フロム・ウラヌス



4
【ドリームランド】

キーパー:夜、家の屋根の上から月へ向けて「とりゃ!」と跳躍し、月を経由してドリームランドのウルタールへと着地しました。
アビー:ヒラリ。
プロン:ヒラリ。ぐきっとか足を挫いたりしないよね?
キーパー:お前もか! でも幸い眼鏡の片方のレンズが割れただけで済みました。
プロン:いやいや(笑)
サム・パーキンスキーパー:ウルタールに着いたあなたたちに、サム・パーキンスという名前の黒猫が声をかけてきます。(サム・パーキンス)「地球から来たお仲間だね? 実は僕も昔は地球にいたんだよ」
アビー:ほう。
プロン:「実は今、地球のアーカムという場所でこういうことが起こっていてね……」という話をします。
キーパー:(サム・パーキンス)「ふむふむ。なるほど、なるほど」
プロン:「スティーヴン・テイラーっていう人間を、このあたりで見かけたことはあるかい?」
キーパー:(サム・パーキンス)「スティーヴン・テイラーについてなら、少し知っているよ」
アビー:「ホント? どんなことを知っているのかな?」
キーパー:芸術家の集まるフラニスという町に出入りし始めた、新参者の夢見る人だそうです。彼は見慣れない黒い小人と接触していたことが知られています。
プロン:「見慣れない黒い小人?」
アビー:「……シャン!?」
キーパー:そうですね。シャンはドリームランドでは黒い小人になるという話でしたね。
プロン:……何か繋がって来ましたよ。
ウルタールからフラニスへキーパー:(ガサゴソ……ドリームランドの地図を広げる)ウルタールはここで……フラニスはその北にあります。途中には件のあやかしの森があります。
プロン:なるほど。近いな。
キーパー:(サム・パーキンス)「フラニスにあるオート・エスぺランス亭という宿屋の老猫を訪ねてみれば、いろいろと知っていることを教えてくれるかもしれない。もしフラニスへ行くなら、あやかしの森は迂回して行った方が良いな。あそこにはズーグどもがいるから」
プロン:「ありがとう、兄弟」
キーパー:(サム・パーキンス)「何やら妙なことに首を突っ込んでいるようだけど、気を付けて」
アビー:「それじゃ!」ということでフラニスへ向かいましょうか。どうやって?
プロン:「タクシー!」(※手を上げてタクシーを止める仕草)
キーパー:(笑) タクシーはありませんが、フラニスへ向かう馬車がありますので、その荷台に乗れば楽に旅ができるでしょう。ウルタールには「猫類憐みの令」があるので「お猫様には逆らえませんわ~」ということで、積荷の食べ物を少し振る舞ってくれます。
アビー:おお!
プロン:至れり尽くせり!
キーパー:(馬車の主)「そ、そのかわり殺さないでくれ……!」(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
二匹:いやいや(笑)

キーパー:道中何事もなくフラニスに到着しました。
プロン:ではオート・エスぺランス亭へ行きましょう。
老猫キーパー:それらしき宿屋の前に、名もなき老猫が座っています。凄く立派なヒゲをしているので、彼が周辺の顔役であることが分かります。ヒゲは猫の地位を表しますので。尊敬すべき、人生の先輩といった感じでしょうか。(老猫)「ああ。スティーヴン・テイラーのことなら知っているよ」
プロン:「ありがとうございます、先輩!」
キーパー:テイラーは新参者の芸術家だそうです。確か、彼は詩人だということでしたね。(老猫)「最初は新顔の芸術家として町の住人達にも歓迎をされておったが、やがて黒い小人と付き合うようになって、疎遠になってしまった。最近は姿を見かけておらんなぁ」
アビー:ふ~む。
キーパー:(老猫)「黒い小人の方じゃが、奴はどうやらあやかしの森のズーグどもと取引をしていたようじゃ」
アビー:ほほう。
プロン:なるほど。ズーグと取引をしたのは小人の方、シャンの方なのか。
キーパー:(老猫)「ズーグの中でもはみ出し者の何匹かが、最近姿を見かけなくなったという噂がある」
アビー:「はっ! もしや……」
プロン:「……アーカムに来ているのはそいつらか?」
キーパー:そのはみ出し者のズーグたちは、自分たちを「三つ又の毒キノコの団」と名乗っていたそうです。
プロン:それは何匹くらいの集団なの?
キーパー:三つ又の毒キノコの団というくらいですから、三匹です。
アビー:なるほど(笑) 頭数は合いますな。
キーパー:(老猫)「わしも若い頃はズーグをちぎっては投げ、ちぎっては投げ……」と嘘か本当か分からない長話を聞かせてくれます。
アビー:ズーグとやらはスティーヴン・テイラー邸に潜んでいるのかねぇ?
プロン:そうなんじゃないの? 天王星人も町を歩いたりはできなさそうだから、同じ場所にいる可能性はあるな。よし、アーカムに戻ってテイラー邸に何がいるのかを確認しますか。
アビー:うん。
キーパー:(老猫)「ちぎっては投げ、ちぎっては投げ……」
プロン:まだ続いていたのかよ!(笑) 「話の途中ですが……」とお礼を言って、アーカムへ帰ります。
キーパー:了解です。ではオート・エスぺランス亭の屋根から「ジュワッ!」と跳躍して、月経由地球行きということで。



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