PC WORKS
MENU>     ISHIZUE INNER OUTER DESKTOP 主戦場は四畳和室

-モテルモノ、モタザルモノ-

 大学に入学した。こう言っちゃ何だが、そんなに大した学術に対する崇高な姿勢なんてものは持ってなかったし、専念して何らかの研究に打ち込もうって尊い意志を持ってたわけでもない。ではその辺のアホアホ大学生と同じかというと、それはワタシのプライドが許さない(笑)。ま、基本的に、日本文学をやろうという心づもりは入学当初からあったし、何つっても真面目な好青年だったからね、遊びまくってやる、ナンテ思いはさらさら無かった。
 それに、大学に入ったらパソコンの勉強しよう、そんな思いを抱いていた。でも、最初の一年間は勉強とかで忙しくて、パソコンに目を向けてる暇なんてものが無かった。(Playstationは買った。)

PC-9821V13C2 自分用のパソコン買ったのは、大学二年生の夏。『PC-9821V13C2』、当時かなり売れ筋だったバリュースターシリーズ。CPUがPentium/133Hz、メモリは16MB、HDDが1.2GBと言うシステム構成の、今から考えると哀しみすら感じるシステム。それでも、ディスプレイは付いてきたし、最初から色んなソフトが付いてくる…かなりお買い得に感じた。やっぱ色々付いてる方が便利だし、悩まなくて済む。
 そう思ったのが間違いだったというか、よく知らないが故の暴挙だったというか。そもそも、この頃は各社、パソコンにとにかく色んなソフト付けて、『こーんな事やあーんな事が出来ます』てのをウリにしていた時期で、とにかく最初っから使いもしないようなソフトが付いてくる。富○通のパソコンなんて、スタートメニュー開くと膨大な量のソフトが入ってて、初期状態からスタートメニューが二段になるって程の詰め込み様だった(今でもあんまり変わってないが)
 ま、確かに初心者向けには良いかも知れない。『何かやりたい』と思えば、いちいち店員の冷たい視線にさらされに店舗に向かわなくても、パソコンの電源入れれば其処に用意してあるんだから。事実、ワタシも最初のうちはそれで楽しんでた。ま、あの『98ランチ』とか言う物がいきなり画面一杯に表示されて、デスクトップ画面が全く見えなかったのにはビックリしたけどね…。雑誌で解説してある写真と違うんだもん、どうしようかと思った。

 で、まぁやっぱパソコンを初めて買った人が最初に買う周辺機器といえば、プリンタ。ただまーこの頃のインクジェットの品質って、お世辞にも良くなかったし。それに、俺自身カラープリントする予定無かったし。んで、買ったのがレーザー…(上の写真の中央のヤツ)すぐに不満が出てきました。だって。

カ ラ ー 印 刷 出 来 な い し

 やっぱ、業務用じゃないんだから、どうしてもカラー印刷がしたくなる。さらに加えて、ちょうど私が高校の3年の時くらいから、彩色にPCを用いるプロが増えてきて、ワタシもCGに興味を持ちだしていた。だからカラー印刷の出来るプリンタが必要だった(笑)。<じゃあなおさら何故レーザーだというツッコミは却下
 それで買った、初めてのインクジェットプリンターが上の写真の右下のヤツ。そう、この当時、ワタシャプリンタ二台とゆーぜーたくな環境だったのだ。カラー印刷はインクジェット、モノクロ印刷はレーザー、おおお、素晴らしい、何ちゅーかこう、エグゼクティブになった気分じゃネェか…と思っていたのも束の間。
 実際繋いでみると、コレがトラブるトラブる…何か上手く印刷は出来ない、色は変、画質は汚い…もう散々。その当時、ワタシはこの二台を切り替え機で繋いでたんだけど、最初はこいつが原因かと思った。でも、全ピン切り替えの機械式接点のヤツだからそんな事もないはず。もう自分ではわからなくなり、ショップに通い詰める日々。ショップの店員も"何でなんでしょうねぇ"の一点張り。使えん。後日、この問題はWindowsPrintingSystemが入っているところに他のプリンタ監視機能を持つドライバ入れたのが原因と判明して、何とか事なきを得たんだけれども、この時はホントに何が何だかわかんなくててんてこ舞いだった。この時、確か初めて再インストール経験したんじゃなかったかな…でも、良い経験にはなったと思うんだけど。今ではさすがにそんなことで再インストールはしたりしないが、当時はソレしか方法がないかと考えたんだ。


