Super 8

06:プラスチック・ギフト

キーパー:じゃあ万座殿のB2地区にある「プラスチック・ギフト」っていうお店に来ます。
和堂この店の店主はこの町的にはどうなの? 何か前科があるとか。
キーパー:非常にケチな話なんですけど、違法コピーをしたビデオを売っているらしいです。今はDVD全盛の時代なので、まちがいなくDVDの方が多いでしょうけど。店主は巻伸夫という男です。強面の人たち(PCたち)が入っていくわけですね。童顔で小太りの店主・巻が「ええと、何の御用でしょうか?」
英司「このビデオなんだけど……」。ドンとおきます。
キーパー:巻は顔色をサッと変えます。
和堂挙動のおかしい雰囲気とかあるの?
キーパー:違法なことをモグリでやっているっていう負い目もあって、しかも強面の人たちが大勢で来ているので、動揺している雰囲気はあるみたいです。
英司「この店で、これ、扱っているだろ?」
キーパー:ぎょっ。「え? え? な、何のことか……」
英司「いやいや、俺の家にあったからさ」
キーパー:「……実は」とすぐに折れちゃうんですけど(笑)、「ダビングしたのはうちです」
英司「持ち込んだのは誰?」
キーパー:背の高い男とチンピラ風の二人連れがフィルムを持ってきて、「これをビデオにダビングできないか?」という話を持ってきたそうです。その男とチンピラは、しばらくこのプラスチック・ギフトっていう店に通い詰めたりして、何かを調査していたっぽい、と。巻にしてみると「俺の(違法な)サイドビジネスがバレたんじゃないか?」とビクビクしていたわけです。巻はそいつが来るようになってから「悪夢にもうなされた」とさえ言います。
次郎それで言われるままに、やったと。
キーパー:そうですね。ただ、巻は始め、それがどのような内容かを知らなかったそうです。彼はフィルムをビデオに変換するっていう方法が思い浮かばなかったので、映写機で映した映像を撮影するっていう方法を取ったそうです。その時の条件がつけられていて、「このフィルムの内容を見ることなくダビングしろ」と。なので、彼はフィルムを回してダビングの装置を作動させると、部屋から出て終わるのを待った、と。
一同:ほほう。
キーパー:ただ、この店を手伝ってくれていた中沢っていう男がいるんですけど、彼がダビングのことを知らないで部屋を空けて、フィルムを見てしまったんだそうです。中沢が大騒ぎをしたので巻も行って、ようやくスナッフ・ビデオが上映されていることに気がついたと。「とんでもない事に巻き込まれちまった!」ということで騒ぎになったんですが、中沢が「どういう経路でこんな話になってしまったんだ!?」と聞いてきたので、巻が「二人連れが来て依頼していったんだ」と説明すると、「じゃあ、俺がそいつと話をつけてくるよ」といって中沢は店を飛び出て行ったそうです。どうやら、中沢はその二人に心当たりがあるらしかったそうです。
次郎で、その中沢ってのは、今?
キーパー:中沢の姿はしばらく見ていないそうです。
流石それっていつくらいの話?
キーパー:一週間くらい前。
流石それって元のフィルムは残ってんの?
キーパー:フィルムは残ってない。ダビングしたテープと一緒に中沢が持っていった。
和堂そのビデオテープはこれじゃないの?
キーパー:これです。
和堂と言う事はこれ一本しかないって事か。フィルムを除けば。
流石「あんたは見たんだね、全部?」
キーパー:「全部は見てない」。皆さんが見たのと同じくらいには見ているようです。千切れていたので皆さんは始めの方を見ていないんですが、彼も始めの方を見ていない。
流石加地のモンタージュ写真を見せて「来たのはこいつかね?」
キーパー:「! そうそう! チンピラはこいつだ!」
流石こいつがチンピラのほうか!
次郎(もう1人の)男の方の特徴っていうのは?
キーパー:中肉中背でこれといった特徴がない。髭はない。
流石「中沢君には全然連絡が取れない?」
キーパー:「そうだねぇ。自宅にも帰ってないんじゃないかな……」
加治一人暮らし?
キーパー:「多分、同居人がいたはず」
和堂巻は家には行ってみたの?
