Super 8

01:発端

某月某日 白凰市万座区某所
正鵠会系鵠数会(会長:鵠井数彦) フロント企業「K・K・プランニング」事務所
鵠数会構成員が数名たむろしていたこの事務所に持ち込まれた一本のビデオテープが、事件の発端である。

キーパー:英司は自分の家で目を覚ますと、昨日の事を全然覚えていないことに気付きます。いつ家に帰ってきて眠ったんだっけ? みたいな感じですね。
英司一生懸命、必死になって、最後の記憶を思い出そうとします。「何処にいたっけ……?」

束田 英司 28歳。
 鵠数会構成員。組織の資金源の一つである出会い系サイトの運営をしている。肉体的にはかなり脆弱。クマさんのパジャマとナイトキャップがお気に入り(他人には秘密)。
 <コンピュータ>90%。
 (プレイヤー:Junnkie)

キーパー:ではベッドに腰掛けて考えていると、床の上に何のタイトルも書かれていないビデオカセットが、テープが引き出されて引き千切られた状態で置かれていることに気付きます。デッキに放り込んでもまともには再生できないでしょう。
英司それに関しては何にも覚えていない?
キーパー:覚えてないですね。枕は自分で流したと思しき涙と鼻水で濡れています。あと、テーブルの上の広告の裏に人の名前と思しきものが二つ書かれています。「中村謙一」「稲本亘」です。
英司自分の字かな?
キーパー:自分の字ですね。
英司名前に心当たりはない?
キーパー:いえ、「中村謙一」の方の名前は思い出します。彼は駅前で中村商店という店を営んでいるんですが、以前その中村商店の前で鵠数会の組員が敵対組織の組員に殺害されたことがあって、その目撃者として聞き込みみたいなことをして知り合ったのが中村謙一です。それからしばらくちょっとした情報屋を務めてくれていた人物なんですが、最近はその線も切れつつあるような状況です。
英司それ以上ウンウン考えても何も出てきそうにないならテープと紙を引っ掴んで、とりあえず事務所に行きます。
キーパー:ではフロント企業となっている「K・K・プランニング」というイベント企画会社の事務所に行きます。事務所には皆さんズラッとお揃いです。
英司ではとりあえず妙な顔をしながら……「一昨日、俺、ここに来たよね?」
次郎「……は?」

鳥羽 次郎 29歳。
 鵠数会構成員。手先、口先の器用な所謂盗賊系。現状把握能力に優れる(キーパーとしては助かります)。事件を俯瞰の視点から分析できる上に、ヤルときはヤル。
 <言いくるめ><聞き耳><忍び歩き><鍵開け>等が得意。
 (プレイヤー:へむれん)

英司
「いや、来たんだけど……」
和堂「なに言ってんの?」(笑)。みんなポカーン状態です。

和堂 剣 38歳。
 全国を渡り歩く荒事専門の渡世人。現在は鵠数会に草鞋を脱いでいる。長ドスによる斬撃と、ポケットに手を入れたまま繰り出す蹴りが得意技。通称「先生」。パソコンとか、良く分からない。
 <キック>75%、<ドス>90%。
 (プレイヤー:編集長)

次郎
ここは一発、気合を注入してやってください(笑)
和堂ロー、ロー、ミドル! みたいな(笑)
次郎一発って言ってんのに、コンビネーションで(笑)
加治「売り物(クスリ)に手を出しちゃいけませんよ〜」

加治 善行 26歳。
 鵠数会構成員。法律担当。ヒエラルキー低し。鉄砲玉、床掃除、お茶汲み、雑用などを押し付けられている。本人のあずかり知らぬところで大役を任されたりする。背が低いことがコンプレックス。
 <法律>85%。
 (プレイヤー:ずずず)

英司「いやいや、そういう訳じゃないんだが……。一昨日、俺ここに来て、誰かと飲みに行ったりしたかな? どうやら飲みすぎたみたいで一昨日のことがハッキリしなくて……」
次郎その辺はどうなんですかね?
キーパー:確かに事務所には来て、みかじめ料とかの回収には行っていますね。
和堂一昨日の夜一緒にいたって言う人間は?
キーパー:いないですね。出たまま直帰した、見たいな感じです。
和堂ホワイトボードとかに「直帰」とか書いてあるんだ(笑)
流石「一体どうしたって言うんだね?」

