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館 一階玄関錆び付いたドアノブにほんの少し触れただけでドアは内側に開いた。甲高い軋み音が前方へ反響し、コールフィールド・プレースの薄暗い廊下の隅々にまで届く。しかしこの軋み音が君たちに向かって反響した時には、さらに深く、不吉な調子を伴っていた。CM:(地図カキカキ:エリア 1)えー、こんな感じです。左手に古いコート掛けがあるので、コートを掛ける人はどうぞ。ニコラス:(コートを掛ける仕草) CM:掛けるのかよ(笑)。 ニコラス:(笑)。明かりはどうしているの? 懐中電灯とか? CM:懐中電灯です。館の内部は、まぁこの時代にしては結構豪勢な造りなのではないでしょうか? ごくオーソドックスな造りではあります。 ニコラス:足を踏み入れて「ギョッ!?」とするようなことはない訳ね。 スティーヴ:一般的にはこの時代の造りであれば、主人の寝室とかは二階にあるもんですよね。どうしましょう? トム:まず一階から? スティーヴ:一階から行きますか? 個人的には好奇心的なもの(エッジ【好奇心旺盛】)から早く主人の寝室を見てみたい気もするんですが。 ニコラス:俺、好奇心ないから。 トム:俺も【好奇心旺盛】持っているけど、まず一階から行った方が良いんじゃね? スティーヴ:そうですか。分かりました。 ニコラス:指令によると、何か原因になっている物なり、場所なりがあるんじゃないかって事だったよね? スティーヴ:ただ、煤まみれの炭鉱夫でしたっけ? 夢でそれを見たんですけど、ここは鉱山とは違うんですよ。それなのにあんな夢を見るのは、何だか謎ですよねぇ。 トム:う〜ん。 スティーヴ:ああ、そうだ! 《アンノウンの感知》を使ってみましょう、館に入ったんだから(コロコロ)。 CM:(スティーヴとくららが成功)成功した人には館全体からアンノウンの気配が感じられます。間違いなくアンノウンがかかわっている案件だということです。特に東側から邪悪な気配(笑)を感じます。 スティーヴ:「……あっち。何かありますね」。 ニコラス:「よし、行くぞ!」。 キッチンCM:東側へ進むと、そこはキッチンのようですね(エリア 4)。 ここは明らかにキッチンだ。古い洗面台、薪を燃やすストーブ、2人用の正方形のテーブル、部屋中に散らばる様々な箱にはすべてホコリが積もっている。ニコラス:……それだけ? 他には何もないの?CM:とりあえず、目に見えて「アンノウンの存在」というものは見当たりません。 スティーヴ:キョロキョロ。 ニコラス:「……何もいないな」。 トム:「……とりあえず、扉を一つずつ開けていくしかないんじゃないか?」。まず、この南の扉かな? CM:皆さんは西南の壁にある扉に近づいていきます。では全員、知覚力の一般判定をしてください。(コロコロ……)ではトム以外の3人は、正方形のテーブルに近づいた時に、その下の床の板の上のホコリが少し吹き払われている事に気付きます。どうやらその部分の床板が緩んでいるようです。 ニコラス:地下への入り口か? スティーヴ:隠し扉? ニコラス:「よし、ここから行ってみよう」。 スティーヴ:「テーブルをどかしてみましょう」。 トム:【好奇心旺盛】ですからな(笑)。 CM:緩んでいる板をどけるという形で良いでしょうか? では床にしゃがみこんで緩んで板をどけていると、バーーーン! と北側の扉が開きます。 一同:ええっ!? CM:そして扉の背後から何かがのたのたと出てきます。 トム:「何だ!?」。 CM:眼窩と口から蛆虫を這い出させた、破れてボロボロの衣服とクモの巣を身にまとう身長6フィートの動く死体です! スティーヴ:また、分かりやすいヤツが出てきたな(笑)。恐怖判定ですかね? CM:恐怖判定ですね。皆さんガクブルです。ただし、死体の恐怖修正を受けて、-20%でお願いします。現在意志力の段階判定です。 トム:90マイナス20だから、70で。でいっ!! (コロコロ……91)失敗。 ニコラス:ヤバイよ〜。 スティーヴ:目標値70ですね。とうっ! (コロコロ)84! 失敗。 トム:(笑)。 ニコラス:何やってんの? CM:(爆笑)。 ニコラス:目標値70ね。おりゃっ! (コロコロ)57。M成功。 CM:くららは目標値60なので……(コロコロ)93! 失敗(笑)。 ニコラス:ちょっと待てよ。