2005年奥利根

 「正月(2日〜4日)に上越線で重連SL(D51とC57)奥利根号が運転される」という記事が雑誌に掲載されていた。
 以前から雪景色の中を行く蒸気を撮りたいと思っていたし、正月に家にいてもテレビを見るだけの生活が目に見えているため、上越行きを決定!重連SL奥利根号は上越線の高崎駅と水上駅の間を1往復するが、高崎駅を10:01に発車するため当日移動していたら間に合わない。そこで、立てたスケジュールがこれ。

 1日目、2005年元旦。いつもと変わらない時間に起床し、忘れ物がないか再チェック。今日中に高崎に着けば良いのだが、11時過ぎに自宅を出発。青春18きっぷを片手に、最初の目的地沼津へ。
 JRで東京へ行く場合、名古屋駅から新幹線で東京駅へというのが一般的だが、今回は前から一度は乗ってみたいと思っていた列車で東京へ行く事にする。
 JR東海と小田急電鉄が相互乗り入れをし、沼津〜新宿(小田急)間を走る特急「あさぎり」。その中でもJR東海が「あさぎり」専用車両として登場させた371系は1編成しかなく貴重な存在。サイドビューや座席は大好きだった100系新幹線とそっくりで、新幹線で新宿へ行く感覚になる。「あさぎり」の車窓は何といっても富士山。頂上付近に雲がかかっているものの雪化粧をした美しい姿を見ていると心が安らぎ、飽きる事がない。
 「あさぎり」の新宿到着は17:29。そこから宿泊地の高崎へはさらに2時間。高崎駅前が一面雪景色であるのを見ると移動の疲れはどこへやら。明日への期待で胸がいっぱいに。

 2日目。雑誌で見かけて気に入った写真と同じものが撮りたくて、最寄駅である岩本駅へ向かう。
 その撮影ポイントへは「タクシーで行くのがいいだろう」と紹介されたいたが、駅前にはタクシーは1台もない。といって歩くには遠すぎるし、歩道のない雪が残った道(国道で交通量も多い)は危険だったため、あきらめて線路沿いを歩いて撮影できそうな場所を探すことに。歩いている途中からは神戸から来たという方と一緒になり、さらに高崎から来たという年配の方も加わって、鉄道ネタはもちろん地域ネタなどを話しながら待ち時間を楽しく過ごす事ができた。
 重連SL奥利根号が通過すると、思い思いに次の撮影ポイントへ移動。自分は水上駅で折り返しのために整備しているD51とC57を撮影し、上牧駅近くで重連SL奥利根号(上り)を待ち受けることにした。
 撮影後、高崎へ戻る途中渋川駅で先行していた重連SL奥利根号に追い付いたため、日章旗としめ縄で着飾ったD51を間近でパチリ(→)。

 3日目。下り、上りともに今日は上牧駅周辺で撮影。
 撮影ポイントへは場所取りのため2時間くらい前には行くのだが、この時その撮影ポイントは自分以外誰もいなかった。が、重連SL奥利根号が通過する30分前頃に集団が押し寄せ、狭い撮影スペースがあっという間に人口過密地に変貌。早く来ておいて正解だった。

 4日目。自宅へ帰ることを考えると遠くへは行けないし、上りを撮影するのも難しい。そこで、初日と同じ岩本駅近くのポイントへ行く事に。カメラをセットし終え日向ぼっこして待っていると「先日はどうも!」と声をかけられた。振り向くとそこには初日に同じ場所で会った年配の方の姿があり、「昨日はどこで?」と会話が始まる。
 撮影も無事に終わり、普通電車で東京駅まで辿り着いたものの、そこから先も18きっぷで帰り続ける気力もなくなり、素直に新幹線で帰ることにした。

 今回のような撮影に行くと最近気になるのが、撮影マナー・乗車マナーの悪さ。もちろんマナーを守っている人が大半なのだが、一部で鉄道ファンとは思えない行動をしている人がいる。鉄道会社や地元の方に迷惑をかけず、お互いが安全に、気持ちよく、いい写真を撮れるように心がけて欲しいものである。