AUMIMANIAX 
〜淡海夫婦あちこち探訪〜 

るん

 比良山麓の里山の中。
 林に囲まれた別荘地帯に、ひっそり佇む店があります。
 南欧風の建物と、家庭的なサービスが受けられるオーベルジュ。
 のんびりとした里山の時間、隠れ家的なその雰囲気を楽しみつつ、
 湖と清流と山の恵みを存分に受けた食事を楽しめる。

 質の良い"休日"を楽しみに、ちょっと足を伸ばしてみませんか。


→第6回 比良山麓 南欧の香りに 包まれて
■南欧田舎厨房
  田園のテーブル■
田園のテーブル入り口
〒520-0503
滋賀県滋賀郡志賀町北比良1039-45
TEL 077-596-1657
FAX 077-596-1656

【WebSite】

店内風景

店内風景
 G.W.の始まりの2005/4/29、成安造形大学主催の『淡海の夢2005企画「仰木・春の棚田写生会」』に少し顔を出して挨拶をしてきた後で、さて何か食べようか…ということになり、例の如く「mu」をパラパラとめくっていました。
 いつも、人との出会いも物との出会いも、そして美味しい店との出会いも全て"縁"だと思っているのですが、やはり何かの縁なんでしょう、すぐにこの店の記事に行き当たりました。きばが妊娠してからこっち、あまり遠出も出来ない為、食事の為に湖西の北の方に行くという事も無かったのですが、仰木から志賀町ならそう遠くもなく、天気も良いしきばの体調も良かったし、折角の休日なので足を伸ばしてみることにしました。

 さて、この「田園のテーブル」ですが、「オーベルジュメゾン」という施設のレストラン部分です。他にも結婚式を行えるチャペルがあったりするし、勿論オーベルジュなので宿泊も可能です(オーベルジュとは、宿泊施設を伴ったレストランのこと)。ダイニングのすぐ傍には割と大きめのチャペルが存在し、ほぼ全面がガラス張りの非常に明るい作りになっています。なるほど、こんなところで挙式するのも悪くないのかも知れない…その後のパーティーも楽だし、などと思いながらランチを頂きました。身内+友人や親しい人間だけを呼んでのウェディングにピッタリだろうと思います。
 このオーベルジュメゾンへのアクセスは、お店のページの方に地図が載っていますが、まぁもうそのまんまです。というか、滋賀でこれ以上詳しい地図は書きようがないかも知れません(笑)。MapFanに検索させると、こんな感じになります。R161を北上し、「比良舞子口」の交差点で左折します。ちなみにこの交差点、信号のところに交差点名の表示がありませんので、びわこ成蹊スポーツ大学前の交差点』と覚えておいた方が無難です。左折して比良山の方に向かうと、200mほどで比良とぴあへの入り口の看板のあるT字の交差点がありますので、そこで右折します。信号はありませんのでご注意下さい。比良とぴあの横を過ぎると、後は林の中を道なりに進んでいきます。要所要所で、オーベルジュメゾンの案内板が立っていますので、それに従えば問題は無いでしょう。なお、オーベルジュメゾン自体の駐車場はかろうじて3台が止まれるほどの狭さなので、第2駐車場を利用した方が良いかも知れません。何せ、店の前は転回するのも困難なほどの狭い路地ですので、いったん店の前まで入ると、駐車場が一杯の場合はバックで出ることになりますから。


 閑静な別荘地の一角にあるこの店は、周りを豊かな緑に取り囲まれ、色とりどりの草花が咲き誇るエントランスから受付へと歩いていく、ただそれだけでも何だかワクワクした気分にさせてくれます。一歩中に入ると、創造した以上に広い木造のダイニングになっており、広さの割には数を抑えたテーブルと椅子のセットが、お互いの間隔を充分に空けて配置されています。木の温もりと充分に大きな南側の窓から採光される陽光、中央のアイランドタイプのキッチン上のレンジフードに下げられたニンニクや手鍋の類が、穏やかな空間をより温もりのある、落ち着いた魅力のあるものに仕上げています。また、テラスの方でも食べることが出来るようにセッティングが為されていましたので、これからの時期、天気の良い日などにはテラスで爽やかな高原の風を感じながら食事をするのも良いかも知れません。
 今回頂いた料理は、2,100円のコースと3,675円のコース。月ごとでメニューが変わるそうですが、4月のメニューは以下の通りでした。

  2,100円のコース 3,675円のコース
前菜 スモークサーモン(?) パパイヤのチーズ添え生ハム包み(?)
ツブ貝とシメジのバターソース炒め
/ガーリックフランス添え(?)
サラダ (オプション \315) 里山のベジタブルバー
メイン アイナメまたはブラックバスのグリエ イワナのグリエ
牛頬肉の煮込み 牛フィレ肉のステーキ
スープ
春キャベツのスープ
ライス
オーガッニク五分突き米と古代米の合わせご飯
デザート
バニラアイス/アップルパイバニラアイス添え(?)
飲み物
珈琲/紅茶




