BOOKS


私が、最近読んだ本・好きな本なんかをつらつらと並べます。

実は、会社内の個人ホームページ用に作ったものを焼き直しただけ・・・


最近、読んだ本 今年読んだ主な本
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最近、読んだ本



義経幻殺録

井沢元彦(講談社文庫)

芥川龍之介が探偵役を務めるシリーズの二作目。
前作は江戸川乱歩氏がチョイ役ながら美味しい所をかっさらっていましたが、 今回も美味しい役は明智小五郎(&アナスタシア)でしょう。
ところで、前巻も題名と内容があまり一致しているように思わなかった けど、今回もそのような気が…

(00/03/13 記述)


炎のアルセイス  グイン・サーガ44
ユラニアの少年  グイン・サーガ45
闇の中の怨霊   グイン・サーガ46
アムネリスの婚約 グイン・サーガ47
美しき虜囚    グイン・サーガ48
緋の陥穿     グイン・サーガ49
闇の微笑     グイン・サーガ50
ドールの時代   グイン・サーガ51
異形の明日    グイン・サーガ52
ガルムの標的   グイン・サーガ53

栗本薫(ハヤカワ文庫)

グイン・サーガ50巻到達!!
でも、まだ既刊分だけで20巻分ぐらいありますけど…(外伝を入れるともっとか)
一応、刊行予定の半分を読んだ事になるはずである。でも、あまり50巻も読んだという 気がしないんですよね〜。15年間ぐらいかけて発行されたものを、10ヶ月ぐらいで 読んでしまったからかな? なんか最初の頃の話も、つい最近の出来事のような気がする。 だから、あまり50巻分もの長いストーリーを読んだという気がしません。
これは、面白かったからという事も当然あるのでしょうけど!!


ジハード VII

定金伸治(Jump J books)

テムジンがリチャード1世の参謀として、イスラム軍と戦う。
しかし後者より前者の方が、才能・器量・スケール等全てにおいて遙かに上のような気が…
関係ないけど、昔と比べて登場人物達の雰囲気が凄く変わったような…。ちょうど挿し絵が変わった前巻 くらいから、それが顕著に現れている。主人公のアーディルも、もっとまともな性格(?)だったような気がするが…
個人的には昔の方が好きだったな〜


月は幽咽のデバイス The Sound Walks When the Moon Talks

森博嗣(講談社ノベルス)

新シリーズ3作目!!
今回も密室殺人ですね。というか今まで密室以外ってほとんどありませんが…
まっ、森博嗣さんの小説は事件解決がメインではないですからね。
ようやく3作品目になって、キャラクター等も把握出来るようになりました(遅すぎ!!)。 今までは犀川先生シリーズの続編を書いて欲しいと思っていましたが、こちらの シリーズも続編が非常に楽しみです!!

でもやっぱり、森さんの犀川先生シリーズみたいな硬質な感じがする話が読みたいよ〜!!


QED ベイカー街の問題

高田崇史(講談社ノベルス)

「百人一首」「六歌仙」と続くQEDシリーズの第三弾。
第二弾まで日本歴史分野だっただけに、いきなり「ベーカー街」と飛んでしまった ところにビックリ。内容は、当然ホームズ絡みのお話です。
今までの日本歴史関連(?)の話が好きだっただけにちょっと残念。

題材的には世界に広がったけど、内容はむしろスケールダウンしているような…


妖雲群行   アルスラーン戦記10

田中芳樹(角川文庫)

一体このシリーズ、何年ぶりの出版なんでしょうか?
確か私が会社に入った年に9巻が出たような記憶がうっすらとあるけど…
このシリーズは少なくても残り6冊出るはずですけど、このペースでいくと 完結するのは何十年後になるのでしょうか(笑)。
4年に1度は、出版されていた時期が懐かしい〜。

ちなみに内容の方も結構忘れていて、本当の主要人物(変な言い方だ)以外覚えて いなくて、本屋で前の巻の復習をしてしまいました。


百器徒然袋 雨

京極夏彦(講談社ノベルス )

京極堂シリーズの探偵(といっていいものか?)・榎木津礼二郎を中心にした短編集。
今回は薔薇十字探偵社の面々だけで解決するのかと思いきや、やっぱりひっぱりだされる 京極堂。短編だけあって、いつもの京極堂の味のある長い講説はないですけど。

今回榎木津礼二郎には新しい下僕(?)が増え、薔薇十字探偵社も安泰!!
でも、この新しく登場した人の名前って結局何でしたっけ?(笑)

(00/01/01 記述)


カーニバル・デイ  新人類の記念日

清涼院流水(講談社ノベルス )

JDCシリーズ完結編(になるのかな?)

とうとうやってしまった、というか(これは「コズミック」から感じる事ではあるが)、何て 言っていいんでしょう。ストーリーの論理性なんて求めないけど、もう少し何とか してほしかったような…。
普通の新書版3冊以上に匹敵する厚さを読んだ後に、とてつもない脱力感が襲いかかってきた。 (そうか、多くの人は「コズミック」でこの感覚を受けていたのか…笑)
でも次作が出たら、たぶん買います(結局、なんだかんだいっても好きなんだよね〜)

今思うと「カーニバル」3部作って、「イヴ」が一番おもしろかったな〜。
これだけでは、まるで話は繋がらないけど…


名探偵の掟

東野圭吾(講談社文庫 )

いわゆる推理小説にある暗黙の約束事を題材にして、おもしろおかしく 書き上げた作品。

たとえば「密室の謎」。そもそも、自殺に見せかけるために密室に するのであって、明らかな他殺の場合は密室の意味なんてないん だよね。まして「犯人は判った、あとは密室のトリックだけだ!!」なんて セリフは小説の中でのみ存在する。だって、トリックなんて犯人に直接聞けば いいんだし、アリバイならともかく密室トリックなんて(犯人さえ判明すれば)解く 必要ないんだよね。そういう事を言わないのが推理小説の約束事だが、それらをうまく 題材に取り入れて、笑わせてくれる。

