さーて、じゃあ次は豆さんご用達の「ヘンダーソンズレリッシュソース」を買いに、と駅のほうまで戻ることにしました。
グラウンドの周りのお家を見ながら「子供の豆は、絶対ここに住むのが夢だったね!」「だよね」と想像してみたりして。
MML(Midland Mainline)の駅は、シェフィールドの町のだいぶん端っこの方にありまして、中心部ではありません。
しかも、日曜日で、人はわんさと出てるわ(移動式遊園地が来てました)、お店はどこも閉まってるわ(イギリス人は、日曜日はお買い物をしないのか……)、グラウンドを見てる間には忘れてた生理痛に襲われるわ、と、実は結構、脂汗だらだらの町内散策でした。
それでも、がんばって二人であちこち見て回ったんですけど、残念ながら、お目当てのソースを見つけることはできませんでした。
トラムに乗って、中心部まで行けばあったのかもしれないけど。
「これはアレだよ、たぶん、『今度はソースを買いにシェフィールドにおいで』ってことなんだよ」
「あっ、そうか、きっとそうだよ」
そうに違いない、っていうか、そうとでも考えないと、せっかくなのに悔しいじゃん(笑)。
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| シェフの町並。 |
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14:30
まあ、ほいじゃあ、帰りましょうか、と(今日は、間に合いそうなら、ジャック・ザ・リッパーのウォーキングツアーに行くつもりだったので)、駅に向かいました。
駅のコンビニで、おやつとドリンク。痛み止めを飲むために、何かお腹に入れておかないといけなかったので。
ウォーカーズの赤ポテチと、ミネラルウォーター、ジュースを買い込んでレジに持ってったらば。
「うにゃうにゃうにゃうにゃなんたらかんたら?」
「え?」
「うにゃうにゃうにゃうにゃなんたらかんたら?」
「ええ?」
何を聞かれているのかわからない。
レジのお姉さんが、まあともかく、って感じで精算してくれたんで、これで終りかと思ったら、さらに
「うにゃうにゃうにゃうにゃなんたらかんたら?」
何!? 何なの!? コンビニで買物するのに、何をこんなにしつこく聞かれねばならないの!?
と思ってたら。
お姉さん、両手を掲げて、袋を持つ仕草をしました。
「袋に入れる?」って聞いてたのか!!!
……そんなこと、聞かれるものだとは思わなかったよ……。
「あ、い、いえすぷりーず!」
無事、ポテチとドリンクを袋に入れてもらいました。
最初っからあのゼスチャーしてくれればわかったのに〜、と私が言うと、奄美が「そんなに通じないとは思わなかったんだよ」
………さいでんな。
何時のが一番近いかなー、と駅の時刻表を見て、ふむふむ、と確認して。
確認したんだけど。
確認したのに。
……乗車ホームがいつまでたっても表示されないよ?
あれれ、あれれ、と待ってたんですが、10分前になっても、まだ不明。
だめだ、イギリスの列車はわからねぇ、とインフォメーションで聞いてみましたら。
「ああ、次は52分、ホームは8番ね」
……52分? その前に出るはずの、この時間のは?
でも、インフォメーションでそう言うからそうなんだろう、と8番ホームへ向かいます。
──あのー、8番ホームって、aとbがあるんですけど!?
どっちだよ!
わかんねえ〜、とそこにもあるインフォメーションで、再度確認。
「ああ、次のロンドン行きは23分だよ」
「…………」
にじゅうさんぷんて。
うがーっ、どうなっとんじゃー!!!(笑)
何かもう、ぐったり疲れちゃって、待合室で、力なく座り込む私たち。
生理痛もひどくなってきたよ、辛いよー、辛いよー。
とりあえず、薬飲んで、「そうだ、シェフィールドに来たって証拠写真とっとかなくちゃ!」(さっきあれほどブレイズの周りで撮ったじゃねぇか)と「Sheffield」と書かれた駅名の隣で交替で写真撮って、「これだけ時間があれば、もっと町中まわれたのにねえ」「ほんとだねえ」とちょっと後悔もしてみたりして。
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15:30
行きの列車は、予約なんかも電光表示の、最新式っぽい車輌でしたが、帰りはなんかこう……「年季積んでます!」的、古びた感じでした(笑)。
行きで学習してるので、予約の入ってない席に並んで座って、出発を待ちます。
「あー、帰りはよく寝れそうー」
と宣言していた通り、遠からず奄美はうとうとと居眠り始めました。
……怖くないんだなあ……。
おじみそ(憶病者、の方言)の私は、基本的に、公共の乗り物で眠るのは怖いです。国内外を問わず。長時間の場合や、どうしても眠いときは仕方ないけど。
そして、この日は更に私を恐怖に陥れる出来事が待っておりました。
電車が動き始めて1時間も経ったころでしょうか。左斜めのボックス席にですね、最初は親子連れかな、と思われた年配のご夫婦と、こちら向きの座席に、20代くらいの女性が座ってたんですよ。
でも、そのご夫婦は途中で降りて、同じ駅で、今度は50代くらいのおばさんが乗ってきて、そのお姉さんの隣に座ったんです。
それからしばらくして、おばさんは、ナップザックを席に置いて、どこかへ行ってしまいました。
(バッグなんか置いて、不用心だなー。隣にひとがいるから安心してるのかしら。でも、そのひとが泥棒じゃないっていう保証はないのにー)
とか、他人事ながら、心配してたんですよ。
おばさん、なかなか戻ってこないし。
だんだん不安になってきましてね。
(ひょっとして、テロリストだったりしたらどうしよう? あの中には爆発物とか、サリンが入ってたりして!)
