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【“牙を持つ波乗り”】
GM:船着場がどうなっているかというと、砂浜があって、その先に木立があって、さらにその先が砂漠に通じています。上陸して木立を透かすと何かが見えるかもしれないので、皆さん<観察>ロールを。(コロコロ……ティスマンだけ成功)では、見慣れた砂漠の景色(笑)の遠くに、黒い点が見えます。パルヴィックがそれが不浄の要塞であると教えてくれます。
ティスマン:おうおうおう。
GM:さて、港には「父の誇り号」の他にもう一隻、船が着いています。おそらくはあなたたちと同じく命からがら先ほどの嵐を抜けて港に避難してきた船でしょう。見て一発で分かります。パン・タンの黒いガレー船です。
一同:ははは……(乾いた笑い)。
ジンジャー:……最近良くお見かけしますな。
GM:ただ、パン・タンの海軍は帆に自国の紋章である人魚を描いているものなんですが、その紋章がありません。つまりパン・タン海軍の船ではない、ということです。ただし、頭蓋骨を噛み砕こうとするサメの顎がシンボライズされたような紋章が掲げられています。
クランデール:ほう。その紋章に見覚えは?
GM:(船乗りの)ジンジャーは<記憶術>ロールができます。
ジンジャー:よし、ボーナスの4%(笑)。……失敗。以上。
GM:まったく分かりません(笑)。
ティスマン:どっちにしろパン・タンか。
GM:船の周りにはパン・タン人たちが既に何十人といて、損傷箇所を調べています。あなたたちが上陸してきたのを横目に見て、世界の嫌われ者パン・タン人たちは「ああ、小せえ船が来たな」くらいな態度です。
パルヴィックは「心配することはない。彼らも我々に手を貸すと予言された者たちだ」と言って皆を安心させようとします。
クランデール:何と!
GM:“牙を持つ波乗り”。
ティスマン:!
GM:パルヴィック「彼らも、少なくともしばらくは我らの仲間になると予言された者たちだ。……そうでなければ、と願っていたのだが」
ティスマン:なるほどね。
GM:パルヴィック「……実は、私の妹は奴らの手にかかって死んだのだ。数ヶ月前に妹ブリシーナはフワムガールに外交的会議に赴き、そこで殺されたのだ」
クランデール:「……ありそうなことですな」
GM:パルヴィック「いい妹だった」。そういって彼はしばらく目を閉じていますが、嫌悪を飲み込んで「交渉に行ってくる。荷降ろしをして待っていてくれ」と言ってガレー船へと向かいます。
ティスマン:「大丈夫か、一人で?」
GM:パルヴィック「大丈夫だ。彼らも今のところ我々の味方であると予言されている」
クランデール:さすがのパン・タン人も異国の地でいきなり喧嘩を吹っかけるようなことはしないってことか。
GM:パン・タンの黒いガレー船っていうのは、オールの漕ぎ手(奴隷)が500人、戦士100人を運用する船です。完全にパン・タン海軍とほとんど同型艦です。
クランデール:ちなみに、ガレー船から下りている作業員はパン・タン人なんだよね?
GM:そうですね。みんな揃いの服を着ています。でも軍服ではありません。
クランデール:揃いのユニフォームは着ているけど、パン・タン海軍の服ではないのか。
GM:いわゆる私略船なんでしょう、きっと。
クランデール:でも、彼らは普通の海軍が海賊行為をするからなぁ。軍艦でもないのにガレー船を使うってことは何かあるわけだよね。
GM:そうかもしれません。たとえばパン・タンの有力者や貴族が率いているとか。パルヴィックは「ここは任せてほしい。下手に事を荒立てたくないからな」
ティスマン:それは確かにね。
GM:パルヴィックが行くと、パン・タン人たちは集まってきます。彼は身振り手振りでパン・タン人たちに何かを訴えているようです。<聞き耳>ロールを。(ジンジャーとポンパドゥールが成功)では商人と船乗りが耳をそばだてていると、あなたたちの時と同じように「棘持つものが砂漠から来たりて死せる神の横に穴を開け、血が流されるであろう。勝利は“牙を持つ波乗り”と死せる船長の傭兵たちによってのみ掴む事ができるだろう」という予言を聞かせて、牙を持つ波乗りと言うのはあなたたちのことなので、力を貸してほしいと言っているのが分かります。
クランデール:ちなみに彼が交渉しているのは誰?
GM:やせてひょろりと背が高い、おそらくは船の船長らしい人物です。他の奴らよりも上等な服装をしています。船長は副官たちと相談した後、部下に何か指示を出します。すると何十人というパン・タン人たちが船から降りてきます。全員が明らかに戦士ですね。パルヴィックはあなたたちの所へ帰ってきます。「不浄の要塞へ出発する準備をしよう。彼らは協力してくれるそうだ」
ティスマン:ふ〜む。
クランデール:疑わしいな。
GM:パルヴィック「どうやら、彼らも<混沌>の力によってここへ導かれたということは理解しているようだ」
クランデール:そういえばこちらの船のブルー・レディはどうしてる?
GM:船酔いでゲロゲロしています(笑)。
一同:(笑)。
GM:まぁ、そんなことはなく(笑)。高速ティーチャーチアキ先生(※栗山千明)なので速攻船から降りてきます(笑)。傭兵の中にはパッション屋良もいるので、「んー! んー! んー!」とやる気満々です(笑)。
一同:(爆笑)。
GM:ブルー・レディがあなたたち以外の傭兵のリーダー的役割を果たすと考えてください。副隊長はパッションです(笑)。
で、「父の誇り号」から降りてきたのは、あなたたち合わせて35人。パン・タン人は90人降りてきます。パン・タン人は10名の戦士を船に残しているようですね。船を空にしたら500人の奴隷が逃げ出しちゃいますからね。
パルヴィック「では行くとしよう」
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