その他にも「ダイイング・メッセージ」や「配役」についてなど、ミステリ小説における 約束事を皮肉った短編がたくさん入っています。


クリスタルの婚礼 グイン・サーガ37
虹の道      グイン・サーガ38
黒い炎      グイン・サーガ39
アムネリアの罠  グイン・サーガ40
獅子の星座    グイン・サーガ41
カレーヌの邂逅  グイン・サーガ42
エルザイムの戦い グイン・サーガ43

栗本薫(ハヤカワ文庫)

グインとイシュトヴァーンの久しぶりの再会。連続して読んでいるんで二人が別れたのが そんなに昔に感じられないけど、リアルタイムで読んでいる人には本当に長い間という 事になるんですね。
気まずい別れ方をした二人だけど、会ってみればやっぱり親友同士。 イシュトヴァーンは、やっぱりグインと共にいるのがいい感じ。
でも、この二人はこのまま仲良くという事はないのでしょうな・・・


人形式モナリザ Shape of Things Human

森博嗣(講談社ノベルス )

Vシリーズの第2弾。
今回のシリーズは、「シンプル」「シャープ」「スパイシィ」がコンセプトらしいですね。
でも個人的には、犀川&萌絵シリーズの方が好みだな〜

ところで、最後の「セリフ」(?)の意味は……う〜む。
よく帯とかの宣伝文句に「最後の一文で…」なんてあるけど、これは本当にそれがピッタリだ。


QED 六歌仙の暗号

高田崇史(講談社ノベルス )

「百人一首の呪」を読んで気に入ったので、2作目も読んでみました。
題名は「六歌仙の暗号」ですが、序盤からずっと「七福神」についての 考察に始まって、なんで「六歌仙」なんだろうと思っていると、きちんと 関連(?)させて綺麗に謎を解いてくれました。前作といい、強引に思えても その論理的な展開は見事のものがあります。

でも、前作と同様、小説の中で起こる事件との絡みの部分がちょっと…
なんか、そのまま「七福神」とか「六歌仙」の考察だけ読んだ方が すっきりするような気がする。

(99/09/24 記述)


ヤーンの日    グイン・サーガ31
ヤヌスの戦い   グイン・サーガ32
モンゴールの復活 グイン・サーガ33
愛の嵐      グイン・サーガ34
神の手      グイン・サーガ35
剣の誓い     グイン・サーガ36

栗本薫(ハヤカワ文庫)

イシュトヴァーンの活躍により「トーラス」を奪還、「モンゴール」を 解放する。
一方、パロではナリスとリンダの婚姻が決まり…

今回読んだ中には、主人公の「グイン」が出てこなかった。最近、影が薄いな〜。
現在読んでいる部分は「イシュトヴァーン・サーガ」って感じ(笑)


QED 百人一首の呪

高田崇史(講談社ノベルス )

高田崇史さんの初めて読んだ作品です。
事件が起きて、残されたメッセージと思われる百人一首の札の謎を 解きながら、百人一首の謎そのものも解明していこうというタイプの ミステリ小説です。この手のタイプは、事件とメインで扱う(今回でいうと 百人一首)の謎解きがあまり密接な関係はなく、事件の方はおまけみたいな パターンが多いような気がしますが、この作品も百人一首の謎について の考察をメインに取りあげています。
ただ、その百人一首の謎についての考察はおもしろいものがありました。 強引な気がしないでもないですが、けっこう綺麗に纏まっているように 思えます。昔にも何回かこの手の本を読んだ記憶がありますが、一番良かった 気がします。
2作目の「六歌仙の暗号」も読んでみよう〜っと!!


関係ないけど、最近小説に登場する探偵役の人って蘊蓄をたれる人が 多いな〜!!

(99/08/27 記述)


赤い街道の盗賊  グイン・サーガ24
パロのワルツ   グイン・サーガ25
白虹       グイン・サーガ26
光の公女     グイン・サーガ27
アルセイスの秘密 グイン・サーガ28
闇の司祭     グイン・サーガ29
サイロンの豹頭将軍グイン・サーガ30

栗本薫(ハヤカワ文庫)

前回の書き込みで「20巻突破」という事でしたけど、今回30巻に到達しました。
とうとうイシュトヴァーンは、野望への足掛かりを掴む!!
やはり「光の公女」とはアムネリスの事なのか!?


百鬼夜行 陰

京極夏彦(講談社ノベルス )

京極夏彦さんの新刊です。
内容はメフィストに連載されたもの(プラス書き下ろし)で、京極堂シリーズの 外伝(というよりバックグラウンドストーリーかな?)のような感じで、シリーズ に登場した(主に主要メンバーではない)人物を主役とした短編集です。
しかし私の場合、このスポットが当てられた登場人物のうち何人か覚えていなかったり して・・・。「これって誰だっけな?」なんて感じで読んでいて、途中で気付く なんて事も・・・。
これは、京極堂シリーズを読み直せという事か!?

(99/08/05 記述)


サイロンの悪霊  グイン・サーガ18
ノスフェラスの嵐 グイン・サーガ19
サリアの娘    グイン・サーガ20
黒曜宮の陰謀   グイン・サーガ21
運命の一日    グイン・サーガ22
風のゆくえ    グイン・サーガ23

栗本薫(ハヤカワ文庫)

とうとう、20巻突破!!
しかし、これでまだ予定の5分の1(既刊分でも3分の1)というのだから、 長いシリーズです。
20巻を越えても、質が落ちることなく続いているのは凄いですね。 だから、現在60冊以上も出ていながら、新刊が出る度に上位にランクイン されているのですね。
ノスフェラスにおけるスカールの活躍(?)が光る!!


