姉から私のパソコンを買い取るというオファーが来た。ワタシは、その売り払った代金を元に新しくパソコンを買おう、と言う算段だ。こちらとしても願ってもない話であるし、早速了解して新しいパソコンの情報を集めた。

ちょうど、PentiumII-350MHzと400MHzが出てきた頃であり、またグラフィックカードではnVIDIA社製のRIVAチップがその強力な描画性能を持って市場を席巻していた時期だった。どうせ買うならイイものを…と思い、また人の薦めもあって、Gatewayの製品を買うことにした。今となってはもう、日本市場から撤退してしまった牛柄パソも、この頃は隆盛を極めていたと言っても過言ではない。BTOで色んな構成が選べるのは便利で…メモリは増やしたい。CPUは…どーせ買うんだったら良い物を、とどんどん豪華なセッティングになる。しかも、やはりフルタワーだろう…と、
『速いが正義、デカイが正義』コレも全て友人の入れ知恵。ま、でも、速いに越したことはない。
PC-98は、注文した製品が届いてから姉貴に出荷する事に。そうこうしてると、遂に注文したパソコンが到着。その箱の大きさに少なからず驚いた…一気に部屋中が箱や添付品で埋まった。取り合えず机の周りに設置して、早速初期設定にはいるが、こっちは恙なく終了。やはり、初期の起ち上げってのも性能差が出て来るようだ。勿論、素OS。変なランチャーなどは入っておらず、一安心した。続いて姉貴に送るパソコンのセットアップ、一旦初期状態に戻してから、使い易い環境を整える。FDISKを行ってOSのインストール、さらにソフトウェア関係の設定や、『98ランチ』の使用停止など(笑)、様々な諸設定を行う。そこでふと気になったので、スキャンディスクを掛けてみた。
コレがいけなかった!!いきなり、スキャンディスクが動かなくなった。一旦居眠りして、起きて、それでもまだ終わらない。幾ら完全スキャンディスクが時間かかるとは言っても、通常寝てる間には終わる。それが、何故?
…原因はすぐに分かった。クラスタエラーが出まくってる。どうやら、物理的にHDDが壊れだしたらしい…何タル事。しかも、壊れだしたのはシステムが入ってる方のAドライブ(PC-98のシステムドライブはAドライブ)。後から追加購入したメルコのHDDは何も問題無し。たまには良いこともあるようだ(笑)。急遽システムドライブを取り替えて、こちらにOSを入れ直す。思いもよらないトラブルで徹夜決定。OSインストールの待ち時間を利用して新しいマシンのセットアップを進めるが、如何せんハードの性能差が如実に表れ、どうしても手持ち無沙汰になる。長い夜が続いた...(笑)。
何とかかんとかセットアップを終了したPC-98を梱包して出荷する。コンビニまでの道は、そんなに遠いものではなかったがさすがに、何kgもあるような精密機械を抱えて歩く気にもなれない。友人の車に乗せて(まさに乗せて、だった、トランク閉まらなかった)、コンビニへ持っていく。其処でまた、ふと気付いた。
…姉貴ってドコに住んでんだっけ…?
メモってある手帳持ってきてない。荷物の監視を友達に任せて、下宿へとひた走る。汗をかきかき戻ってきて、出荷先を書き込んで店員に渡す。と、店員が『電話番号がおかしい』と宣ふ。何ですと?ドコが違うというのだ、ワカラン。急いで電話BOXに向かい、郷里の母に尋ねる…って、財布がない。手持ちの金は…20円。