シャードリー・ホールの謎


5

GM:館に残った人たちは何をしますか?
エドワード:雨で外にも出られないので、ウィリアムに変化があったら駆けつけられるように気を配っていることくらいしか……。
エドガー:疑わしい人物に詰め寄ってみますか?
エドワード:リゼットとかにですか? でも私は〈知覚〉に失敗して疑わしい様子にはまったく気づいていないので、「いや、そんな風には見えない」としか言えません。誘惑されてしまっているし、夜のおもてなしも受けてしまっていますから(笑)

 この後、エドワードとエドガー(とヴァレリィ)は大人しく館の中でウィリアムの回復を待つことになります(雨の中、礼拝堂の地下を調べに行くというエドガーの意見は却下されました)。
 午後になってジョシュアが雨具を着てリディエートへと出かけていきます。冒険者たちは特に用向きをたずねることなく、ジョシュアを見送ります。


GM:ジョンを除く皆さんが食堂に集まっていると、夕方くらいにウィリアムが姿を見せます。今日の午前中よりはずいぶんとスッキリした顔つきをしています。(ウィリアム)「ゆっくり眠って、ようやく頭の中の霧が晴れたような気がする。すまないが、ブリンドル夫人に冷たい水を持って来させてくれないか?」するとリゼットとレベッカが困惑した表情を浮かべて「いいえ、旦那様、ブリンドル夫妻は命じられた通り館を後にしております……」と回答します。するとウィリアムは「え?」という表情を浮かべた後、エドワードの顔を見ます。
エドワード・ハイド卿エドワード:正直に今日の午前中に起こったことを言います。「君がブリンドル夫妻に出ていくように命じたんだぞ」
エドガー:「覚えていないのか?」
GM〈洞察〉ロールをしてみてください。
エドガー:成功!
エドワード:失敗です。
GM:エドワードは午前中から人の心の機微がまったく読めませんな(笑)。エドガーには、ウィリアムがまるで記憶がないかのように、心の底から狼狽えていることがわかります。(ウィリアム)「ブリンドル夫妻を……僕が? ジョシュア! ジョシュアを呼んでくれ!」
エドガー:「ジョシュアは隣村へ出かけているよ」
GM:取り繕うように、リゼットが「旦那様は昨晩から食事をされていませんので、少し早めですが食事の用意をしましょう」と言って、レベッカと一緒に食堂を出ていきます。
エドガー:使用人がいない間に、ウィリアムにリゼットたちが怪しいと伝えておきたいのですが……。
エドワード:いやぁ、俺はそれには気づいていないので、俺の口からは伝えられないなぁ(笑)
エドガー:誘惑されてしまっている! ……俺が少数派になりつつある?(笑)
GM:リゼットたちも汚いものを見るような目をしながら「あの人(=エドガー)、なんだか私のことをチラチラ盗み見しているのよね……」となるべくエドガーのそばにはいかないようにしています(笑)
エドガー:どんどん居心地が悪くなっている!(笑)
GM:食事が用意されます。料理上手なブリンドル夫人がいなくなったので、昨晩とは違う、もっと田舎っぽい料理ですが、材料は同じなのでそれなりのものは出てきます。ウィリアムは、ガツガツというわけではありませんが、1日ぶりに食事をします。
エドガー:食事をしながら、昨日の調査の結果を話しましょう。2階の書斎の鍵は見つからなかったので、開けるのなら扉を壊すしかないということも。
GM:(ウィリアム)「そういうことなら、扉を破ってしまおう。どうせ開かないのなら、扉を換えてしまわなければならないのだから」
エドガー:許可をもらえたのだから、扉は壊して開けてしまいましょう。
GM:(コロコロ……ランダムに決めて)エドワードは〈知覚〉の1/2ロールをお願いします。
エドワード:今度こそ! (コロコロ……)成功!
一同:おお!
リゼット・カーターGM:では、「今晩のワインはいつもと味が違うかな?」ということに気づきます。
エドワード:キタ!(笑)
GM:すると、リゼットが皿を下げながら、さり気なくエドワードのゴブレットを叩いて中身をすべてこぼしてしまいます。リゼットはすぐに「申し訳ございません!」と深く詫びます。ここで〈洞察〉ロールをしてください。その様子を見ているはずですから、エドガーもロールして良いですよ。
エドワード:成功!
エドガー:失敗!
GM:エドワードにはリゼットが心の底から心配していることがわかります。
エドワード:おや?
GM:「大変申し訳ございませんでした」と言って、レベッカがワインの入った新しいゴブレットを持ってきます。
エドガー:……リゼットはわざと手を当てて、ワインをこぼさせたってこと?
エドワード:そうなるねぇ。しかもすごく心配してくれている様子だった。
エドガー:心配してくれた? ということは、こちら側に気を使ってくれたってこと? 魔女じゃない……のか?

