GM:夜が明けると、ジャック・パーソンズがキングズ・アームズ亭へやってきます。「首尾は?」
エドガー:とりあえず昨晩のことは話しておきます。これからのプランとしては、渡し守の所へ行ってみる?
エドワード:湖の島へ行ってドイツ人の妻たちに話を聞いてみましょう。
GM:宿で朝食をとってからの出発です。町から湖畔までは徒歩で15分です。
ダーウェント・ウォーターの光景は不吉だ――暗く長い湖が南へ遠く伸びており、険しい青灰色の山々の峰に囲まれ、手前には森に覆われた島々が点在している。手漕ぎボートが近くの砂利の湖岸に停泊しており、その近くにある荒れ果てた小屋の外では、長い白髭を蓄えた老人が漁網を繕っている。
GM:白髭の老人がビル・スキッドオーです。スキッドオーは日焼けした肌、もじゃもじゃの白い顎髭、突き刺すような青い目をしています。こんなところで渡し守をしているくらいですから、風変わりな人物なのでしょう。
エドガー:「ジャック・パーソンズに紹介されてきました。お話を聞きたいのですが」
GM:(スキッドオー老)「この辺りのもんじゃないな? ラムヌヌム、山の向こうから来て、ここで何をしているんだ? 主たちが知りたがっている」カンバーランド訛りがあります。
エドガー:主たち? それは取り替え子たちが言っていた“森の主”と同じもの?
GM:判然としませんが、ニュアンス的にはド・マンカスターたちが言っていたのとは別のもののようですね。“森の主”はLord of the Woodsで、スキッドオーが言ったのはMastersです。
エドガー:「主たちというのは?」
GM:(スキッドオー老)「ブヨブヨした体。囁くもの……ファーネスで」そう言うと彼は漠然と南の方向に手を振ります。「ヤー、ヤー、低木の戯言。気をつけろ! 黒山羊に気をつけろ! ヤービディ・ラムヌヌヌム! ……不味いビールだ」などと意味不明なことを言います。
エドワード:(苦笑)
エドガー:……大丈夫なのか?(笑) 最近、ニコルソンを見かけたかをたずねてみます。
GM:(スキッドオー老)「おお、ニコルソン! そう、奴が来てたくさんいたヤービディの鉱夫たちを連れて行った。遠く、丘の向こうへ行っちまったよ」そして再び南の方へ手を振って、「可哀想な連中だ」
エドガー:ニコルソンが来て、鉱夫たちを連れて行ったのは間違いないね。この爺さんもニコルソンが落盤事故で死んだことは知らないっぽいな。……島へ行って、何か聞くことってある? 平穏に済む場所じゃなさそうなんだけど。
エドワード:とりあえず行ってみなければならないんじゃない? 鉱夫たちの行方を捜しているといえば、何か情報をくれそうだけど。
エドガー:「島へ乗せていってくれるかい?」
GM:(スキッドオー老)「あそこへ? ああ……ラムヌヌム、ヤービディ・ダッチマン。ヤービディの変な連中。ボートに乗れ。2ペンスだ。1人ごとに。主たちは知りたがるだろう。ああ、教えてやれ」
エドガー:じゃあ、行きますか。2ペンス×3で6ペンスか。
GM:(ヴァレリィ)「何なら、渡し守の小屋で待ってるけど。お金がもったいなければ……」
エドワード:はした金です(笑)。払いましょう、6ペンス。チャリーン☆
GM:湖畔から島まではボートで5分くらいですね。島側の木製の船着き場に到着すると、そこからぬかるんだ道が木立の中へと続いています。
エドガー:帰りも利用するので、渡し守には待っていてくれるように頼みます。
GM:スキッドオーは頷くと、竿を出して釣りを始めます。
桟橋から続くぬかるんだ道は、木々の間を抜けて小さな木造小屋に囲まれた空き地へと続いている。数羽のニワトリが土をひっかき回し、不潔な子供たちが追いかけっこをしている。君たちを見つけると、子供たちは遊ぶのをやめ、「気をつけろ(アハトゥング)! 気をつけろ(アハトゥング)!」と叫びながら、安全な家々に逃げ込む。やがて、家々から女性たちが現れ始める。みな15歳から30歳くらいで、みすぼらしい手織りの衣装を身にまとい、悲しげで心配そうな雰囲気を漂わせている。大部分は何らかの武器――錆びた剣、ピッチフォーク、肉切り包丁――を持っている。彼女たちは空き地の中央で、君たちに向けてマスケットを構えた、長い茶髪をもつれさせた背の高い痩せた女性の背後に身を寄せ合っている。彼女は顎を上げ、挑戦的に君たちを見る。「何をお望み?」
