RZVのフルパワー化


RZVには輸出仕様が存在する。色々違いはあるが何が気になるってあなたそりゃ馬力の違いでしょう。24匹も飼っている馬の数が違うんじゃ。で、フルパワー化は簡単という話を聞いて黙っていられる訳もなかった。


1. 情報収集

雑誌のRZV特集(と言うほどのものでもなかったけど)によると、国内仕様におけるパワーの絞り方というのは、チャンバーの入り口にパイプを入れて内径を絞り、それに見合ったキャブセッティングをしてある だけ というもの。

パイプはまぁ簡単に取れるだろう、ということで問題はセッティング。雑誌の特集もそこまで書いておいてはくれなかったので自力で調べる。とは言っても当時インターネットはやってなかったし(やっていてもネットも黎明期でそんな情報は無かったろうけれど)当然周りに詳しそうな人もいない。

そうなれば方法は一つ、書物をあさること。で載っている可能性が高い物は何か?それはヤマハが出しているサービスマニュアルとパーツリスト、もちろん輸出仕様の物。サービスマニュアルは国内用を持っているので、パーツリストを入手することに。他に色々情報も手にはいるし。方法が決まれば実行に移すのみ。思いついた入手先は二つ。1、バイク・車関係の書物に強い「リンドバーグ」にて買う。2、雑誌の広告にて知っていた、輸出仕様のSMやPLを専門?に取り扱うACパワーズにて買う。前者、「リンドバーグ」は以前VF1000Rのサービスマニュアルを買いに行った際、広告にあったのにも関わらず店員に聞いてみると「在庫無し。入手するすべもない」といった返事。おいおいそりゃねーだろ、てなことがあったのでACパワーズで購入することに決め、すぐさま電話。約1ヶ月後ものは送られてきた。値段は確か1万2千円位だったはず。早速中身を確認するとジェットの違いはメインのみ。ちなみにその他吸気系に違いは見当たらなかった。雑誌等では「吸気系を輸出用に交換」なんて改造を見ますが何か意味があるんでしょうか?知ってる方教えて下さい。 


※追記 その後色々調べてみると、ニードルジェット(メインジェット)も違い、国内仕様では栓がされている穴にエアジェットが付いている点も。後者の栓は素人では抜くのは大変。これをやらずニードルジェットも輸出仕様にするとかぶりまくるのでお勧めしません

2. 加工作業

ジェットを入手後加工作業に入る。チャンバーを外し入り口を覗くと、ありましたパイプが。入り口より内径が半径あたり1.5cmほど絞られている。固定方法は3ヶ所の点付け溶接。溶接箇所をリューターにて削りある程度までいったらタガネで叩く。

こう書くと簡単だけれどチャンバー内部に傷を付けないように慎重に作業をしなければいけないし、何よりも角度的にリューターの先端が効果的に当たりにくいこともあって(結構溶接部分が堅いのでなおさら)予想以上に時間がかかってしまった。抜けたパイプは全長約10cmほどのもの。こんなものでお馬さんが24匹も逃げてしまうとは。これが2ストロークの神秘と言うものか!と思わずにはいられなかった。

3. セッティング変更

RZVのキャブセッティングというもの熟練のいる作業だ。私も最初やったときは2時間位掛かってしまった。最近では40分ぐらいかな?ともかくキャブにたどり着く、というかJet交換が出来る状態になるまでに外さなければいけない物が多いし作業自体も面倒。キャブが左右に1setずつ付いているという素敵な構造を恨まずにはいられない。

で肝心のセッティングはメインを標準から20番上げの165番。本来ならこれだけなのだけれど、私はヤマハの素晴らしいサービスマニュアルにだまされ(スロージェットの番数が実際に付いているのと違う。パーツリストに載っていた番数が正しかった)スロージェット交換もしてしまった。しかもスロージェットが収まっている穴に入るドライバーが無かった為にホームセンターを2回ほど往復。さんざん走り回って出てきたの同じJetだった時は、さすがに殺意すら覚えたね。

4. ありゃ?おかしいぞ

組み終えて早速試乗、と暖機をしていると「なぬー!?ガソリンがー!!」もう滝のようにガソリンが漏れている。場所をたどるとオーバーフローパイプ?から。

やっちまった・・・程なくキャブセッティング時に一つだけ違和感のあった作業を思い出した。Jetを換えフロート室を閉じようとして一箇所だけ妙に抵抗があったのを無理無理閉めた所があったのだ。早速開けてみると・・・フロートバルブが動かない!蓋を閉めようとしてフロートが干渉、そこを無理に閉めたのだからフロートバルブを動かす部分が曲がっていた。ここは微妙な部分らしく何度も修正したもののフロートバルブはスムーズに動かずオーバーフローを繰り返す。仕方ないのでフロートを注文、値段は驚きの4000円。手のひらに収まるこんなちっぽけなパーツがこんな値段とは。とほほ。

5. やっと試乗

パーツは1週間ほどで届いたので早速組む。もちろんオーバーフローは起こらない。はぁーここまで長かった。

颯爽とRZVに跨りいざ!中回転域までは今までと同じで変化無し。で、いよいよお楽しみのパワーバンドは・・・すげー、めちゃくちゃはえー。こんなんでタンデムしたらパワーバンド入った瞬間後ろのヤツが落ちるのでは?と思うぐらいの加速。やってよかったー。

具体的にそのパワーの程を書くと、ノーマルでは"ぬゆわkm"というと6速8000回転位、フルパワーだと5速8000回転位でOk。メインジェット4個=約2000円でこの効果、おすすめです。

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