シュトレゴイカバール



石板発見現場捜索と悪夢(その二)

キーパー:ラウンジで朝食を取ろうとしていると、ニコルが近づいてきて「よく眠れましたか?」などと聞いて来ます。
マーク:「……はぁぁ」
アンドリュー:「まぁ、眠ることは眠れたのですが、久々に夢を見まして」
キーパー:(ニコル)「まぁ、それはどのような?」
アンドリュー:「この研究所の近く、だと思うのですが。石碑があって……」と夢の内容を話します。
キーパー:(ニコル)「慣れない異星、環境に来て、神経が高ぶっているのかもしれませんわね。もし心配なようでしたら、睡眠薬か精神安定剤を処方しますが?」
アンドリュー:「私はそこまでではないので(※1ポイント喪失)……続くようだったら、またご相談するかもしれません。そういえば、先生、顔色が良くないようですけど」
マーク:「単なる寝不足です。夢見が悪くてね……」(※3ポイント喪失)
アンドリュー:同じ夢を見たってことは分かるよね? 一堂に会した場所で話すよ。
ジョン:「問題は、あの伏し拝んでいる連中が何人いて、戦闘力がどれくらいかだな」
アンドリューマーク:「う〜ん?」(笑)
アンドリュー:夢のことは気にしつつも、出発の準備をします。

マン・トリン研究員キーパー:約束通りマン・トリン研究員が同行してくれます。研究所のATVを借りるなら、彼が運転してくれますよ。
アンドリュー:それならお願いしよう。
キーパー:ではトリンの運転で出発します。なお、当然ですが、ジョンには昨日ロッカーに預けておいた磁気ライフルが渡されます。
 最近、サマセット博士の捜索を頻繁に行っていたために、轍が結構残っています。景色は砂地と岩場の繰り返しです。目につくランドマークはまったくありません。ATVのジャイロセンサー頼みで、自動運転しているようなもんです。
アンドリュー:石板も目立つ大岩のそばで見つかったっていうわけではないんだよね?
キーパー:まったく偶然に、「あ! なになに、あれ!?」という感じで、何もないところでまったく偶然に見つけたそうです。
ジョン:黒い光があったので、「あ!?」というようなものだったんでしょうね。
キーパー:(トリン)「発見場所は何度となく通ったことがある場所だったんですよね〜。ただ、たまたまあの日、あの時に、風の具合か何かで、砂の中から顔を出したのを発見できたんですよ。あまりに無造作な様子で発見されたので、他にも見つかるかもしれないと、サマセット博士たちは考えたんじゃないでしょうかね〜?」
アンドリュー:もしかしたら、ポンと次が見つかる可能性があるってことか。
マーク:うん。
キーパー:(トリン)「僕らも機器、そして目を使って捜索はしてみたんですけど、次のサンプルは見つかりませんでしたけどね。ただ、石板の材質が特殊なものらしいので、もしかしたら従来のセンサーでは捉えられない可能性もあるかもしれませんね〜」
アンドリュー:「ほう?」
マーク:「ほほう?」
キーパー:(トリン)「アルファ・ケンタウリ独特の土壌と材質の関係性でセンサーに引っかからないとか、そういうことがあるのかもしれません」
アンドリュー:「なるほど。そうなると、センサーを用いた捜索では見つからない可能性がある、と」
キーパー:(トリン)「そうなんですよね〜。ですから、科学者であるマーク先生の前で言うのもなんですけど、ここで一番確実なのは人間の目なんですよ」
マーク:「うむ、確かに」
キーパー:(トリン)「もしかしたら、砂地に顔を出していた石板の角は、レーダーを見ていたら見つからなかったもしれない。我々が通りかかり、目に留めたからこそ、発見できたのかもしれませんよ」
アンドリュー:「だからこそ、次の石板を見つけるために現地にサマセット博士一行が向かったのも不思議はないわけか。しかし、同じものを探すとなると……」
マーク<目星>
アンドリュー:周辺をウロウロして、ひたすら<目星>(※ルビ:めぼる)しかないのか。
キーパー:そうなると、既に<目星>というよりも<幸運>ロールという感じも……。
アンドリュー:センサーは役に立たないのかぁ。
ジョン:それなら、単純な光学センサーの類であればどうですか? それはきっと機能しますよ。
アンドリュー:たまたま地表に一部が出ていればね。
マーク:地表に出ているかは……<幸運>ロールでしょうなぁ。
キーパー:やがてトリンはATVを砂地のど真ん中に停めます。どうやら現場に着いたようです。(トリン)「ここですが、ご自身で探索とか、してみますか?」
アンドリュー:まぁ、せっかく来たんだし、やれることはやってみましょうか。
マーク:「ここから忽然と消えてしまったというわけか……」
キーパー:(トリン)「捜索はしましたが、遺留品は何一つ見つかっていません」
ジョン:「サマセット博士たちのATVの轍が消えたのは?」
キーパー:(トリン)「まさにこの周辺です」 現場にはあまりにもランドマークがないので、もし調査に行くにしても、このATVが見えなくなるような場所へは行かない方が良いでしょう。
ジョン:通信機は各自持てますか? それなら各自持って通信できる状態にして置きましょう。何かが発生することは考えられるでしょうから。
アンドリュー:確かに。サマセット博士が消えたのは事実だからな。
マーク:ライバル会社に寝返った、ということは考えられない?
ジョン:それをするなら、石板を持って寝返るでしょう。
アンドリュー:寝返るにしても、ATVごと忽然と消えるっていうのは考えられない。
ジョン:とりあえず、ここは行動の時間でしょう。淡々と「調べましょう」と言ってATVを降ります。
アンドリュー:バラけるのは良くなさそうな気がするので、一緒に行動しましょう。目に見える範囲をウロウロするくらいのことはしてみます。
キーパー:調査するなら技能を申請してください。機器を使用するなら、使用技能でロールです。
マーク:とりあえず、辺りに異常な音などが聞こえないか<聞き耳>を立ててみます。……(コロコロ)80、失敗。
キーパー:(笑)。あなたたちやATVが立てている音を除けば、弱い風が吹き抜ける音がするくらいです。
アンドリュー<目星>ってみます。成功。
キーパー:特に何もない、ということが分かりました。
アンドリュー:なるほど。特に気になるものは何もないってことか。
ジョン:何か変な現象に気づくかどうか<サバイバル>で……27、成功。
キーパー:野外活動ってことか。特に流砂とか、危険を感じさせるような地形は見当たりません。流砂があれば、周辺の砂が流れた跡とかがあるはずですが、そのようなものもありませんでした。
アンドリュー:突然、地下の空洞に落下する砂に巻き込まれて……ということもないってことか。やっぱり消えちゃったんじゃん。「まいったね……」
キーパー:(トリン)「気はお済みになりましたか〜? 正直、僕らもこの周辺は結構探して回りましたから」
アンドリュー:「まいったね。まったく手掛かりなしか。現場百遍とは言うけれど……暗い状況だな、コレは」
マーク:「う〜む」
ジョン:ATVに周辺地図を積んでいますよね? このあたりに、昨夜見た夢のような地形ってありませんか?
キーパー:なるほど。少なくとも、この周辺にはないね。まず、岩場がないので。
ジョン:「ミスター・トリンは地質学などの知識はお持ちではありませんか?」
キーパー:(トリン)「いえ、実は私は気象学を専門としていまして。このあたりの気象状況は比較的安定したものです。研究者にとっては面白みに欠けるほどに」
ジョン:「OK。分かりました」 調査の結論としては、この周辺には何も異常が見つからず、消えた理由が分かる手がかりはなかった、と言うところですな。