ロンドンのテロも、まだ記憶に新しいところでしたから、想像はつい悪いほうへと向かいます。
(いやでも、それなら、あのお姉さんが一番に警戒するわ!)
と思ってたら。
そのお姉さんも、席を立ってどっか行ってしまいました……!!
おばさんは、まだ戻ってきません。
(えええ〜〜、何、実はあの二人はグル!? これは計画的犯行!?)
ドキドキする私をよそに、奄美は隣ですうすう寝てます。
(お、起こして相談したほうがいいかしら、どうなのかしら、だって、トイレに行ったとかでも、こんなに長く留守にはしないでしょう)
と、一人でハラハラしていると、そこへ、おばさんがようやく帰ってきました。
手には、飲物のカップ。
それから、ほとんどすぐにお姉さんも帰って来ました。
やっぱり、手には飲物のカップ。
(………………………)
そうです、二人は食堂車へ飲物を買いに行っていたのです。
なかなか帰ってこなかったのは、おそらく食堂車が混んでいたから。
……………………びっくりしたあ…………………。
たぶん、この旅行中で、一番心臓に負担がかかった時間でした。
しかも、ほぼ全部が自分の想像だってところがね!(笑)
あと、割と近くの席に、お父さんと子供の二人連れ(余談ですが、イギリスでは「父親と子供」のツーショットを驚くほどよく見かけました。それか、「両親と子供」。日本の、9割方が「母親と子供」を見慣れている私には、新鮮な光景でありました)が座ってたんですが、この子供が。
「きゃー! ひゃー!」
と、ひっきりなしに、甲高い奇声を発しっぱなしなのです。
お父さんが「静かにしなさい」って言っても、まったく効き目なし。
「きゃー! ひょー!」と大騒ぎです。
楽しい騒ぎ方じゃなくて、どう聞いてもヒステリーです。
あんまりにも遠慮なくけたたましいので、ひょっとして病気かなあ、と思ったんですけど、お父さんに連れられて通路を歩いてきた顔は、ごくふつうの子供で、そう言った障害や病気を感じさせる表情ではありませんでした。
……てことは、結局しつけがなってないってことなんじゃないの!?(笑)
しっかりしてくれ、お父さん、と思ったものであります。
結局、ロンドンにつくまで叫びっぱなしで、奄美も「同じ席のひと、よく我慢してたよねえ」と言っておりました。
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19:00
さて、列車は順調に走り、なんと、予定通り、7時にセントパンクラス到着!
うわ、ちょっとすごいよ、7時についたよ、時刻表通りだよ!
滞在二日目にして、もうそんなことに感動できる国、イギリス(笑)。
そういえば、帰りは改札が二回も来ましたよ。
行きに一回、帰りに一回、でいいんじゃないかなあ(笑)。
これなら、ウォーキングツアー、ギリギリ間に合うんじゃない(7時半に、Tower Hill駅前にいないといけない)、と地下鉄に乗ろうとしたら。
「……ねえ、サークルラインと、ディストラクトライン、まだ止まってるよ……」
昨日も止まってたのに。今朝も止まってたのに。
日本じゃ絶対考えられません。
Tower Hill駅に行くには、この二つに止まられるのは致命的です。
「じゃあえーと、バスなら間に合うかなあ……」と路線図を見ていたら、奄美が。
「……トラベルカードがない……」
「……え………」
今日は、セントパンクラス以降は、トラベルカードを使ってないので、そのときまで必要なかったんですけど。
「どこにしまったの?」
「このポケットだと思うんだけど……さっき、MMLの切符取りだした時に落したのかもー」
「探せ探せー」
しかし、あらゆるポケットやバッグを探しても、トラベルカードは出てきませんでした。
奄美、カード買い直しです。
「もったない〜〜」
「もったいないねえ〜〜」
結局、なんだかんだで時間が過ぎてしまい、ウォーキングツアーは明日回しにすることにしました。
「……これからだと、どこに行けるかなあ」
「あ、あそこは? 行こうって行ってた、フィッシュ&チップス屋さん!」
「やってる?」
「やってるよう、22時まで営業って書いてあったもん!」
と、自信満々に請け合った吉野。
とりあえず、最寄り駅まで行こう、と地下鉄に乗ったのですが。
突然、構内放送が流れ、どうやら、ヒースローへの生命線、ピカデリーラインが止まったらしいです。
日曜日の夜に!!!