キーパー:電話してみて帰ってきていないことが分かって、帰ってきたら連絡してほしいという伝言を同居人に託してあるそうです。それきり電話は来ないですが。
次郎中沢は何処へ行くとか言っていなかったの?
キーパー:言っていなかったですね。ただ心当たりはあるようでした、と。
流石中沢はどこかの店の常連だったとか?
和堂赤薔薇とか。
キーパー:そんなことは聞いていないですね。
英司何か心当たりはあるんだよね。いきなり見て「これはあいつらだ!」って言うくらいなんだから。
次郎ここまできたら加地は確実に絡んでいますからね。
流石中沢の同居人の所へ行ってみますか。

キーパー:じゃあ、ブブーン、中沢の家です。
次郎アパートとかなのかな?
キーパー:いえ、俺もこういう生活形態があるって知らなかったんですけど、所謂ルームシェアみたいな感じらしいです。アパートの一室を借りて、それをさらにシェアし合っているみたいです。
一同:ほほー。
キーパー:ピンポーン。呼び鈴を押すと女性が出てきます。彼女がどうやら同居人らしいです。「少なくとも、3日前から彼のことは見かけてないわ」という事です。
英司「連絡は?」
キーパー:連絡は……少なくとも3日前からはない。
英司「何処に行くか言っていなかったかな?」
キーパー:「彼は最近様子がおかしかったの。何日も続けて姿を見せないと思ったら、寝にだけ帰ってきて、また出て行ったの」
英司「あんた、中沢のイロ?」
キーパー:まぁ、そういう事ですね。
英司「彼が何やっていたかって知らないの?」
キーパー:中沢は一応大学行っていたんですけど、授業料払えなくって退学しちゃったらしいです。それが2年くらい前なんですけど、さっきの「プラスチック・ギフト」っていう店を手伝いながら、他の仕事もいくつか掛け持ちでやっていたんだそうです。ある日仕事から帰ってきたら、非常に動揺していた、と。そのある日っていうのは彼が……
次郎「話をつけてくる!」って言っていた日なわけですね。
キーパー:他には目もくれず、まっすぐ電話に向かったそうです。「どこかに電話をしている彼の声の端々が聞こえてきたわ。“川口はいないか?”って」
次郎川口? 新しい名前だな。
キーパー:「“彼と話がしたいんだが”って。とても大事な用事だったみたい。その川口っていう人と、何かやりかけの仕事があったんじゃないかしら? 志郎(中沢の下の名前)は川口っていう人と赤薔薇っていう場所で会うって言う約束をしてたみたい。一時間以内であればそこにいるからって。すぐにジャケットを着込んでアパートから出て行ったの」
英司それで最後?
キーパー:それで最後ですね。「幸いにも志郎は道理をわきまえた人だから、バカな真似はしないと思うわ」と彼女は最後に付け加えます。
流石「川口って言う名前に聞き覚えは?」
キーパー:無いらしい。「知らな〜い」
流石う〜ん。3日前に赤薔薇へ行った、と。
英司「中沢のケータイに電話してみた?」
キーパー:「通じな〜い」
次郎「何も持ってなかった? 荷物は?」
キーパー:「何かビデオとフィルムみたいなものを持ってたの」
和堂確認だけど、束田さんがおかしくなったのはいつだっけ?
英司2日前。その前日にビデオが川口の手に渡ったかなんかして、少なくとも一時的には赤薔薇にあった。中沢が持ち込んだ。
次郎全ての情報が赤薔薇を示している状況じゃないですかね。
英司この川口っていう男が正体不明。これが例の特徴の無い男な気もする。
キーパー:中沢君の写真を見せてくれます。特徴があります。中沢なだけにボンバーヘッドです。すぐ見れば分かるはずです。
流石「川口」っていう風に呼び捨てだったんだよねぇ?
キーパー:中沢君? うん、そうだね。
流石加地って、ちなみにいくつ位?
和堂12歳くらい? 子供じゃねーか(笑)
次郎いや、それだけでもしょっぴけるよ。
キーパー:加地はね……27歳。
流石中沢は加地の写真とかは見てないんだよね?
キーパー:見てない見てない。
英司その内容と特徴を話しただけでピンと来たわけだから……
次郎その後の行動も、所謂分かっている的な動きをしているわけですな。
英司以前からこの人物に関わっていたんでしょう。それがまさか自分のバイト先にかかわってくるとは……?