そして二人だけになった Until Death Do Us Part

森博嗣(新潮社)

森博嗣さんのミステリ小説では、初のハードカバーです。
題名から想像できるとおり、嵐の山荘もしくは孤島タイプの外界との連絡の途絶えた空間で 人が一人ずつ死んでいく・・・というタイプです。でも、題名はそう意味ではないですね(たぶん)。

まず読み始めて、ぶっとんだのはそれぞれの「章」の題名ですね。 「静止系から、これに対して一様な並進運動をしている座標系への座標及び時間への変換理論」やら 「真空中におけるマックスウェル・ヘルツの方程式の変換、磁場内にある物体の運動に伴って生ずる 起電力の性質について」等、とてもミステリとは思えなく、大学時代の授業を思い出す(って、こん なに難しいのはやってないけど)。 そして、プロローグの最初が「光の電磁的力が、動いている物体により影響を被っている場合には・・・」 で始まりますから・・・。もう、期待度120%って感じです(笑)。

それはさておき、結局どうだったのかは、ある程度個人の考えに任されるのでしょうか?
(熟読すれば真実は一つなのかもしれない・・・)
「こういう手があったか」と思わされた後に展開される事実(なのか!?)
う〜ん、難しい。物理的にか、精神的にか・・・

(99/07/15 記述)


クリスタルの反乱 グイン・サーガ13
復讐の女神    グイン・サーガ14
トーラスの戦い  グイン・サーガ15
パロへの帰還   グイン・サーガ16
三人の放浪者   グイン・サーガ17

栗本薫(ハヤカワ文庫)

「戦乱篇」から「放浪篇」へ
パロ奪回に成功し、その勢いのままモンゴール征服へ・・・

16巻をもって、1巻より続いてきたパロ−モンゴール戦役が終わり、一区切りと いう感じですね。
でも話の方は、どんどん加速度を増して・・・。
なんか最近、グイン・サーガを数冊読んで、違うのを1冊読んで、またグイン・サーガを 数冊読んでの繰り返しのような気がするな〜(笑)。それだけ、はまっているという事だけど。
このペースで読んで今年中に既刊しているものを全て読む事ができるだろうか!?


時の娘

ジョセフィン・テイ(ハヤカワ文庫)

海外の歴史ミステリ。私は外国の作品はあまり(というより全然)読まないのだが ネットニュースと森博嗣さんの「ミステリィ 工作室」の双方で取り上げていたので 読んでみました。
スタンス的には、歴史的に悪い評価(この作品の場合はリチャード3世)をされている 人物は、本当にその通りだったのか・・・というような事を主軸に進んでいく話です。 それらを学術的・論文的にではなく、あくまで小説と読ませるのが歴史ミステリでしょう(たぶん)。
で内容についてですが、展開が面白かったのは間違いないのだけど、馴染みがないのが辛かった・・・。 リチャード3世(薔薇戦争時代の英国王)と言われても、シェークスピアの題材にあった ぐらいしか知らなくて(もちろん内容は知らない)、実際どのような評価をされている 人だか知らないし・・・。もちろん、それらの説明もきちんとされているけど、やはり 馴染みがないのは、どうしようもない。読んでいる最中、何回も始めに載っている家系図 を見直してしまった(笑)。きっと英国では、源義経や坂本龍馬みたいに有名な人なんで しょうが、私の世界史の知識には残っていませんでした(そもそも世界史に出てくる人物 でないような気がするが、所詮理系の私にはわからない)。
個人的には、中国史でこの手の歴史ミステリ物を読んでみたい!!


紅蓮の島   グイン・サーガ9 
死の婚礼   グイン・サーガ10
草原の風雲児 グイン・サーガ11
紅の密使   グイン・サーガ12

栗本薫(ハヤカワ文庫)

「陰謀篇」も終わり、「戦乱篇」へ。
いよいよ、パロ奪回へ・・・

それはさておき、黒太子スカールはいいですね!!
ティムールのように騎馬兵を動かし、ハンニバルのように山脈を越え、豪放磊落と 天衣無縫を合わせもつ性格は、草原の蒼き狼、大陸の覇者に相応しい人物に思われ る。現在の所、一番好きなキャラクターです。
彼は、今後どのような活躍をするのだろう?(あっさり死んだりして)

(99/06/15 記述)


黒猫の三角 Delta in the Darkness

森博嗣(講談社ノベルス)

待望の新シリーズ開始!!

いよいよ始まりました新シリーズ。今回はメンバーの顔見せ的な感じでしょうか。 事件的にも普通(ではないけど)っぽいですからね。犀川先生のシリーズがバリバリ に理系人間が登場していたのに比べると、今回はちょっと押さえていますね。 とは言っても、雰囲気はやっぱり出てますけど。
今回の作品では「テストで、わざと間違えた事がありますか?」が一番印象に残った セリフかな!?


桜闇 建築探偵桜井京介の事件簿

篠田真由美(講談社ノベルス)

桜井京介シリーズの短編集です。
本屋で手に取るまで短編集と知らなくて、「おぉ、今回はなかなかの長編だな」とか 思っていました(いつも、それなりの長編ですけど)。今回は主人公のファンより、 周りのキャラクターのファン(蒼とか深春)の人が喜びそうな内容ですね。
また、この本の中に出てきた「栄螺堂」は、一度いってみたいものだ!!

