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【要塞へ】
GM:では出発したところで<観察>ロールを。(ティスマン、クランデール、ハンスヘルトが成功)すると木立ちの間を抜けて馬に乗った遊牧民風の男が現れます。髪型はモヒカンです。
クランデール:ん? 例の蛮族じゃないの?
GM:そうです。ただしパルヴィックが「出迎えご苦労さん」みたいなことを言っているので味方なのでしょう。彼はストーンという名前で共同体に味方する人たちの戦闘指揮官だそうです。
パルヴィック「手練の戦士だ。彼は頼りになる」
ティスマン:ふむ。
ジンジャー:「手練か」
GM:スピアとヒーター・シールドを持っています。
クランデール:なんか見たことある装備だな(笑)。
GM:ストーンは「私の部族はパイナップル本位制ではない」と、まず宣言します(笑)。(※傭兵団の一員ユーグノーの故郷ユーでは、未確認ながらパイナップル本位制が採用されている模様です)
一同:(笑)。
GM:非常に誇り高い戦士な感じがします。
クランデール:「蛮族は例のソーンというシャーマンの下に集合しつつあると聞いていたが、こちらに味方してくれる者もいるのか」
GM:パルヴィック「うむ。ストーン自身、自らの部族と袂を分かった人物だからな」
クランデール:そうなんだ。
GM:なお、パン・タン人たちはパストール・シャールクという船長に率いられています。砂漠の日差しに汗だくになりながらもハーフ・プレートを着たまま一糸乱れぬ行進をしています。
ティスマン:クランデール卿のご所望されていた、統率の取れた軍隊が揃ってしまった感がありますな。
GM:敵に回したら厄介この上ない90人ですが、とりあえず今のところは利害は一致していますからね。
クランデール:「味方だったらこれほど頼もしいものはないな」
GM:歩いて3時間ほどで要塞には着くそうです。カンカン照りの日差しの中、一糸乱れぬ行進をしているパン・タン部隊は、まぁ、さすがと言えばさすがですな。頼もしいです。ちなみにブルー・レディもフル・プレートを着たままですが、汗一つかいていません。高速ティーチャーですからスキップで3キロ先に行ってしまうくらいです(笑)。
一同:(笑)。
GM:さて、行程も半ばほどまで来るとピュンピュン! と砂丘の向こうから矢が飛んできます。
ティスマン:おお? 「敵襲か!?」
GM:すると砂丘の陰から12人くらいの砂漠の民が姿を現します。「うおおおおおっ!」という狂信的な雄叫びを上げて砂丘を駆け下りてくるんですけど、もちろんパン・タン人の戦士90人にボテクソにされます(笑)。
一同:(笑)。
クランデール:セルフ・ボウを構えて打つ間も有らばこそ(笑)。
GM:まぁ実際、「! こんなにいるとはっ!!」とか言っています(笑)。「異端者め!」「冒涜者め!」などと言いながら、パン・タン人のリンチに遭っています。そして無残に殺されていきます。哀れ蛮族たちの魂はチャードロスに捧げられました。
GM:行程の途中でそんなことがありつつ、やがて巨大な角のある髑髏のようなものが見えてきました。「あれがイェシュポトゥーム・カーライ神の頭である」とストーンが教えてくれます。
ティスマン:「おお……」
クランデール:神々しさみたいなものはあるの? そういうのを感じるわけ?
GM:そうですね。パン・タン人たちは一様に感嘆の声を上げています。本物の神の遺骸なので、パワーみたいなものは感じます。死んでいるのは間違いないんですが、まだパワーは残っているとでも言いましょうか。
ティスマン:で、えーと、頭蓋骨があって、その周りに?
