AMANO'S
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瘋癲狼藉帖
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May ***
2006
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May-23-2006
α907LTD・SBD
嫌がるアクアオーディオラボの大島さんに、無理無理、α907LTD(改)をオリジナル通りに復元して頂いたことはすでに報告しました。
その電源ダイオードを、再びショトキーバリヤダイオード(SBD)に変更したというオハナシをしましょう。 
再変更のきっかけは、好評のマランツのアンプやCDP群を支えるのが、瞬時電流供給能力で、その核心がSBDと睨んだからです。
 
写真の左のペアはα907LTD(改)から外したSBD。
右は、今回外したファーストリカバリーダイオードのF10P20FとF10P20FR。
両者の外形はピッタリ同じです 
 
「ウチは改造はやらないよ。故障の修理とオーバーホール、ファインチューニングだけだから」
という大島さんに
「ご近所のヨシミで、お願い」
だけでは通じません。
「最近、メーカー製アンプもこれがハヤリで、デノンもこれにしてから変わった」
とか
「当時はまともなものがなかったけど、その後開発されたオーディオ用のSBDを使ったサンスイのアンプの音に興味はありませんか」
とか
さらに
「選別品を4組、買って用意してますヨ」
 
ネバリにネバッテ、とうとう拙宅まで、お迎えに成功しました。
 
次は、秋葉原の若松通商で購入したSBDの包に入っていた小片です。
 
「音を聴いてみましたか」
「うん」
「どうでした」
「それは言わないヨ。
 外したそのダイオードはもう手に入らないから、大切にしといてヨ。
 業務じゃないから、お代は貰えないナア」
 
不安を抱えつつ、拙宅で一聴すると、御し難いハイスピード。
ところが、10W位で100時間ほどヤキを入れるとると、上の「能書」に、偽りはありません。
まったりとしたサンスイトーンは消えて(大島さん、ゴメンナサイ)、かって、
907LTD(改)を持ち込んだ富山県のGAさんの表現
「9500MkIIよりハイスピードで高解像度」がピッタリ。
α907LTD・SBDは、P−7000に対して、超低域のオシでは劣るものの、多くの点で限りなく肉薄しているようです。
 
状態の良い9500MkIIが希少となった昨今、潤沢なα907シリーズのSBD化で、貴重なあのスピード感が楽しめそうです。
大島さん、アクアのレパートリーに加えましょうヨ。
 
 
May-15-2006
長岡先生を偲ぶ会
長岡先生が永眠されて、この五月で丸6年です。
七回忌を兼ねて「長岡先生を偲ぶ会」が14日に催されました。
 
お集まりになったのは40名を超え、48畳の方舟のリスニングスペースに、立錐の余地はありません。
遠くは大阪から、奥様連れ、お子様連れの方もいらっしゃいました。
 
 
「ミューズの方舟」会長、前田さんの挨拶。
 
先生の遺影。
 
一分間の黙祷に続いて、奥様に花束を贈呈。
 
午後1時から4時まで、盛り沢山の企画に、時間は瞬く間に過ぎてしまいました。
 
 
May-05-2006
レスポンスタイム
ハンディスペアナPAA3のSETTING(設定)の項目の中にRESPONSE TIME(レスポンスタイム)というのがあります。
取説には
  35ms : 非常に早い(爆発音など)
  125ms : 早い
 250ms : 中間
  1秒  : 遅い
との記載だけあって、その使い分けの指示がありません。
 
そこで、その設定(RT)を変えて、SUT-200のF特(軸上1m)を測定しました
(ピンクノイズは爆発音ではなさそうだから35msは省略)。
 
1) 1秒
 
2) 250ms
 
3) 125ms
 
この3者を比較すると、RTを短くすると、リアルタイム分析値(棒グラフ)はその凸凹が大きくなり、ピークホールド値(横線)との乖離も増します。
RTが短いと、棒グラフはピコピコと、刻々、激しく変動しますから、これは予想される結果ですが、RTとピークホールド値の関係はどうでしょう。
 
      25   31.5  40   50   63   80  100  125  160  200  1k  (Hz) 
 1秒  53.8 66.0 63.8 66.5 64.4 74.9 66.1 78.0 68.3 67.1 72.1
250ms 55.5 67.0 65.9 69.3 65.9 76.3 67.8 78.8 68.6 67.6 71.8 (dB)
125ms 56.6 67.8 65.5 70.5 66.5 77.3 68.9 79.5 69.3 68.6 72.3
 
一瞥して、ピークホールド値はRTの影響を受けないように見えますが、250msがよりフラットのような気もします
(取説には、通常PAA3のキャリブレーションは不要だが、異常のときは250msに設定して行う、との記載あり)。
 
では、これら最新のSUT-200のF特と、FE208ESのそれを対比しましょう。
200Hzから上をみると、両者はソックリ。特に、4kHz付近の持ち上がりには、思わず笑ってしまいます。
200Hzから下では、SUT-200の80Hzと125Hzが注目されますが、これらは測定距離によって変化しますので、ユニットからの直接音と開口部からの音との干渉、あるいは、部屋の影響と思われます。
で、ピークホールド値で見る限り、SUT-200は、200Hzから31.5Hzまでフラットで、FE208ESにおけるその間の20dBを超えるダラサガリを見事に矯正しています
(D-55やD-58などに認められる二つのディップは、勿論、ありません)。
 
続いて、L+Rの特性を見ましょう。
 
SUT-200を2mの間隔、等辺が3.4mの三角形上に配置し、マイクを頂点から底辺への垂線上、ユニットと同じ高さ(ユニットとの距離2.4m)に置き、T500A(コンデンサーは1μF、正相接続)併用で測定。
 
4) 1秒
 
5) 250ms
 
6) 125ms
この3者の測定結果は、先の軸上1mでのそれと、概ね一致しています。
ただ、ピークホールド値を見ると、60Hz以下のレベルは、若干下がっていますが、25Hzまで、シッカリ伸びています。
C-290VのCOMPENSATOR(聴感補正)ボタンを押して低域だけを増強(100Hzで+3dB)すると、F特はフラットに近づくものの、聴きなれた音楽ソフトには低音過多、不自然になります。
 
以上から、SUT-200では、ハコの中のチューニングは、F特的には、ひと段落したようですが、そのセッティングの検討が今後の課題です。
 
PAA3のレスポンスタイム設定には、リアルタイム分析を重視するときは、1秒、ピークホールド分析を重視では、250msを選択すると良かろうかと思います。
 
 
 
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