
03:調査「稲本亘」
流石:じゃあ、とりあえず俺は稲本の関係を調べますわ。
キーパー:署で調べたので住所は分かります。
流石:稲本は何の事件に巻き込まれたの?
キーパー:窃盗事件ということで。稲本は万座区の住宅街の一戸建てに住んでいますね。
流石:じゃあ住所は皆に教えたということで。俺は赤薔薇を調べに行きます。
英司:じゃあ稲本宅へ行きましょう。残りの4人で。
キーパー:じゃ、ブブーン(稲本宅到着)。
和堂:完全に住宅街か。ちなみに稲本の職業って何?
流石:チンピラ。痴漢の容疑で捕まった事があります。
次郎:稲本は被害者だっつーに(笑)
キーパー:全然当てにならない情報がどんどん入ってきます(笑)。えーと、会社員です。
英司:ちょっと離れたところに車を止めて降りていきます。
次郎:家の周りをぐるっと回って……勝手口とか。空き巣か、俺は(笑)
和堂:昼間の住宅地は狙い目だからね(笑)
英司:じゃあ、普通に玄関から。ピンポーン。
キーパー:ガチャっと。「どちら様?」といって男が出てきます。聞いていた人相からすると彼が稲本でしょう。歳は……皆さんより年上って感じです。
和堂:英司の顔を見てギョッとかは?
キーパー:それはないですね。
流石:「オウ! 兄弟!」とか。
次郎:会社員だっつーの(笑)
キーパー:「……どちら様でしょうか?」
英司:「いきなり悪いんだけど、中村商店っていう店、知ってる?」
キーパー:「……中村?」。<心理学>。
加治:成功。
キーパー:じゃあ、「中村」の名前が出たらギョッとしたような顔をしたことに気付きました。「エ……、中村さん、て?」みたいな感じで言っていますけど。
英司:「赤薔薇っていう店のことでちょっと調べることがあって……」
キーパー:ギョギョギョっという感じで(笑)。「あ、赤薔薇?」
英司:「一昨日、あんたもいたよねぇ? いや、俺もいたんだけどさ」
キーパー:「そんなはずは……いや、そんな覚えは……」なんて言っていると、「キャーッ!」って言う悲鳴が家の中から聞こえてきます。
次郎:中から聞こえてくる!(笑)
加治:これはもう行ってみましょ。
英司:稲本をドンと横に押しのけて、中に入ります。
次郎:「行くぞ、加治!」
加治:(嫌そうに)「へい、兄ぃ……」
和堂:俺はこの稲本を捕まえておきますわ。足で押さえつける感じで。
キーパー:入ったらすぐのところに地下の倉庫に続く階段があるんですけど、その倉庫の扉が中からドンドンドン! と叩かれています。
次郎:そこはコンクリート打ちっ放しっぽいですか?
キーパー:そうですね。「助けてーッ!」って言うような声が聞こえてきます。
英司:では彼(加治)を先頭に押し立てて降りていきます(笑)
キーパー:降りた先は頑丈そうな扉です。鍵はこちら側から開けられるでしょう。
加治:じゃあ、鍵開けて……ガチャ。
キーパー:開けると、ちょっと怪我をしたような女の子が飛び出してきて、プシューッ! っと痴漢撃退スプレーをあなたにかけてきます(笑)
一同:(笑)
加治:「うおおーっ!」っと叫びながら<回避>します。(コロコロ)ダメでした。
一同:(爆笑)
キーパー:では加治は痴漢撃退スプレーの噴射に飛ばされて、向こう側の壁まで吹っ飛んで激突しました(笑)。クモの巣状に壁に亀裂が入ります。
英司:スゲー強力じゃん、痴漢撃退スプレー(笑)
流石:なんでも撃退するじゃん(笑)
次郎:でもこれで「俺たちヤクザに一度食らった技は二度と通じない」といって車田ワールドに突入しますから(笑)
キーパー:加治は壁からズシャアッと音を立てて顔面から地面に落ちます。
和堂:車田漫画のように(笑)
加治:(全然無視して)あれはどうなんでしょう? 目が見えなくなる? 「目がー、目がー」状態でしょうか?
英司:そうそう。要はコショウだから。
和堂:咽喉が痛くなるとか。で、その女の子は?
次郎:取り押さえますよ。
英司:「ちょ、落ち着け! 大丈夫だから、大丈夫だから」
流石:でも俺たちヤクザじゃん(笑)
英司:そうだヤクザだった(笑)
キーパー:あなたたちの顔を見ると、皆見知らぬ顔だと言うことにビビりますけど、「あれ? あの男は?」みたいな感じで稲本がいないことを確認して大人しくなります。
次郎:服とかは着てますよね? とりあえず地下室の中とかを見てみます。
加治:「目がー、目がー」。誰か洗面所まで連れて行って。
次郎:じゃあしょうがねぇな。「目がー、目がー」って言っているやつを上の階に上げて一応目を洗わせます。しかも普通に洗えばいいものを、俺が<応急手当>を……(笑)
和堂:ちなみに稲本は?
