AMANO'S
超・究極のBH
瘋癲狼藉帖
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June   * *
2002
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Jun-25-2002
SPターミナルの位置(天板へ)
D-50では裏面にあったSPターミナルが、D-55では天板に移動しました。
その意図は、天板に取り付ける利点を列挙すれば、推察できます。
 
(1)裏面を壁に密着させてもSPコードの交換が容易
(2)ユニットの交換などで裏面を下にしてもターミナルで床を傷つけない
 
D-55では奥行きが約10cm深くなり、また、格段と重くなったことから、
(1)、(2)は納得できます。
さらに、加えたいのは、フォステックスの独立型ターミナル、T-100の出現です。
これが
 
(3)シンプルかつ機能的に見えて美観を損ねない
 
ということで、天板に堂々と登場した、と考えられます
(目立たせるのは、多少、T-100の宣伝策でもあったかも)。
 
ところで、長岡先生は「内部配線とターミナル」についても言及されております。
 
「内部配線は短いほどよい−−−」
「BHの場合、音道にそってコードを這わせ、開口から引き出すというようなことはせず、天板から引き出すとか、裏板上部から引き出すとか、キャビネット内を最短距離で通過するということだ」
「安物のターミナルは音質劣化の原因になる」
「高級品でも音質劣化はゼロではない」
「音質優先だったらターミナルは使わず、コードをじかに引き出すほうがよい」
音楽之友社 ”長岡鉄男のオリジナルスピーカー設計術(2)” 85ページ(1997年)
このコラムには、線径、線材の処理・固定法など、具体的なノウハウが、事細かに、詰まっています。
Jun-18-2002
SPターミナルの位置(変遷)
SPターミナルは、ハコの見えない面、すなわち、裏面に取り付けるのが、一般的です。
その理由として、ターミナルやSPコードが美観を損ねるという意識に加えて、これがあると、化粧板を貼るときや塗装の際に邪魔になること、などが考えられます。
ところが、BHでは、音道のスタイルから、D-7MK III のように、天板にターミナルを取り付けるケースもあります。
 
さて、D-55の兄弟を見ると、ターミナルの位置は次のように変遷しています。
 
   D-50       裏面(内部上端から55mm)
   D-55       天板(内部後端から50mm)
   D-57       天板(無指定)
   D-58       天板(無指定)
   D-58ES     天板(内部後端から80mm)
 
これを見る限り、ターミナルの位置が特に重視されているとは推察されません。
ところが、最近発表された、D-58ESシナ・アピトン(以後、D-58SAと略記)は、また、その位置が変わりました。
 
   D-58SA     裏面(内部上端から14mm)
 
はて、さて、これは一体、何故でしょう。
そこで、この変遷を俎上に乗せて、狼藉料理が始まります。
Jun-11-2002
谷崎 聡 さんを偲ぶ
”ステレオ”7月号が発売されるこの時期になると、谷崎 聡さんを思い出します。
聡さんは、同誌2000年の「工作人間大集合」に登場し、次のように紹介されています。
 
谷崎さんは早稲田大学オーディオ研究会のメンバー。理工学部を卒業して現在は大学院に学ぶ22歳。父親がスピーカー工作を趣味としていたのと、家から近いので、3歳頃から秋葉原を庭のようにして育った。中学くらいで、長岡さんの記事などを参考にスピーカー工作を始める−−−−−
 
知り合ったのは、聡さんがアルバイトをしていた、あるオーディオ・ショップです。
娘と、同じ年頃・同じ大学、ということで、互いに親近感を抱いたのか、私も足を運び、聡さんも時間をかけて相談に乗ってくれました。
愛用のVRDS−25は、「断然、こちらです」と、選んでくれたものです。
「あのアンプなら、バランスケーブルはどうですか。これは値段の割にはなかなかですよ。」
 
ところが、ある時、店長に
「このところ、谷崎さん、見かけないけど、バイトやめちゃったの。」
と尋ねると
「あいつ、死んじゃったよ。」
息が詰まりました(なんてこった、そんなのないよ)。
「SACDの山崎先生の研究室に入ったんだ。楽しみにしてたのに。」
 
2000年7月号をお持ちの方は、27ページを開いて頂けましょうか。
この温和な笑顔の聡さんが、その僅か半年後に、この世を去ってしまったとは。
Jun-04-2002
FE208SS でも 30Hz までフラット
D-58ESが30Hzまでハイレベルで再生することを可能にした要因を探るため、AE86さんの掲示板をお借りして、D−58ES*FE208SSの使用経験を、全国規模でお尋ねしました(5月27日、No11880)が、レスポンスがありません。
再び、ESに戻すことを前提にして、そのような物好きをするには、労力が大きすぎるのでしょう。
 
そこで、代用として、あの積重ねスタイルのBH(暫定的に s-ultra III とします)の208ESをSSに換装しました(所要時間は90分弱)。
愛用のチェックCD(Sony)でテストすると、32.5Hz までフラット(聴感上のレベルは、40Hzや50Hzより、むしろ高いくらい)でした。
 
D−58ESの補強材13番のサイズは 200*40*21 (mm)、一方、これに対応する
s-ultra III の補強材(D)のサイズは 180*40*21です。
試行錯誤の上、追い込んで得た補強材Dのサイズ、これが補強材13番のサイズとほぼ等しいこと、
さらに、両BHが30Hzまでハイレベルで再生すること、を勘案すると、D−58とD−58ESとの違いの一つである補強材13番の効果は、単に、補強だけではなく、D−58ESにして初めての快挙である、再生低音域を30Hzまでフラットに伸ばすこと、にもあったのではないでしょうか。
 
この仮説の真否に影響するものとして、次の設問があります。
 
D−58ES(シナ・アピトン)は、そのオリジナルと同様に、30Hzまでハイレベルで再生するか。
 
この解答は、いずれ、何処かで、明らかにされるでしょう。
 
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