AMANO'S
超・究極のBH
究極のBHとは
一発用BHの決定版 D−55 発進!
良いBHの鉄則 超・究極のBHの製作
超・究極への最適化 M E N U
究極のBHの登場
これこそが「究極のBH」だ、と自称できる人は、長岡先生を措いて他はありません。
 
長岡鉄男リファレンスシリーズ 「D−55」
究極のBHを目指して 一発用BHの決定版 D−55発進!

 
このタイトルを掲げて「究極のBH」とされるD−55が発表されました。
試聴の結果、次のように絶賛されています。
    
「音は実物を聴いてもらう以外に伝えようがない。言葉で伝えようとすると、必ずウソをつけといわれてしまう。なぜってこのスピーカーを聴いた後は他のスピーカーは聴く気がしなくなる。」
「Dレンジの広さ、押し出し、圧力は比類がない。20cm 一発で 40 cm 4ウェイを凌ぐ圧倒的大音量再生可能、一方微小信号にも強く、極めて繊細で、とげとげしさはまったくない。ユニットが小口径バッフル面積が小さいので音場感もよい。」
「とにかく何を聴いても音楽が生きている。再生という言葉が、生命の復活、甦りを意味するのであれば、D-55こそ再生機であろう。」
 
音だけではありません。
「原則として吸音材は使用しない」
という一言に加えて、極限まで練り込まれた見事な板取りが示されています。
音楽之友社 ”ステレオ” 1989年6月号60ページ
 
D−55の弟たち
D-55に続いて、これと同じ音道方式で、その時々の新しい20cmユニットを使用するBHが発表されました。D-57、D-58、D-58ESです。
 
D-57
「D-55よりスリムで背の高いFE-208スーパー、Σ兼用BH」
として設計されました。次は、先生の試聴結果です。
 
「ヒヤリングはS(FE208S)の方で行った。エージングゼロでいきなり鳴らしたので、やはりかなりくせのある音だ。」
「中低域に共鳴音のようなものがつきまとう。中高域は硬さがあり、艶、色気といった要素はイマイチ。ハイエンドは時にオーバーシュートする。」
「しかし、こんなことで驚いてはいけない。D-70でもD-55でもD-77でもそうだったのだ。半年も使えば共鳴音が消え、分解能が上がって艶も色気も出てくる。」
「何よりいいのは能率が圧倒的に高いこと。」
「Dレンジが広く、ハイスピードで飛び出してくるパワフルサウンド、明るく、炸裂し、散乱する。」
「D-55との比較では中高域はD-57がやや良く、中低域ではD-55がやや良いかなといった程度で違いは少ない。」
音楽之友社 ”ステレオ” 1995年7月号34ページ
D-58
直径180mm、厚さ20mmのマグネットを2段重ねにした「究極の高能率フルレンジユニット」とフォステックスが自称したFE208SSのためのBHです。
「D-57より大型のBHで低域をぎりぎりまで稼ごうという計画。BHの設計はD-57がうまくできているので、この幅を少し拡げるという安直な手法によることにした。安直といってもこれしか考えられないのである。」
D-57の音道の幅(30cm)を36cmに拡げたD-58の試聴では次の通り評されました。
 
「ヒアリングは最初、トゥイーターなしで行ったが、一聴してBHとは思えないようなふっくらとした音。208SSをD-57のキャビに取り付けた時は超ハイスピード、猛烈突っ張りサウンドだったが、D-58ではスピード感が後退して、ゆとりとふくらみが出てきた感じ、抑えられたところがなくDレンジはむしろ拡がったようだ。」
「トゥイーターを加えての再試聴、全域に渡ってスピード感、切れ込みが向上、BHでありながら、単なる突っ張りサウンドではなく、38cm 3ウェイなみのスケール感を見せる。実に堂々たるサウンドだが、大型3ウェイと違う面もある。音像が小さく、音場が広いのである。もちろん、ソフトに音場信号が入っていればの話だ。」
音楽之友社 ”長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術” 56ページ(1996年)
D-58ES
超々強力ユニットFE208ESのサイズに合わせて、D−58について、その空気室の奥行(80mm)を95mmに拡げただけのマイナーチェンジです。
その試聴結果は、ユニットの紹介にスペースを大きく割かれたためか、アッサリとしています。
 
