AMANO'S
超・究極のBH
瘋癲狼藉帖
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August * *
2002
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Aug-27-2002
過ぎたるは (再試験:90度折り曲げ)
90度折り曲げ部分を曲面処理する実験(狼藉帖:Jul-23-2002)では、低音全般で芯がなくなり、中高域では解像度が低下したという結果でした。
その解決策として、コルクシートで形成する曲面部分を小さくすることを挙げましが、そのままになっております。
そこで、シートのサイズを、順次、小さくして、音の変化を試聴することにしました。
その曲面処理を横からの断面で見ると、
 
前回 : 二辺が各95mmの直角二等辺三角形を150mmのシートで繋ぐ
今回 : (a)同じく65mmの直角二等辺三角形を100mmのシートで繋ぐ
     (b)同じく53mmの直角二等辺三角形を80mmのシートで繋ぐ
 
となっています。
下の写真は、左が前回、右が今回の(b)の処理です。
試聴でのポイントは、ヴォーカルのマイクの高さです。
(a)では、マイクの高さは両ユニットの中心より下がります。
(b)では、マイクの位置の低下は感じませんが、口がやや大きくなったかな、という印象です。
 
結論として、スロート直後にある場合は別として、90度折り曲げ部分を曲面処理する必要はないと思います。
あえて、これを行うにしても、その大きさは、せいぜい、音道の高さの半分を二辺とする直角三角形の斜辺をコルクシートで繋ぐ程度にとどめるべきでしょう。
ちなみに、Shuksさんが来宅されたときは、この位置を未処理のまま、聴いて戴きました。
     
Aug-20-2002
the heavier,the better ! (VRDS-25xs)
「長岡氏最後のレファレンスCDプレーヤー(注1)」とされる VRDS-25xs を入手しました。
もう、質実剛健・鉄のラックの天守閣に収まっています。
17日、新宿のあるオーディオショップに、ぶらりと立寄ると、現品限り11万5千円と25xsが出ていました。その上を見ると、12万5千円のもあります。
店長に
「その違いは何ですか」
と尋ねると、
「下のは箱が無いだけです。汚れてしまって」
「そう、上のも中身だけなら、11万5千円になるかしら」
「いいですよ。でも、取り出すの面倒だから、箱入り、税込み12万円にしましょう」
「配達料は」
「何処に、お届けしますか」
「所沢です」
「では、結構です」
領収書明細には、(持帰り)¥114,286、消費税¥5,714となっていました。
配達先を記入しながら
「実は、二代前の25を使っています。秋葉原の同じ名前の店で買いました。
その店長に、50が出たとき、”25xsと50とどちらにしようか、と迷っています”と尋ねたら、”買い換えること、ないですよ” って言われちゃいました。確かに、不満は無いけど」
「何という商売やっとるんか」
 
翌日、届きました。箱を眺めると、シリアル・ナンバーが貼られています。
あの遣り取りは、一体、何だったのでしょう。
 
「ここでACコードを自作ホスピタルグレードの強力版(線材は3.5mm^2のキャブタイヤ)に交換、これにはアシスタントを含む全員がアッと驚いた(注2)」
 
そこで、急遽、FLチューブを省略した簡易型を作ってしまいました。手元にあったキャブタイヤは、未使用ながら、1989年製、大丈夫かしら。
「普通の部屋で聴いてもハイCPだと思うが、リジッドな床とラックが用意できるならウルトラハイCPだ(注2)」
 
床は、25cm間隔の鉄根太の上に乗っているし、ラックは、180kgを超える鉄のラックです。さあて、2,3ヶ月後が楽しみになってきました。
もちろん、BHをチューニングする環境の一貫性、という意味で、25(16.5kg)と25xs(23kg)を併用していきましょう。
注1 : 音元出版 ”不思議の国の長岡鉄男(2)” 10ページ(2002年)
     「長岡鉄男が愛したシステム&ブランドたち」
注2 : 共同通信社 ”開拓者・長岡鉄男” 165ページ(2001年)
     「長岡鉄男のダイナミック大賞−部門賞受賞モデル」
      
