Super 8

02:調査「中村謙一」

英司じゃあ、中村商店に行きます。
次郎ついて行きましょう。
加治このビデオについた指紋、警察の方で調べられないですかね?
キーパー:英司と加治の指紋が出るのは間違いないね。
流石「こんなビデオ手に入れたんだけど調べられないかな?」とか言って調べてもらったらヤバイよね?
キーパー:確かに(笑)。すぐ逮捕状とか取られちゃうよ。
流石「こういうビデオがあったんだが」ということで調べてもらうことは……。
次郎う〜ん、どうかな。だって明らかに、もう尋常じゃないわけじゃん。俺らみたいな稼業の人間がこれだけの戦慄を覚える内容って訳でしょ?
流石そ、そうか。
和堂俺はちょっとこの町のことには詳しくないので……。えーと、じゃあ中村謙一の方は英司と次郎で。稲本の方は警察で調べる、と。

英司じゃ、車に乗っていきます。ブブーン。
キーパー:中村商店は閉まってますねぇ。
英司あれぇ?
次郎張り紙とかしてあります?
キーパー:いえ、ないです。今日は定休日じゃないです。4階建てのビルの1階部分が店舗で、中村は上に住んでいます。
英司じゃあ、住まいまで上がっていきます。ピンポンピンポーン。
キーパー:住まいは2階なんですけど、呼び鈴の反応はありません。すると階段を不良少年みたいなやつが上がってきて「中村さん、二日前からいませんよ」と教えてくれます。
英司「ん? 何で?」
キーパー:「ここ、ドアの立て付けが悪くって、誰かが出入りすればすぐ分かるんですよ。俺4階に住んでいるんですけど、ここ二日ほど出て行った様子がないから、多分留守にでもしてるんじゃないかな」
英司……じゃあ「ありがとう」と言ってそいつを追っ払います。
次郎出て行った形跡がないっていうのは「出て行ったきり」なのか「中でどうにかなってるか」だろうね。とりあえず<聞き耳>を立ててみますか(扉に耳を当てての聞き耳の仕草)。(コロっ)大失敗(笑)。思いっきり「ふふ〜ん♪」と鼻歌とか歌って、それがこもって良い声に聞こえるんでそれがお気に入りです(笑)
英司黙れよ、いいから黙れよ(笑) (コロっ)俺もダメだ。「ふふ〜ん♪」二人で鼻歌を歌いながら<聞き耳>を立てています(笑) 「何も聞こえんのぅ」
次郎「ちょっと、ガチャガチャやっちゃうかい?」(<鍵開け>コロっ)成功。
キーパー:じゃあガチャっと開いちゃいましたね。人の気配が中からします。つーか、奥から女性の低くすすり泣く声が聞こえてきますので、人はいるでしょう、間違いなく。
次郎じゃあ、「ふふ〜ん♪」とか言いながら中に入っていきます(笑)。臭いとかは?
キーパー:悪臭っぽいものが。
英司中に入って……。
キーパー:鼻歌でも歌いますか?(笑)
英司次郎「「ふふ〜ん♪」」
次郎二人で、てんでバラバラの鼻歌とか歌いながら(笑)。もの凄い不協和音を奏でながら(笑)
英司中に向かって「お〜い、中村さ〜ん?」と声をかけて入って行きます。
キーパー:奥のリビングに入ると、座り込んでいた女性があなたたちの気配に気づいて振り向きます。中村の奥さんですね。
英司「旦那さんは?」
キーパー:そうすると奥さんはリビングの中央の方を見ます。そこには大量の食料が山になっていて、食べ散らかしてあります。ビンとか缶も転がっています。その真ん中に中村が横たわって……死んでます。
一同:……。
キーパー:死体の周りには吐瀉物が散乱しています。悪臭は間違いなくこれが元でしょう。外傷はないです。
次郎ざっと見てみますけど、間違いなく死んでる、と。(吐瀉物は)腐ってはいない?
キーパー:腐ってはいないです。
加治詰め込み自殺……?
英司とりあえず奥さんを落ち着かせて座らせて、「……何があった?」
