭壇の前には、見張り役といった役どころか、神主装束の男たちが数名いて酒を酌み交わしながら何やら雑談中だ。
 境内は整然と篝火台が並べられ、注連縄や紙垂、幕によって厳かに飾り立てられている。そんな祭儀の仕様の中にあって一際違和感を醸し出しているのが、本来鈴が取り付けられている場所に吊るされた「鐘」だ。鐘と言っても寺社で用いられる釣鐘型のものではなく、どちらかと言うと西洋教会の尖塔に吊るされる「ベル」に近い。

 境内を見回して宮司・芦鷹真輔かその姪である芦鷹巧美の姿を探す。間の悪いことに、それらしき人物を見つけることは出来なかった。もっとも、あなたは真輔や巧美に会ったことすらないのだから、顔も分からないのだが。
 仕方なく、ほろ酔い加減の神主装束の男たちに声をかけることにする。何か手伝うことでもないか? とのあなたの申し出には、笑い混じりの皮肉が返ってきた。見ての通り準備はほぼ終わっている、手伝いに来るならもっと早くから来い、と。それでも新しい杯を持ってきて、あなたに祝酒を振る舞おうとする事は忘れない。機嫌を損ねることも無いと思い、あなたは一杯だけ付き合うことにする。
 祝酒に口をつけながら聞き取った所によると、明日の夜中の祭儀本番まで特にやることはないのだという。もちろん花婿・花嫁は禊をするだろうが、参列者には関係のない行事だとも言える。あとは暗くなったら各家で篝火を焚いて村道を明るく照らし、輿に乗せて花嫁を厨子神社へと運ぶ。それから宮司によって祭儀が執り行われ、村人は余さずその祭儀に参列する。段取りと言えば、それが全てだという。

 際限なくなりそうな酌の申し出をかわすと、あなたは厨子村の境内を後にする。帰り際、境内で見知った顔―――玉木司と朝倉圭―――を見かけたが、向こうが気付いている様子もないので、特には声をかけなかった。