１０
【現在への帰還】
GM：ハッと気が付くと、皆さん最初の死体置き台を取り囲んで輪になっています。消えてから、ほとんど時間は経っていないようです。せいぜい1、2秒でしょう。
一同：はいはい。
GM：まず死体、恐らくドーラーの物だったんでしょうが、それがありません。宝石は台の上にコロンと転がっています。でも前のような赤い光を放ってはいません。単なるでかいルビーです。ちょっと傷が付いています。
スタイン：デスの死体は？
GM：デスの死体はまだあります。ただ、スーッと風が通り抜けると、解放された事を表すかのようにサラサラと崩れます。
スタイン：公爵は？
GM：います。ナドジャナもいます。公爵は青い顔をして「どうやら貴公らの言った事の方が正しかったようだ。また命を救われたな」と言うと、また一人一人握手します。
ピオカーナ：傷物になった宝石はどれくらいの価値なの？
GM：まぁ若干価値は落ちますけど、彼は宝石にそういう「歴史」があるという事に対して価値を見出しているんですね。
ピオカーナ：なるほど。
GM：最後に、彼は宝石の中を覗き込んでこう言いました。「しかし、どうやら魔力の全てが失われたわけではないようだぞ」、と。
（了）
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