和堂中沢がピンと来たのはビデオを渡しに来た人間の特徴にピンと来たんじゃなくて、フィルム自体にピンと来たわけ?
英司かもしれないし、あるいは二人組は店にちょこちょこ来てたんだから、「あいつらかも……」で、別のルートで連絡する先も知っていた? あとは、全然正体が分からない人間として、川口。
次郎それが特徴のない男、赤薔薇から(中村のところへ)来た男。
加治川口っていう男に前科とかは無いの?
流石フルネーム分からないじゃん。
キーパー:そうだね。フルネームは分からないね、まだ。
次郎一応、今分かっている範囲で当たるとなると……
英司濃厚に関わっていそうなのは、やっぱり加地だよね。
次郎加地を叩けば、何かが出てくるかもしれないですねー。ちょっと、上(上司)に集めた情報を全部上げてみますか?
英司でも実はよく考えたら、組に利益を生むもんじゃないかな。
流石あんた、自分の問題やろ(笑)
英司俺は別に被害にあってはいないので(笑)
次郎でも、きな臭いっちゃきな臭い。これをはっきり思い出しておかないと、後で思わぬしっぺ返しを食らう可能性も……。
英司俺が関わっているならそれはそれでヤバイ。
次郎加地をさらうとか、そこまでやっちまわないと。さらうっていうか、加地叩く。叩いて話聞くくらいじゃないと。
流石証拠はそろっていますからねぇ。
次郎俺ら的にはね。加地さらうっていうことになったら、危険な領域に足突っ込むことにはなりますけどね。
流石やむを得ない事とは思うがね。
和堂さらってもペラペラ喋んないと思いますよ。
次郎要するに、どっちのテリトリーで話をするかってことですよ。
和堂警官だったら「発砲事件で君の名前が浮かんで来たんだけど」っていうことで任意同行させるできますよ。警官に任意同行してもらって、組事務所に連れて来るのが一番良い。
英司そのためにいるんだから。
流石それはちょっと危ない橋過ぎるかな〜。
加治それは我々には危なくないけれど、あなた一人にはもの凄く危ない橋だね(笑)
英司色んな情報を聞くんだったら、やっぱりこっちのテリトリーのほうが良いよね。(流石に)任意同行を求めてもらって、こっちに連れて来てもらうのが良いのかなぁ。任意同行されればだけど、素直に。
次郎発砲事件の件だったら、できますよね。流石さんに加地を任意同行してもらって、何処かよく組で使っている倉庫かなんかに連れてきてもらうって事で。
和堂じゃあ、面の割れていない流れ者の俺と悪徳警官で赤薔薇へ行きましょう。

キーパー:じゃあ暗くなってから赤薔薇に行くと、二人の体格の良い用心棒っていう感じの男たちが、若者をズルズルッと路地裏に引きずりこんでいるのを見かけます。
和堂若者は? ボンバー?
キーパー:顔は分からないんですけど、髪形はボンバーヘッドです。
次郎ボンバーヘッド、ボンバーヘッド。
和堂そのガタイの良いのは加地?
キーパー:じゃないですね。「二度と来るんじゃねぇぞ! 分かったか!?」というような怒鳴り声が聞こえてきます。「腐れビデオのことを言う口なんざ、もう一生涯閉じておけ! ここらでまた見かけたら、今度は生きて帰しはしねぇぞ!!」
次郎ゴミ箱とかにズシャーっと放り込まれるわけですな。
キーパー:下っ腹を蹴り上げられたような「ぐぁッ!!」という悲鳴が聞こえてきます。
流石回収、回収。
和堂黒服は何処に?
