シャードリー・ホールの謎


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GM6月19日です。
エドガー:「エドワード、様子がおかしいけど、何かあったのか? まさか、あの女(=リゼット)が何か……」
エドワード:「いやな夢を見てね……」(笑)。リゼットは関係ないけどね。
エドガー:エドガー的にはリゼットがウィリアムに何かを囁いてからおかしくなったように見えたので、彼女を疑っています!
GM:でも、エドワードはそれにさらさら気がついていないので、認識に断絶が生じています(笑)。酸っぱくなったワインを飲ませないために、自分の粗相に見せかけて阻止した健気なカワイ子ちゃんに映っています。
エドワード:(笑)
ウィリアム・カートライトGM:雨は止んでいます。ウィリアムは目の下に隈ができてはいるものの、起床して食堂に現れます。パンの欠片を口に入れて何度か噛んだ後、ワインで流し込んで、「もういい」と皿を遠ざけます。
エドワード:「大丈夫か? 体調が悪そうだが」
GM:(ウィリアム)「ああ、体調が悪い」と答えますが、昨日の午前中のような譫妄状態ではないようです。言葉少なとは言え、昨日の気のない返事とは違い、会話は成り立ちます。
エドワード:「私も夢見が悪くて――」ということで、不気味な夢を見たことは話しますよ。リゼットとのことについては話しませんが。
エドガー:我々も警戒しなくてはならないので、リゼットのことも共有してもらわないと……。
エドワード:いや、リゼットは無関係なので。穿って見過ぎですよ(笑)
エドガー:おいィィィ!(笑)
GM:(ウィリアム)「書斎の扉については君たちに一任する。わかったことがあれば、あとで報告してくれ。僕は休ませてもらうよ」と言って、レベッカに支えられて彼は自室に引き上げます。

ライン

 冒険者たちは予定通り2階の書斎の頑丈な扉を破ることにします。特にトラブルなく、扉を壊すことはできました。
 聞いていた通り、中は図書室兼書斎になっており、歴史やオカルト関係の本が書棚に収められています。窓際の机の上には『クリタヌスの告白録』『妖蛆の秘密』というラテン語の本が重ねて置かれていましたが、〈言語(ラテン語)〉技能を持っている冒険者が誰もいないため、内容を知ることはできません。


エドガー:本以外に何かありませんか? 探してみます。
GM:英語で書かれたメモがあります。どうやら『妖蛆の秘密』の抜粋訳らしいです。

《魔道師の精神》を発動すれば、同じ血を引く者の命を奪い、吸収することができる。この方法によって、スコーピオン・キングは何百年もの間、支配を続けた。セトの司祭たちが彼の子孫を皆殺しにした後、彼は我々の世界で永遠を続けることができなくなり、老いて人の道を歩み、死後の世界へと旅立った。儀式は夏至の日に始めなければならず、人生の衰退を表すために、日没前と日没後の2時間に渡って行なわれるであろう。最初の1時間で生贄の人間性の残りをすべて剥ぎ取り、2時間目の終わりに本質そのものが満ち引きに吸収される。このようにして、“千の仔を随えし黒山羊”シュブ=ニグラスの秘密の言葉は作用し、かつてその者であった本質的な塩以外には、あとに何も残さない。

エドガー:またシュブ=ニグラスか……。
GM:なお、夏至は明日です。また、この書斎にいる間、派閥が“新たなる使命”(※神話カルトすべてに対して敵対している派閥)であるジョンの行動は正義アクション(※自分の属する派閥の大義を推し進める行動に対して、派閥への忠誠度に従ったボーナスが与えられるルール)になります。
ジョン:ああ、なるほど。シュブ=ニグラス相手だからか。
GM:別のメモも見つけます。これは簡易なメッセージのようです。

 部下がデウァ・ウィクトリクス(※地名)で女を見つけた。女は件の私生児が見つかりそうな場所を彼に教えた。私生児がホールに連れてこられるように、私は自分の消滅を手配しなければならない。私は弱くなっている、そして家系は3000年以上続いているので、私生児が最後の希望だ。イア、シュブ=ニグラス。

エドガー:……つまり、先代当主が生きながらえるために、ウィリアムを見つけて連れてきたってことか。先代当主の死因って何で、どこに埋葬されたんだっけ?
GM:死因は病死、墓は廃礼拝堂の地下霊廟と聞いています。
エドガー:先代当主の幽霊の目撃情報があるわけだから、彼は死んだことになっているけど、実は死んでいなくて、夏至に儀式を行なって、ウィリアムの命を奪う? 吸収する? つもりなのか。
ジョン:目をグルグルさせながら「この儀式とやらについては確実に妨害しましょう!」
一同:(笑)
エドガー:やっぱり先代当主は生きていて、彼が持っているから、鍵が見つからないんだよ。
ジョン:今でも出入りしているのかもしれないですね。内通者の手引きによって。
エドガー:シャードリー村の全員がグルってことも考えられる。ロジャーの事件も関係しているのかな?
ジョン:先代当主の幽霊の噂を持ってきたのはロジャーですから、それがトリガーになった可能性はありますね。儀式の邪魔になるかもしれないと考えた可能性はあると思います。
エドガー:ロジャーの殺されかたは明らかに人間の手によるものだったから、誰か協力者がいると考えるのが自然だよね。

 書斎のメモから明らかになった陰謀をウィリアムに納得させるため、冒険者たちは廃礼拝堂にある地下霊廟へ行って、先代当主が死亡していない証拠をつかもうと決めます。


ライン

GM:ランタン担当のヴァレリィが持つ明かりを頼りに地下への階段を下りていくと長い通路になっていて、その両側には棺が納められたアルコーヴが並んでいます。アルコーヴには「エドガー・シャードリー」という名前と、生没年が記されています。おそらく、代々当主は“エドガー・シャードリー”と名乗るのでしょう。それ以外にも女性の名前があるので、それはおそらく妻や娘の棺だと思われます。最も新しい棺は1595年、50年前のものです。
エドガー:先代当主の棺はないってこと? こうなると、やはり村人グル説が浮上しますね。
ジョン:棺がないということは葬儀をしていないことになりますからね。何か、変なシンボルとかが棺に刻まれたりしていませんか?
GM:特にそういうものはありませんが、そういう目で見てみると、この礼拝堂には十字架がありません。ガーゴイルなどの珍しい彫刻はありますが、十字架がないです。
エドワード:最新の棺を開けてみますか。
GM:1595年の棺の石蓋を開けてみると、中には何も入っていません。骨や服の残骸もないので、棺には何も入っていない状態で納められたのでしょう。
エドワード:もう1つ、一番古い棺を開けてみます。
GM:一番古いものは1150年のエドガー・シャードリーのものです。棺の蓋を開けても、先ほどと同じく何も入っていません。
エドガー:こうなると、先代当主は生きていて、どこかに隠れているってことになるよね。
ジョン:入ってはいけないと言われた森とか丘に隠れている可能性が高いのでは?
エドワード:では禁断の丘へ行ってみますか?
エドガー:何に遭遇するかは分からないけど、とりあえず丘へ行ってみることにしましょう。