ちょっと待ってくれよ! CM:失敗したキャラクターは2D10ポイントの現在意志力を喪失します。 一同:キビシー……。 CM:M成功の場合は1D10喪失するか、1D5ラウンド逃げ回ります。 ニコラス:踏みとどまります。(コロコロ)7ポイント喪失か。でかいなー。 CM:失敗組は恐怖で1D10ラウンド逃げ回ります。くららは2ラウンドです。 スティーヴ:4ラウンドです。 トム:7ラウンド!! ニコラス:……はぁ!? 一同:(笑)。 CM:どかしていた板を取り落とすと、ニコラス以外は来た道をダダダダダーーーッ! と戻って逃げ去りました。「怖い! 超怖い!!」って感じです。 スティーヴ:「No! Nooooooo!!」。 ニコラス:【自信過剰】だからね。「これくらいなら、俺一人で!」ということで、みんなが逃げやすいように立ちはだかりますよ。懐からヌンチャクを引き抜きます。 CM:えーと、突然現れたので、不意打ち判定も必要です。知覚力の一般判定ですね。(全員成功)誰も不意は打たれずに、逃げたり立ち止まったりできます。ここでイニシアティブを決めましょうかね。一応、全員決めておきましょう(ニコラス→くらら→トム→スティーヴ→動く死体の順)。 ニコラス:では《アストラル・アーマー》を使います。 CM:了解です。発動は次のラウンドですね。次の手番のくららは「きゃー、きゃー」と言って逃げました。 トム&スティーヴ:では我々も「きゃー、きゃー」と。 CM:動く死体の攻撃ですね。ニコラスの<マーシャルアーツ>が「師範」レベルですから、-20%を受けます。パンチしてきます。(コロコロ……08)ボカーン! ニコラス:ええ〜!? ちょっと待ってよ(笑)。 CM:08なので。M成功なので腹部にパンチが命中して、現在活力を1ポイント喪失します。そしてアート使用の集中が途切れます。 ニコラス:ここで【集中力】エッジが役に立つんだよ! CM:おお! 確かに。取っておいた甲斐がありましたね。 ニコラス:意志力判定。(コロコロ)21、成功。集中力切れない。「ぐふっ……なめるなぁ!」。次のラウンドだよね? ではアートの判定をしま〜す。(コロコロ)55! 成功!! スティーヴ:《アストラル・アーマー》が発動ですね。 ニコラス:そしてヌンチャクで殴ります。 CM:「師範」レベルですよね? では3回攻撃、どうぞ。 ニコラス:一発目……M成功。二発目……L成功。三発目……C成功! CM:おお、スゲー痛ぇ!! ではこちらの番ですね。 スティーヴ:まだ倒れないらしい。 ニコラス:え、え? CM:このラウンドでくららは恐慌から我に返ります。……では次のラウンドに戦場に復帰できる事にしましょう。 では動く死体の攻撃。おりゃ! 失敗。 ニコラス:よしよし。 CM:3ラウンド目。 ニコラス:「アチョーーー!」。一発目……H成功。二発目……H成功。 CM:「ぐ……」。ドサッ。動く死体は倒れました。 ニコラス:多少息を切らして残心を取ります。「ホーーー……」。 CM:了解です。とりあえず動く死体は動かなくなりました。 ニコラス:また動き出したらヤダな。何か「トドメ」みたいなものはないの? CM:ではくららが帰ってきました。<アンノウン知識>……(コロコロ)成功。「動く死体は頭に弾丸を撃ち込まないと復活するわよ」。 ニコラス:「そうなのか!?」。拳銃は持っていますので撃ち込んでおきます。バン! CM:分かりました。これで動く死体は完全に沈黙です。しばらくするとトムとスティーヴも戻ってきます。 トム:「ふぅ、ヤレヤレだぜ」。 スティーヴ:「凄いな、ニコラス! さすがだ」。 ニコラス:「まぁ、この程度ならな」と自信満々に。……絶対《アストラル・アーマー》無駄撃ちしたよな(笑)。 一同:(笑)。 ニコラス:動く死体の服装を見るけど、鉱夫の格好をしているの? それとも普通の格好? CM:この館は150年以上前に建てられたものですが、倒れている死体の服装は結構新しいもののようです。しかもインダロ(※エンヴォイである事を示す徽章のようなもの。ページの右下に表示されている弓を頭上に掲げた人間みたいな記号のことです)を着けています。 一同:「え!?」。 CM:おそらく皆さんより前にここの調査に入って、返り討ちに遭ってしまったエンヴォイなのでしょう。 ニコラス:「……俺たちもここで死んだら、こうなっちまうって訳か」。 CM:(くらら)「考えられるわね……」。 ニコラス:死体の身元の分かるようなものがあれば、持って行こう。