このページは、お読み頂くのはご面倒かとも思います。もしも御興味がお有りでしたらで結構ですので。
(私としましては、流れのうえで これも何とかお伝えしたかった訳ですが... どうか御容赦下さいませ。)*
*** メンデルの法則 ***
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(以下のこのブルーの字の部分は、遺伝学電子博物館サイトの
http://www.nig.ac.jp/museum/index.html上記の中の近代遺伝学の流れのページより転載させていただきました。)
http://www.nig.ac.jp/museum/history/kindai/index-kindai.html
各見出しの項目は、その下のurlの記事の転載です。
Mendelは修道院の庭にエンドウを植え、その種子の形や子葉、種皮の色、
サヤの硬さや色、花の付く位置、茎の高さなど七つの形質を用いて交配実験をし、
1866年「植物雑種の研究」という論文にまとめて、チェコスロバキアのブルノ
自然科学誌に発表した
============================ 優劣の法則
http://www.nig.ac.jp/museum/history/kindai/kindai-04.html生物のある1対の形質 (たとえばエンドウの種子の形が滑らかで全体が丸いもの
と、シワが寄って角ばっているもの) をもつものを交配すると、雑種第一代(F1)
では、すべてが両親のどちらか一方の形質のもの(表面が滑らかで丸いもの)のみ
が生じ、他の親の形質のもの (シワが寄って角ばったもの) は現れてこない。
このような雑種第一代で現れる形質を優性(dominant) といい、現れない形質を
劣性(recessive)という。雑種第一代では優性の形質のみが現れ、劣性の形質が
現れない現象を優劣の法則(law of dominance)という。エンドウの七つの形質
にはすべて優性のものと劣性のものとがある。この現象を遺伝子で説明すると、表面が滑らかで丸い形質を支配する遺伝子を
A、シワが寄って角ばった形質を支配する遺伝子をaとする。両親の体の細胞には、
同じ染色体が2本ずつペアで存在するので、遺伝子も2個ずつ存在し、AAおよび
aaの遺伝子が存在する (これを遺伝子型という)。この両親から生殖細胞
(花粉または胚珠)ができるときに染色体が半減し、遺伝子もAまたはaが一つずつ
生殖細胞に分配される。この生殖細胞どうしが受精すると、雑種第一代 (F1) は
Aaという組合せになり、Aはaに対して優性で、F1の個体はすべてAの形質を現す。「基礎遺伝学」(黒田行昭著;近代遺伝学の流れ)裳華房(1995)より転載
============================ これを 血液型 A型の人と O型の人でたとえてみます。
染色体の数はどの動物も種別ごとに各種雌雄同じ数で、父から半分、
母から半分の数をもらいます。と言う事は、精子と卵子は普通の細胞が2つに割れた様なものとして考えて下さい。
丁度紅白まんじゅうの赤も白も半分に割って、赤と白互いに違う色どうしを
選んでくっつける様な感じです。例として、
A型の人(父)の生殖細胞をA,Aとし、O型の人(母)の生殖細胞をO,Oとします。子供は父からどちらか片方を、母からも片方をもらいます。
するとこの場合 (片方ずつをもらう訳ですから)A,O の要素を持つ子供だけしか
生まれません。動、植物で言うとこれを 雑種第1代 (F1)と言い、A,O つまり、
AとO の 両方の要素を持っている、しかし血液型は全員A型の個体となります。これを A は O に対して優勢と言う考えをします。
============================ 分離の法則
http://www.nig.ac.jp/museum/history/kindai/kindai-05.htmlこの実験で得られた雑種第一代 (F1) どうしを交配すると、雑種第二代 (F2) に
表面が滑らかで丸いもの (遺伝子型はAAまたはAa) と、シワが寄って角ばったもの
(遺伝子型がaa) とが3:1の比で生じる。このように雑種第一代では現れなかった
劣性の形質が雑種第二代で分離して現れる現象を分離の法則 (law of segregation)
という。これは、F1個体から生殖細胞ができるときに、花粉も胚子もAまたはaの遺伝子が
1個ずつもったものが同じ数だけ生じ、それらが互いに受精して生じたF2個体では
AA:Aa:aaが1:2:1の比で生じ、Aはaに対して優性なので、表面が滑らかで丸いもの
と、シワが寄って角ばったものとの比は3:1となるからである。「基礎遺伝学」(黒田行昭著;近代遺伝学の流れ)裳華房(1995)より転載
つぎに、先程の A,O の要素を持つ子供兄妹どうし、(人では絶対
起りませんが....) 結婚したとします。同じく、子供は.....