     
Aug-16-2002
size does matter ! (Jansen 1000 WVDC)
長岡派ではマイノリティーとなっているクラシック愛好家の一人 ”女将さん” から紹介されたJansenの銅コン(耐圧1000V)を入手しました。
その大きさは、なんと、耐圧630Vの、約1000/630倍もあります。
”女将さん”の評価では、音のしなやかさと艶で、耐圧630Vより、こちらをとる、とのことです。
これから約一ヶ月、burn−in を続けますが、果たして、その大きさがものをいうのでしょうか。
容量は、すべて、0.47μF。サイズは実測(直径mm*長さmm)。
左から、
FostexのCSコン(16.3*37.2)、
Jansenの銅コン630WVDC(35.2*35.0)、同1000WVDC(35.2*56.5)
            
Aug-14-2002
Shuksさんの「天野邸訪問記」
今朝、7時にPCをみると、Shuksさんから「天野邸訪問記」をUPされたとのメールが入っていました。
昨夜、ご帰宅されたのは、8時頃だと思いますが、その文章力・バイタリティーに感服します(私なら、二日は、かかります)。
Shuksさんは、s-ultra III世を聴いてくださった、最初の人です。
            
Aug-13-2002
Shuksさん 来訪
6月末、Siteを立ち上げられ、その最初から、コンテンツの豊富なこと、充実していることなどから多くの方の関心を集めていらっしゃる Shuksさんが拙宅を訪問してくださいました。
この7月18日、私がShuksさんを訪問したときのお約束でしたが、いざ、その日が近づくと、豊かなオーディオ歴に加えて、多数のハイエンド再生機器、膨大な所蔵ソフトを擁するShuksさんが、私の質素な環境をどのように評価されるのか、と多少、ビビッテいました。
訪問記をShuksさんのSiteに纏めてくださるそうですが、不安混じりに楽しみにしております。
            
Aug-06-2002
二兎を追わず (再試験:遠い180度)
前回の狼藉帖(ユニットから遠い180度折り返しでは?)では、下段の天板が振動する虞があったので、コルクシートを、曲面の形成だけでなく、制振作用も期待して使用しました。
しかし、この一連の実験の目的は、本来、180度折り返し部分に曲面を適用したときの効果を検証することです。
そこで、問題の箇所を補強するため、内側から、340*150*12(mm)のベニヤ板をボンドと釘(21本)で固定しました(奥に、中段と通じる穴が見えます)。
打診すると、コチコチです。
コルクシートは、前回の経験から、思い切って小さくしました。
横から見た断面は、2辺を65mmとする直角三角形の斜辺の部分が100mmのコルクシートで曲線となっており、その内側は、ブチルテープを介して、50mmのシートで裏打ちされています。
ちなみに、スロート直後では、2辺が80mmの直角三角形の斜辺を120mmのシートで繋いだ形になっています。
下の写真は、左が今回、右が前回(シートの長さ150mm、30Hz以下消失)のです。
さて、音の変化です。
 
低域に関して、トリニティ・セッション/カウボーイ・ジャンキーズの床の共鳴は維持されている(マイナスは少ない)、
中高域に関して、楽器の種類も多く、トゥィターも綺麗に聞こえる(プラスがある)、
という印象です。

曲面部分が少ないので、180度折り返しに起因するSPユニット駆動への負担が解消されたとまではいえないまでも、少なくとも、180度折り返し部分における、気流の乱れによって生じる、新たな音の発生を減少させる効果があったと思われます。
いずれにせよ、個人的な聴感からは、この箇所にコルクシート処理を採用する価値があると判断します。
 
ところで、180度折り返しを曲面化処理をするとき、次の2点をどう考えたらよいのでしょうか。
 
(1) ユニットに近い入り口側部分だけでなく、後半部分の処理も必要か。
(2) 180度折り返しが連続する場合、どの位置を処理するか。
 
(1)は、入り口側の処理で、そこが滑らかに繋がり、全体として、90度折り曲げとして見なせるようになり、後半部分の処理は不要となっているのでしょうか。
(2)は、特に、スロート直後から180度折り返しが続いている場合、曲面化処理する位置により効果に差がありそうです。
s−ultra III世 では、残念ながら、その構造上、上記(1)、(2)を検証することはできません。
 
以上で、180度折り返し部分をコルクシートを用いて曲面化処理する実験を一段落とします。
貴重な経験をする機会を与えて下さいました、シトさんに、感謝いたします。
 
            
 
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