トトメスの夜

第2章:トトメスの夜
1 2 3 4



地下一階:トトメス展会場

 吹き抜けは真っ暗で、階下からは何の音も聞こえてこない。
 最初の展示室は空だ。唯一の明かりはガラスのキャビネットの内部からのものであり、中からは石の猫が睨め付けている。君たちが周りを見回すと、濃い霧が隣の部屋からゆっくりと床を伝って立ち込めて来る。

ニコラス霧からは何かを感じますか?
CM:やるならば《アンノウンの感知》をどうぞ。(コロコロ……)くららが08で成功。(くらら)「アンノウンの気配がするわ!!」。まぁ、次の部屋にトトメスのミイラがありますからな。特段「え!?」と驚く事もないでしょう。
一同:(笑)。
スティーヴ「まぁ、ここで考え込んでいてもしょうがない。先へ行ってみようか」。
トム霧の中をトコトコと進んで行きます。
CM:ではミイラが展示してあった奥のほうの部屋に入ります。こちらの方が霧は濃いですね。

 部屋に入ると、骨を軋ませるような寒気が君たちに当たる。室温は約華氏20度(摂氏-6.7度)で、息が白くなる。ミイラはガラスケースに付いた霜で部分的に見えにくくなっている。トトメスの目は開いている。

トトメスの目は開いている

ニコラス目が開いている?
CM:開いています。開いた目の眼窩には、赤い光を放つギョロリとした眼球があります。
スティーヴ「なにぃ!?」。
CM:(おもむろにダイスを振って、ランダムに標的を決める)……くららか。
スティーヴ何が起きるんだ(笑)。
CM:(くららのためにダイスを何回か振る)……くぉぉ。失敗か。
スティーヴ何かが起こっている。
トム何が起こるんだ?
CM:突然、くららが凄い悲鳴を上げます。「きゃぁぁぁぁぁっ!!」。両手で顔を覆うようにして、指の間からトトメスを凝視して悲鳴を上げているという状態です。
スティーヴSANチェックに失敗して悲鳴を止められずにいるという状態ですか。
ニコラス気付けとかできるのかな? 「しっかりしろ!!」。
CM:12ポイントほど意志力を失って……という感じですよ、と。
スティーヴ結局何が起こっているんだ!?
CM:おそらくイビルウェイが使われたのでしょう。
一同:あー、なるほど。
CM:つまり、既にイビルウェイを使える状態にはあるということです、敵は。それから、皆さんの側面の展示ケースのガラスを突き破って、3体のサーバント・ミイラが飛び出してきます。こう、顔の前で腕をクロスに組んで、ガシャーーーン、と。
トム(笑)。
ニコラスカッコ良すぎだろ!

 キャビネットが粉々に割れ、割れたガラスの上を3体のミイラが歩いてくる。こちらへとよろめき進んでくる時に、ガラス片によって切れた包帯と萎びた皮膚の欠片が身体からぶら下がる。彼らの中の1体が、かすれた叫び声をあげた。

CM:「カハァッ!」というような咆哮を上げると、ミイラは襲ってくるようです。では恐怖判定です。たったの-35%でよろしくどうぞ。
スティーヴガハッ!
CM:ここで恐怖判定に失敗して立ち去りたくなければ、CIP(※=ミッションを通じて手に入れる経験値のようなもの。技能レベルの上昇の他に、ヒーロー・ポイント的な使い方もできる)を1ポイント使って、この恐怖判定の成功度を1上げておくというのは手ですよ。少なくとも、それで失敗はなくなります。
ニコラス……ここは使うしかないか。(コロコロ……)L成功だからM成功になるってことか。1D10喪失で……2点喪失。
CM:くららも使います。(コロコロ……)M成功だから、一つ上がってH成功です。意志力を1ポイント喪失。
トムじゃあ仕方ない。使うか、俺も。(コロコロ……)M成功、さらに一つ上がってH成功。2ポイント喪失。
スティーヴ私はCIPが1ポイントも余っていませんので。(コロコロ……)それでもH成功。1D5なので1ポイント失います。
CM:ナルティは失敗。意志力を16点失って、9ラウンド逃走です。ま、ナルティ終了のお知らせってことで(笑)。では行きましょう、イニシアティブ(ニコラス→スティーヴ→トトメス→トム→くらら→サーバント・ミイラ→ナルティ)。

 トトメス・ザ・エルダー王とその下僕との最初の遭遇戦開始です。

【1ラウンド目】
 ニコラスは《アストラル・アーマー》、スティーヴは《防御球》のディシプリンの使用のために精神集中を開始。トトメスもイビルウェイを使うつもりなのか、精神集中を開始します。
 トムは手近のサーバント1にリボルバーをゼロ距離射撃! 2発命中しますがサーバントはまだ倒れません。くららはトトメスの先制攻撃(《恐慌》ディシプリン)のために行動不能。
 サーバント・ミイラ(実はトトメスの《死体を動かす》ディシプリンで操られているただの動く死体=ゾンビ)3体はトムとニコラスに殴りかかりますが、所詮緩慢なゾンビの動き、命中はしません。
 恐怖判定に失敗していたナルティが全力疾走で戦場から逃出して1ラウンド目は終了。

