コンテストで使用された課題ソフト(2曲)と瘋癲老人が選択した自由ソフト(3曲)を紹介しましょう。
(1)「Dream of the Orient」 (CONCERT KOLN / SARBAND)
ARCHIV ; 474 193-2
#2 W.A.Mozart "The Abduction from Seraglio"
この課題曲のF−レンジもD−レンジも10cmユニットで容易に対応できる広さですが、高域に細かい音が沢山入っています。大会場における大音量でも、その分解能を保てるか、が聴きどころになると思われます。
(2)「Surround Sounds]
TELAC ; CD-80447
#4 "You Don't Miss Your Water" (The Memphis Horns)
強いて言えば、立ち上がりのスピードと男性ボーカルの伸びでしょうか。BHが得意とする課題曲です。
(3)「LET'S TALK ABOUT LOVE」 (Celine Dion)
EPIC/SONY ; ESCA 6877
#6 "TELL HIM" (Duet with Barbra Streisand)
「ミューズの方舟」主催のコンテスト(11月24日)の約一週前に行われたフォステックス主催のコンテスト(15日)での課題曲の一つです。
テストソースに、是非、加えたい女性ボーカルの曲として、当初、「CANTATE DOMINO」の#9
"JULSANG"を予定していましたが、かなりの方が両コンテストに参加されると予想し、それらに共通するソフトも一興、と、急遽、これに変更しました。
課題曲よりはるかに低い音が漂っていますが、冒頭1分半は音量が小さく、後方の席までは、十分届きにくかったようです。
(4)「ORGAN ILLUSION」 (Ales Barta)
OCTAVIA ; OVCL-00056
#1J.S.Bach "Toccata and Fugue in D minor BWV. 565"
32フィートを始め、5000本を超えるパイプから構成されるオルガンは楽器の王様です。F−レンジもD−レンジも最大で、複雑・微妙な音を自在に天から降り注ぎます。
オルガンは同じ周波数の音が持続するので、残響するBHはこれを苦手とします(実際、リハーサルでは、別の奏者の同じ曲を鳴らした方がいらっしゃいましたが、本番では取り止めています)。
100人余を収容する大会場でも、SUT−100はエネルギーに満ちた低音のメロディーラインを破綻なく表現するでしょうか。
(5)「SPIRAL CIRCLE」 (HELGE LIEN TRIO」
DIW ; DIW-627
#7 "TAKE FIVE"
この絵は狼藉帖に、すでに2回登場しています(Oct-23-2002, Sep-25-2003)。ご存知、JBL4348のデモ用ソフトです。
本邦で最初に4348を導入された
Shuksさんの隠れ家にお邪魔して
「SUT−100の方が、低音の解像度と立ち上がりのスピードが勝っているワイ」
と密かに自己満足して帰るのでありますが、大会場ではどのような結果になるでしょうか。
残念なことに、セッティングに手間取ったり、演奏トラックを間違えたりで
「スカコン ド・ド・ド ドスン チ〜ン」だけで、"TAKE FIVE"のメロディーが始まる前に時間切れになってしまいました。
さて、今回の出展の目的である
* ポンと置いて重ねるだけなのにハコ鳴りやビリ付きが無い
* 吸音材を使わずに定在波の発生や開口部からの中高音の漏れを抑える
ことの証明は見事に成功しました。
また、低音の質と量に関しては、アンプ(P−7000)が卓越していたこともあって、予想以上の満足でした。 しかし
* 10cm ユニット一発で30Hzまでフラットに再生する
ことを明確するためには、別のソフト(たとえば、COWBOY JUNKIES)が必要だったかな、と思います。