キーパー:赤薔薇に入っていきます。
流石目標変更。ボンバーヘッドを回収。連れて行きましょう。
キーパー:では加地を連れてくるかと思ったら、ボンバーヘッドをつれて(事務所に)意気揚々と帰ってきました。
流石「大丈夫か、兄ちゃん? 何があったんだい?」
キーパー:「……ちょっと理由があって、あの赤薔薇っていう店のオーナーの川口って男に会わなきゃならんのですよ」
流石なるほどね。「キミ、中沢クン?」
キーパー:「あれ!? 何で知っているんですか? やっぱ髪の毛? (サッカー日本代表DFの中沢に)似てますかね、エヘヘ」
流石「実は、あの……」
キーパー:「流さないでくださいよ、テヘヘ」
流石(無視)「ちょっと店長さん(巻)から相談を受けてね。大分心配してたよ。できたら話を聞かせてくれないか?」
キーパー:「……何のことですか?」
流石「ビデオのことだよ」。ビデオをカチャっと(目の前に置く仕草)。
キーパー:「……。俺もこれがどういう意図で作られたかは知らないんだけど、聞いた人相からいって、あの罰当たりの変態的なクソ野郎(※川口のことです)が作ったっていうことが分かったから、奴に会いに行ったんだ」。実はボンバーヘッドは、赤薔薇で働いていたことがあるそうです。だけどクビになっちゃったんですよ。雇われママの理沙と喧嘩して。
次郎ねんごろになったんじゃないのか(笑)
キーパー:だけど、オーナーの川口とたまたまバッタリ再会して、それから友人として、というか、知り合いとして付き合っていた、と。
次郎若いんだっけ? 川口。
キーパー:川口自身は全然若くないですよ。35歳。
和堂「何で辞めてからも付き合っていたのに、突然“クソ野郎”みたいな関係になったんだ?」
キーパー:とある事件で、どうやら川口は中沢のことを友達としてみていたわけじゃなかったことが分かった、と。手ゴマの一つとして使われていたんだということが分かって、仲違いをしたってことらしいですね。そこへ来て、今回のフィルムのダビングの話になって、3日ほど前に話をつけに行ったんだけど、ビデオとフィルムを取り上げられただけで会ってはくれなかったと。
一同:はいはい。
流石「その川口っていうのは、何者なんだ?」
キーパー:中沢は細かいことは知らないけど、川口が赤薔薇のオーナー。
和堂「こんなビデオを作るような奴なのか?」
キーパー:「何のつもりかは分からないけど……赤薔薇っていうのはそういう所だから」
流石「よく働いてたね、キミ」
キーパー:そういう所もイヤになった原因かもね。というか、もともと赤薔薇っていうのはそこまで酷いところじゃなかったんだけど、川口が来てからこういう所になったんだって。川口が前の店長をどうこうして赤薔薇を乗っ取ったというのが正しいかも。
流石そこからそういう風になっていったのね。
英司売り文句としては変わっていないけれど……
次郎エスカレートしちゃったっていう事なんですかね。
流石「キミが必死になって川口と話をしたい理由っていうのは、彼にやめろって言いたいのかな?」
キーパー:まぁ、「人間としてこういう物は許せない!」という所かな。
英司まぁね。
次郎人1人死んじゃっているわけだしね。
流石「君はあのビデオを見た? 全部」
キーパー:「見た」っていっても巻と同じところまで。
英司基本的に我々と同じところまでということだね。
流石「キミは中村謙一とか稲本亘という名前に聞き覚えはあるかね?」
キーパー:「いや、知らないけど……」
流石「川口っていうのは、普段何処にいるの?」
キーパー:「奴の自宅を見張っているんだけど、どうも帰ってきてる様子はない」
流石店の方には滅多に顔を出さないんだよね?
キーパー:「ここのところ、見ていない。本来であれば、ほぼ毎日来ても良い筈なんだが……」
次郎3日前、電話した時に赤薔薇にいたのは……?
キーパー:間違いないですね。「川口が(赤薔薇に)来ていないのは間違いないので、俺はまたこれから川口の家の方を見張るつもりです」
流石(川口の)家は何処?
キーパー:家は……とある住宅街。
流石う〜ん。川口と連絡を取り合っているのは加地なの?
キーパー:一応オーナー代行は加地がやっているから。
次郎やっぱ加地か?
キーパー:(みんな加地にこだわるなぁ)
流石「このビデオに関しては私らも迷惑を被っていてね。何とかしたいと思っているんだよ。任せてはもらえないかね?」
キーパー:警察の人だって明かしているの?