「……今、前にいた、スーツケース持ったひとが固まってたよ……」と奄美が同情をこめた声でいいました。
そりゃー、固まるだろう……。
しかし、他人に同情している場合ではありませんでした。
チューブのアクシデントは、いつ、誰の身にも起こりうることなのです!
ここだったかどうかさだかではないんですが、とある込み合ったホームから電車に乗ろうとしたら、まだ皆乗ってないのに、電車のドアが閉まったんですよ!
奄美は電車の中、私はホーム。
とりいそぎ「次のホームで待ってるから!」「OK!」と慌ただしくサインを交わす私たち(笑)。
私だけじゃなくて、たくさんのひとが乗りきれなくて、そこに残されてました。
毎日毎日「駆け込み乗車は危険です!」と叫ぶことしか出来ない、日本の駅員さんがみたら、胸がすくような乱暴な出来事でした……(笑)。
あれで怪我人が出ても、乗客の自己責任なのかなあ。潔いっつーか。
地下鉄といえば、「ゲイタイムス」の広告が、どどーん、と地下鉄のホームに貼ってあったりして、やっぱり違う〜、としみじみ感じましたよー(笑)。
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ゲイタイムズの写真。地下鉄内。昨日から撮影のチャンスを狙ってました(笑)。
こういう広告が、堂々と地下鉄に貼ってあるところが、やはり日本とは一味違う。
しかし、奄美はこの二人を「ムードがない」と一蹴しておりました(笑)。 |
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あと、これはいつの出来事だったか忘れましたが、けっこう混んでる地下鉄に乗ってたとき、ホームでドアが開いたから、外の人が入りやすいように、私たち、一歩ずつ奥へ下がったんですね。
別に当たり前のことだし、日本だってやるけど、そのとき入って来た親子連れ(父親と男の子)の、男の子のほうが「Sorry」、パパのほうが「Thank you」と言ってくれたんですよ。
習慣の違い、といってしまえばそれまでだけど、やっぱり、言葉をちゃんとかけてもらうのって、嬉しいもんだなあ、と♪
さらに話は変わりますが、俗に、「外国へ行ったら『Sorry』は言っちゃダメだ」とか「外国人は謝らない」とか言いますが、イギリスはそんなことなかったですよ?
みんな普通にSorry、って使ってました。
奄美いわく「きっとSorryって言わないのはアメリカ人なんだよ」、だそうです(笑)。
彼女は、アメリカではSorryの代わりに、なんたらって言葉をよく使う、って言ってたけど失念しました!(意味ねえ!)
話を戻して。
私たちは、無事次の駅で合流できたんですが、目当てのフィッシュ&チップス屋さんは、がっつり閉まっておりました。
……あれぇ……???
人気のない道を、ハラハラしながら歩いて行ったのにー……(笑)。
なんかもう、すっかり疲れちゃって、「……もう帰って、日本食食べて洗濯するのはどう?」「そうだね」ととぼとぼ帰って参りました。
た・だ・し!
今日こそは、とRADAへ回るのは忘れませんでしたぞ!
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| RADA入口。 |
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| 同じくRADA入口。 |
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| RADA彫像。 |
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おおおお〜、ここが豆さんが通ったという!!
奄美は「この取手とか、きっとさわったよね!」とRADAの取手をなで回しておりました。
変質者っぽいよ、奄美!(笑)。
帰って、洗濯機貸してもらって、でも一回5ポンドもとられて(ふたりで2.5ポンドずつ)、奄美は「高い!」とプリプリしてました。しかも、乾燥機が両方使われてて、結局使えなかったし。
ただ、町のコインランドリー使うと3ポンドくらいだそうですから、二人で使うなら、それほどのぼったくりではなかったようです。
あとは、ポットのお湯で、日本から持ってきたおにぎりとラーメン作って食べました。
明日はロンドン塔と、国立陸軍博物館と、ジャック・ザ・リッパーウォーキングツアーです。
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