父から A,O のどちらか片方を、母からも A,O のどちらか片方をもらいます。
その2世を、(動、植物で言うとそれを 雑種第2代(F2)と呼びます。)A,A A,O O,O の要素を持つ子供が1:2:1の割合(比率)で出来、
A は O に対して優勢なので、A型が3人、O型が1人の様に 優勢のものと劣勢のものの対比は3:1の
割合で生じます。これを烏骨鶏に応用して、烏骨鶏、その他の鶏と言う具合に
たとえ3:1の割合ででも きれいに分離できるのなら、
4羽中に1羽は原種という事になるのですが . . .
それに要素が たった1条件だけの話しでしたら. . .しかし烏骨鶏には十則、この10要素の上に体型、羽色、毛質と
揃はなければいけない条件が、気の遠くなる程あります。............
そうは上手く行きません。その他に 遺伝子の連鎖と乗換え、中間の形質の出現 等も有ります。
============================ 烏骨鶏の十則 / 絹毛、黒肌、毛冠、脚毛、桑実冠、緑耳、5指、
顎鬚、黒骨、黒肉、の形質につきましても 優勢、劣勢は有ります。それは丁度、先程の内容の A,O の状態に当たります。
表現型(もしくは外見上)は A ですが、
遺伝子の部分に 劣勢の形で隠れ持つ O の形質がありました。
============================
外見上は烏骨鶏の条件を満たす鶏でも、もし他種の鶏の要素が劣勢なら
それを裏にかくれ持つ事になるわけです。うろ覚えですみませんが、たしか脚毛、白色以外の有色の羽色とかは、優勢で
それらを持たない個体とかけても 前者が優勢ですから
優勢の形質が(斑か中間色とかで)姿に出るのだったと思います。
============================逆に、劣勢の要素は 血液型の O型の時と同じで、
同じ形質がゾロ目(ホモの状態)で揃った時にだけしか出ません。この様に、劣勢の遺伝子でも、それがゾロ目に揃った時には、
優勢の影に隠れて居た劣勢の姿→(違う鶏の要素)が、
完璧な姿の烏骨鶏どうしの、つがいからも 出ます。
(A,A や O,O の様に同じ形質が2つ揃った時の形をホモ、
A,O や A,B の様に違う形質が半々の形をヘテロと呼びます。)
============================ 優劣の法則に合わない遺伝
http://www.nig.ac.jp/museum/history/kindai/kindai-13.htmlメンデルの優劣の法則では、雑種第一代 (F1) では、両親のもっている優性の形質
のみが現れて、劣性の形質が現れない。しかし中には、F1個体で両親の中間の形質を
現すものがある。カイコの幼虫の皮膚の色には黒縞のものと白色の"ひめこ"と呼ばれる
ものがある。この両者を交配すると、F1個体は両親の中間のうすい黒縞となる。
さらにこのF1どうしを交配すると、F2では黒色:中間色:白色が1:2:1の比で分離する。F1で両親の中間の形質が現れるものとして、マルバアサガオの花の色でもその例が
知られており、赤色のものと白色のものとを交配するとF1では中間の淡赤色となり、
F2では赤色:中間色:白色が1:2:1の比に分離する。このような中間色を現す例は、遺伝子の
組合せがヘテロ型となったときに、優性の遺伝子によって作られる産物が半分になるため
に起る現象で、メンデルの実験で使用されたエンドウの七つの対立形質では、遺伝子産物
が半分になっても、表現型としては全量の場合と同じように現れてきており、
遺伝子産物の量とそれが表現型としてどのように現れるかの違いである。「基礎遺伝学」(黒田行昭著;近代遺伝学の流れ)裳華房(1995)より転載
これを烏骨鶏に当てはめると、十則の内どれかと過去にかけられた
鶏の形質とが半々の形(足して2で割った形で)姿に出るという事ですね。