キーパー:えーっと、ですね……まずSANチェックをしておきましょう(英司、次郎ともに成功)。恐らく死因は自分の吐瀉物が気道に詰まって窒息したんでしょう。奥さんに聞くと、一昨日の晩、中村謙一が「赤薔薇」っていういかがわしいクラブに行って、帰ってきた時には既に様子がおかしかったそうです。あまりの様子に奥さんも慰めようとしたんですけど、かなりショックを受けていたにもかかわらず理由は言わず、その晩は就寝したそうです。翌日の朝に自分の店に降りていって、店内にあった食品を全部リビングに運び込むと、その真ん中に座り込んでガツガツと食べ始めたそうです。食べるだけ食べて気分が悪くなると吐いて、また食べると。一回目はトイレで吐いたそうですが、後は……。
次郎その場で、って訳ですか。
キーパー:当然奥さんは止めようとした訳ですけど、中村はえらい剣幕で怒って彼女を突き飛ばしたそうです。今になって気付きますけど、奥さんの額には傷があって、突き飛ばされた拍子にテーブルの角に頭をぶつけて彼女は気絶してしまったそうです。そして気がついたら……。
次郎もうこの通りだった、と。なるほどね。ハイハイハイ。ちょっと調べてみましょう。ざっと見てみますけど、ここには食料品しかないですよね? 中村本人の身体、特にポケットとかに何か入っているっていう事はないですか?
キーパー:そうですね……赤薔薇のマッチとかですかね。
英司中村は赤薔薇によく行っていた、と。一昨日の夜が特別って訳じゃないと。で、帰ってきたら急におかしくなったと。「稲本っていう人物のことを何か喋ってなかったか?」
キーパー:「……いえ、全然」。聞いたこともないそうです。
次郎「で、どうするよ? 警察に言っておくかい?」
英司「多分これは変死扱いになるから、俺たちもここにいるとややこしいし、悪徳警官(=流石)でも呼んで後の処理は任せるか」。というわけで流石を呼びます。
流石いや、俺、署内で携帯の電源切るように言われてるんで(笑)
次郎(無視して)署内で資料を調べようとしているとアニソンの着歌とかが鳴っちゃう訳ですな(笑)
キーパー:早く行かないと、早く行かないと(笑)。組総出で電突してますから。出るまで鳴りますから(笑)。ところでこの「赤薔薇」なんですけど、ここって明らかに「性」を商品にする場所です。
次郎ショバ的には? うち? 他所?
キーパー:他所ですね。
次郎英司「「ややこしいな……」」
英司「俺らが勝手に動いてどうのこうのなると……」
次郎「自殺って言えば自殺だけどね。話聞いた限りでは。ただ……普通じゃないけどね」
英司考えにくいけど、うちの組でそこに足繁く通ってる奴っている?
キーパー:いないでしょうねぇ。
英司他のシマのそういう店だったら、大人しく普通の客を装って行ったりすれば……。もしかして面割れたりしてるのかな?
和堂割れてるでしょうなぁ、当然。
次郎でも客として行って、払い綺麗にしてれば問題はないし。まぁ、何にしたって夜でしょ。
英司じゃ、流石の携帯を着メロ指定までして執拗に呼び出し続けるということで(笑)
流石(さすがに業を煮やして)登場していいの?
キーパー:いいよ。
流石話は聞いたので現場に赴きましょう。「奥さんの方から俺に電話があったということにしておくから、お前らは帰れ」
英司「じゃ、後は頼むわ」
流石「あいよ。了解」。一応所轄に電話して「知り合いから電話をもらったら、これこれこういう状態で……」と説明します。
キーパー:じゃあ鑑識とか来るんだけど、死因は間違いなく窒息ですね。状況は異常ですが奥さんが話すとおりです。
英司辻褄は合う、と。
流石「俺も顔を知っている人だから疑いたくはないんだけど、変な薬物反応はないか?」と一応確かめます。
キーパー:すぐには分からないけど、分かったら教えてくれるそうです。
流石なんだったら俺が赤薔薇の方に聞き込みに行ってみようか?
英司昼間に?
流石(店の)人がいる時間帯に。一応中村の奥さんから「赤薔薇」の話が出たって事でさ。
和堂それなら俺が行っても良いけど。スゲー揉める(笑)
英司大揉め(笑)
和堂速攻刃傷沙汰。長ドスとか持ち込もうとして止められる(笑)

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