悪夢の始まり

「お目覚めかい?」

 眠たげな目で、周囲を見回す少女。

( んっ!)

 状況を把握した途端、彼女は必死に手足をばたつかせる。

「無駄だよ。擦り傷が増えるだけだ。」

 忠告が聞こえないのか、動きをやめようとしない。

ガタンッ!!

 彼女が縛られているテーブルを蹴飛ばすと、瞬時に動きが止まった。

「そう、それで良いんだ。」

 恐怖の色を目に浮かべて、俺をじっと見つめる彼女。

 俺はテーブルを回り込んで、彼女の横に立つと、ポケットから携帯電話を取り出した。

「君の家には、友達の所に泊まるとメールを入れておいたから。」

 自分の携帯電話を見て、かすかな希望を抱いたのか、ストラップの先に揺れる携帯電話を、彼女の目が物欲しげに追う。

「大丈夫、電源は切ってあるから。誰にも邪魔されないよ。」

 猿轡の下から、落胆のため息が漏れる。

 髪の毛を軽く撫でると、嫌がって顔をそむけるが、体中が緊張しているのが分かる。小さな抵抗がいじらしい。

 俺がショーツの上に指先を這わせると、彼女はビクンと体を硬直させた。

「これから、良い夢を見せてあげるから。」

 指をショーツの隙間へと潜りこませる。

「たっぷりと楽しんでくれよ。」

 指先で彼女の体温と湿り気を感じつつ、自分の顔を彼女の顔にゆっくりと重ね、そのままキスをした。
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