AMANO'S
超・究極のBH
瘋癲狼藉帖
M E N U に 戻 る
December *
2002
      前 月 の 狼 藉 帖
  狼 藉 帖  I n d e x
Dec-24-2002
スワンを超えるBH (板取図)
サブロク(21mm厚)2枚半を目一杯使い切って一組を製作します。
 
抜き穴が生じる[6]、[19]、[28]については、それぞれの穴のサイズと位置を、1.5倍に拡大した図で示しました。
 
別の10cmユニットの音を楽しみたければ、空気室とスロートを、そのユニットに合わせて、最適化することになりますが、半枚の板に上段の部材はすべて収まっていますから、各ユニット毎に、専用の上段を用意しても、大きな負担にはなりません。
 
ユニットを装着する[5]の代わりに、15mm厚の180*180mmの板を用意するときは、[5]には穴を開けないで、チューニングに転用しましょう。     
 
Dec-21-2002
スワンを超えるBH (組立図・下段)
     
[20]:360*585(mm)、[28]:222*585、
[22]:100*180、[23]:370*180、[24]:30*180、
[25]:40*180、[29]95*180
他の部材のサイズは、上図から出ます。
 
[23]の位置は、側面図から読みとれますね。
 
開口部のデッド・スペースには、砂利などの重量物を入れ、[29]で蓋をします。
[22]や[29]と[23]との隙間はパテなどで埋めます。
 
 
開設一周年
早いもので、もう、こんなに経ってしまいました。
BHに特化した、文章中心の無骨なサイトですが、多くの方に訪問して戴き、感謝申し上げます。
これからも、小さいけど、新しさを感じて戴ける内容にしていきたいと思います。
 
 
Dec-19-2002
スワンを超えるBH (組立図・中段)
s−ultra 100 の中段は、s−ultra IIIのそれと同じスタイルです(前後は入れ替っています)。
詳しくは、超究極のBHの製作・組立(中段)を参照ください。      
中段上面[19]は、162*400(mm)。
側面を構成する[13]は、490*400です。
他の部材のサイズは、上図から出ます。
 
       
Dec-16-2002
スワンを超えるBH (組立図・上段)
上段は、空気室(スワンの頭部に相当)とスロート(同、首)で構成します。
 
まず、空気室部分を示します。      
バッフル面は18*18(cm)。容積は2857ml(13.8*13.8*15)。
これで、6枚の板のサイズが出ます。
スロートの断面積は50.7cm^2(7.8*6.5)。
容積と断面積は、それぞれ、s−ultra III のそれのほぼ1/4にしました。
 
スロートの入り口を上にズラすとユニットセンターまでの高さが低くなります
(この図の4cmでの高さは96.3cm)。
この入り口を後面のド真ん中に置けば、空気室は、前から見て、完全な対称になります(SPターミナルの脚を無視すれば)。
その位置が、ド真ん中とズレるのとで、音がどう違うのかは、予測できませんが、瘋癲老人のカンでは、少しズラした方が空気の動きはスムーズになりそうな気もします。
 
SPターミナルの位置は、後面も可能ですが、上面にすると、コンデンサーのリード線だけで、トゥィターと接続できます。
トゥィターの併用を予定するなら、上面をお勧めします。
 
バッフル[5]は、マグネットとの隙間に余裕をもたせるため、15mm厚とします。
ラウンドバッフルにしたときの削り面の美しさから、その材質をフィンランドバーチにしてはいかがでしょうか。お願いすれば、端切れで、サービスしてくれるかも知れません。
それはそれとして、バッフル開口部のザグリ加工ができる工作達人のために、21mm厚の[5]も板取図に入っています。
 
アダプター・リングを使用すると、その厚みの分、問題の隙間が狭くなります。
また、その色がSPの存在を主張するようで、瘋癲老人の好みに合いません。
 
続いて、スロート部分です。      
側面のサイズは400*110(mm)。
 
上面の凹部分(断面:78*24)は、頭部との重量バランスをとるために、鉛インゴットをネジ釘で留めるスペースです。また、SPケーブルをここに這わせても横からは見えません。
スロートの上には、心ゆくまで重量物を載せましょう。
 
上記の空気室部とスロート部をボンドで接着すれば、上段の完成です。
 
なお、上段一対の部材は、90*90(cm)の板から、余裕をもって、取れます。
他の10cmユニットの音を楽しみたいときは、そのユニットに合わせたチューニングを施した上段を用意することも可能です。
もちろん、今後、新しいSPユニットが開発されても、同様に、上段だけの製作で対応できるでしょう。
 
Dec-12-2002
スワンを超えるBH (音道スタイル)
狼藉帖では、「スワンを超えるBH( s-ultra 100 )」の音道スタイルも説明する予定でした。そのタイトルとして「逆転の発想」を用意していました。
D-55ファミリーのスタイルで、スロートと出口を、丁度、天地逆転させるとそのスタイルになっているからです。
 
