上段は、空気室(スワンの頭部に相当)とスロート(同、首)で構成します。
まず、空気室部分を示します。
バッフル面は18*18(cm)。容積は2857ml(13.8*13.8*15)。
これで、6枚の板のサイズが出ます。
スロートの断面積は50.7cm^2(7.8*6.5)。
容積と断面積は、それぞれ、s−ultra III のそれのほぼ1/4にしました。
スロートの入り口を上にズラすとユニットセンターまでの高さが低くなります
(この図の4cmでの高さは96.3cm)。
この入り口を後面のド真ん中に置けば、空気室は、前から見て、完全な対称になります(SPターミナルの脚を無視すれば)。
その位置が、ド真ん中とズレるのとで、音がどう違うのかは、予測できませんが、瘋癲老人のカンでは、少しズラした方が空気の動きはスムーズになりそうな気もします。
SPターミナルの位置は、後面も可能ですが、上面にすると、コンデンサーのリード線だけで、トゥィターと接続できます。
トゥィターの併用を予定するなら、上面をお勧めします。
バッフル[5]は、マグネットとの隙間に余裕をもたせるため、15mm厚とします。
ラウンドバッフルにしたときの削り面の美しさから、その材質をフィンランドバーチにしてはいかがでしょうか。お願いすれば、端切れで、サービスしてくれるかも知れません。
それはそれとして、バッフル開口部のザグリ加工ができる工作達人のために、21mm厚の[5]も板取図に入っています。
アダプター・リングを使用すると、その厚みの分、問題の隙間が狭くなります。
また、その色がSPの存在を主張するようで、瘋癲老人の好みに合いません。
続いて、スロート部分です。
側面のサイズは400*110(mm)。
上面の凹部分(断面:78*24)は、頭部との重量バランスをとるために、鉛インゴットをネジ釘で留めるスペースです。また、SPケーブルをここに這わせても横からは見えません。
スロートの上には、心ゆくまで重量物を載せましょう。
上記の空気室部とスロート部をボンドで接着すれば、上段の完成です。
なお、上段一対の部材は、90*90(cm)の板から、余裕をもって、取れます。
他の10cmユニットの音を楽しみたいときは、そのユニットに合わせたチューニングを施した上段を用意することも可能です。
もちろん、今後、新しいSPユニットが開発されても、同様に、上段だけの製作で対応できるでしょう。