[ミューズの方舟]が主催するスピーカーコンテストでは、例年、4種の賞が設けられています。その中で、格別、重視されているのは、オトだけが評価の対象となる音質賞のようです。
これは、表彰式に続いて、音質賞作品が演奏されることからも頷けます。
では、2006年度音質賞の上位から紹介しましょう。
第1位: 前田 好一 さんの「ピカイア」
目に付くのは、ツィーター(日立 HS-33D 003)とスッキリした背面。
伝聞によると、FW168Nはスルー、HS-33D 003は2段にローカット。
(パンフレットには3.3μF,0.68μF;0.5mH,0.3mHを記載)。
第2位: 田中 博志 さんの「黒鉄」
金色のリングが光ります。背面には、コイルとコンデンサーを外した痕跡あり。
FW168Nはスルー、FT48Dは4.31μFだけでカット
(パンフレットの1.7mH,12.2μF; 1mH,7.62μFを変更)。
第3位 冨士山 智之 さんの「BBR2−16−3」
ユニウエーブの考え方を取り入れたFW168NとFT48Dの位置。
背面全体に、L・C・Rがビッシリ並んでいます。
各ユニットのインピーダンス特性を丁寧にフラットにした上で、一次フィルター
(6dB/Oct)を採用し、1.2kHzでクロス。
第4位 海老澤 正 さんの「砂の器」
ホーンツィーターのドライバーはFT28D。
ネットワークは6dB/Oct(3kHz)。
5位以下の4作品は省略しますが、それらのネットワークは、奇しくも、すべて
12dB/Octでありました。
以上から、「FW168Nに適したネットワーク」を音質賞の成績から捉えると
スルー > 6dB/Oct スロープ > 12dB/Oct スロープ
という、とてもシンプルな結果です。
最近の音質賞を振り返ると
2002年 田中 博志 さん 「PINGA」 (前田 好一さんは欠場)
2003年 田中 博志 さん 「鉄道」
2004年 前田 好一 さん 「トラトン」 (田中 博志さんは欠場)
ということで、このお二人で分け合っています。
前田さんは、長岡派が集う[ミューズの方舟]の会長さん。
田中さんは、その作品に「鉄」の字を入れるほどの、筋金入りの信奉者。
リスナーが10人位のコジンマリした部屋で、ハイエンド派が試聴すると、スルーと6dB/Octの順序が変わる可能性がないとはいえませんネ。
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上の写真は、
手作りスピーカー研究会の小玉さんから転載の許可を頂きました。
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