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【作戦会議】
GM:では日が暮れると牛のテール・シチューと焼きたてのパンによる食事となります。酒場の円卓について食事を取ります。いるのはあなたたちの他にガルジャーンとストーン、それにブルー・レディとパストール・シャールクです。
クランデール:「戦況というか、敵の集結状況や行動の開始日時とか、どこまで分かっているのだ?」
GM:ガルジャーン「商人、海賊、放浪者といった根を張っていない者たちは危険の兆候が見られるとすぐに立ち去った。つまり、ここにいる者たちが現有戦力の全てということだ。戦力総数はパン・タンの方々とあなた方を加えて約200人。その内の2/3が何らかの戦闘訓練を受けている」
武器職人のラザラスが町の住人全員に行き渡るだけの武器を用意してくれたそうです。これは実は非常に大変なことです。予備も含めて何百本も剣を作ったということです。
クランデール:武器は簡単に折れるからねぇ(笑)。
GM:長い準備期間が必要だったはずですが、戦闘が始まろうという時にはその準備が整っていて、ラザラスが剣をズラリと並べたそうです。
ジンジャー:スゲー。
クランデール:凄いね。凄いで済む話なのか?(笑)
GM:まぁ、こんな所にいるからには何らかの不思議な力を持っているということで、彼もイェシュポトゥーム・カーライから何らかの神託を受けていたのかもしれませんな(※実はそれ以上の秘密があるのですが)。
ガルジャーン「今のところ大事なのは、少なくとも我々の手元に武器は揃っているということなのだ」
クランデール:別に彼の何かを詮索する必要はない、と。
ティスマン:そうですね。
GM:で、3週間前にイェシュポトゥーム・カーライの司祭テイラー・ゴーヴェルが蛮族の部隊が要塞を襲うという幻視を得たそうです。「最も暗い時、要塞が部外者によって援助されなければ、この報せは正に暗黒のものでなるであろう」、と。
一同:ふむふむ。
GM:敵のリーダーは“千の魂の”ソーンというシャーマンです。ソーンがこの要塞を奪還するという目的で大雑把に纏め上げた、約千人の蛮族の集団が相手です。
クランデール:ストーンやアッシュはこのソーンという人物について何か知ってるの?
GM:知っています。つーか、みんな知っています。なぜなら、ソーンは一度この要塞を訪れたことがあるそうです。まだ敵対する前ですが。
クランデール:そうなんだ。
ジンジャー&ティスマン:ふーむ。
GM:ただその時に、彼はイェシュポトゥーム・カーライの頭部内で女性侍祭のジェルプを生贄に捧げようとして、取り押さえられた挙句永遠に追放されたそうです(笑)。
クランデール:出入り禁止か(笑)。
GM:ガルジャーン「もしソーンが死ねば、蛮族の大群はバラバラになって、部族間の根深い対立を思い出して結束は崩れるであろう」
クランデール:「そのソーンとやらは、そんなに統率力のある人物なのか?」
GM:ガルジャーン「確かに、以前ここへ来た時も、何らかの非凡な力を感じはしたが……。恐らくは他に彼に従わなければならないと思わせるものがあるのだろう。たとえば絶対的な“恐怖”とか、な」
ティスマン:「ふむふむ。何か後ろ盾があるのかもしれませんな」
クランデール:「彼は何に仕えるシャーマンなのか?」
GM:ガルジャーン「彼はデーモンのシャーマンだ」
一同:……。
GM:ガルジャーン「来るべき戦いは、明日にも始まるであろう。あなたたちには城壁の左翼を任せたい。ブルー・レディ殿には右翼をお願いする。正面はトロカー司祭たちに任せてある。パストール殿の部隊には中央広場で待機願いたい」
クランデール:中央広場ってことは、城壁の中ってことだよね?
GM:そうです。城壁が突破されたら、そこまで出張ってもらってそれ以上の侵入を防ぐのが彼らの役目です。撃って出る気はさらさらありませんので。
クランデール:どうせなら城壁の上に飛び道具を持った兵士を並べた方が良くない?
GM:はい、当然それはやります。しかし人数が半端じゃないので、矢を番えている間にも城壁をよじ登られる可能性があるわけです。それを水際で食い止めるのがあなたたちの役目です。
ティスマン:なるほどね。
クランデール:それなら色々できそうですね。
GM:実際、パン・タン人たちが崩れることになったら一大事ですね。まさに最後の砦なわけです、彼らが。最強の部隊は明らかにパン・タン人部隊ですからね。
ティスマン:でしょうな。
GM:いけ好かない奴らではありますが、ここにいたっては彼らが頼みの綱であることは否めませんな。パストール・シャールクがいる所ではそんなことは言いませんが(笑)。事実としてはそういうことです。
クランデール:「ソーンを倒してしまえれば戦いには勝てるわけだが、その方策は何か立てているのか?」
GM:するとスッと暗がりから男女の二人組が近づいてきます。黒ずくめの双子です。
ティスマン:おお?
GM:二人がガルジャーンに向かって目礼をすると、彼は「成功を祈る」と返します。頷くと彼らはスッと消えました。
クランデール:「……暗殺か」
GM:ガルジャーン「その通り。彼らがこの町一番の手練の暗殺者だ。彼らが上手くやってくれれば、明日の夜明けには全てが終わっているはずだ。そうでなければ……」
ティスマン:戦闘あるのみ、と。
ジンジャー:ふむ。
クランデール:「ところで、戦闘して生き残った場合の報酬の件だが」
ジンジャー:やはり魔道書ですか(笑)。
クランデール:いや、今はもうあまり魔道書を求めてないんだよね(笑)。
ティスマン:(笑)。
GM:ガルジャーン「パルヴィックが申し出たものはもちろん用意してある。それは私の誇りにかけてお渡ししよう」
クランデール:「実は我々は、とあるものを探して旅を続けているのだが……」ということで船長の魂の在り処に心当たりがありませんか? みたいな事を聞いてみよう。
GM:ガルジャーン「うーむ、何とも言えないが、ソーンの二つ名を思い出してほしい。彼は“千の魂”のシャーマンと呼ばれている。彼は魂を溜め込むことのできる杖を持っていると、そのように聞いている。それがあなたたちが求めるものであるかは保証できないが」
クランデール:「では、もしそれを手に入れられるようなことがあれば、我らにいただけるだろうか?」
GM:ガルジャーン「よろしい。それは正当な報酬としてあなたたちに渡そう」
クランデール:「それはありがたい」
GM:ガルジャーン「もともと我々が手に入れようとしている物ではないからな。それはあなたたちがもらってくれて構わない」
では「良い夜を」などと皮肉なことを言ってガルジャーンとストーンは円卓を後にします。会議はこれで解散です。
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