流石いや、明かしていないよ(笑)
次郎周りにいるのがロクでもない連中ですからな(笑)
流石「(同居人の)彼女も心配していたしね。これ以上キミが首を突っ込みすぎると……」
次郎「ぶっちゃけ、命にかかわるよ? 死ぬよ?」
流石「ビデオで見たとおり、人の命をなんとも思っちゃいない」
次郎「赤薔薇の今の内情分かっているなら、次に顔見かけたら殺すぞっていうのがマジだって分かるだろ?」
キーパー:彼はもう結構ボコスカなんで、っていうか、さっきやられた以外にもボコスカにされている訳ですね。んで<心理学>。(流石が成功)何だか分からないけど、中沢は自分の言っていることに「確かな根拠がある」と思い込んでいます。
流石根拠があるってどういうことやねん? 間違いなく奴らの仕業だっていう?
キーパー:そう。「OK。俺はとりあえず、川口の家で奴を待つ」
和堂中沢はビデオに映っていた女性とかに心当たりがあるの?
キーパー:全然ないですね。
流石何故この件が間違いなく彼ら(の仕業)だって思うの? 内情を知っているっていうのもあるんだろうけど……。
次郎自分の命にかかわることでも、何とかしなきゃいけないっていう理由があるんだ?
キーパー:そうらしいです。その辺、狂気にも近いものがあります。
英司「痛い目に会うぞ」とか「死ぬぞ」とか言っても意味がないわけだ、彼には。
次郎聞く耳を持っていないって事ですな。
キーパー:「なんだかんだ言っても、奴(川口)も家に戻らざるを得ないはずだから、俺は奴の家を見張る」
英司……一緒に川口の家を見張る? あるいは、「こいつ、多分死ぬな」と思いながら送り出す? 送り出すと、多分彼は死ぬでしょう。
流石赤薔薇以外で、川口が利用する場所とか知らないの?
次郎分かってたら、そこに行くでしょう。
キーパー:中沢は「赤薔薇か、家か」って睨んでいるんでしょう。
次郎逆にいえば、それだけ絞り込んでいるわけだよね、1人でやっているからには。「手を引く気がない」っていうなら、「俺らもカタギの商売やっているわけじゃねぇんだけども、関わっちゃっているわけね、このビデオに関して。それで加地から話を聞きたいと思っているんだけど、あんたどうするよ?」
キーパー:「……いや、加地に聞くのは無駄かな」
次郎「あいつは何も知らない?」
キーパー:「加地は……バカだから」
英司単なる用心棒なんだ。
次郎唯々諾々と従っているだけって訳ですな。
キーパー:「奴は川口の代行はしているけど、結局何も決められない奴だから」
次郎今晩は間違いなく(川口は)赤薔薇にはいなかったんだよね? 家の方に回るのかどうかって話か……。
英司どっちも(張り込ん)で待ち合わせるっていうのは愚かかなぁ……。
流石愚かっぽいですね。やるんだったら(中沢と)一緒に張り込んじゃったほうが……。
次郎連絡を取って合流するっていうのが不可能な距離だったらどっちかに(絞る)。
英司何だかんだで家には帰ってくるだろうから、家っていうのも一理あるし。
次郎そういうふうに中沢君は踏んでるわけですよね?
英司でもそれが今日って訳じゃないよね? いずれ来るんだからずっと待っているっていうのは……難しいところだな。
加治川口の家っていうのはマンション? 一軒家?
キーパー:一軒家。
加治セキュリティーとかがあるのは分かっているんですか?
キーパー:セコムのシールとかは貼ってないみたいね。
加治あの、いないというのが分かっているんだったら、これ幸いに入ってみるというのは?
キーパー:家宅侵入。
流石家宅侵入。
英司<錠開け>とか得意ですからね。
キーパー:そういう連中が、今回は揃っていますからな(笑)。家宅侵入は得意。
流石「そういえば、何であんなビデオを撮ったかっていうことは聞いている?」
キーパー:「いや、俺もそこを奴に問い質したいと思っている」
次郎ふんふん。
英司「何のつもりだ!?」と。ダビングって1本だけダビングしてくれっていう依頼だったんだっけ?
キーパー:そうですね。彼が知る限り。皆さんが知る限り。
次郎(川口の)家に行ったらフィルムがある可能性があるのか。
キーパー:そうですね。フィルムは、中沢の口ぶりからすると、加地が持っているって事はなさそうですね。

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