僕は、僕が彼の正体に気づいていることを秘密にしたまま、トムと一緒にその町を出ました。
彼は僕の中古のトヨタを見て、しばらく黙ったあと、「まあ燃費はいいもんな」と慰めなのか蔑みなのかちょっと判断に迷うことを言いました。
そのことを僕は未だに根に持っています。大きなお世話だよ。バイクの二人乗りで七千マイル以上を旅行したチェ・ゲバラよりはマシだ。
僕自身の荷物もたいした量ではありませんが、トムはそれこそ身一つでした。プリペイドの携帯電話と財布、その程度です。それも、彼自身のものかどうかはわかりません。ハーモニーの町を出るとき、私物を持ち出す余裕があったとは思えませんし。
まるでロードムービーのように僕たちは行き先も決めずに走り出しました。エルネスト&アルベルトなのか、B&Cなのかはともかくとして。
どっちであるにせよ、僕たちは彼らと同じように一日のほとんどを顔をつき合わせていて、トムも怪我が治って元気になってくると色々と疑問や不審が出てきたのでしょう。
結局、僕の秘密は、それから四日後に暴かれました。
……それはいい。いずれ話し合う必要のあったことです。
ただ、もう少し穏便な方法は選べなかったものでしょうか。
トムは、こともあろうに、僕を後ろから殴って昏倒させて縛り上げたんですよ!
ボニーだってクライドに対しては、そんな乱暴なことはしなかったでしょうにね。
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