GM:そうです。一番奥の高台に頭蓋骨があって、斜面に沿って丸く城壁が囲っています。……こんな感じです(イラストを見せる)。
ティスマン:ああ、なるほど。
クランデール:下から見ると、顔が見えるわけね。
GM:あれがモニュメントであり、寺院であるそうです。
ティスマン:「凄いな……」
GM:規模的には小さな町といった程度ですね。世界的大都市カドサンドリアと比べると、ちんまい町内会みたいなもんですわ。
ティスマン:でもインパクトは度肝を抜きますな(笑)。
ジンジャー:一度見たら忘れられんわな。
GM:ストーンが帰還の合図をすると、歓迎のトランペットが吹き鳴らされます。
GM:当然城門があるわけですが、そこで20人くらいの人間が馬上から口論しています。
ティスマン:ほうほうほうほう。
GM:一人は背が高い銀髪のメルニボネ人です。
クランデール:メルニボネ人!? こんな所に!?
GM:最近メルニボネ人づいてますね(※「オクタゴン・オブ・カオス」のローラン・クザールを参照)。
クランデール:そうだね。でもクランデールは知らんけど。
GM:よく考えればそうですな。つーか、ティスマンも知りませんな。……よく考えたら、知ってるのジンジャーだけじゃねーか(笑)。で、そのメルニボネ人と口論しているのは中年のロルミール人です。一触即発な雰囲気です。二人はしばらく睨み合っていたんですけど、ロルミール人が到着したあなたたちとパン・タン人部隊を見てこう言います。
ロルミール人「彼らが君の言う素晴らしい協力者かね、ガルジャーン? 血に飢えた海賊と役立たずの放浪者のようだが」
ジンジャー:俺らが役立たずの方か(笑)。
GM:ロルミール人の言葉を受けて、彼の取り巻き連中が嘲笑うような声を上げます。ロルミール人は続けます。「君が私と手を組まねば全員が死ぬぞ。我らに平和的に降れば、ソーンは全ての安全を約束してくれている」
クランデール:ロルミール人の方がソーン側なのか。取り巻き連中はどんな感じ?
GM:取り巻きを見たパルヴィックが舌打ちをして「共同体に裏切り者が出たか」と言います。
クランデール:ああ、ああ、なるほど。
GM:するとメルニボネ人の方が「誰か他にコーマン・フィッチと手を結ぶ者はいるか?」と尋ねます。それには誰も返答はしません。それを見るとコーマン・フィッチと呼ばれたロルミール人は馬を返して、裏切り者の一団を率いて砂漠の方向へと去っていきます。「全員破滅だぞ」と言うフィッチの声が夜風に乗って運ばれてきます。
クランデール:メルニボネ人の方が共同体のメンバーとは……。
GM:メルニボネ人が進み出てきて、動揺した様子を見せずに「よく来てくださった、救世主たちよ」と言ってあなたたちとパン・タン人を出迎えてくれます。「私はこの共同体の指導者の一人であるガルジャーン・トラベックである。共同体のメンバー全員を代表して礼を言わせてもらおう。よく来てくれた、ありがとう。長旅で疲れたであろう。大したもてなしはできぬが、どうかくつろいでほしい」。そう言って城門の中へと案内してくれます。町中から人が集まってきて「救世主が到着したぞ!」という盛り上がりを見せますが、来たのがパン・タン人であることが分かると「ええ〜?」みたいな空気が流れます(笑)。
ジンジャー:だろうねぇ(笑)。
GM:パン・タン人たちはそういう微妙な空気を気にせずに整然と歩いていきます。皆さんは町を案内されていきます。皆さんが腰を落ち着けるのは「烏の鳴き声亭」という宿屋ですね。他には中央広場や役場があって、今回の防衛戦ではその役場が司令部になります。パン・タン人たちは人数が多いので、宿屋ではなく中央広場に陣取ります。テントを設営したり火を起こしたりしていますね。チャードロスへの礼拝の儀式を始めています。
ティスマン:いやー、状況としては町の中央広場にパン・タン人が90人も野営しちゃうと、その気になればあっという間に制圧されちゃいますよね。
GM:パン・タン人が本気になれば、速攻で攻め落とされてしまいますね。彼らは90人が全員訓練された戦士なので、一人頭3人殺せば共同体くらい全滅させられます。実際、彼らにはそれができるでしょう。
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