「f 特はSSよりフラットで高能率、ローエンドは30Hzまでハイレベルで再生、BHとしては初の快挙だ。ハイエンドは10kHzまでフラット、12kHzから落ち始めるきれいな特性。ヒヤリングにはT500Aを0.47μFで追加したが、20kHzまでフラットになる。音は30Hzまでのびた低音の威力でオルガンや大太鼓がパワフル、声が生々しく、切れがよい。」
音楽之友社 ”ステレオ” 2000年5月号86ページ
   
私的考察
まず、D−55のシリーズが、一般にどのように評価されているか、”観音力”に発表された”読者が選ぶ長岡スピーカー BEST 10”を見てみましょう。
ここでは、「不朽の名作」とされるスーパースワンに次いで、D−55は第2位、D−58が第8位でした。
音楽之友社 ”長岡編集長の本「観音力」” 40ページ(1999年)
このときは、まだD−58ESは発表されていません。そこで、”げんきまじんのじまんべや” の「AE86さん掲示板仲間生息分布図」から、数えてみました (2001年10月10日現在)。

--- D-55 D-57 D-58 D-58ES
使用数(対) 17(注) 5 1 5

    (注) 広島県の”けんたろう”さん、大分県の”takechan”さんは2対使用されています。
       ”takechan”さんから 「D−55で4.1chを組んでいます」 とBBSに書込みを戴きました。
                                         (2001/12/11)
このようにD−55の実績は他を圧倒しています。一方、D−58の人気の無さが目立ちます。
では、その理由を考えてみましょう。
D-55シリーズの主なスペックを次に一覧します。

--- D-55 D-57 D-58 D-58ES
ユニット FE206S,Σ(注1) FE208S、Σ FE208SS FE208ES
空気室容積(注2) 8.2 L 8.9 L 10.4 L 10.3 L
スロート断面積 169.5 cm^2 167.4 cm^2 203.4 cm^2 203.4 cm^2
バッフル面積 1465 cm^2 1816 cm^2 2100 cm^2 2011 cm^2
HxWxD(mm) 931*444*540 1042*384*550 1042*444*553 1042*444*570
   
     (注1) 発表時のユニットです。上記「生息図」によると、
           206S(4対);208Σ(1対);208S(8対);208SS(2対);208ES(4対)
           と、幅広いユニットが使用されています(208ESの急速な普及に注目)。
      (注2) ユニット部分の容積を含む。

 
D−55が依然として多数の方に広く愛用されている理由として
 
(1) FE206ΣからFE208ESまで適応している
(2) バッフル面積が断然小さい
(3) D−58と比べて、取り扱いで持て余すほどハコが大きくない
 
こと、などが挙げられるのでは、と思います。
 
(1)と密接に関連する記事が、”AE86” さんの掲示板(自発派ホームシアターwforum)に、続々と、寄せられました(2001/12/10)。
D−55とユニットについて、その使用経験者と現使用者の方々の報告です。
貴重な記録が、いずれ埋もれかねないので、このページにも転載させて戴きたいと思います。

D−55とその適応ユニット
”garasu” さんの
「D−55で206Sを使っていますが、さすがにくたびれてきているので208のいずれかに変えようとと思います。」
に始まる投稿(2001/12/10、No10956)がヒットして、”AE86” さんの掲示板が賑わいました。
 