キーパー:研究所に戻ると「何か見つかりましたか?」とニコルが出迎えてくれます。
アンドリュー:「いいえ、聞いていた通り、何も。それだけは確認が取れました」
マーク:「残念ながら」
キーパー:(ニコル)「そうですか……。早く見つかると良いのですが。せめて手がかりだけでも」
ジョン:「この周辺の地形について相談するのに、適任の研究員は誰ですか?」 つまり、夢で見た地形がアルファ・ケンタウリ上にあるのかどうかを知りたいのですが。
キーパー:誰でも構いませんよ。所長でも、トリンでも、何なら目の前にいるカウンセラーでも。(ニコル)「この研究所の職員であれば、押し並べて同じくらいの知識を持っていると思います」
ジョン:それなら別れる前にトリンさんに夢で見た地形の場所について心当たりがないかを尋ねてみます。
キーパー:(トリン)「そのような地形なら、あると思いますよ。今日行った石板発見現場とは全く別の方向ですけど」
ジョン:「その中でも特徴的な場所はありませんか?」
キーパー:(トリン)「特徴的な場所があれば、我々もそこを研究対象とすることができるのですが(苦笑)。際立って特徴的な場所が“ない”ということは、これまでの研究ではっきりとしています」
アンドリュー:とほほ(笑)。えーと、夢に見たような光景、石板じゃなくて石碑の方に関して、アルファ・ケンタウリに限らず一般的に何か似たような情報がないのか探してみたいんですけど。
キーパー:なるほど……それならば、<データ分析>ロールでしょうね。誰かが代表でロールをしてください。
アンドリュー:75%の俺が一番高いかな。では行きます……(コロコロ)……40、成功。
キーパー:通常成功、と。そうですね、「黒い碑」の所在地に関する情報が見つかります。場所は――
一同:ふむふむ!?
キーパー:――地球の、ハンガリーという国です。
一同:はぁーーー!?
アンドリュー:Googleで検索していて、「そうじゃねぇんだ、これじゃねぇよ」みたいな感じですな。一応内容を読んでみますけど、一応。
キーパー:ハンガリーにある、とある寒村の近くの山中に、黒い碑が立っているという記述です。
ジョン:そのハンガリーの黒い碑の画像データはありますか?
キーパー:ありますね。夢の中で見た物と酷似しています。ハンガリーの碑にも文字らしきものが刻まれていましたが、解読はされていません。
アンドリュー:ハンガリーと来たか。ということは、夢の中で見た光景はハンガリーのものなのかな? ちょっとハンガリーに行って調べて来ようっていうのは厳しいよね。
マーク:う〜ん、厳しいですなぁ(笑)
ジョン:誰かが発狂しているかっていう判断は<精神分析>でしたっけ?
アンドリュー:それは<心理学>でしょ?
キーパー<精神分析>は狂気の治療に用いられる技能だから、ある程度診断にも使えるかもしれないね。ただし、それは目を見合わせてじっくりと話し合う必要があるだろうけど。
マーク:発狂しているっていうことはなくても、この研究所ぐるみでサマセット博士が行方不明になったことにしているとか、そういう嘘をついているとか?
アンドリュー:そういうことも考えられなくはないよね。
ジョン:そのあたりも調べなくては、というのもありますね。職員何人かに<心理学>的な接触はした方が良いかもしれませんね。まずはトリン君からでも良いんじゃないですか? あるいはニコルさんか。誰か管理職が正常であることを確認して、この研究所における地歩を固めておきたい(笑)
アンドリュー:それもあるから、早くインフルエンザから職員たちが回復してくれないかなぁと思っているんだけどね。
マーク:何にしても、それは明日になってからですか。
ジョン:では寝る前にトレーニングジムで汗を流します。
アンドリュー:毎晩やるのか。「ほどほどにね〜」と言ってから自室に引き上げます。