ところが、ひょっこり、s-ultra 100 とソックリな音道スタイルのBHを見つけました。
やはり、尊敬するコエフさんのCW型の作品 BH-1108ESです。
 
日々のWeb巡回経路に入っているコエフさんの掲示板で、現在、10cmユニットを使用したSPが1kHz付近にディップを発生する原因を解明することで賑わっています。
瘋癲老人には、その難しい議論は理解できませんが、その中に、BH-1108ESを使用する実験が引用されております。
そのBH-1108ESの後面開口を閉じ、もう一回180度折り返して前面開口としたのが、s-ultra 100の音道スタイル、ということに気づいたのです。
コエフさんもスロートの先を90度で折り曲げられていて、嬉しくもあり、心強くもあり、です。
 
BH-1108ESの周波数特性の素晴らしさに惚れ惚れしました。
はて、さて、思わぬ強敵の存在です。果たして、それを超えられるのかな。
大丈夫、大丈夫。それを超えるまでチューニングすればよいのですから。
 
Dec-11-2002
スワンを超えるBH (特徴)
外観からわかる特徴
 
1.セパラブル
3段重ねのセパラブルで、ハコの隅々まで手が届きます。
チューニング次第で好みの音に近づけます。
 
2.点音源
バッフル面積は180*180mm。
板厚が21mmあるのでラウンドバッフルにしましょう。
 
3.ユニットと離れた前面開口
低域の解像度が良さそうです。
 
4.スペース・ファクター(mm) : W*L*H=222*585*(999〜1072)同一の板取で、ユニットセンターまでの高さを、909〜982mmの範囲から選べます。
 
外観では隠れている特徴
 
5.空気室の対称性
 
6.スロートに続く折り曲げが90度
5,6.で、D−55タイプで最大の問題点を解消しました。
 
7.各音道の断面が正方形に近い
気流抵抗を減らし、小口径ユニットの非力をカバーします。
 
8.サブロク(21mm厚)、2.5枚で一組作る
それでも、音道(中心線)の全長が約290cmもあって、サブロク8枚を使用するD−58ESのそれを超えるのは驚きです。
 
9.組み立てが楽
各段の部材数(上段10、中段9、下段10)が少なく、しかも、それぞれ独立しているので、狂いなく、楽々と組み立てられます。
 
Dec-08-2002
スワンを超えるBH (概観)
講釈を始める前に、その概観を絵で見て戴きましょう。
まず、音道スタイルです。      
横面図、点線はその面の裏に接している板です。      
正面図、スーパースワン(D-101S)と対比させました。
 
 
お願い :
      スーパースワンを105%拡大し、FE108ES II に適応させた
      とされる、「スワン消費税」の製作記事を探しています。
      どなたか、そのコピーを送って戴けないでしょうか。
 
コエフさんが送って下さることになりました。感謝、申し上げます。
 
 
Dec-04-2002
スワンを超えるBH (s-ultra 100)
「超・究極のBHで、10cmバージョンを設計して欲しい」
と、Shuksさんから言われております。
約10畳の部屋を JBL4348 と D-55 が占拠していて、s-ultra III では、そのスペースがないそうです。
「あれを、そのまま、小さくすれば、いいじゃありませんか」
と、簡単に仰って、催促されます。
 
瘋癲老人も、一時期、10cmも16cmも、あの音道スタイルで、席巻してやろうかと、本気に考えたことがあります。FE108ES II と168ESも用意してしまいました。
しかし、あのスタイルは、少なくとも、108ES II には適応しません。
「ハコの隅々まで手が入る」という特徴が、10cmユニットでは、スロートが狭すぎて、実現できないためです。
 
11月9日、Shuksさんをお誘いしてAE86さんを訪問したときの帰りにも、この話題が出て、
「なんとか、いけそうなイメージが湧きました。これから板取を考えますから、少し時間を下さい」
と言って、お別れしましたが、ようやく、発表できる程度まで仕上がったかな、と思われる設計になったようです。
 
s−ultra III が、D−55ファミリー(D−58ES・シナ・アピトンを含めて)を凌駕していることは、その構造から見て、原理的に、異論がないことは明白です。
一方、10cmユニットとなると、目標とする相手は、CW型のBHではなく、当然、「不朽の名作」とも讃えられる、スワンです。
長岡先生ご自身の設計になるスワン・ファミリーだけでなく、スワン21、スワン消費税、そして、瘋癲老人が尊敬するコエフさんの入魂の作品「八角獣」など、強豪が犇めいています。これらを、本当に、超えられるでしょうか。
 
これから当分、「スワンを超えるBH」を表題に掲げ、狼藉帖を続けていきますが、
怖いなあ、
コエフさんとその掲示板の常連さんに、袋叩きにされそうだなあ。
 
 
M E N U B B S 狼 藉 帖 Index 前 月 の 狼 藉 帖 先 頭 に 戻 る