
9
【決戦の日】
GM:では次の日の朝になります。宿屋のキッチンからは早朝からパン・タン人への食事となるお粥が、大鍋でいくつも中央広場に向けて運ばれて行きます。宿屋の円卓には町の面々が顔を揃えています。決戦を控えて雰囲気は張り詰めたものになっていますが、パン・タン人たちは逆にリラックスしています。「腕が鳴るぜ!」みたいな雰囲気でしょうか。
ティスマン:戦い慣れしていますからなぁ。
GM:まさにその通りです。広場からは「チャードロスよ!」とか「ピアレーよ!」とかの祈りの声が聞こえてきます。大虐殺こそ、彼らがエイラーンを得るための手段でもあるので、彼らにしてみればこれから宗教的な喜びの儀式が始まるみたいなところもあるのでしょう。
ちなみにアラックも来ています。宿屋の主人のブラッバドとドンブラスのトロカー司祭の二人と握手をして、「君たちにすばらしい幸運が訪れんことを!」と言っています。
食事を終えると準備を整えさせられてガルジャーンに配置場所まで案内されます。
一同:行きましょう。
GM:城壁の上の足場に配置されます。
クランデール:予備の武器とかは調達できますか?
GM:持ってきている分だけなら。あるいは剣だったらラザラスが用意してくれます。
クランデール:じゃあ、それは用意しておいてもらおう(※クランデール卿の主武器はブロード・ソード)。矢は用意されているよね?
GM:それはもちろん。でも「矢は12本までしか使っちゃダメ!」とお達しが(笑)。
一同:厳しすぎる(笑)。
GM:まぁ、そんなことはなく、矢くらいなら用意できます。皆さんの持ち場からは砂漠と町が見渡せます。ある意味、要の所でもあります。ちょうど反対側の城壁の上にはブルー・レディに率いられた傭兵隊がいます。「んー! んー! んー!」と言う声が響いてきるのですぐ分かります(笑)。
クランデール:パッション(笑)。……今晩なんだよね、山は。あと、神託も気になる。
ティスマン:“裏切り者”もいるようですからね。長いスパンでみれば、きっと既に裏切ってソーン側に着いた者はいたわけですから……。
クランデール:昨日の夜の神託で得られたんだから、この戦いのことを表しているんだろうから、間違いなく敵への内通者がいるんだろうけど……。敵への内通者がパン・タン人だったら、即降参だな(笑)。
ティスマン:う〜ん、パン・タン人が内通者である可能性は、現状ではありえないと俺は思うんですよね。
GM:パン・タン人たちは中央広場にバッチリと整列して作戦の開始を待っています。
クランデール:他の面々の配置はどんな感じですか?
GM:ガルジャーン、ストーン、アッシュは司令部である役場の塔の上です。町中どこからでもガルジャーンたちの姿は見えます。トロカーとパルヴィックは民兵を率いて正面にいます。ブラッバドとアラックは一兵卒として率いられています。ラザラスは見当たりません。彼は民間人なので。
ティスマン:と言うことはミザムも見当たらないわけですな(笑)。
GM:ミザムはラザラスの頭の上に留まって緑の光を放っています(笑)。司祭ズは祈りを捧げたり、負傷者の看護に回るそうです。後方支援ですな。
クランデール:パン・タンの部隊に指令を出すのは誰なの?