キーパー:そういう事になったのを見て、ガックリとうな垂れています。逃げたりはしません。
英司:では彼女に、「あんた、赤薔薇の女の子かい?」と聞きます。
キーパー:女の子は「赤薔薇ぁ?」といって露骨にイヤな顔をします。「全然関係ないよ、あんな所とは」
英司:「ああ、そうなんだ。悪い悪い」
次郎:「お嬢ちゃん、あの男(稲本)とどういう関係だい?」
キーパー:かい摘んで言うと、彼女ユーコって名前なんですけど、要するに売春してた、と。んで、全額前払いという条件で稲本の誘いに乗ったらしいです。ユーコはこの界隈を根城にしていたらしくて、赤薔薇の常連客だった稲本の顔を知っていたそうです。ただ、彼女たちみたいな子からすると、赤薔薇はかなりの額をピンハネするらしくて、あそことは関わりたくないな、と言うことらしいです。でも今回は全額前払いで金額も良いという事でついて来ちゃったらしいです。稲本はユーコを家に入れるなり、寝室のベッドに縛り付けようとしたらしく、そこで揉み合っている時に、あなたたちの押した呼び鈴がなった、と。すると稲本は腹をぶん殴って気絶させたユーコを地下室に閉じ込めたつもりだったんですが、幸いユーコはすぐに意識を取り戻して助けを求めることができて、そこへあなたたちがかけ付けたわけです。
英司:そっか。それだけか。
次郎:後はあいつ(稲本)を歌わせりゃあ良いんだから。
流石:(本当はこの場には居合わせていませんが)ベッドに縛り付けるって言うのはビデオと同じだよね。
キーパー:似たようなシチュエーションですね。でも場所は全然違います。(ビデオが撮影されたのは)この家ではない。稲本は項垂れてあなたたちの会話を聞いています。
次郎:じゃあ、とりあえず、稲本に歌ってもらいますか。
和堂:ここで?
英司:別にここでも良いと思うけど。
流石:拉致っちゃった方が良くないですか?
和堂:うん。絶対その方が聞きやすい。
流石:騒ぎにならなくて良いと思うんだけど。
英司:確かに。
次郎:「吐かせるには良い薬がありますからね」と、真っ赤な目を怒りに燃やした加治が(笑)
一同:(笑)
和堂:稲本はついて来る?
キーパー:そうですねガックリと項垂れたままです。
次郎:連れて行きますか。
キーパー:引っ立てようとすると、稲本の身体がブルブルブル……と震えだして、ビリビリビリィッという音を立てて着ていたシャツやズボンが引き裂かれて、彼の身体が膨張し始めます。毛穴という毛穴から汗がダラダラと流れ出て、頭がだんだん縮んでいって、両手の掌に縦にグイッと切れ目が入って、グワッと開くと牙が……
次郎:並んでる、と(笑)
和堂:もう、なるようにしかならない。
英司:確かに。
加治:まぁ、こういう時のために和堂さんがいるんですから……
和堂:な、何で?(笑)
キーパー:凄くデカイ怪物になり始めてますよ。
和堂:どれくらい大きいの? 映像で見た感覚と同じくらい?
キーパー:そうですね。背もでかくなってるし、とにかく横のボリュームがあるので。
和堂:玄関を出られないような大きさ?
キーパー:そこまでではないものの、一杯にはなりますよ。
和堂:だったら、外に出るしかねぇよな、とりあえず。
加治:というか、逃げます(力のない笑い)。
次郎:「うわっ!」
キーパー:外へ出た、と。
加治:ウリやってた女の子は?
キーパー:悲鳴を上げて逃げたよ。
加治:逃げているんだったら良いです。俺も逃げます。
英司:とりあえず出るしかないよなぁ。
キーパー:玄関扉をバキバキと壊しながら、怪物になった稲本が追ってきます。とりあえずSANチェックでも。
次郎:まず、SANチェック、SANチェック。
英司:まぁ、確かにね。(全員成功)
キーパー:ユーコは皆さんの乗ってきた車に乗って「早く車出して!」って言ってます。
英司:とりあえず車に飛び乗って……
和堂:急いで、急いで(笑)
次郎:いやいやいや、こういう時こそ落ち着いて(※昔、事件現場に一刻も早く着くために急いで<自動車運転>を振って、橋から転落して死んだキャラクターがいるのです。LB先輩、元気ですか?)。
和堂:対向車来ないか見ながら(笑)
次郎:「オーライ、オーライ」(笑)
英司:車を出します。
キーパー:じゃあ、スーッと静かに音もなく安全運転で。
英司:ぶーん、ぶーん、ぶぶーん。
次郎:前に回られちゃったりして(笑)
キーパー:どうもバックミラーに映らないなぁと思ったら(笑)。えーと、怪物は車を追いかけてきます。
和堂:スピードは?