SAVEって身分証明書とかあるの? CM:ないですね。インダロで仲間を判別していますので。まぁ、免許証が残っていた事にしましょう。10年位前に失効しています。名前はヴァリス・パラディンです。成す術もなくやられたと書き残しています。(※ヴァリスはニコラスのプレイヤーがプレイしていたD&D4eのパラディンの名前) トム:(笑)。 ニコラス:いやいや。「もしや、あの伝説のエンヴォイの……!?」。 CM:イニシアティブ取られちゃったみたいですよ(笑)。 ニコラス:動く死体に(笑)。 トム:とりあえず地下を見てみたい気もするけど、一回扉の向こうを調べておかなきゃ。 ニコラス:動く死体が出てきた部屋が気になるな。そこを調べてみよう、用心しながら。不意打ちを受けないように。 CM:そこは食料貯蔵庫でした(エリア 5)。空になった箱などが転がっていますけど、特に目ぼしいものはありません。彼の免許証などもこの部屋に投げ込まれていた事にしましょう。 スティーヴ:では板外しを続行しましょう。【好奇心旺盛】なので。 ニコラス:確かに地下へ続く道を見つけているんだから、まずそこを調査しない手はないな。 トム:うむ。 ニコラス:鉱道に繋がっている可能性もあるよね。 スティーヴ:それが一番ありえるんじゃないかと。とりあえず行ってみましょうか。 地底への階段CM:床板をどけると、下へ続く階段が現れました。階段も壁も石造りです。明らかに人の手によって掘削された感じです。 スティーヴ:下を懐中電灯で照らしながら、「行きましょう」。 CM:階段には泥がついた足跡がたくさんついています。昇り降りは頻繁にあったようです。ただし、これは150年前の足跡でしょう。最近、この階段を使った形跡はありません。 トム:「結構深いのか?」。 CM:とりあえず懐中電灯の光が届かないくらいは下に続いていそうです。ではニコラスを先頭に下りていく、と。しばらく降りていって、さてもう一歩というところで、靴の裏に土の感触があります。 ニコラス:え? 行き止まり? CM:そうです。ここまでしか降りられません。実際には階段はさらに下まで続いているのでしょうが、下から盛り上がった土によってここまでしか降りられなくなっています。 ニコラス:階段を埋めた土は自然のもの? 落盤した感じとか? CM:そんな感じです。 スティーヴ:「やっぱり下と繋がっていたようだ」。 CM:ふと足元を見ると、おそらくはハンマーの頭の部分であっただろうと思われる金属の塊が半分土に埋まって落ちています。木の柄の部分は、おそらく腐り落ちてしまったのでしょう。その他にもロープの残骸らしきものが見つかります。 ニコラス:「……誰かが落盤を引き起こしたのか?」。 CM:その可能性はありますが、この鉄塊自体は上から投げ落とされた感じです。時系列的に言うと、落盤が起こった後に、階段の上からハンマーを捨てたのでしょう。 スティーヴ:なんだろう? とりあえず《アンノウンの感知》をしてみよう。(コロコロ)……32、成功。 CM:ハンマー自体からはアンノウンの反応はないね。 一同:う〜む。 スティーヴ:とりあえず、これで炭鉱と地下で繋がっている説は証明されましたね。落盤事故と共にここも落盤したのだとすると、我々が目指しているのはこれに関連する事なのか、という事にはなりますよね。「で、ここはここまでという事で、いったん戻らんかね?」。 トム&ニコラス:そうだね。 CM:キッチンに戻ってきました。 スティーヴ:では、この南東の扉を行ってみましょう。 CM:そこは物置になっています(エリア 6)。特に目を引くものはありませんね。膨大な量のクモの巣とホコリがあります。 トム:「げほげほ」。 スティーヴ:「……ここには何もなさそうだな」。 トム:じゃあ北東の両開きの扉をギィっと。 ダイニング・ルームCM:ここは食堂です。(地図カキカキ:エリア 3)テーブルがあって、揃いの椅子が8脚あります。壁際には最小限の家具が押し付けられています。最も目を引くのは天井からぶら下がったシャンデリアです。ただし、普通のシャンデリアではなく、馬車の車輪をぶら下げて、そこにオイルランプが吊り下がっているという、ちょっと奇妙なシャンデリアです。他の家具にも馬車のハンドルが取り付けられていたり、チェストの蓋の上に小さな馬車の車輪が設えてあったりします。 