悪心


キーパーの言い訳。

 WoC誌を見てからどうしてもやってみたかったアヴェロワーニュです。死蔵していたダークエイジが日の目を見ました。

 ダークエイジのシナリオの作り方がわからなかったので、既成のシナリオをそのまま使用しました。スミスらしさを出すために黒幕をツァトゥグァにしたり、手下を無形の落とし子にしようと考えていたのですが、下手に手を加えると根幹からシナリオを組み直さなければならなくなりそうな内容だったので、結局舞台を差し替えるだけに留めました。
 修道院に行ってからはジェットコースター的に展開したので、クリスティアンらによる虐殺や、なによりベルトワールの暗い陰謀については明らかにされずじまいになってしまいました(おかげでベルトワールは身を犠牲にしてバグ=シャースを追い返した英雄になってしまいました。この結果は想定外で、キーパー自身非常に驚き、楽しみました)。

 ダークエイジが「クトゥルフ」なのか「ファンタジー」なのかはキーパー/プレイヤーの意識に大きく左右されるように思います。今回、私は「ファンタジー」の書式でシナリオ・ハンドリングしたつもりだったのですが、肝心なところを「クトゥルフ」的に押してしまったため、プレイヤーとの意識にズレが生じてしまったように思われます。リプレイではザックリ削っていますが、ジョルジュとギベールは死に物狂いでゾンビと対決していました。ゾンビ12体に対した場合、「クトゥルフ」的にはさっさと諦めて運命に身をゆだねる選択もありですが、「ファンタジー」的には剣と盾で血路を開くものです。このバランス取りには考慮の余地が残りました。

 ラストのバグ=シャースとの対決(?)シーンは力不足であまり盛り上げられなかったのですが、ジョルジュとギベールのコンビは息が合っていて、見ていて楽しく、羨ましくもありました。強烈な自己犠牲の精神で常に矢面に立ってギベールを護っていた戦士ジョルジュが、最後は信仰に裏切られて絶望し、不信心者のギベールに慰められるという展開は見事でした。

 予想していた以上に勉強になり、そして楽しいセッションでした。機会があったらまたセッションを企画してみたいテーマです。

<2021年9月10日追記>
 14年半ほど前に突貫工事で作った記事を全面的に改訂しました。
 改訂前はオンライン・セッションのログを編集しただけの目を覆うような手抜き記事でしたので「いつか手を入れたい」と思っていましたが、14年以上もの月日が経過してしまいました……。章立ても2章構成から9章構成にして、読みやすくしたつもりです。
 読み直してみるとスゲー面白いね、このリプレイ。参加プレイヤー両氏はもちろん、ヴァリアント・ルールとシナリオの作者氏たちにも大いなる感謝を捧げます。

【素材提供】
 Picrew(画像メーカーの専門サイト)
  ジョルジュ:我流男青年
  ギベール:男メーカー
  ベルトワール:私好みの男メーカー2
  エリック:ゴツめおじさんメーカー
 インスマス計劃
  バグ=シャース(質の高いカラーのイラストが安価で入手できる時代になったので助かります)