キーパー:車ほどじゃないです。
次郎:普通に走っている分には追いつかれない、と。
和堂:怪物はどのくらいの大きさなの? 相撲取りくらい?
キーパー:んーと、そうですね、ルールブック的に言うと……。
和堂:太郎くらい?(※曙)
次郎:太郎ちゃんくらいですか? 勝てる勝てる(笑)
キーパー:SIZ25くらいですね。
一同:デケェなぁ。
キーパー:ダイエットに失敗した曙以上はありますね。
英司:(運転しながら)「……何だありゃ?」
次郎:「ビデオに映ってたやつだよね」
キーパー:ユーコも「何アレ!?」って言っています。
加治:「最近のドラッグとかやるとああなっちゃうんでしょうか?」
和堂:「違うだろ」
流石:ユーコにあのビデオを見せて、食べられちゃった女の子に見覚えがないか聞いてみましょう(君はこの場には居合わせてないっちゅーに)。
英司:それも思ったんだけどね。その辺のことって赤薔薇で聞いてみたほうが手っ取り早いと思ったりとか。
次郎:そだね。
加治:展開を遅くするだけのような気が……。
英司:ユーコは赤薔薇を嫌っているみたいだし……。
キーパー:「赤薔薇、赤薔薇」と言っていると、ユーコが教えてくれるんですけど、赤薔薇っていう所は「何でも叶えてくれる」んだそうです。
一同:ほほぉう。
キーパー:欲望を何でも叶えてくれる所だ、と。何でもっていうのが“本当に”何でも、らしいんですね。
次郎:客の要望に対してっていう事か。
キーパー:「特別注文」とユーコは言いますけど。
次郎:それで法外な金を取ってヤッてるっちゅう事か。
キーパー:地下でその「特別注文」っていうのが提供されるらしいんですけど、彼女が言うには「そこが噂の場所、よ。何の苦労もなしに、求めるもの全てが手にできるの。十分にお金を持っているなら、後は待てばいいだけ。そうすれば予約が取れるの。デブだって変態だって何でもござれ。シャム双生児がよければ、淫乱なシャム双生児を見つけてきてくれるのよ」
英司:……スゲーな。
キーパー:凄い所ですよ。
流石:そんな情報、全然こっちでは掴んでなかったの?
キーパー:いや、君は参加しなかったんだけど、警察は赤薔薇に3回、捜査の手を入れてるんだよ。ただ、何の証拠も見つかってない。
英司:同業者の情報でも噂程度で、具体的な事は何も分かっていない、と。
流石:どこかの組がバックについているとかじゃないの?
キーパー:どこかの組が、ということはないですね。
英司:どこかの組にみかじめとか払っていないの? ……通り一遍のみかじめくらいの話か……。
流石:揉めない程度には金は払っているわけね。
次郎:その辺、実はどうなんだろ? ハッキリしてるの?
キーパー:ハッキリしてないですね。
次郎:でしょうね。そうじゃなかったら、逆にもっと情報入ってくるでしょうね。
流石:ユーコには、赤薔薇に行って帰ってこなかった友達とかいるの?
キーパー:帰ってこなかった友達はいない。
次郎:でもあれでしょ。それで法外な金を儲けるんだけど、そこで働いてくれる女の子に対しての払いは割りと渋いんでしょ? だから嫌われてるんでしょ。
流石:でも無事に帰ってきてはいるんだ。
英司:そういう子「も」、いるんでしょ。
和堂:ちなみに、何処の組にも属していないんだったら、赤薔薇に対して鵠数会の方は何か圧力をかけたりしたことはないの?
キーパー:それはないでしょうね。(鵠数会の傘下には)他にも「そういう」店がありますから。全部を配下に収めようとかいう事はないです。
次郎:互いに牽制しあっている所もあるかもしれませんね。
和堂:それだけ大きな稼ぎのある店だったら……。
キーパー:逆に、だから手が出せない、様子を見ているという所もあります。
次郎:今更どこの組でもないということは、まったく違う、広域の組織がバックについていたら手を出したらヤバイ。
加治:それだけ「用意」出来るってことは表のコネクションだけでは考え難いんで、裏のルートを何か持っていると考えるべきでしょうからね。その裏のルートがどこであるか、どこも感知できていない。でも広域暴力団とかなら、先に向こうから警告とか来そうなもんだな……。
次郎:いや、来ないよ。やり口は色々あるもん、だって。
和堂:ちなみに、車を走らせていると後ろはどうなんですか?
キーパー:どんどん離れていきます。
和堂:あの存在を住宅街に置き去りにしておくことはともかくとして……。
次郎:わが身可愛さですから。
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