GM:「頼むぜ!」と言うのはガルジャーン、実際に指揮するのはパストールですね。
クランデール:パストールは基本的にガルジャーンの要請を受けて動くというわけか。
GM:そうです。まぁ、どうなんですかね、実際。勝手に突撃するかもしれませんな。ただ、少なくとも彼らはこの不浄の要塞を守るということに関しては全力を尽くしそうです。
クランデール:確かに、訳も分からないような蛮族の手に<混沌>の聖地を渡すのは、彼らとしても納得いかないだろうからなぁ。……司令部にいる3人の内の誰かが裏切り者なのかなぁ、という気が。なんとなく。これでアラックとかが裏切っても……。
ティスマン:確かに、こう、モヤッと感がありますよね。
GM:(笑)。
ティスマン:「おかしくはないけどぉ、う〜ん、奴なのかぁ」みたいな(笑)。
クランデール:裏切り者が町をどうかしようというなら、一番はガルジャーンを暗殺しちゃうことなんだろうな、という気がしているんだが。
ティスマン:こちらがソーンを狙うのと同じですな。
GM:ソーンの対極にいるのがガルジャーンでしょうからね。
クランデール:アッシュとストーンが一緒にいるのは頼もしいんだけど、そこに内通者がいたりすると「エライこっちゃ」っていうことになるよね。
ジンジャー:じゃあ、手に入れたデーモン(※クランデール卿のデーモン・ファイター)を護衛につけてやるとか。「お貸ししますよ、このデーモン」みたいな。
クランデール:なに余裕かましてんだよ(笑)。
一同:(笑)。
クランデール:メルニボネ人だから戦闘になっても簡単にはやられはしないと思うけど、不意をつかれるということでしょ、こういう場合に恐ろしいのは。「まさかお前が!」っていうのが。
ティスマン:だからと言って我々が護衛のために分散してしまうのも愚策ですからねぇ。
クランデール:じゃあ、グリンが(笑)。
一同:(笑)。
クランデール:(ジンジャーに向かって)一応シルフに、司令部の声を運ばせておいて。
ジンジャー:有効距離1マイルなんだけど?
GM:1マイルあれば届きます。では聞こえてきます。「あの髭だるまとか、気に入らなくね?」みたいな(笑)。
一同:陰口叩かれてる(爆笑)。
GM:「ブルー・レディの右翼は鉄板だろう。問題はあの連中の左翼か」とか言われてますよ(笑)。
クランデール:ええ〜?(笑)
ジンジャー:では一応シルフに命令を出しておきます。
GM:そうしていると、ポツポツと砂漠から人が集まってくるのが見えます。
クランデール:城壁は当然石で組まれているんだよね?
GM:もちろんです。
クランデール:じゃあ、色々やりようはあるな。ノームとかで。高さはどれくらい?
GM:えーと、10メートルくらいかな。梯子か何かがなくちゃダメでしょうね。
クランデール:じゃあ、ノームを壁に待機させておいて梯子を倒すっていうのはできるよね。
ティスマン:じゃあ、俺のノームも出しておきますか。
GM:では皆さん<観察>を。(コロコロ……「Oh!」とか「ぐおー」とかの悲鳴)成功は……ハンスだけ?(笑) ではハンスヘルトが「千人位いそうだぞ」と伝えてきます(笑)。
だいたい今が昼くらいなんですが、だんだんと方々から部族が集まってくるような感じです。矢の届かない範囲には留まっていますが。
クランデール:なんか、あまり統制が取れている感じじゃないんだな。
GM:その辺の木を切り倒して梯子を作ってます。届かないことが分かっていながら矢を放ってきたりして挑発してきます。
クランデール:装備はどんなですか、蛮族の?
GM:まぁ、革鎧を着てるか着てないかくらいのもんですよ。武器は、そうですなシミター扱いの鉈とします。
ティスマン:蛮族は町を囲むように展開してますか?
GM:いえ、荒野の向こうに一列に長く展開しています。馬に乗っている奴もいれば徒歩の奴らも数多くいます。猟犬の群れを連れているようなドッグ・テイマーみたいなのもいます。
クランデール:INTは?(※グロームの司祭はINT10以上の生物を地中に葬るとエイラーンがもらえます)
GM:みんな9です(笑)。
一同:(爆笑)。
GM:100人規模でどんどん集結してきます。ではもう一度<観察>ロールを。(ティスマン&ハンスヘルト成功)では二人には分かりますが、昨日到着した時にガルジャーンと口論していたロルミール人のフィッチがいるのを見つけました。
ティスマン:はいはい。
GM:彼は軍勢の中心にいる男と話しています。
クランデール:それがソーンかな?
