「ところで、オマエの場合はどうなんだ」 という声が聞こえてきそうです。
そこで、s-ultra のBHにおける、SPターミナルの位置について説明しましょう。
初代目(1989年)では、当初、ターミナルを裏面上端に設けました。
丁度、D−58SAと同様の位置ですが、ハコの内部を弄くろうと、バッフル面を上にして立てると、T−100の頭が床を傷つけます。その都度、下駄でも裏返しにして履かせれば良いのですが、これが頻繁になると面倒でした。
と、いうことで、天板の前方(ユニット側)、スロート入り口ギリギリにターミナルの足が出る位置に移しました。
二代目(1997年)も天板前方(バッフル面から約14cm)です。
ただ、ここですと、FE208 ESでは、マグネットとスレスレです。そこで、
三代目(2000年)では、バッフル面から約15cmとし、さらに、後々、スロート断面積を調節することを考慮して、スロートを二分する垂直の板の前面を、その入口の面から2cm、後退させました。
その外観は、
超・究極のBH製作(製作・特徴)のページに、
また、ハコの内側に出た足は、
同(組立・上段)のページに示されています。
次に、この天板前方位の長所と短所について考察しましょう。
長所:
(1)内部配線が短い
(2)SPケーブルの着脱が容易
(3)トゥィターとターミナルをコンデンサーで直結できる
(4)スロートとこれに続く音道に突起物がない
短所:
ターミナルとSPケーブルが美観を損ねる
(1)、(2)は基本的に重要なことです。
(3)は、手軽にコンデンサーを交換できるという点で、トゥィターを最適化(銘柄・容量・接続方向など)するとき、また、ソフトに応じて、随時、コンデンサーを(カートリッジのように)換装するときに、その便利さを実感します。
好評のJansenの銅コン(注1)やフォスのCSコンのように、リード線にコダワリのある製品は、素のまま、そのコダワリを生かしてあげたらいかがでしょうか。
(4)は、(ヒヤリングの結果として、その位置にその突起物が据えられた場合を除いて)、やはり、音道はスッキリしていた方が、精神衛生的に安穏でしょう。
また、「シトさんが示唆された(折り返し点は曲面で)」の実験も、そのスペースに余裕があれば、容易に可能です(注2)。
短所として挙げられる美観についてですが、リスニングポジションから見ると、ターミナルはトゥィターの陰に入っています。また、SPケーブルは、天板の上に、縦に2本並べた、例えば、鉛インゴットの間に這わせると、視界から外れます。
もっとも、ネッシーではこの位置が常態ですから、この美観については、問題とされる方は多くないのかも知れません。