フロム・ウラヌス



7
【決戦! コウモリ穴】

コウモリ穴へキーパー:コウモリ穴は暗く湿った場所で、コウモリの排せつ物の臭いが充満する不快な場所です。床の両脇には、洞窟の奥から染み出していると思われる水が小さな小川となって流れていて、ちょっとした側溝のようなものを作っています。さて、コウモリ穴に足を踏み入れたところで、<目星>ロールをしてください。
二匹:成功! キラーン!
キーパー:洞窟の脇の岩の影にコウモリの死骸があることに気づきました。<アイデア>ロールを振ってください。
二匹:成功。
キーパー:死骸の後ろ脚が切断されています。そんな死骸が何体かあります。
アビー:「こんな小動物までか……」
キーパー:おぞましい死骸を大量に見てしまったことで理性度チェックをしてください(コロコロ……二匹とも成功して喪失なし)。確かに大量のコウモリが死んでいますが、このコウモリ穴に住んでいたコウモリ全部が死んでいるわけではありません。大半のコウモリたちは逃げてしまったのでしょう。生きているコウモリの姿は見当たりません。
プロン:「……気を付けて進もう」
キーパー:洞窟は奥へ行くほど狭くなっていきます。
プロン:狭いのは、俺らは良いんだけど……。
ズーグキーパー:そうですね。ユラナスはあなたたちとは並んで歩けない感じです。後ろから身をかがめてついて来ます。そしてこの洞窟の一番狭くなっている所、人間が腹這いになってようやく通り抜けられそうな場所で、ズーグが三匹並んであなたたちを待ち構えていました。彼らは手に持ったナイフをきらめかせて、「我ら、三つ又の」「毒キノコの」「団!」と見得を切ります。(ズーグたち)「契約により、ここは通さんぞ!」 鼻先の触手を恐ろしげににょろにょろとさせます。
プロン:奴らを説得するという選択があるのか? ……ないよね。仲間も殺されているわけだし。
キーパー:そうですね。何せ宿敵ですから。(ズーグたち)「おめおめ逃げ出して後ろから殺されるか、潔く戦って殺されるか、二つに一つだ!」
 三つ又の毒キノコの団との戦闘です。
 アビーとプロン(とユラナス)を上回るDEX 25で迫撃するズーグですが、不慣れなナイフを使った攻撃のため命中はしません。
 猫たちも引っ掻きで対抗しますが、命中してもマイナスのダメージ・ボーナスによりダメージが0以下になってしまい、相手に傷を負わせることができません。
 身体がつかえて前に出られないユラナスは、地球の従兄弟たちの頭越しに攻撃しますが、窮屈な体勢ゆえにクリティカル命中(命中率の1/5ロールに成功)しなくてはズーグに攻撃は当たりません。しかし――
キーパー:ユラナスのかぎ爪攻撃ですが……(コロコロ)……05!
二匹:おお!!
キーパー:ダメージは……4ポイント。ズーグ、瀕死! 気絶判定……失敗。ぱたっ。
二匹:やった!
キーパー:仲間の内の一匹が倒れたのを見た残りのズーグたちは、ナイフを放り出して逃げ出します。(ズーグたち)「うそっ!? やべぇ!!」と言って、あなたたちの脇をすり抜けて、ユラナスの股の下をくぐって、洞窟から出て行こうとします。
プロン:「逃がさないぞ!」すれ違いざまに<噛み付き>! 命中! ダメージは1D4-1D6!  (1D4、コロコロ……)4! (1D6、コロコロ……)5!
アビー:(爆笑)
キーパー:分かりました。ズーグには装甲がないので全ダメージ通りました!
プロン:……。
アビー<組み付き>で止めます。(コロコロ……)失敗。
キーパー:(ユラナス)「じゃあ地球の従兄弟のために頑張ってみるかな」(コロコロ……)失敗。
二匹:ああ~。
キーパー:しゅたたたたっ! ズーグは仲間を見捨てて一目散に逃げて行きました。倒れたズーグは……そうですな、ユラナスがバリバリっと食べてしまいました。
プロン:奥へは行けそうですか?
キーパー:邪魔者がいなくなったので前進できます。ユラナスも身を縮こめて後に続きます。狭いのは一部だけで、すぐに元の3m×3mの洞窟に戻ります。
アビー:よし、進みましょう。