GM:そうかもしれないですね。いわゆるバーバリアン・アーマーを来ています。槍を持っていて、赤いマントを翻しています。
クランデール:奴はデーモンを信仰してるわけだから、当然その手の装備で固めていると考えて間違いないよね。……ソーンが生きているってことは、暗殺部隊は失敗したってことか。
GM:そうですねー。ソーンはちなみにこんな奴です(『Sea Kings of The Purple Towns』の表紙を見せる)。
一同:屈強だ!(笑)
ジンジャー:屈強過ぎる(笑)。
クランデール:明らかにデーモン・アーマー着てるぞ!(笑)
ティスマン:なるほど(笑)。
クランデール:こう見えてもヒット・ポイントは1かもしれない。そこまではやってくれたかも。
ティスマン:暗殺者がですか?(笑) 頑張ったなぁ(笑)。
GM:そうこうしている内に、まぁ、午後2時くらいになりますが、蛮族の方から停戦の旗を掲げた一団が馬に乗って近づいてきます。
ティスマン:「撃てー!」
一同:いやいやいや(笑)。
ジンジャー:で、誰が来たって?
GM:ソーンが来ます。
一同:え?
GM:フィッチもいます。後は取り巻きの連中ですね。楽勝で弓の射程には入っている場所で彼らは止まります。ソーンが何かを合図すると、フィッチが大声で降伏勧告を始めます。
フィッチ「我は最も慈悲深き主、最も恐ろしき将軍、“千の魂の王”ソーンを代弁する。先だっての和平の申し入れは拒絶されたが、彼は今一度慈悲深き手を広げよう。門を開けるなら、汝の命と財産を残したまま、このモニュメントを最も神聖なままにしておけるだろう。愚かにも留まる事を選ぶなら、死ぬ用意をしろ、そして砂漠に飲み込まれるがいい!」
クランデール:司令部はどんな様子?
ティスマン:オロオロしてたりして(笑)。
GM:「今更なにを言っているんだ!」みたいな感じです。「幽霊船の傭兵たちに答えさせろ!」という指令が飛んできます(笑)。
一同:勝手な指令だよ(爆笑)。
GM:早くしないとミザムが飛んできて「≧▽≦わかっぱー!」と返答してしまいます(笑)。
クランデール:では停戦の旗を弓で射抜きましょう。撃ちます……(コロコロ)……当たりました。「これが我々の返事だ!」……で良いんだよね?(笑)
一同:なに日和ってんだ(笑)。
ティスマン:驚愕した「ええ!? 何やってんの!?」みたいな空気を演出します(笑)。
GM:では「これが答えだ!」というだるま卿の声を合図に、城壁の上で待機していた弓兵が一斉にピュンピュンと矢を放ちます。すると当然取り巻きたちは「うわー!」と倒れていって、フィッチはシールドを頭上に掲げて半狂乱になって馬を自軍へ走らせます。でもソーンは腕を組んだまま仁王立ちです。当然ソーンに矢が集中するんですが、彼に当たる前に全ての矢がバキバキと折れていきます。
クランデール:!? 折れるんだ。……あれですね、矢への加護ですね。
ティスマン:うんうん。
クランデール:夢の防具です。
GM:矢の雨が収まると、ソーンは嘲笑うかのように悠々と立ち去ります。
クランデール:それを見せ付けたかったのかもしれないな。
GM:「どうしてだ? 弓が効かねぇぞ!?」みたいな話になっています。「もうこんなモンだめだ!」と言って弓を真っ二つに折る奴らが続出して……(笑)。
一同:(爆笑)。
クランデール:「いやいやいや、他の奴には効くから! 早まるな!」(笑)
ティスマン:……それくらいの備えがなければ、ここまで近づいては来ませんわな。
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