流石 和樹 32歳。
 警官。鵠数会と互いに便宜を図りあう所謂悪徳警官。押収品や捜査情報の横流しで甘い汁を吸っている。束田英司の運営する出会い系サイトの支払いが滞って首が回らなくなったという根も葉もありそうな噂がある。
 <回避><組み付き><マーシャルアーツ>等が得意。手続き的に面倒なので、拳銃は使わない主義。
 (プレイヤー:でじこの父)

英司「飲みすぎたのか何だか分からないんだけど……」と言いながら机の上に紙とビデオテープを置きます。「これだけ持って帰ったんだと思うんだけど……。中村謙一は皆も知っていると思うんだけど、この稲本亘って言う名前って心当たりある?」
キーパー:そうだな……じゃあ、警官の流石は流石に警官なだけあって(ダジャレです)、聞いたことあります。流石がまだ真面目だった(笑)頃に……。
和堂真面目だった頃、ないから(笑)
キーパー:(笑)じゃあ、片手間に警官の仕事をしていた時に、「稲本亘」って言う人物の名を何らかの事件の“被害者”として聞いた記憶があるということで。
流石「何かいたなぁ、被害者にそんな名前の奴が」
英司ビデオテープの状態だけど、テープとかで修復すればもう一回再生できそうなの?
キーパー:もしかしたら出来るかもしれません。
流石じゃあやってみよう。
英司じゃ、事務の女の子に「頼むわ」と言って渡します。
和堂で、事務の女の子が加治に渡す、と。加治がこういうこと得意なんだよね(笑)
キーパー:(加治が)ペタペタと貼り合わせると、何とかこれで見られるかなという所までは修復できます。
流石巻き戻して最初から。カシャ、ウィーン……
キーパー:始めはザザザザーっていう感じで、結構劣化した画像です。手ブレのする安定しない映像です。まず汚れた壁が映し出されて、映像がパンしていくと、どうやら室内の映像らしいです。マットレスの敷かれたパイプベッドが映し出されて、そこに若い女が裸で縛り付けられています。
流石顔は? 見覚えある?
キーパー:ないですね。見続けていると、どうやら撮影者がカメラを三脚に固定したようです。そしてヨタヨタと撮影者と思わしきモノが画面の中に入ってきます。凄い肥満体ですが、背中から映っているために男か女かは分かりません。ただ……頭がないんですよね。
次郎……えっ?
流石頭部が……ない?
キーパー:そう。どういう仕掛けになっているか分かりませんが。それは異様に肥満した身体なんですけど、肉をぶるぶると震わせながらベッドに近付いていきます。
流石服は?
キーパー:着てませんね。
英司首は千切られているか、切られているか?
キーパー:つーか、ツルーンとない感じです。当然ベッドの女の子は凄い悲鳴を上げています。それはだんだんベッドのほうに近付いていって、たどり着くとバッと女の子の方に両手を伸ばします。すると、何故か女の子の肉体が食いちぎられていきます。
一同:……。
キーパー:で、後はぐちゃぐちゃ、キャーキャーと言う悲鳴が上がります。
流石……ギニーピッグ?
キーパー:まさにそんな感じです。そして映像は切れました。そんなことで……
一同:SANチェックSANチェック(嬉しそうに)。
キーパー:成功した人は1、失敗した人は1D6。
英司くはー……(4ポイント喪失)。
加治あと1ポイントで一時的発狂(笑)
流石「……何だこりゃ?」
キーパー:所謂スナッフ・ムービーってやつです。
流石「変わった趣向のスナッフ・ムービーだな。オカルトチックな……」
英司「何で、俺、こんなもん持ってんだ?」
和堂ちなみに映っていた女の子って日本人?
キーパー:日本人です。
流石叫んでいるのは、もう訳も分からないことなんだよね?
キーパー:まぁ「助けて!」みたいな事ですね。
加治手を伸ばして貪り食われたっていうのは、手の先に口でもあるように?
キーパー:そう、そんな感じ。
流石こっちには背中を向けてるから見えてないのか。
次郎ヤラセかも知れない(笑)。
英司誰が何の目的でビデオを俺に渡したのか? 手掛かりになるのはこの二人。この稲本っていうのは何かの被害者だったんだっけ?
次郎それは流石さんの方で調べれば分かるんじゃないっスか?
英司中村謙一の方は知らない仲でもないから、今からでも会いに行ってみますか。
和堂ちなみにその映像に映っていた女性は誰も知らないんだよね?
キーパー:知らないですね。
次郎若い女性なんだよね?
流石美人?
キーパー:まぁ、ぼちぼち。

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