キーパー:懐中電灯が薄暗く照らし出す洞窟の最奥には祭壇代わりの大きな岩があって、その前にテイラーと二体のリーギクス人がいます。岩の上には脚が大量に積み上げられています。
プロン:いろいろな脚ですか?
キーパー:そうです。さまざまな生物の脚が無造作に積み上げられています。猫の脚、コウモリの脚、昆虫の脚、ネズミの脚……一番上に置かれているのは人間の子供の足です。
アビー:うへぇ。
プロン:なんでもお構いなしだな……。
キーパー:テイラーが振り向いてユラナスを見ると、「こんなところまで追って来おったか」と薄笑いを浮かべて言います。二人のリーギクス人に「奴らを排除しろ!」とテイラーが命じると、リーギクス人たちは声を発することなくギクシャクと体を動かして、あなたたちの方へと向かってきます。リーギクス人の手にはムチと、ズーグたちが使っていたようなナイフが握られています。リーギクス人を見て、SENロールをどうぞ。
二匹:成功(喪失なし)。
アビー:こんな奴らに牙と爪が通用するのかね?
キーパー:ユラナスは彼らが使っているのは電磁ムチだから気を付けろ、と警告します。まぁ、それ以前に、彼らは地球の猫たちでは太刀打ちできないほど強靭な連中です。具体的に言うと装甲が19ポイントありますので。
アビー:(笑)
キーパー:正直言って、ユラナスの牙だって、文字通り歯が立ちません。
プロン:これはまともに行っても勝ち目がないので、司祭(テイラー)を止める作戦だな。
キーパー:ただし、リーギクス人は見た目通り、あまり俊敏ではないです。しかも幸い、この洞窟は狭い。そして側溝のような溝が脇にある。ということで、側溝にはめてしまって、転ばせてしまえば、しばらくは無力化できるでしょう。
プロン:だから推奨トリックが[足元に]だったわけね。
キーパー:そうです。[足元に]を取っておけば、判定なしでリーギクス人をこかすことができました(※二匹とも推奨トリックは無視しました)。トリックはないので、DEXの対抗判定で勝負です。うまく立ち回ればバランスを崩させることができます。
プロン:今度はDEXは我々の方が早いよね? じゃあ、先に行きますよ! (コロコロ)……微妙な数字が出た! 66!(笑)
キーパー:しかし楽勝で成功ですよ。リーギクス人は足元をウロチョロするプロンにきりきり舞いさせられてバランスを崩します。転ぶかどうかはリーギクス人のDEXロール次第ですね。(コロコロ)シャキーン! 持ちこたえました(笑)
プロン:なんでだよ!(笑)
アビー<組み付き>で組み付いて転ばすことはできますか?
キーパー:う~ん、ちょっと無理ですね。SIZが違いすぎます。柔術世界チャンピオンがゴジラを転ばせられないのと同じです。
アビー:そっか。それならウロチョロして転ばしまーす。(コロコロ)……71。
キーパー:リーギクス人は……(DEXロール)……こけました。
プロン:……。
アビー:(笑)
キーパー:一体こけました(笑) ユラナスもリーギクス人をきりきり舞いさせて転ばせようとして……リーギクス人は踏みとどまりました。
プロン:しぶといな、あと一体!
キーパー:リーギクス人の反撃ですね。誰を狙うかな、と。(ランダムに決定。コロコロ……)なんと、ユラナス狙い。電磁ムチだな。(コロコロ、ハズレ)……ぴしっ! ムチは洞窟の床を打って、青白い火花を放ちました。
プロン:でもダメージは大したことないんでしょ?
キーパー:そうですね。1D4です。ただし+2D10の電撃ダメージが追加されますが。
二匹:危険すぎる!
キーパー:早くこかした方が身のためです。第二ラウンドです。DEXの対抗判定をどうぞ。
プロン:(コロコロ)成功です。頼むー! こけろー! 頼むー!
キーパー:(コロコロ)シャキーン!(※転ばず)
アビー:(コロコロ)91! でも成功です。
キーパー:(コロコロ)シャキーン!(※転ばず)
プロン:うっそ! 嘘でしょう!?
キーパー:ユラナスが……楽勝でロールに成功して……リーギクス人のバランス・ロールが……リーギクス人はこけました。
プロン:よっし!
アビー:やった!
キーパー:NPC頑張るなぁ。とりあえず、テイラーまでの道をふさいでいた障害は取り除かれました。二体のリーギクス人は、洞窟脇の側溝にひっくり返った状態ではまって、手足をばたつかせています。
アビー:「よし、突撃ーーーーー!!」