次作は、「原罪の庭」みたいな本格(かな?)長編がいいな〜

(99/05/19 記述)


アルゴスの黒太子 グイン・サーガ6
望郷の聖双生児  グイン・サーガ7
クリスタルの陰謀 グイン・サーガ8

栗本薫(ハヤカワ文庫)

ようやくノスフェラスから脱出した一行。その頃、亡国パロでは婚儀が・・・という訳で 「陰謀篇」の開始です。
主要人物も揃った(?)ようだし、はたしてこの世界の行方は・・・一体!!

最近、まとめ読み状態に入ってきた。読み始めると、そのまま読み切ってしまう。
このおもしろさに今まで気付かずにいたとは・・・悲しいやら、うれしいやら!!


東亰異聞

小野不由美(新潮文庫)

待望の文庫版化!!
ホラーという話を聞いていましたが、「屍鬼」と同様、単純なホラーではないです ね。いや、それよりもミステリに近いかな。
読んでいる最中は、なんで「東京」ではなく「東亰」を使ったのかな、と思ってい ました。まさか、最後にあういう展開になるとは・・・。伏線(?)が張ってある とはいえ、エピローグはちょっと驚きでした。
また、それとともに相変わらず、終盤の展開の早さ・おもしろさは、さすがです。 小野不由美さんの作品はどれもそうなんですけど、後半が凄いですね。あの 「屍鬼」でも、下巻の方がはるかに厚いに関わらず、ほとんどの人は上巻より、 はやく読んでしまうでしょうね!! 本当に、物語がうまいです。

これを読了した事により、小野不由美さんの手に入り安い本は全て読んでしまった 事になる。
早く、十二国記の続編を書いて欲しい!!


ラゴンの虜囚  グイン・サーガ4
辺境の王者   グイン・サーガ5

栗本薫(ハヤカワ文庫)

「辺境篇」完結。
いやー、おもしろくなってきました。本当に昔読むのを挫折したのが不思議 なほどだ。
次回からは、まとめて2〜3冊いっぺんに買おうっと!!
今年いっぱいは、このシリーズを読むことで費やされそう。

(99/04/30 記述)


カーニバル  人類最後の事件

清涼院流水(講談社ノベルス)

これは、本当に次作の「カーニバル・デイ」で収束するのでしょうか?
(しなくても、かまわないけどね・・・笑)
こういうのが好きで読んでいる訳ですので、楽しみといえば楽しみですけど。

でも、なんか見出しのページにあるように、探偵ごときがどうこうできるレベル じゃないですね、完全に。また、それぞれの事件に個別の解決も無理(?)な以上、 まとめて処理できるような手段でくるのでしょうね、きっと。はたして どんな結末になるのかな〜!!

ところで人間の慣れとは不思議なもので、「コズミック」ではあれほど衝撃(笑撃かな?) 的だったのに、「ジョーカー」では衝撃が弱まり、この「カーニバル」シリーズでは 完全にインパクトが薄れました(事件はどんどんスケールアップ(?)しているけどね)。 う〜ん、慣れとは恐ろしい・・・

ひとまず、魔王「由比賀独尊」に期待か!?


荒野の戦士     グイン・サーガ2
ノスフェラスの戦い グイン・サーガ3

栗本薫(ハヤカワ文庫)

長編シリーズ2作目。なんで昔読むのを挫折したのか、ちょっと不思議。

で、このシリーズを読んでいるんだけど、地理的関係が良くわからない。
地図が載っていたりすると(次巻以降ではあるのかな)ありがたいのだけど、 文章だけ読んでいると、ちょっと疑問に思うこと多々あり。
根本的にはどうでもいいことなんだろうけど、地理的関係が分からないと すっきりしないというか・・・。今、読んでいる辺りでいうと、中原から 今いる辺境がどの方角にあって、そして辺境を横切って、中原を目指すとは どういう事なのか?
何回か方角を指し示す記述はあったけど、総合して考えると???
読みが浅いと言われれば、それまでだけど・・・
う〜ん、地図が欲しい。

(99/04/12 記述)


翼ある闇  メルカトル鮎最後の事件

麻耶雄嵩(講談社文庫)

噂に聞くメルカトルを初めて読みました。
この作品では、メルカトルと木更津(メルカトルより出番多し)の推理対決(?) がなかなか見物ですね。そして、真の謎を解くのが・・・という辺りも楽しませ てもらいました。最後は、ちょっとびっくり!!

この作品後、メルカトルがシリーズ化されたけど、個人的には木更津のシリーズも 読んでみたいな〜。


活字秘宝 vol.2 平成の名探偵50人

洋泉社MOOKS

去年発売された本らしいけど、たまたま平台で置いてあったので買って しまった。題名の通り、作品ではなく、(広義の意味での)探偵を紹介 (?)しているムック本。選考方法は、平成になってから出版され、か つ、活躍している探偵、という事かな?
紹介されている探偵は、超メジャーな「浅見光彦」「中禅寺秋彦」、 私の好きな「犀川創平」「桜井京介」、ひと味違う(?)「九十九十九」 「榎木津礼二郎」、そして「江戸川コナン」「金田一一」、果ては「神宮寺三郎」 までカバーされています。
そのかわり入っていてもよさそうなのに、いない人もいたりします。

この本にも書いてあったけど、「時計仕掛けの摩天楼」は、やっぱり名作だと思う。
最後の展開は本当に見事だ!!