丁度、中間のものが出る訳です。そうすると、うちの烏骨鶏の毛質等は、全員絹毛ではありますが、
同じ絹毛でも分厚さ、質、長さ、ツヤ、が違います。
そうすると、このあたりの法則が 当てはまっているのでしょうか...甲か乙かならまだやりやすそうですが、羽毛の長さも色も体格も中間となると
元に戻すのに苦労しそうですね.....。
============================ 独立の法則に合わない遺伝
http://www.nig.ac.jp/museum/history/kindai/kindai-14.htmlメンデルの独立の法則では、2対以上の異なった対立形質に関する遺伝子は、
お互いに他の遺伝子に干渉されることなく、独立して行動する。Mendelが扱った
エンドウの七つの対立形質は、いずれも異なった染色体上に存在し、それぞれの
染色体は独立して子孫に伝わるために、独立の法則が成立した。しかし、同じ
染色体上に二つ以上の対立形質の遺伝子が存在する場合には、この二つ以上の
遺伝子は独立して行動することができない。その遺伝子が存在する染色体と行動を
ともにし、独立して行動しないで、一緒になって子孫に伝わる。
これを遺伝子の連鎖 (linkage) という。アサガオの花の赤色とオレンジ色、葉の緑色と黄色という二つの対立形質の
遺伝子は、同一染色体上にあって、花の赤色はオレンジ色に対して優性、葉の緑色は
黄色に対して優勢である。この2対の遺伝子は連鎖関係にあるので、独立して
行動することはない。花が赤色で、葉が緑色のものと、花がオレンジ色で葉が黄色の
ものとを交配すると、F1は花が赤色、葉が緑色となる。
また、このF1と両親の一方の花はオレンジ色、葉は黄色のものと交配した
戻し交雑では、赤色・緑色とオレンジ色・黄色のものが1:1の比に現れてくる
はずであるこのように、同じ染色体上の二つ以上の遺伝子は、その染色体と一緒になって
行動し子孫に伝わるはずである。しかし、時には、ペアをしている2本の
相同染色体の間で、乗換え(crossing-over) が起り、遺伝子の組換え
(recombination) を起すことがある。
上に述べたアサガオの花色と葉色に関して、F1と両親の一方のものとを
戻し交雑をした場合には、F1個体から生殖細胞ができるときに花色の
遺伝子と葉色の遺伝子の間に1.2%という低い頻度で染色体の組換えが起こり、
通常の赤花・青葉:オレンジ色・黄葉が1:1のものの他に、
赤色・黄葉やオレンジ色・緑葉という両親にはなかった新しい組換え体が
出現する。「基礎遺伝学」(黒田行昭著;近代遺伝学の流れ)裳華房(1995)より転載
これは私の推測ですが、現在オス、メスの決まる染色体/ X (雌), Y (雄)の
どちらかの所に 羽の色を決める遺伝子で優勢のものが相乗りしているの
だろうと思われるもの(これはヒナの雌雄を羽の色で見分けるというものです)そしてアローカナの様に三枚冠(特定のとさかの形)に卵殻が緑になる遺伝子が相乗り
(三枚冠の鶏しか青い卵を産みません。)に なっている例があります。
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もしも仮に烏骨鶏にもこの法則が当てはまるのでしたら、
鶏の保存に必ず付きものの 戻し交配の時 等に . . .
出来て来る雛の相同染色体上(例 : Xに対してはY みたいな対のもの)の間に
乗り換え>本来の条件と逆の個体も1.2%はあるのかしら。
そしてさらに全然違った形の、もう予測出来ない個体の発生も起るのでしょうか。
(この件は実際にどうなのか見た事がないのでわかりません。推測だけです。
どうもすみません.....)、*
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