キーパー:テイラーは儀式を中断してくるりと振り向きます。(テイラー)「この下等生物どもが!」 テイラーは予想に反して結構良いガタイをしてますよ。「ダメージ・ボーナス+1D4あるもんね~!」って感じです。
プロン:ダメージ・ボーナスで死ねるな(※プロンの耐久力は4)
アビー:俺もだよ(※耐久力は3)
キーパー:テイラーは勇敢にもあなたたちに戦いを挑んできます。武器は持っていませんが、ダメージ・ボーナス持ちなので猫くらいなら一撃もあり得ますよ。
プロン<回避>に専念して的になります。<人間語>で「こっちに来いやぁ!」と挑発します。
キーパー:しかし、実はテイラーはシャンに憑依されていますので、別に猫がしゃべっても驚きません。(テイラー=シャン)「ふ~ん……珍しい種だな」くらいです(笑)
プロン:ええ~!? せっかく使ったのに!
キーパー:アビー、どうぞ。
アビー<引っ掻き>で行きます。(コロコロ)命中。ダメージは……0(泣)
キーパー:次はユラナスですが……「こっちに来いやぁ!」と挑発しながら<回避>に備えて……。
プロン:いやいやいや! お前は違うでしょ! お前はダメージ・ディーラーだよ!
アビー:(笑)
キーパー:(ユラナス)「あ、そういう作戦?」 ……ということで、この尻尾攻撃でもやってみますか。(コロコロ)びしっ! 見事に命中。
二匹:来た!
キーパー:ダメージは……(コロコロ)……8! (テイラー=シャン)「ぐはっ!」 スゲェダメージを受けました。(コロコロ)しかし、気絶判定には成功。(テイラー=シャン)「ぐおー、痛ぇ……。よくもやってくれたな!」ということで、誰を狙うかなー……。
プロン:「来いやぁ! 来いやぁ!」
キーパー:(ランダムに決定……コロコロ)ユラナスにこぶしを振るって、命中。ダメージは、と。
プロン:所詮パンチだから。
キーパー:……6ダメージ。ユラナス、瀕死です(笑)
アビー:えー!?
キーパー:(気絶判定。コロコロ……)バターン! ユラナスは倒れました。
プロン:うっそ!
キーパー:まぁ、所詮彼も猫なんですよ。あなたたちよりも倍くらい丈夫ではありますが、彼も天王星に住む猫にすぎませんので。「にゃ、にゃーん……」って感じで倒れました。
アビー:(爆笑)
プロン:何やってんの!?
キーパー:ま、テイラーもさっきのユラナスの攻撃でふらついていた(気絶ロールをしていた)ことは確かなので、もう少しダメージを与えれば勝ち目もありますよ、きっと。
アビー:問題はダメージがプラスの値で出るかどうかなんだけど(笑)
キーパー:さ、次のラウンド行きましょうか。テイラーが実は結構なスペックを秘めた人間だということが分かりました(笑) ユラナスを一撃で洞窟の壁まで吹き飛ばしましたからな。
プロン:……。
アビー:(爆笑)
プロン:もうダメだろ……<噛み付き>ます(※破れかぶれ)! (コロコロ……)命中。ダメージは……2ダメージ!
アビー:おお!
プロン:死んだ? 死んだ!?
シャンキーパー:まだ死にはしませんけど、イベントが起こります。プロンの<噛み付き>攻撃を受けて、テイラーはガクッと両膝から落ちます。するとテイラーの頭から何か半透明のものがヒュッと飛び出してきます。出てきたのは鳩ほどの大きさの、巨大な眼球と三つの口、五対の脚と半円形の羽を持つ、昆虫のような生物です。ただし、十本あるはずの脚は、一本欠けて九本しかありません。SENロールをお願いします。
二匹:成功(喪失なし)。
キーパー:シャンは飛び去ろうとします。捕まえますか?
二匹:シャッ、シャッ!(※かぎ爪を振るう仕草)
キーパー[鳥を捕まえる]トリックを持っていれば<引っ掻き>+10%でチャレンジできます(※推奨トリックでしたが、二匹とも取っていませんでした)。しかし、二匹とも取っていないので……。
アビー:通常の<引っ掻き>ロールですか?
キーパー:いえ、DEXの1倍ロールです。
プロン:普通に<引っ掻き>攻撃とかできないの? その方が成功率が高いんだけど。
キーパー:既に戦闘ラウンドは終了していて、ここは[鳥を捕まえる]トリックを使うべきイベントなのです。
二匹:なるほど。そして失敗。
キーパー:ピューーーーーっとシャンは洞窟の出口方面に飛び去りました。そしてコウモリ穴の出口あたりと思しき所から、「おお! 我が神よ! この忠実なるしもべくぁwせdrftgyふじこlp;@:」という絶叫が聞こえてきます。
プロン:「はっ! もしかしてもう儀式は終わっていたということ?」
アビー:「……どうだろうねぇ」



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