(99/03/30 記述)


森博嗣のミステリィ 工作室

森博嗣(ダ・ヴィンチ編集部)

森博嗣さんのいろいろな(?)事がわかる本。
ファンなら買って間違いない一冊だと思う。小説の書き下ろし等はないけど、 好きなミステリやエッセイ(?)、漫画なども入っていて、なかなか満足の一冊。 特に、新刊で発売された時には載っていない、それぞれの作品にたいする 後書きがとても良い、とてもうれしい。
新シリーズ&「犀川先生」シリーズ(書いて欲しいな〜)を期待します。


豹頭の仮面 −改訂版−  グイン・サーガ1

栗本薫(ハヤカワ文庫)

後輩と話をしていて、読み始めた。
昔に1回読んだのだが、1巻で挫折をしてしまった・・・(笑)
「5巻ぐらいまで読めば、おもしろくなる」という話を聞き、再び読み始める。 挫折したのは結構昔だったけど、ある程度内容を覚えているものだ(人名・地名 は忘れてた)。
とりあえず、2巻も買おうっと!!

そういえば、栗本薫さんの本を読んだのは「天狼星」シリーズ以来だ。 久しぶりだ〜!!


私が彼を殺した

東野圭吾(講談社ノベルス )


同じ作者の「どちらかが彼女を殺した」と同じタイプで書かれた作品で、 最終的にはっきりと誰が犯人かは明示されておらず、作中のヒント等に より、犯人を読者が推理する小説。
前作と比べると、あきらかに犯人(及び手段)を推理する事は難しくなって いると思われる。前作は1回読んで犯人が分かったけど、今回は正直わから なかった。真犯人(と思われる人、実は違っているのかも)及び手段を知った 今でも、どうも釈然としないものがある(納得できない点がある)。
う〜ん、話的には前作の方が矛盾が少なかった、という事かな?
それとも気づかないだけで、真の正解は別にあるのだろうか?


邪馬台国はどこですか?

鯨統一郎(創元推理文庫)

去年のミステリ小説(?)で評価の高かった作品の一つであるが、読んでみると これはおもしろい。
短編集になっていて、表題作の他「聖徳太子はだれですか? 」 「謀叛の動機はなんですか? 」等、6編が収録されている。 内容は、4人の人間があるバーで歴史談義(というようなりっぱなものでは ないが)をする形で進んでいく。短編という事もあり、非常にテンポも良く、 冗談のように話が進んでいくので、歴史に興味あるなしに関わらず楽しめ るでしょう。
これを読むと邪馬台国は○○○にあったり、聖徳太子は○○○○だったり、 信長は○○した、という風に思えてしまうのが凄い(あくまで思えてしまう だけだが・・・)。

個人的には、「邪馬台国はどこですか?」「聖徳太子はだれですか? 」の2作が 白眉と思われる。
最近読んで最も面白かった小説の一つ。



黒い家

貴志祐介(角川ホラー文庫)

日本ホラー小説大賞受賞作です。
文庫になったら読もうと思っていたが随分立ってしまった。 内容は、ホラー大賞受賞作だけあって怖いのですが、これはホラーでは なくサスペンスとして売り出した方が良かったような・・・。ホラーだと 敬遠する人も結構いますからね。
内容は、保険会社に勤めている主人公が、顧客の家で自殺した子供の遺体 を発見するが、保険金目当てに顧客主が殺したように思われる。しかし、 証拠はなく・・・といった感じで始まります。
純粋なホラー(?)の理不尽さはありません。 そこら辺が「リング」や「パラサイト・イヴ」と違うのですが、怖さは 「リング」なみにあると思います。最後の方は、けっこうドキドキものかも・・・

読んでいる最中は、家に何が棲みついている(取り憑いている)のだろうなんて 考えていた(笑)

(99/03/04 記述)



ロシア紅茶の謎

有栖川有栖(講談社文庫)

「火村教授・有栖川コンビ」の短編集。
表題作でもある「ロシア紅茶の謎」が一番いいと思われる。 しかし、、あのトリックを行う事はできるかな〜、心情的に。
そこが火村教授のセリフに繋がるのだと思うが・・・



写楽殺人事件

高橋克彦(講談社文庫)

浮世絵師「写楽」の謎を追い求めているうち、殺人事件が・・・という 話です。事件そのよりも、「写楽」の正体について、考察している部分 がおもしろいです。私は「写楽」が謎の浮世絵師という事しか知りませ んでしたけど(というより浮世絵を全く知りませんけど、これが逆に良 かったのかも)、誰だったのかという事については、いろんな説がある んですね。邪馬台国論争みたくて、面白いです。
関係ないけど、私は高橋克彦さんの小説って「竜の棺」とその続編しか 読んだ事がなくて、あのような小説を書く方なのかなと思ってました (大河ドラマにもなった「炎立つ」とかは知っていましたけど)。 その反動もあってちょっと意外でしたけど、後書きを読むとこちらの方 が本業(?)なんですね。

(99/02/12 記述)



かまいたちの夜 公式ファンブック[改訂版]

我孫子武丸 他(チュンソフト)

これは「かまいたちの夜」(PS版)の攻略本(?)です。以前発売されたSF C版の本をPS版に改訂して発売されたものです。攻略本とは言っても、攻略 に役立つ部分は10数ページのみで(肝心な所はあまり載ってませんけど)、 我孫子武丸さんの書き下ろし小説が半分以上を占めています(というか、それ を目的で買った・・・)。

その書き下ろし小説はともかくとして、ゲームの方はおもしろいですね。 私はSFCはあまりやりこまなかったのでPS版を買ったのですが、今回は システムにフローチャートもついて簡単にピンク、そして金のシナリオへい けるようになりました(簡単すぎるという話も・・・)。エンディングリスト (全部で46種類)も付いたので全部見たかどうかのチェックもできるし、 便利になりました。

全部のエンディングを見終わって、私個人的には本編(ミステリー系)より 幽霊編(ホラー系)の方が好きですね。その他、ギャグ系あり、ハードボイ ルド系あり、RPG系(?)ありでいろいろと楽しませてもらいました。
次は、PS版「弟切草」だ!!