ニコラス:それは、19世紀のこの地方で、こんな様式が流行ったの? CM:それを知っているかは<アンティーク>で判定しましょう。 ニコラス&スティーヴ:成功。 CM:そんな事は聞いたこともありません。 ニコラス:「んん〜?」。 CM:特に目を引くのは馬車の車輪のシャンデリアと、車輪がついたチェストです。 ニコラス:チェストを開けます。ガチャ。 CM:開けると、むわっとホコリが立ち昇るんですが、中からは小さな肖像画が出てきます。肩までの黒髪の、尊大で傲慢な表情をした男性の肖像画です。浮かべているのは狂気と邪悪に蝕まれた微笑です。「おい、これを見てみろ」という事でみんなで覗き込んでいると、肖像画が「ふははははははははは!」という邪悪な笑い声を上げ始めますので、恐怖判定です(笑)。 トム:(笑)。 ニコラス:マジかよ(笑)。 CM:-25%でよろしくお願いします。(くららのみ失敗)ではくららは「きゃーーーっ!」と言って部屋から出て行きます。 スティーヴ:M成功なので、1D5ラウンド逃げ回ります。4ラウンドです。 トム:C成功だから影響なしだね。 ニコラス:M成功だから、1D10ポイント意志力を減らして逃げ出しません。6ポイント。 一同:ほほ〜。 CM:踏みとどまったのは2人ですね。肖像画の笑いは30秒ほどすると止まります。スティーヴとくららは帰ってきました。 スティーヴ:「いやいや、絵がしゃべるとかないわ〜」。 トム:単なるブービー・トラップだった、と(笑)。 ニコラス:はいはい(笑)。「貴重な資料だな」。 CM:確かに貴重な資料ですね。 トム:「この館の主なのかねぇ?」。 CM:なんとも言えない所ですな。今のところ館の主の人物像が明らかではないので。 ニコラス:北壁のこれは? CM:絵画です。幌馬車を描いたものです。乾燥して劣化した絵の具がポロポロと落ちてしまってひどい有様です。ではここで皆さん、知覚力の一般判定を。 全員:成功。 CM:どうやら画を収めた額と壁の間に何かがありそうです。 ニコラス:絵画を壁から外しましょう。 CM:外した絵の背後から、埋め込み式の金庫の扉が現れます。 スティーヴ:開くのかな? 誰か<開錠>って持ってましたっけ? トム:一応私立探偵なので72%ありますが。 スティーヴ:おお、素晴らしい。 トム:私立探偵はリソースとして「高性能な開錠キット」を持っているらしい。 ニコラス:なんでそんなもの持っているんだよ(笑)。 CM:ルパンみたいなもんでしょ。 ニコラス:ルパンは泥棒だろ(笑)。 トム:鍵が掛かっているなら開けるでしょ。(コロコロ……)成功。 CM:パカッ……キィ……金庫、開きました。 スティーヴ:「素晴らしい! さすがです、トム」。 CM:中にはおそらくはこのコールフィールド館を建てた時の図面があります。図面はこんな感じですね(イラスト、カキカキ)。地下の通路か何かに通じている事が書かれていますね。 プレイヤー・エイド#1 ![]() ニコラス:いや、そんな事はもう分かっているよ。 CM:シナリオの順番的にはこの図面を見つけるのが先と想定されていますので(笑)。通路が向かう方角も記されているのですが、その方角にはコールフィールド鉱山があったはずです。縮尺が正確かどうかは分かりませんが、これを枝道とすると本道と繋がっているのかもしれないということは、皆さんピンと来ますね。 スティーヴ:我々の推測が正しかった事の証拠にはなりますね。これで館の見取り図を手に入れたということで良いでしょうか? では先へ進みましょう。 リビング・ルームCM:次に皆さんが来たのはリビングです。(地図、カキカキ:エリア 2)こんな配置でソファがあって、ここにピアノがあります。すべてにシーツがかぶせられていて、その上にホコリが積もっています。 入り口を通り抜け、顔に付いたクモの巣を拭い去ると、部屋全体にシーツをかけられた様々な家具が置かれている事に気付く。配置から察するに、この部屋は客をもてなすための部屋だ。レンガ造りの暖炉が東の壁の真ん中に造り付けられ、その両側にある大きな2つの張り出し窓からは、かつては壮大な眺めが見えたに違いない。そこからは、今は何も見えない。土で汚れたガラスと外側から打ちつけられた木の板を通して、ぼんやりとした月光が漏れてくるだけだ。
スティーヴ:ピアノと言われたら「ああ、来るな〜」と思っていました(笑)。 |
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