ライン

GM:館でそんなことが展開している一方で、ようやくジョンです。ジョンは土砂降りの雨の中をブリンドル夫妻と一緒にリディエートまで歩いて、無事到着します。時刻は夕方ですね。夫妻にはリディエートに知り合いがいるので、その家に行きます。ロジャー死亡の報は当然伝わっていて、その話でもちきりです。やはり密猟者のしわざに違いないという意見が大勢を占めています。
ジョン・トーマスジョン:はい。
GM:夫妻の知り合いの家に到着すると、ジョンにも粗末な夕食が振る舞われます。まあ、パンと薄いスープくらいです。(ブリンドル夫妻)「このような雨の中、どうもありがとうございました」
ジョン:「あの旦那のことだから、明日になればまたコロッと意見も変わっていると思うよ」
GM:(ブリンドル夫妻)「そうだと良いのですが。ウィリアム様のことを、どうかよろしくお願いいたします」
 しばらく休んで、ジョンはシャードリー・ホールへの帰途に就きます。しばらく歩いていると、後ろから「ジョンさん!」と雨音をついて君の名前を呼ぶ声が聞こえます。
ジョン:「ん?」と振り返ります。
GM:後ろからジョシュアが小走りに近寄ってきます。「良いタイミングでした。ホールまで一緒に行きましょう」
ジョン:「やあ、ジョシュアさん。こちらに来ていたんですね」
GM:(ジョシュア)「この村の知り合いが病床に伏しておりまして、見舞いに来ていたのです」彼からはかすかにアルコール臭がします。リディエートはシャードリーよりも少し規模が大きいので、ロイヤル・オークという名のバーがあります。おそらく、一杯飲んできたのでしょう。「ブリンドル夫妻も災難でしたねぇ」などと話しかけてきます。
ジョン:「まったくです」
ジョシュア・ポーアGM:ジョシュアからはそれほど深刻な様子は感じません。おそらく、先代の時代まではブリンドル夫妻抜きでやって来たのだから、これからもやっていけるだろうと考えているのでしょう。
ジョン:「今朝のウィリアムさんの様子についてはどのようにお考えですか?」
GM:(ジョシュア)「……驚きはしましたが、まあ、新しい旦那様はあのような気質の持ち主なのでしょう。病弱な方ですし、アイルランド様の死もありましたから、気分が乱高下されるのも致し方ないかと。命じられたら従うまでです、我々も、ブリンドル夫妻も」
ジョン:道すがらジョシュアに先代の当主について話を聞いてみましょう。「どんな人だったのですか?」
GM:(ジョシュア)「立派な方です。シャードリーを代々治めていた血筋で、領地を適切に管理し、我々使用人にも親切な方でした。今でも村に残っている住人たちは、誰もが先代様を尊敬しているのではないでしょうか? ウィリアム様も、先代のようになってくださると、我々は信じております」
ジョン:「先代はどのようなことに興味を持たれていたか、ご存じですか?」
GM:(ジョシュア)「さあ? 頭の良い方だったので、よく書斎にある本をお読みになられていました。それがどのようなものだったのかは、我々の与り知らぬところです」