完全にゲームの話になってしまった・・・



地球儀のスライス A Slice of Terrestrial Globe

森博嗣(講談社ノベルス)

森博嗣さんの短編集です。
「犀川&萌絵」の話が2作ほど入っています。前の短編集「まどろみ消去」 もそうですけど、短編集の方が独特の雰囲気があります。森博嗣さんらしさ というのは短編集の方に強く顕れるのかもしれません。
個人的には、冒頭の「小鳥の恩返し」が好きです。

ところで本の帯に、次シリーズの新キャラクターが出ているというような事が 書いてありましたけど、一体誰の事なんでしょう???

あと、大御坊さんが出したクイズ(?)の答えって・・・?
まるでわかりません。


御手洗潔のダンス

島田荘司(講談社文庫)

御手洗潔シリーズの短編集です。

関係ないけど、御手洗潔と榎木津礼二郎ってなんか性質的に似て るな〜。御手洗氏の方が相棒に接する時に優しさを感じるが・・・。 でも、なんかそっくりだ。物事の本質を見抜いてしまう人(方法 は全くちがうが)というのは、あういう風になってしまうのだろ うか?

(99/01/18 記述)



屍鬼 下巻

小野不由美(新潮社ハードカバー)

上下併せて1.5キロ、総1271ページ読み終えました(ちなみに 金額は上下併せて4700円。こりゃ、ゲームが1本買えてしまう)。 ちなみに、下巻は上巻より200ページ弱長いのに、2分の1ぐらいで 読んでしまった。やはり、ストーリーにどんどん引き込んでいく話づくり は、さすがに小野不由美さんです。

上下巻を読み終えましたが、やはりホラーでしたね。でも、上巻では、 未知なるものというか異質なものに対する恐怖をかき立てる感じでしたけど、 下巻では完全に人間の怖さというものをホラーとして感じましたね。 序章から最後的な結末は予測がつくにしても、その場面にいきつくまで、 あれほどの事を話に入れるとは・・・。でも、そうする事によって人間と ○○(この伏せ字意味あるのかな?)のどちらが善悪とかの意味をうち消した 訳ですよね。月並みな言い方だけど、一番怖いのは人間という事ですかね。
あと、この小説はホラー小説と言ってきましたけど、ホラー小説としての 怖さはあまり感じませんでした。むしろ、同じ小野さんの作品の「過ぎる 十七の春」等の方が怖かった覚えが・・・。
やっぱり、○○○は倒すのがチョロいという事ですかね。

さーて、次は「十二国記」の続きを早く書いてくれないかな!!



遥かなる星の流れに 

茅田砂胡(中央公論社)

いよいよ「デルフィニア戦記」完結してしまいました。でも、最後はそれ なりに納得のいく終わり方だったので満足です。
終わってみると、このシリーズは全18巻という結構長い小説であるが、 ストーリー展開が早く、中だるみという部分が殆どないように思える。 それだけ、おもしろく思えたという事でしょう。ファンタジー小説を読む 人にはぜひお勧め!! 既に完結しているので次巻を待たなくても良いと いう点もあるし・・・(この待っている時間も楽しいものではあるけれど)。 雰囲気は、これの上巻の時にも書きましたが「アルスラーン戦記」を全体的 にライトにした感じで、かつ登場人物の性格を丸くしたような感じですね。 「アルスラーン戦記」の続編(1部で終わらせた方が良かったのでは・・・) が出なくていらいらしている方、ぜひこの「デルフィニア戦記」を読んでみ てはいかがでしょう!! 表紙・挿し絵も綺麗だし!!



屍鬼 上巻

小野不由美(新潮社ハードカバー)

いや〜、凄いです。小野さんの他の作品(「東亰異聞」を除く)とあまり に文体が違うので最初とまどいましたけど、ミステリーの味付けをしたス トーリーはいつものごとく抜群です。話が進むほど、テンポが良くなって いくのも、とても良い。
ストーリーとはいうと・・・山に囲まれた小さな村で、ある一家の引っ越 しを境に村人が謎の死をとげていく。原因不明の病によって増え続ける死 者達に対して、なんの解決も見いだせない村人たち。そして・・・という 感じです。さて、後編で事件はどのように収束を見せるのか?

ところで、この本はいろいろなところでやっている今年度ミステリベスト 10に入っていますね。基本的におもしろければいいので、ジャンルなど どうでもいいけれど、この本はミステリーなのだろうか?(まだ、後編を 読んでいないのでなんともいえないけど)



ダビデの星の暗号

井沢元彦(講談社文庫)

若き日の芥川龍之介が探偵役(?)を勤めるミステリー小説。題名だけ 見ると、聖書にまつわる暗号でも解くように思えるが、内容は伊達騒動 に隠された事実を探る・・・というお話。なぜ、ダビデの星が出てくる かは読んでからのお楽しみという事で!!
ストーリーは題名に暗号という言葉がついているように、暗号 解読を中心として進んでいきます。暗号自体は、あまり面白みがない(= 現実的?)ですけど、それよりも芥川龍之介が謎を解いていくという話が 良いですね。
でも、この話で一番かっこいい(と思う)のは「平井太郎」氏ですね。 ほんの1シーンしか登場しないけれど、頭の冴えを見せてくれます。でも、 この二人って同時代だったのか!! イメージ的に芥川龍之介の方が古く 感じる。



遥かなる星の流れに 

茅田砂胡(中央公論社)

「デルフィニア戦記」最新刊にして最終話の上巻です。
もともと適当な(失礼な言い方だけど)ファンタジー小説を探している ときに見つけたのだけど、このシリーズはおもしろいです。
ストーリーはテンポが良く、キャラクターもおもしろく、なにより次巻 までの発売時期が短いのが良い(もう完結するのでこれは意味がありま せんが・・・)。雰囲気的には、「アルスラーン戦記」をライトにした 感じでしょうかね!?
感想については下巻を読んだ後に書くとしますか!!