 (?)が多いのは、特別メニューを頂いたりしたわけでは無かったので、料理名が分からないからです(笑)。コースによる違いは、色付きのセルくらいのものでしょうか。
 スモークサーモンは、写真の通り、薄切りにしたものにジュレソースのようなものがかけてあったものが一点、細く切ってソースと和えた物が一点出てきました。もうこの前菜の時点から、既に鳥肌が立つくらい美味しくて。パパイヤを生ハムで包んだものは、多分中にチーズが入っていたんだと思うのですが、生ハムの塩気とパパイヤの甘み、チーズのコクが口の中で一体となり、得も言われぬ芳醇な味を楽しめました。メロンの生ハム包みは良く目にしますが、比じゃないです、マジで。
 ツブ貝とシメジのバターソース炒め(だと思う)は、上にかかっていたソースがとても美味しくて…多分キノコのソースだと思うんですけどね。これを、ダイニング中央のコンロで調理してそのまますぐにテーブルへと出してくれるので、熱々のところをガーリックトーストで頂くという贅沢が楽しめました。
ベジタブルバー 2,100円のコースではオプションになりますが、里山のベジタブルバーは、是非追加料金を払ってでも食べたい一品です。今回はオレの方のコースにだけ付いてきたのですが、二人で食べやすいようにと大皿に盛ってくれたようでした。この辺の細かなサービスも、非常に嬉しいところでした。それにしても、野菜好きな二人ではありますが、シンプルな野菜があんなに美味しいとは。ラディッシュや蕪を生で食べられるとは思ってませんでしたし、生で食べてあんなにも美味しいものだとは思いませんでした。里山の空気を吸い、豊かな土壌と清らかな水で育った野菜は、何よりの御馳走なのだな…と、田舎出身ではありますが、改めて感じました。
ブラックバスのグリエ 2,100円のコースでは、アイナメかブラックバス、どちらかのグリエが選べました。きばは、アイナメにしたそうだったんですが…そこはそれ、やっぱり湖国に住むものとしてブラックバスにも挑戦しておきたいもの(この時点で横取りする意志ありあり)。きばに熱い視線を注ぎ(ガン付けともいう)、ブラックバスを頼んでもらいました。出来た妻です。ブラックバスは、評判通り淡泊な味で、上質な白身魚といった感じでした。キャッチ&リリースなどといった、似非紳士風な気取ったことぬかさず、釣り人にはどんどん釣ってどんどん喰いまくって、絶滅させて欲しいものです、琵琶湖から。
 3,675円のコースのイワナのグリエは、今回新鮎が入ったとのことで急遽鮎のグリエに。久々の鮎…そういえば20年近く昔に、びわ町に鮎を食べに行って、たらふく食ったことがあったっけ。幸せな思い出の一つ。鮎を食べると、その時の幸せな気分が甦ってきます。鮎は香魚ともいうくらい香り高いから尚更なのでしょうか。しかし、鮎とトマトがあんなに合うとは思わなかった…トマトは、ブルスケッタにするときのような感じに仕上げてありました。そういえばブルスケッタにはシラスを入れることもあるわけで、成る程、合うはず。鮎の馥郁たる香りとトマトの清涼感が互いに高め合い、爽やかな食感を楽しめました。
牛頬肉の煮込み 何と言っても素晴らしかったのは、牛頬肉の煮込み。牛フィレ肉のステーキも素晴らしかったのですが、頬肉の柔らかさと煮込んだことで肉の奥の奥まで染み込んでいる味の豊かさは、もう…はぁぁぁ〜、もう一度食べたい。ソースも素晴らしい味。フィレ肉と頬肉で胡椒の量などもちゃんと調整されており、フィレ肉は若干スパイシーに濃いめの味付け、頬肉は滑らかで豊かな香りの楽しめる味付けでした。少しカレー粉の香りがしましたが、クミンやフェンネルシードの香りでしょうか?ナイフなど全く必要なく、口の中ですぐにとろけていく頬肉は、もう絶品です。頬肉食べて頬落ちる。あるある探検隊ッッ!!…って感じでした。付け合わせの筍がまた絶品で…あぁぁぁぁぁ、筍だけで十分一品になるよ、アレは。
 春キャベツのスープは、てっきりコンソメ仕立てかと思っていたら、むしろポタージュ的な仕立てにしてあり…一口啜ると、鳥肌。二口目には、安堵。三口目には、至福。スープであそこまで感動したこともなかったんじゃないでしょうか。とにかく野菜が旨い。ベジタブルバーもステーキの付け合わせもこのスープも、至る処で野菜の使い方が上手で美味しい。『肉が旨い』とか『良いお肉』ならばお金次第かも知れませんが、美味しい野菜、というのはやはり美しく豊かな自然と、作る人の愛情、料理人の理解次第なんでしょうね。




 全てが美味しかった。今まで食べた店の中で、一気にトップに躍り上がりました。ちょっと遠いのは難点ですが、是非足を運びたい店の一つに入りました。また来ようと思います…何年先になるかは、分かりませんが。

 気を付けておきたいのは、この店のランチタイムは11:30〜14:00(L.O.)、18:00からのディナーは完全予約制である、ということです。我々が食べ終えて店を出る14:20頃にやって来た一組は、ランチにありつけていませんでしたから。志賀町までは割と時間がかかりますので、その辺りのことを計算に入れておきたいものです。"そうまでしてでも"食べに来る価値が、この店にはあります。



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スモークサーモン

パパイヤの生ハム包み

ツブ貝のバターソース炒め
以上前菜三種




















鮎のグリエ


牛フィレ肉のステーキ








春キャベツのスープ

バニラアイス&アップルパイ



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