フォークスプリング交換

大学の帰り道、信号待ちで止まっていると先輩が「フォークからオイル漏れてるぞ」。へ?マジッスか?

何とか金を作りだし、オイルシール交換(これに関しても紆余曲折あった)。その後どうにもフロントが柔らかい気が。ブレーキングでは底付きし、スーパーに入るため歩道を通過しようとすると、ほんの小さな段差にも底付き。サービスマニュアルで確認すると、組立時に空気圧0.4kgで加圧とある。なんだぁ、と加圧するとだいぶましになった、が箱根新道下りでやはり底付き。加圧は0.7kgまでOKとあるけど、何かの拍子でまたオイルシールが逝ったらやだし。エア加圧がダメなら強化スプリングだ!ということでVF1000Rでも付けていたWPのプロラインを付けることにあいなった訳だぁ。


1. 調 達

これまた物がなければ始まらないと早速家からほど近いラフ&ロードへ購入に走る。当然現物はなし。まぁこれは予想通り。早速注文、店員が納期の確認。なになに問屋にない? 総代理店に聞く?え?そこにもない?どうなるの?工場って本国(オランダ?)かいな!というわけで「気長に待って下さい」という何とも力強い?言葉を受け待つこと1ヶ月半、届いたとの知らせ!早速取りに行く。おお正しくプロライン!しげしげと箱を眺めるとRD500LCの文字が。おい、輸出用じゃないか!しかし物が違うと返品したらまた1ヶ月半待ちかと思うと、何も言わず引き取ってきたのだった。

2. 装着その1

一人で作業するには面倒でありかつ当時ジャッキを持っていなかったので、友人宅にて作業。

アウターチューブ下のドレンよりフォークオイルを排出、ジャッキアップ後フォークキャップを外し、純正のスプリングを出す、順調順調。

さあいよいよWPさまの出番。付属のフォークオイルを規定量(消しゴム・パイプ・注射器で作った特殊工具にて調整)入れ、スプリングを挿入。でキャップを締めにかかる。「んん?ずいぶん堅いスプリングだ。でも途中で止まるのはなぜ?」RZVはフロントフォークキャップに減衰力調整用のダイヤルがあり、キャップからはフォーク内部に向けて調節用のシャフトが出ている。これが半月状になっているということは一定の向きでしか入らない。しかもその受けはフォークの中心にある!ここから気の遠くなる作業が。まず中心を探る。中心部は周辺より一段下がっているので、中心にシャフトがいくと少し中に入る。その後回転させ、合い口にあわせると入れる方向に抵抗が無くなる。「やった!入った。後は締めるだけ」。しかし甘かった。あまりにスプリングが堅いため、人力でキャップのねじ山が噛む所まで押し込むことが出来ない!結局スプリングの圧力に負け手を離す。また中心を探ることからやり直し。

何度かそんなことを繰り返すうちに数日前の出来事が頭をよぎる。ラフ&ロードに取りに行った時のこと。最初そこで取り付けてもらおうと思っていたが、「フォークにドレンがないからだめです。」と言われ断られた。ちゃんと付いてるけどなぁ、知らないのかなとその時は思ったのだが、実は困難な作業を逃げたいが為の嘘ではなかったのか、そんな考えが頭をよぎる。結局その日は装着を諦めノーマルスプリングを組んで終わる。はぁー疲れたぁ。

3. 装着その2

後日再チャレンジ。今度は道具を使う。ふふっ、人間たるべき者、お猿さんでは無いんだから道具を使わなきゃね、とホームセンターより入手した頑丈そうな取り付け金具とターンバックル(両方がフックになっていて中央部を回すと両フック間の距離が縮まるアレ)。それと両方が輪になったワイヤー。そう、金具でアンダーステムとフォークキャップを押さえつけワイヤーで固定、ターンバックルにて締め上げキャップを締める。うーん、すばらしい(笑)方法だ。しかしそれ以外といったら油圧プレスしか無いんじゃないかな。コツ云々ではなく力技なんだから。

で、何回か固定用金具をはじき飛ばしながら(そのうちの1つは未だ行方知らず。ご近所の家の壁にでも刺さってたりして)、何とか閉めることに成功。友人が金具が外れて飛んできたフォークキャップにより流血、何てこともあったけどね。フォークオイル交換は絶対バイク屋に頼もう、と固く決意せずにはいられない作業だった。

4. 装着後

苦労した取り付け作業後誇らしげにバイクを見る。うーん、前上がり。固いスプリングが入っているのでフロントは空車1Gではもちろん乗車1Gでも全く沈まない。でもリヤサスは結構沈む。乗ったときの状態をわかりやすく言うと 一人タンデム状態

もともとRZVのタンデム時の乗り味は嫌いでなかった(むしろ好きなぐらい)けれども、いかんせん格好悪いのでリヤサスのプリロードを締め上げ、車高と固さを前後で合わせる。柔らかかったリヤサスはタンデムしても僅かしか沈まない固さに。で、改めての改良後の乗り味はというとフルブレーキングくれても大して沈まないたくましい前足(当然底付きなんかしない)、ギャップを越えるとその衝撃を腰に直撃させてくれるすばらしいリアショックに。こう書くと良いこと無いけど、車高が上がり結果としてホイールベースが短くなったこともあってか曲がるし切り返しも軽い、峠が楽しいマシンになった。この後Fフォークの突き出しをいろいろと試して分かったことは、RZVはF下がりだと切り返しが重くなる。逆に前が上がり気味だと軽い切り返し(下手をすると2st250レプリカよりも)が可能になるのだ。切り返しの重さに悩んでいる人は是非チェックしてみよう。

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