しかし、このシリーズも終わっちゃうですね。
もっと続けて欲しかっただけに、とても残念!!



陀吉尼の紡ぐ糸

藤木稟(徳間ノベルス)

前に読んだ「ハーメルンに哭く笛」と同じシリーズの1作目(と言っても、 今度新しく出た新刊「黄泉津比良坂・・・」の3作しかないけど)。
読んだ感想としては、2作目である「ハーメルン・・・」より好きです。 前に読んだ2作目と同様、最後の展開にはちょっと疑問を感じるものの そこまでの話の運び方とかがおもしろい。また、探偵役(?)である朱雀 十五もいい味出しているし・・・。これは期待のシリーズかな?
そういえば後書きに、これは京極系ミステリ(定義があやふやだけど)であると 書かれていたけど、ちょっと違う気がするな。話の雰囲気は近いものがあるけど・・・



ジハード 外伝

定金伸治(Jump J books)

本編と同時に発売した外伝。時代的には本編の昔で、ロビン・フッドと アイヴァンホーの邂逅を書いた話。
余談だけど、どうやら作者がロビン・フッドの事をとても気に入ってい るらしく、とてもかっこ良く、優秀な人物として書かれている(本編 も同様だけど)。 いくらなんでも、持ち上げすぎじゃないだろうか?



有限と微小のパン The Perfect Outsider

森博嗣(講談社ノベルス)

天才プログラマー・真賀田四季博士 再登場!!
「すべてがFになる」ここに完結

シリーズ最終作(短編は出るらしいけど)を読み終えました。真賀田博士の魅力が いっぱいの内容でした。しかし、今回も最後まで脅かせてくれました。事件の展開 はもちろんの事、あのエピローグはビックリ!!。まさか、あんな所に登場するとは!!
でも、これで真賀田博士はもう出てこないのでしょうかね。非常に残念です。 このシリーズに何人か頭の良い人(または天才と呼ばれる人)が登場しましたが、 やっぱり真賀田博士はずば抜けていますよ。単純な頭の良さだけではなくて思考的に・・・
うーん、もう一度見てみたいな。犀川先生と真賀田博士の対決(?)を!!

内容について言うと、今回は「ヴァーチャル・リアリティー」という事につきますかね (ネタばれすれすれかな?)。
作品中の「事実と虚構」についての説明なんてなるほどと思わされます。 これ以上は「VR」について述べるのが難しいな。ネタがばれる・・・
最後に一言いうと、あのプロローグ部分はいいですね。構成的にも美しいですね。
「握手をするのが夢」・・・ですね、まさしく!!

さて、これで「犀川先生シリーズ」(シリーズ名は特にないけど)も完結しましたね。
「すべてがFになる」以来、とても楽しませてもらいました。
今後は、短編集及び新シリーズに期待します。



46番目の密室

有栖川有栖(講談社文庫)

「火村教授・有栖川コンビ」シリーズの第1作目になるのでしょうか?
私個人的には、有栖川さんの文章ってさっぱりしていて好きなんです。前回の「マジック・ ミラー」の時と同様に、簡潔で修飾が少なく、また前作にはなかった二人の会話のやりとり なども楽しめました。
ただ肝心のミステリ部分がちょっと弱いかな、と思いました。正確にいうと「弱い」という のではなくて「派手さ」とか「インパクト」がないという事ですかね。(事件に本来求める 事ではないと思うけど・・・)
でも、トリックが論理的にきちんと説明されている点なんかは、さすがだなと思いました。
シリーズ次作も読んでみよう!!



ジハード VI

定金伸治(Jump J books)

十字軍時代を、アル・アーディル(の若い頃)を主人公(ただし、名前だけ借りた感じ?) にして描いた仮想(と言ってもいいだろう)歴史小説です。特徴は登場人物が派手な事。 サラディン、リチャード1世、フィリップ2世、アル・カーミル(ただし暗殺教団出身) 等はもとより、ロビン・フッド、アイヴァンホー、テムジン(しかも義経)と、この時代 の有名どころ揃い踏みという感じです。
雰囲気は(昔の頃の)田中芳樹さんライクで、彼の小説が好きな方は読まれても良いん じゃないでしょうか?

挿し絵が変わったのは、ちょっと残念。
今のも悪くはないけど、昔の山根和俊さんの挿し絵はカッコ良かった!!
(特にロビン・フッドが)



御手洗潔の挨拶

島田荘司(講談社文庫)

短編集という事もあり、軽い(?)事件ばっかりでしたが楽しめました。最近になって「占星術殺 人事件」を読んで気に入り、他の作品を読んでみようと思い立ったものの、さすがに「アトポス」 や「水晶のピラミッド」はあまりの厚さに敬遠してしまい、短編集を買いました。
読んでみると、楽しめたけどやっぱり事件的に物足りない(不謹慎な言い方だ)。やっぱり御手洗 氏の推理の冴えは大きな事件ほど良いという事で、やはり上記の2冊を含めたシリーズを読んでみよ うと思いたつ。でも文庫版でもあの厚さじゃ、通勤中に読めないな〜!!



