リアホイール交換

間違いなくRZVは後ろから見た方がかっこいい。これでもか!とかちあがったチャンバー、テールランプ横から覗くサイレンサー。

でもここだけは見ていてい だけない。そうグラマラスなボディに不似合いな細いリアタイヤ。アメリカのRZVオーナーズクラブの記事を見て、大した加工もなくFZR1000のリア ホイールが付くことを知っていた所へ「FZR1000用4.5X18リアホイール1万円」の記事が。素早い電話攻撃にてGET成功したのであった。



1. まずは付けてみる

もう我慢汁垂れ流し状態でとりあえずノーマルホイールを取り外しFZRのリアホイールを付ける。スプロケ側のカラーが付いていなかったけれど、構わず付ける。が入らない。でブレーキ側のカラーも外すとジャストフィット。

仮にとはいえワイドホイールが装着された格好いい姿に惚れ惚れ。もう見ているだけで満足 てな感じで受かれていたし、足(原チャリ)があったこともあり1週間ぐらいそのままにしていた。

「はぁ、何度見てもええのぉ」(はよちゃんと付けんかい!)

2. 正気に戻る

そろそろRZVに乗りたくなってきたこともあり、とりあえずノーマルホイールを付け直してから実働可能な装着の為に動き出す。

まずは必要な部品をチェッ ク。上にもあるようにスプロケ側のカラーにリアキャリパーサポート。FZRのホイールにはFZ750用と思われるローター(ベンチレーテッド)が付いていたけれどその径がRZVと違う(FZ用のが大きい)。ではとRZV用と付け替えようとすると、ローター中心に開けられている穴の直径が違う(RZVのが小さい)ので付かない!

もとよりRZVのパーツを加工する気が無かった(すぐに元に戻せなくなるのがいやだった)ので別に予定通りとだからいいんだけどね。 

 それともう一点、ドリブンスプロケ。FZRのとRZVとでは丁数が全然違う(RZVはかなりロング=丁数が少ないもの(38T)が純正で付いている。 FZRは43Tぐらい)のでチェーンを買い直さなければいけない。でもそんな金はない。チェーンに比べればスプロケなんて安いもんだからね。

3. さあ加工

部品が揃ってから(この時点ではスプロケは無かったけど)加工箇所および加工方法を考える。

現状はカラーなし、キャリパーサポートありで幅的にピッタリ。 でもそれでは走れない。そもそも、ホイールが入るだけでは問題ありで、ホイールのセンターと車体側のセンターが合わないといけない。単純に考えると、車体側のセンターは、スイングアームの内側の中心にあるハズ。

でもこれは間違いというか根拠は無いんですな。なぜかって言うと、スイングアームの両端が、車体に対して同じ位置にあるとは限らないのだ!機会があればスイングアーム単体を見てほしい。左右で角度が違うことがままある。参考にすべきはホイールで、純正ホイールのセンターから左右のカラーまでの位置を測定し、それを流用すべきホイールでも再現すれば、ホイールセンターはでる。

計り方は、まずリムの外幅(A)を計り次にリムの淵からカラー、というか走らせるために必要な部品をすべてホイールにつけた状態で、もっとも外側に来る位置までの距離(BとB')を測る。ホイールセンターから、左右の端までの距離は、Aの1/2+BもしくはB'になる。

まずこれをRZVで計測し、流用するFZRホイールでも計る。これでわかったホイールセンター-ブレーキ側の端と、ホイールセンター-スプロケ側の端のそれぞれの数値が、極端に違えばいくらホイールをはめることが簡単でも、大幅な加工が必要になる。ノギスと金尺という頼りになるんだかならないんだかという道具で計測すると、先ほどの仮付け状態(キャリパーサポートはFZR用)でホイールセンターが出ている、という結果が出た。

装着後のリアからのショット
グラマラスなボディには太いタイヤが似合う

ではホイールセンターが狂わないようにカラーが入る分だけ削るだけ!と言うわけで削る箇所を探る。ブレーキ側カラーは薄いので稼ぎ出すべき厚さは約3ミリ。ホイール側にその余裕はなさそう、となれば必然的に削るのはキャリパーサポート。グラインダーで大まかに削りヤスリで仕上げる。うーん上出来。

さて今度はスプロケ側。まずはカラーをホイールの外側とツライチになる厚さ(約半分)に金のこにて大まかに切断してヤスリで調整。お次はカラーのはまるハブの部分(丁度ここだけ突き出している)をスイングアームに当たらない程度に削る。感じとしては厚さ1mmの筒を削ることなのでグラインダーを使えばあっという間。ただし、ダストシールが付く寸法を残さないとだめ。

これで加工は終了。同じようにして計ったチェーンラインもほぼドンピシャだったのもラッキーだった。ただ厳密に計れば1~2mm狂っているはず。もっとちゃんとつけるならスプロケの座面をちょっと追い込む必要があります。

4. お待ちかねの試乗

スプロケ付けて組んだらさあ試乗。あ、そうそう、キャリパーサポートに干渉するので、ノーマルリアキャリパーは使えません。自分の場合は面倒なのでノーマルフロントキャリパーを、センターを調整するカラーをつけて使ってました。

乗った感じとしてはタイヤの太さはもちろんのハイトが変わったので車高が変わっている(5~10mmほど)ので結構乗り味が変わるか?と予想していたのだけど、意に反してノーマルとほぼ変わらない。

敢えて言えばほんの少し寝かし込みが重いかなぁ、と言った程度。改悪になったらどうしよう、と内心不安だっただけに一安心。

その後何回か峠に行って分かったことだけど、バンク角の拡大に貢献しているようで。ノーマル時は熱い走りをするとあっさりとチャンバーを擦っていたのが、ホイール装着後は皆無。「チャンバー擦っちゃったよー」なんて自慢げに語ることはできなくなったのはちょっと残念だけど。

蛇足ですが、この時知ったのが前後タイヤのバランス。ホイール装着時、タイヤは溝も残っていたしホイールに付いてきたエイボンのラジアルのまま。

フロントはたしかダンロップのジェグラ(ハイグリップよりのバイアス)。当時は結構足繁く峠通いしていたのですが、走り込んでいくうちにアンダーステア、これまでと同じように走っても曲がらないことに気がついた。

そうこうしているうちにタイヤが減ったので前後ミシュランラジアルにするとガンガン曲がるではないか! 思うに、製造日も分からないリアタイヤの食いつきが悪く、特に二次旋回が悪くなっていたのが原因。

これで万事解決と思いきや、今度は高速走行するとフロントが暴れやすくなってしまう。これも推測するに、初期型YZF-R1にレース用スリックタイヤを入れるとフロントが暴れる様になるのと同じ、タイヤグリップにフレームが負けるのが原因。ただこれは良質の足回りでいなせる部分もあり、後にフロントフォークをFZR400RRにすると最新ハイグリップラジアルだったのにピタリと消えました。 

 
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