”s−ultra” の
「D−55のユニットとしては、FE206SからFE208ESまで使用されているようです。」
との返信に対し、
 
”AIR” さんから
「うーーん実際に使用している方の意見が聞きたいですねこりゃ。」
の問いかけがありました。
 
ここからが、この掲示板のスゴイところです。1時間もしないうちに、続々と助っ人が駆けつけました。
 
”シト” さんからです。
「私はD−55を十年くらい使いました。
フォステックスから新しい限定ユニットがでるたびに買い換えるという、定番コースを歩んできましたが、振り返ってみると、一番最初のユニット206Sが一番落ち着いて音楽を聴けたような気がします。
そのあと改良されるたびに鮮烈になってゆくのですが、聴けるソフトも繋がられる機器もどんどん狭まっていって、SSのときは、ソフトの聞き所だけをちょい聴きして、次の聞き所をサーチすると言う聴き方になってしまい、一曲落ち着いて聴くのは難しい状況でした。
新しいユニットになる度にハイ上がりではなくて、低音が出なくなる感じがしました。
一番バランスが良かったのは私の処ではやっぱり最初のSでした。
D−55にSSを入れても、記事のように滅茶苦茶なハイ上がりにはなりませんでした。BHは低域に影響する物ですから、ハイ上がりになるという解説は?です。
たまたまテストしたユニットがハイ上がりだったと言うような話もどこかで聞きましたが。
真鍮のリングを付けると208ESが取り付けられると言うので、金目鯛みたいなルックスになるのを承知で交換してみましたらクオリティアップを果たしながら、ようやく落ち着いて音楽が聴ける音になりました。
低音が分厚く力強くなりました。
あとでD−58ESと比較しましたが、低域の伸びはD−58ES
(D−58ESでは25Hzでもレスポンスが有りますが、D−55は40Hz以下は思いっきり空振りで音が出ません。)
ですが50〜100Hzあたりの厚みでは55の方が随分上で、普通に使うなら55の方がバランスが良くて好きです。
先日もD−55に206Sというオリジナルのものを聴く機会が有りましたが、バランスの良さが耳に残りました。
今はD−55は新しいご主人様の処に行ってしまい、手元にはありませんが、一連のシリーズでは私はD−55が一番好きです。」
”くずてつ”さんからです。
「僕はこれまでD−55のユニットを206S−208S−208SSと交換しながら使ってきました。
この中で一番クオリティが高かったのは208SSだと感じています。
ハイ上がりになる心配はまったくありません。
そこで208ESですが、SSでハイ上がりになりませんから、D−55にESを使ってもハイ上がりになることはないはずです。
却って低域の再生能力は上がるのではないかと思います。
ただし、シトさんもおっしゃっていますように、バランスとして206Sがいちばん良かったと、僕も思います。
ご自身が206Sを気に入っていらっしゃるようですから、コーンの張り替えが選択第一番かと考えますが。」
  
”女将さん” さんからです。
「やっと現使用者の出番でしょうか。
私もD−55の発表の年の暮れに作りましたので随分と長く使っています。最早体力気力が失せていますので、まあこのエンクロージャーと当分つきあうことになると思っています、ハイ。
さて、音ですが僕にとってはいまのFE208ESが最良のパフォーマンスです。以前にもこの掲示板に書きましたが、低音について云えば長岡先生のD−57+FE208SSとは異なり、シトさんやくずてつ船長の仰るように、ハイ上がりになることは無く、むしろS<SS<ESと量・質とも向上しました。バランスも我が家ではESが最良です。今はFW208Nを3発(ダブルバスレフ)を6mHのコイルをひとつで繋げていますがD−55のカットオフがそんなに低くない為かスムーズで良好に繋がっています。ハードでシャープでダイナミックな点や音場についても現在の組み合わせは可也満足しています。とはいえ欠点はありますね。Sの時代に愛聴していたディスクが粗が目立ってしまうので聴くに堪えなくなりました。音質ではありません。演奏です。要は下手糞な演奏がクオリティが良くなってしまった故に全て露わにされてしまうと言うことです。大袈裟かも知れませんが、ESはSSで再現できなかったウィーンフィルやベルリンフィルの香りの違いを見事に描きますし日本のオケの酷さ下手糞さ加減をイヤとと言うほど見せ付けてくれます。そう言った面ではSの方がバランスが良かったのかもしれませんね。」
”AE86” さんからです。
「私は自身はネッシーを10年以上も使用していますが、D−55も一ヶ月程使いました。当時(FE206Sで)は部屋の支配力が強く、どちらのSPも同じ傾向の音でした。
以降皆と同じようにユニットを交換してきましたが、長岡サウンド直系の音(メジャー系、ポピュラーはNG)でした。SSは最右翼。
ESになってからはメジャークラシックもOK(聴ける)、ポピュラーもGOODです。
但し、カリカリ?の長岡サウンドが好きな方は、SSを採る場合もあるはずです。
ESはエージング次第です。(D−55では生かしきれないかもしれません)」
 
 
D−55ES評価の決定版
西の横綱、「箱船」の船長 ”くずてつ” さんが、D−55に208ESを装着したD−55ESの実証的評価をして下さいました。
これが決定版です。

 


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