マーズ・アタック!
Data
- 原題
- Mars Attacks!
- 監督
- Tim Burton
- 出演
- Jack Nicholson, Glenn Close, Annette Bening, Pierce Brosnan, Danny De Vito,
Martin Short, et al.
- 公開
- US, 1996
Story
どういうつもりなんだかよくわからないが火星人が大挙して地球を訪れてやりたい放題やってくれる話。
My comment
「エド・ウッド」でB級映画監督の奮闘を描いたティム・バートンが、今度は「究極のB級バカ映画を作ってやる」と思ったのかどうかは知らないが、豪華キャストで送る娯楽作品。
頭のネジが1、2本ゆるんでるような登場人物たちによって地球上で展開される幾多のドラマと、それを冗談半分であっさり粉砕してしまう火星人のパワーとが、観客を全く退屈させない。
- 火星人の外見的特徴
- 頭でっかちで目玉がギョロリ。 手足があって2本足歩行をするのは地球人と同じだが、背は地球人より低い。
- 火星人の科学力
- 乗り物はアダムスキー型UFO。 いわゆる空飛ぶ円盤。
医学も人類よりはるかに進歩しているらしい。
- 火星人の呼吸
- 窒素を呼吸し、地球型の大気の中では生きられないらしい(といっても地球の大気だって8割がた窒素なんだけどな)。
- 火星人の言葉
- 「ギャ」にしか聞こえないが、地球製のいい加減な翻訳機によれば「平和」だの「友達」だのと言っているらしい。
- 火星人の好み
- 鳥が嫌い?
有名歌手のステージにいつのまにか忍び込んでノリノリだったかと思えば、ある種の音楽が苦手だったりする。
- 火星人の弱点
- H・G・ウェルズの「宇宙戦争」では地球の細菌に負けてしまうのだが、本作では……カルチャーショックで脳みそバーンってことでしょうか。
- 火星人の武器
- ビーム兵器が主だが、歩行型巨大ロボットも持っている。
UFOに乗ったまま攻撃するよりは銃をぶっ放したりロボットでうろついたりするほうが好みらしい。 わざわざ効率の悪いやり方を選んでいる辺りからも、その冗談半分な姿勢がうかがえる。
- 教授
- かつては「Speak Lark」の探偵、今や007役者のピアーズ・ブロスナンが、本作では大統領側近のうさんくさい教授を演じる。
小道具のパイプは全然煙を吐かない。
火星人からの入電を分析してみせる場面では、なんであの映像だけで「窒素を呼吸する」「テレパシーが使える」って解ったんだろう(単に話の展開の中で説明するのが面倒くさかっただけだな、きっと)。
- ジェームス
- マイケル・J・フォックス演じるTVレポーター。 本作で一番悲惨な役どころなのは彼かも知れない。 命懸けで守ろうとした彼女は他の男にとられちゃうし。
- ジェリー
- 「サボテン・ブラザーズ」のネッドことマーチン・ショート。 こんなとこに出てたんだ。 いい味だしてるなぁ。
大統領の側近で広報担当。 変な女をホワイトハウスに連れ込むなよ。
- 大統領
- 最初から最後まで大変なジャック・ニコルソン。
- ナタリー
- 強烈に悲惨な末路。 どっかで見たと思ったら「エド・ウッド」にも出てたサラ・ジェシカ・パーカー。
- ラジオ
- UFOの中でもずっと受信しっぱなしだったんだろうか。 そうでなきゃああはならないと思うけど。
- リッチー
- 最終的には一番おいしいとこをさらってった人。
- リッチーのおばあちゃん
- トマスって誰?
火星人がいきなりアメリカ合衆国にやってくるのは、日本映画で怪獣が日本しか襲わないのと同じね。
合衆国政府も当然のような顔をして地球の代表者ぶるのは、アメリカ映画だからだねぇ。
本作の場合はピンチになると「他国首脳と相談を」とか「核ミサイルの使用許可を」とか言うわけだが、日本映画の場合は怪獣が手に負えなくなると合衆国が相談も無く「日本を核攻撃」とか言い出したりするので、その辺りに国による事情の違いを感じないこともない。
さて本作、やたら無茶苦茶やってるように見えるけど、ひたすら守ることだけを考えた人々が最後まで生き延びる辺りは良くも悪くも大衆向け娯楽映画の常道である。
1997-11-28
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