PC-9821V13C2vol.2 ま、そんなこんなで暫くは普通に使ってたんだけど、やっぱその内色々と不満も出てくる。で、そうなってくると増設って事になるんだけど、如何せんPC-98シリーズ、増設の余地がほとんど無い。メモリはまぁ何の問題もなく64MBに増設成功した。HDDはメルコの増設用2GB買ってきて取り付けた。ココまでは良かった。でも、その後…グラフィックやSCSIを追加しようとしたところから悲劇が始まったと言っても良かろう。
 最初は、SCSIボードを買ったんだ。PCIバス接続の。だって、SCSIって速度重要だって聞いたから。外部接続機器が欲しかったし。でも、その内どうしてもV13の貧弱なグラフィック周りに嫌気がさしてきて、グラフィックの換装も試みることにした。で、V13はPCIバス一つしか持ってないから、自ずと製品はCバス対応製品って事になるんだけど。買って付けてみたら、コレが遅い。どーにもCバスの転送速度じゃグラフィックはキビシイらしい。じゃ仕方がない、PCIビデオカードを買ってくる。しかし、こうなると今度はSCSIボードが使えない(笑)。仕方無しにCバスのSCSIボード買う羽目に。何ともワヤである。安さを求めたので、全ての製品がメルコ製だったと言うのも何やら暗示的ではあった。ちなみに、これ以前に買ったFM音源ボード(何の目的かは推して知るベシ)は、取り付けたはイイものの、やはりWindows自体がかなり重くなったので取り外す羽目になった。こんなんばっかし。

 でも一番気になったのは、ディスプレイの表示品質とスピーカ問題だろうか。ディスプレイは、標準添付と言うこともあってか、表示可能な画面解像度も狭く、リフレッシュレートも上げられない、さらにコントラストも輝度も低い上にピンぼけしたような映像、と何処をとっても良いことのないディスプレイだった。NECって言うと、アメリカなんかでは良質のディスプレイメーカーで知られているらしいんだけど、どーにも、添付品のディスプレイなんてのは手を抜かれるみたいで、とてもじゃないが満足できるなんて品質じゃなかった。とは言え、新しいの買うわけにも行かず、とりあえずは前面にフィルタ付けて我慢。最初は安いフィルタ付けたんだけど、どーにも効果がないもんで、新しくフィルタ買って付け直した。
 スピーカは、元から付いてなかった。前面にモノラルスピーカが一つ、付いてるだけ。限りなく音質犠牲になってます。で、最初は安いスピーカ買ったんだけどさ、イマイチ気に入んなくて。で、大学生協の催しで、8000円ほどのスピーカ見つけて、既にあるってのにさらに新しく買っちゃった。
 それが今も使ってるKENWOODのスピーカー、価格の割にはそこそこの音が出るもんでコレには満足。しかし、どうにもこの頃って安物買いの銭失いって言うか、なるべく安い物買っては、それよりも高価な物に買い直しってのの連続のような気がする…やはり最初のメルコがマズかったか…クセになってしまったのかしらん。

 …しかし、このパソコンは2年間使ったわけだけど、その間にハード、ソフト共にかなり大量に買ったなぁ…特に、周辺機器を大量に購入してたような気がする。プリンタにスキャナに、あまつさえZipドライブすらも前購入していたから…良く金があったと思う。ただ、この頃購入してたのって、基本的に外付け用の機械が多かった。PC-98シリーズだと、中触るっても自然と限界が生じてくるし。だから、そういう意味では非常に『標準的な』ユーザだった、と言えるんだろう…この頃は、インターネットもやってなかったし。




 ま、何だかんだ言って、PC-98の勢いがドンドン弱まっていた時期だったし、ソフトもハードも、ドンドンPC-98で使えるヤツが減っていった時期だった。最新のハード使おうとしても使えない、そんなパソコンになりつつあった。『パソコン持ってるよ』とは言えても、『パソコンで遊んでる』とは言えない、また機種を聞かれたら胸を張りきれない部分が残ってしまうと言う状況で、内部増設系のパーツなんて、本当にメルコかアイ・オーデータくらいしか選択肢が無かったんだ。そういう意味でも、ほとんど内部をいじるナンテ事をしなくなって、普通にアプリケーションを使うだけの、ある意味『正しい』姿勢でパソコン使ってた。

 そんなワタシが、いきなりハードいじり系ユーザになったのは、大学4年生の夏、ソロソロこのパソコンに限界を感じ始めていた頃に、姉貴がパソコン欲しがり始めたことに由来する。ちょうど良い機会だと思って、姉貴にこのPC-9821を売り払って、その金をベースに新たなモデルを購入するのである…


 アラタナルタビダチへ→


▲ topに戻る