GM:女性は50人弱います。襲撃を率いたリーダー格は逮捕されてしまっているので、マスケットを構えている彼女が、現在のリーダーなのでしょう。
エドガー:「行方不明になった鉱夫たちを探している。話を聞かせてくれないか?」
GM:彼女個人に話しかけるなら〈影響力〉、グループ全体に訴えるなら〈雄弁〉ロールをしてください。鉱夫たちを探していると伝えたので、+10%です。
エドガー:(コロコロ……)〈影響力〉で成功です。
GM:リーダーはカトリーナ・ホフマンという名前の女性で、「話を聞きましょう」と頷きます。粗末な家具が設えられた家に皆さんを入れてくれて、薄くて酸っぱいながらもコーヒーを出してくれます。これは、彼女たちにしてみれば、なかなかの歓待ですよ。
カトリーナ・ホフマンが話した内容は以下の通り。
- 3か月前にジェームズ・ニコルソンがやって来て、彼女の夫たちをコニストンにある銅山へ連れて行った。
- ニコルソンは血色が悪く、動作がぎこちなく、ささやくような声で話した。事故で喉仏の下にひどい傷を負ったと説明していた。以前は陽気だった彼と比べるとまるで別人のようで、不気味だった。
- 2週間経っても戻ってこない夫たちを心配して手紙を書いたりしたが、返事はなかった。
- ケズィックの精錬所に事情を聞きに行った時、彼らが夫たちの行方を知らないことが分かり、しかもニコルソンがとっくに死んで埋葬されたことを知った。
GM:(カトリーナ)「まったく訳が分からなくて、私たちは少しおかしくなってしまったのだと思う――精錬所を焼き払うつもりはなかった。でも、この3か月間、島に座って子供たちの世話をしながら心配することしかやることがなかった。私たちを助けてくれないか?」
エドガー:そもそも鉱夫たちを探しているので、やっている仕事を進めていけば、彼女たちの助けにもなれそうだよね。
GM:ニコルソンに関して、宿屋の女将は昨年の夏に落盤事故で死んだと話していたのに、カトリーナの話だと3か月前に島にやって来たということですから、この点に関しては間違いなく何かが起きていますね。
エドワード:掘り返した死体は首なしだったよね? ニコルソンの首にも傷があったのは引っかかる。鉱夫たちを連れて行ったのは本物のニコルソンだったのかねぇ?
エドガー:こうなると、彼らがたどったかもしれないルートを、途中で聞き込みしながら鉱山まで行ってみるしかありませんね。
エドワード:カトリーナに「我々がニコルソンが向かったと思われる南の鉱山へ行って、旦那さんたちを探してこよう」と言います。
GM:(カトリーナ)「何があったとしても、分かったことがあれば、どうか教えてほしい」と言って、追加でザワークラウトを出してくれます。
エドガー:口をさっぱりさせてから、船着き場へ戻ります(笑)
GM:暗くなってからケズィックへ戻って来ました。これで宿に戻ったら食事、という感じですね。
エドガー:一応報告だけはしておこうかな。
GM:ジャック・パーソンズの家に向かう? そうすると、若い男が皆さんに近づいてきて、「ジャックからの伝言だよ」と言ってメモを手渡します。彼はパーソンズの義弟のピーター・ビギンズで、10分くらい前にメモを渡すようにパーソンズに頼まれたのだそうです。ビギンズはエドガーとエドワードの顔を見比べて、貴族のエドワードにメモを渡します。
エドワード:メモを読んでみましょう。
ジェームズ・ニコルソンを見た! ペンリス通りから町を出て行った。荷物は持っていないので、遠くへは行かないと思う。できる限り彼を見失わないようにするので、可能なら追いかけてきてくれ、
ジャック |
GM:エドワードは知っていますが、筆跡はパーソンズのものに間違いありません。ペンリス通りというのは、ケズィックから東へ向かう幹線道路ですね。
エドワード&エドガー:追いましょう!
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