キーパー:さて、皆さんは夢を見ます。
ジョン:キターーーーー!
アンドリュー:これは毎晩夢を見ていくパターンか!?
キーパー:どうも、昨日の夢の続きっぽいですね。

 獣の仮面をかぶった男が石碑の前に進み出て、ひれ伏す影たちの祈りを煽り立てる。沸き立つ熱狂の中、肌も露わな若い女が石碑と仮面の男――司祭――の前に踊り出て、場の熱に酔ったように肢体をくねらせる。仮面の司祭が木の枝を束ねた鞭を手にして、女の柔肌にそれを打ち付けていく。何度も、何度も。鞭が打つたびに女の肌は赤く腫れ上がり、やがて皮膚が裂けて鮮血を滴らせるが、司祭と、女と、影たちの熱狂は止まらない。


黒の碑キーパー:正気度ロールをしてください。(マークとジョンは成功。アンドリューは失敗)成功した人は1D3ポイント、失敗した人は1D6ポイント喪失です。
ジョン:(コロコロ)2ポイント。
マーク:(コロコロ)1!
アンドリュー:(コロコロ)6!
一同:キタキターーーーー!
アンドリュー<アイデア>ロール! 成功……。
キーパー:成功しちゃった、と。アンドリューは、この夢が過去に実際に起こったことを、何故だか分からないが、自分が追体験しているのだということを悟ってしまいました。
アンドリュー:「うわぁぁぁぁぁっ!」
キーパー:(ジョンとマークに向かって)隣の部屋から、凄い悲鳴が上がります。
マーク:「どうしたーーー!?」
ジョン:飛び起きてアンドリューの部屋に駆け込みます。
キーパー:全裸に右靴下だけ履いたアンドリューが、石板に刻まれていた文字を真似た文様を自室の壁に書き殴っているのを目撃します。
アンドリュー:なんでそんな姿に……(泣)
ジョン:落ち着かせます。「アンドリュー! しっかりしろ!」
キーパー:狂気を落ち着かせるのが<精神分析>技能です。
ジョン:34%しかないんですけど、頑張ってみましょう。(コロコロ)24! 成功!
一同:おおっ!
キーパー:アンドリューは落ち着きを取り戻して、左の靴下も履きました。
マーク:(笑)
アンドリュー:「恐ろしい夢を見たんだ……。昨日の夢の続きのようだったんだけど……」
ジョン:「ふむふむ。で、どう恐ろしかったんだね?」
アンドリュー:「あれは……実際に、過去にあったことなんだ……間違いない……確信してしまったことの恐ろしさに耐え切れず……」
マーク:「鞭打たれる女の気持ちとシンクロしてしまったとは……」
アンドリュー:そんなこと言ってない(笑)
キーパー:遅ればせながらニコルも駆けつけてきます。(ニコル)「どうしましたか!?」 右手には鎮静剤の注射器を持っています。
アンドリュー:同じような話をします。「夢の続きを見たんですよ」
マーク:「鞭打たれる女の夢です」
キーパー:(ニコル)「セクハラです!」
アンドリュー:いやいや、重要なのはそこじゃない(笑)
キーパー:アンドリューには<クトゥルフ神話>技能5%が与えられます。



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