東京ナイトメア −薬師寺涼子の怪奇事件簿−

田中芳樹(講談社ノベルス)

「薬師寺涼子」シリーズの2作目です。1作目は、というとあまり覚えていない。
最近(というか、だいぶ前から)、田中芳樹さんって一時のパワーを失ったような気がする。 私は中国史が好きなので、最近出されている中国史系の翻訳物や小説は面白く読ませても らっているけど、その他の小説(特に「創竜伝」)とかは、ちょっと・・・。
「タイタニア」とか「アルスラーン戦記」とかは続きを期待しているのだけど、未完の ままの方がいいような気がしなくもない今日この頃である。



地獄の奇術師

二階堂黎人(講談社文庫)

なかなか本格的なミステリー小説(というより推理小説という表現の方が正しいか) でした。犯行を怪人(のような)が行うように見せかける辺りにも昔っぽい雰囲気が出て ます。今回は「地獄の奇術師」という名でしたけど、最近のミステリーにはこういうイメ ージをした犯人はいませんからね。(もちろん今回も、イメージしただけで犯人はきちん とした人間ですが)
昔懐かしい推理小説(読んだことありませんけど)という雰囲気を持つストーリーでした。



塗仏の宴 −宴の始末−

京極夏彦(講談社ノベルス)

「塗仏の宴」を読み終えました。
やっぱり凄いです、京極さん。実は「始末」の前半部は、なかなか読みすすめられ なかったのですが、中盤・後半は一気にハイペースでした。読み応えたっぷりでした。
しかし、あいかわらず伏線が綺麗に一本につながっていく所は見事ですね。上巻で章 ごとにバラバラだったものが少しずつ重なって最後に収束していく・・・。本当に見 事です。最後の「憑き物落とし」は圧巻です。
関係ないけど、今回は榎木津さん大活躍です。いつも的を得すぎていて(?)、逆に 役に立ってない人(失礼!!)ですが、今回は違いますね。いやー、あの活躍驚きました。

でも、今回の話はこれで完結してませんよね。結局、関口君はどうなってしまったのか?  また、京極堂の宿敵ともいうべき○○さんはどうなのか? 次巻以降で再登場 となるのか?
これは、ますます次巻が楽しみです。
しかし、いつ頃でるのかな〜?? 今度は三冊に分かれたりして・・・



マジックミラー

有栖川有栖(講談社文庫)

初めて有栖川有栖さんの本を読みましたが、読みやすくて良いですね。
今回の話について言うと、トリックとかそういうのは特別な事はなかったですけど、 最後まで読んで初めてプロローグの意味がわかるというのは綺麗に纏まってま すね。

やっぱり、あれは途中で気付かなければいけないのでしょうか?



ハーメルンに哭く笛

藤木稟(徳間ノベルス)

某漫画で「犀川先生」シリーズ・「京極堂」シリーズとともに褒めていたので、前者2つのシリーズを 好きな私としては気に入るだろうと思い、買った一冊。なかなかいい味出してます。
しかし、前(デビュー)作「陀吉尼の紡ぐ糸」から読んだ方が良かったか!? ネタばれ等は、特にない が前の事件に言及していると思われる所がいくつかあるし・・・。近いうちに前作も読んでみるかな?

で読み終わりましたが、探偵役(?)の朱雀十五がこれまた良いです。このようなふざけた(?)数字が 名前の探偵役というと九十九十九(某JDCシリーズ)しか思いつきませんが、彼より数十倍は頭が切れ ます(比べるのが間違いか?)。個人的に、最後の展開がちょっと・・・という気がしないでもないです が、登場人物を含めて気に入りました。これは、やはり1作目の「陀吉尼の紡ぐ糸」を読むしかあるまい。

余談だけど、本が厚くて私の薄い通勤鞄に入らない。最近の新書版は、なんでそろってこんなに厚いの だろう? 結局、通勤時間用の本をもう1冊買う事になってしまった。



星界の戦旗2 守るべきもの

森岡浩之(ハヤカワ文庫)

久しぶり新刊だった。前シリーズ「星界の紋章」の時には続きの巻がすぐ出たのに今回は・・・。 やっぱり、シリーズものというのは全巻揃ってから読んだ方がいいかもしれない。 前作の細かい内容は忘れてしまうし、登場人物も主役級の人しか覚えていなかった。
これは、1巻から読み直さなければいけないな〜!!



塗仏の宴 −宴の支度−

京極夏彦(講談社ノベルス)

この本は後編「宴の始末」が出るまで読むのはやめようと思っていた。 人の話によると「こんな所で終わるなんて『蛇の生殺し』状態だ」なんて事を聞 いたりしていたので・・・。でも、読み始めてしまいました。
そして、最初の章からはまってしまいました。20歳も半分を過ぎると、本を読みスピードが 落ちてきたけど、それでも面白さにどんどん進んでしまう。京極夏彦さんが好きになると、 あの本の厚さが愛おしくなるのが不思議だ。まだまだ、先があるという事がとてもうれしく 思える。でも、やっぱりあの厚さじゃ通勤中には読めないな〜!!

で、「宴の支度」を読み終わってみると・・・
「なんで、こんな所で終わっているんだー」という感じ。早く下巻が、続きが読みたい・・・
う〜ん、やっぱり下巻が出てから一気に読んだ方が良かったか!



占星術殺人事件

島田荘司(講談社文庫)

だいぶ昔に出版された本ですが、私は今頃読みました。 私が読んだ、島田荘司さんの2冊目の作品です。これを読み終えて、他の島田荘司さん の作品も読んでみたくなりました。本当に凄いとおもいました。 トリック等は某ミステリ漫画で使われたため、あらかじめ知っていましたけど(これが 非常に残念だった。もし知らなければ・・・)、それを差し引いても衝撃的だった。
もう、これは読んでない人には絶対にお薦めですね。 最もミステリー小説を好きな人なら、もう既に読まれているでしょうけど。

関係ないけど、「異邦の騎士」を先に読んだのは失敗だったかな。(悪い作品という意味 では決してありません)
この作品は、ある程度「御手洗シリーズ」を読んでからの方がいいと思う。



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