 ジョンとジョシュアは連れ立ってシャードリー・ホールへと戻って来ます。時刻は夜の10時頃、一日中雨に降られた散々な道のりでした。ジョシュアが戻って来ると、ウィリアムは彼にブリンドル夫妻を呼び戻すように命じます。ジョシュアは「明日、人を派遣します」と約束して館を辞去します。
 明日、2階の書斎の扉を力ずくで開けることに備え、冒険者たちは眠りにつきます。


ライン

リゼット・カーターGM:エドワードは再びリゼットの夜の訪いを受けます。(リゼット)「雨の中を家に帰るのは嫌なので、一緒に眠らせてはいただけませんか?」
エドワード:「どうぞ、どうぞ」(笑)
エドガー:……ワインの一件については聞かないの?
エドワード:そうだね。「あのワインには何かあったのかい?」と聞いてみましょう。
GM:(リゼット)「ダメになったワインを配膳してしまったかもしれないことに気づいたので、あのようにさせていただきました」確かに、その後はエドワードのワインだけでなく、ウィリアムのワインも取り替えていました。
エドワード:気がきく娘だなぁ(笑)
エドガー:完全に魅了されちゃってるじゃないですか!(笑) 確かに、悪くなったワインを出しちゃったら、主人の面目を潰すことになりかねないからね……。
エドワード:「主人に恥をかかせないために、自分が粗相をしたことにしたのか……」(感激)
一同:(笑)
GM:エドワードとエドガーの技能の成功と失敗が微妙にズレているから、認識に差があるんですよね(笑)
エドガー:「あいつはアヤシイ!」
エドワード:「あの娘は良い子だよ!」
GM:リゼットと楽しんだ後、エドワードは眠りに落ちますが、夜中にハッと目を覚まします。
エドワード:? はいはい。
GM:裸のリゼットが隣で眠っていて、窓からは月明かりが差し込んでいます。どうやら雨は止んだようです。窓の外へ目を向けると、敷地に立っている木がそよいでいることに気づきます。〈知覚〉ロールをしてください(エドワードは失敗)。すると、リゼットが「うぅっ!」とかすかにうめき声を上げます。
エドワード:「どうした!?」
GM:「痛いっ!」と言って彼女が泣きながら目を覚ますと、彼女の腹部を突き破って数フィートもあるミミズのようなクリーチャーが飛び出してきます!
エドワード:はあーーーっ!?(爆笑)
GM:リゼットの内臓に覆われたそのクリーチャーは水平に裂け目の入った光る目でエドワードを凝視します。-20%で正気度判定です!
エドワード・ハイド卿エドワード:(コロコロ……)失敗!(※正気度ポイントを1ポイント失いました)
GM:すると、エドワードはガバッと汗だくで目を覚まします。よくある悪夢パターンです。
エドワード:「あ……夢?」
GM:窓から朝陽が差し込んでいて、もぞもぞとリゼットが目を覚まして「おはようございます」と笑顔で声をかけてきます。
エドワード:いやな夢を見たなぁ……。
GM:リゼットがエドワードに微笑みかけると、彼女の顎がガクンと下がり、恐怖のあまり目を大きく見開きます。そしてエドワードの咽喉の奥からせり上がってきた蟲が開いた口から飛び出すと、彼女の咽喉を引き裂き、ベッドとエドワードに血しぶきが浴びせられます! 再度、正気度判定です! -20%でお願いします(笑)
エドワード:何と! (コロコロ……)失敗!(※正気度ポイントをさらに1ポイント失いました) 合計2ポイントで済んだのが不幸中の幸いだったか……。
GM:で、血しぶきを浴びせられたところでガバッと汗だくで目を覚まします(笑)
一同:二重の夢オチ!!(笑)
GM:エドワードは余りの夢見の悪さに今日は集中力が欠如するため、すべての技能ロールに-20%を受けます。
エドワード:キビシー!
GM:リゼットは汗だくのエドワードを不思議そうに眺めながら身支度をすると、投げキッスをして部屋を出ていきます。