AMANO'S
超・究極のBH
瘋癲狼藉帖
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January **
2004
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Jan-21-2004
最適化・中級・108EΣ vs 108ESII
コンテストの2週前に、杉並のShuksさんと市川の長浜さんが来宅されました。
長浜さんとは
「D−58ESを製作する上で
 *SP端子を天板に移すとき、バッフル面と側板からの距離
 *オリジナルから変更した方が良い点(最低域を延ばすための変更等)
は如何に」
との趣旨のメールを頂いたのがご縁の始まりです。
そのころ、FE108EΣとESIIとの比較試聴をShuksさんと計画していて、長浜さんをお誘いしました。
 
108EΣは最適化・中級での最終版に装着。
一方、ESIIをマウントした上段は空気室の奥行きが1cm広いだけでなく、スロート(音道A)の調整板が厚さ9mm・長さ150mm、さらにバッフルをこんな具合に不器用にザクッてあります(気まぐれ日記帳11月9日)。
二つの上段を一曲ごとに交換しながら(EΣ vs ESII、ESII vs EΣ、−−−)聴き比べました。
 
長浜さんのお持ちしたソフトは「カンターテ・ドミノ」。Shuksさんのはサラ・ブライトマンの「ハレム」(Shuksさんのこのソフトへの惚れ込みは、気まぐれ日記帳9月9、11、12日)。
 
ユニットそれぞれの印象はソフトにより様々で、短い言葉で纏めにくいものでしたが、最後に、余興のつもりでESIIを外してEΣに換装したところ、お二人とも
「コンテストはこれで行こう」
でした。
 
あ〜あ、木に竹を継いじゃって。でも、お二人の耳を信じましょう。
と、いうことで、コンテストに出展したのは中級・最終版そのものではありません。
追い出されたESIIのために、また上段を作るかヨー。
 
ところで、ユニット換装の前に、チェックCDで f 特を聴いてみました。
25Hzで、長浜さんは両手を広げて
「何か出ている 感じる感じる」
続いて、31.5、40、50、63、80Hzがほぼフラットを聴いて、Shuksさんは
日記帳(9月28日)に、30Hzまで十分に伸びている、と書いたら
[10cmユニットで、原理的に、そんなことある筈がない]
とのメールを頂いちゃって。
今日は3人だから、私の耳がタコでないことが証明されました。ヨカッタ、ヨカッタ」
 
さて、その「原理」なるもの、どなたか教えて頂けないでしょうか。
 
Jan-12-2004
最適化・中級
SUT-100は、その横断面を見ると、6本の音道(A〜F)から構成されていますが、この内、直管の音道(A〜D)を調節して、再生低域を伸ばします。
 
その手法は、基本的に、SUT−200場合(最適化・超究極のページを参照)と同じです。
すなわち、ベニヤ板を音道に貼り付け、耳を頼りに、最適な厚さと長さを探すという極めて原始的な方法です。
 
SUT−200での経験から、低域を伸ばすには音道Dの寄与が大きいので、ここの調節から始めます。
 
近所のホームセンターで購入可能なベニヤ板の厚さ(mm)は次です。
    5.5、 9、 12、 15、 18、 21
それぞれを
    巾 : 118mm (音道の巾が120mmだから)
    長さ: 180mm (SUT−200の経験から、暫定的)
に切断して、上の写真の様に、布テープで固定します。
 
試聴の結果、厚さは12〜18mm辺りが良さそうです。
続いて、長さです。
 
10mm刻みに、120〜220mmの範囲を探ると、ヤマは150〜190mmの辺りにありそうです。
暫定的に15*180mmを選択して、音道Aの調節に進みますが、その前に
鬼太鼓座”弓が浜”の <ド〜ン ドンド〜ン −−−> を聴いて、記憶しておきましょう。
 
次は音道Aの調節箇所です。
 
他の音道でも役立つように、手順を示します。
なお、白い布テープの巾は50mm、茶色のは38mm。
 
白く見えるのはプラスチックのヘラ。これで隅まで決めます。
音道Aでは、厚さは5.5か9mm、長さは130〜170mm辺りが良さそうですが、AとDの調節を色々組み合わせても、まだ「COWBOY JUNKIES」の床鳴りが聞こえません。
 
続いて、音道B。
 
ここでの、厚さは5.5か9mm、長さは160〜200mm辺り。
 
もう一息、と、祈りを込めた音道Cの調節では、厚さは5.5か9mm、長さは120〜160mmでしょうか。
 
Aを固定するとDを見直す。Bを固定するとAもDも見直す。Cを固定するとAもBもDも見直す。
貼りつ剥がしつ数知れず(数百回)、ようやく辿り着いたのは次のサイズです。
これで「COWBOY JUNKIES」の床鳴りが聞こえてきます。
 
      音道   厚さ      巾     長さ   (mm)
       A     5.5    77    150
       B     5.5    77    180
       C     5.5   118    140
       D    15     118    170
 
これを中級での最終版としましょう。
 
Jan-01-2004
最適化・羅針盤
空気室や音道の形を少しずつ変化させて、目標とする音や好みの音に近づけていく過程が「最適化」です。
いつも聴きなれているソフトがその羅針盤として最適ですが、中級では音道を調節して30Hzの再生を目指すので、それに適したソフトも必要になります。
瘋癲老人は、SUT−100でも愛用盤に紹介した二つのオーディオ・チェックCDを用いています。しかし、両方とも廃盤となり、定番の「COWBOY JUNKIES」も国内版は同様です。
 
そこで、現在入手可能なソフトを紹介しましょう。
 
(1) 「<NEW BEST ONE> 鬼太鼓座」 
    VICTOR ; VICG-41073
    #3 "弓ヶ浜"
 
冒頭の笛に続く <ド〜ン ドンド〜ン −−−>
で、耳の奥がく擽られれば30Hzが出ています。
「慣れれば太鼓の1打を聴いただけで低音再生の判断が出来るようになる」
とは、愛用盤の一つ「ザ・オーディオチェックCD」の監修者の言葉です。
 
(2) R. Strauss 「ALSO SPRACH ZARATHUSTRA」(A.Dorati/Detroit S.O.)
    DECCA ; UCCD-3208
    #3 "Einleitung . Sehr breit"
 
「発売当初はオルガンの響きを明瞭にとらえた優秀録音でも話題となった」
とのことですが、オルガンの音量は、実際のコンサートで聞こえるレベルよりはるかに大きく収録されています。
冒頭のオルガンで、耳の奥が擽られれば16フィートの音が出ています。
このディスクが1200円とは、昭和は遠くなりました。
 
(3) 「CANTATE DOMINO」
    PROPRIUS ; PRCD 7762
    #9 "JULSÅNG"
 
このディスクでは、オルガンが鳴る殆どのトラックで耳の奥を擽られます。
特に、"JULSÅNG"では、あたかも暗騒音がオルガンのメロディーラインを覆うような雰囲気です。
 
 
さて、これで「中級」に進む準備ができました。最適化のプロセス全体についてもそうですが、一箇所を変化させる毎に、その都度、音がどう変わったか、を確かめておきましょう。その蓄積が「上級」で役立ちます。
 
今年も平和でありますように、お祈りします。
 
 
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