【2ラウンド目】
 《アストラル・アーマー》が発動したニコラスはヌンチャクで手負いのサーバント1に止めを刺します。しかし、実はサーバントはゾンビなので、頭部に銃弾を撃ち込まなくては完全には倒せません(『Chill』ではそういうルールです)。1D10ラウンド後にゾンビ映画よろしく再び立ち上がるのですが、それは9ラウンド後と決まりました。3回攻撃ができるニコラスは目標を変えてサーバント2にヌンチャク攻撃をして、手傷を負わせました。
 スティーヴは《防御球》を発動させます。《防御球》内にいるクリーチャーへの攻撃は自動的にC成功で命中するので、スティーヴはリボルバーでサーバント2に止めを刺しました(サーバント2は4ラウンド後に復活)。さらにもう1発撃ってサーバント3に重傷を負わせます。
 《防御球》内へは攻撃の効果を及ぼせないので、やむなくトトメスは機をうかがうことにして精神集中を続けます。
 トムのリボルバーによりサーバント3も沈黙(しかしサーバント3は1ラウンドで復活)。もう一発は邪悪なオーラを放つトトメスのミイラに打ち込みました。ガラスケースが割れてトトメス王があらわになりますが、ケースから飛び出してくる様子はありません。
 くららはこのラウンドも《恐慌》の影響で行動不能のはずでしたが、スティーヴの《防御球》により《恐慌》の影響が中断されるので、行動が可能になります。

CM:復活したくららは<アンノウン知識>の技能を使います。(コロコロ……C成功)「マミーは銀の武器、火、水以外では負傷しないわ!」と警告します。
ニコラス「負傷はしない!?」。
スティーヴつまり、一時的にスタミナを喪失して倒れているだけ、ということなのか!
CM:SAVEの標準装備一式には銀の弾丸が入っているはずですよ。
一同:それだ!

【3ラウンド目】
 サーバントを倒したエンヴォイたちは、ついにトトメスとの交戦に入ります。
 ニコラスは《アストラル・アーマー》を維持したままトトメスが展示してあるケースへと接近します。スティーヴは《防御球》を解いてトトメスに接近。
 そしていよいよトトメスの攻撃。

CM:では。トム以外は現在意志力で段階判定をしてください。
スティーヴトム以外? 3人同時攻撃なんだ?
CM:まぁ、3回攻撃できるクリーチャーだからねぇ。
スティーヴマジで!? 強ぇ!! (コロコロ)段階判定はH成功!
ニコラスH成功!
CM:マジすか!? くららはM成功。う〜む、くららだけか。くららは8ポイントの現在意志力を失いました。ニコラスとスティーヴは何かプレッシャーのようなものを感じましたが、影響は受けなかったようです(※《恐慌》ディシプリンでした)。さらにトトメスは精神集中をして終了。

 トムは移動しながらリボルバーに銀の弾丸をリロードします。くららは《恐慌》ディシプリンを喰らったので1ラウンド行動不可。
 3ラウンド目の最後でサーバント3が復活。ヨロヨロと背後からトムを攻撃しますが、命中しませんでした。

【4ラウンド目】
 ニコラスは復活したサーバント3を攻撃に引き返し、多少傷を負わせます。スティーヴは《防御球》を使うために精神集中を開始。
 トトメスは《誤作動》ディシプリンを使って拳銃を作動させなくします。さらにトムとスティーヴに向けて《恐慌》ディシプリン。トムが喰らって現在意志力を11ポイント喪失して、1ラウンド行動不能になります(スティーヴは抵抗に成功しました)。トトメスは再び精神集中を開始。
 くららはトトメスの前まで移動して棍棒で攻撃するもスカ。
 サーバント3は目の前に来たニコラスを攻撃しますが、ハズレ。

【5ラウンド目】
 ニコラスはサーバント3を攻撃するも、倒しきれません。
 スティーヴの《防御球》ディシプリンが発動して、その範囲内にトトメスを収めます。ルールによってトトメスは即座に《防御球》内から逃走しなくてはなりませんが、不完全にしか復活していないトトメスは自力で移動ができません。
 トムの拳銃が受けていた《誤作動》ディシプリンの影響はスティーヴの《防御球》内に入ったことで中断されます。トムは銀の弾丸をトトメスに向かって3発、自動的にC成功で撃ち込みました。トトメスの負傷ボックスが0になって、戦闘はエンヴォイ側の勝利です。

CM:トトメスのミイラは崩壊して塵になります。すると旋風が部屋の中に吹いて、彼の残骸を風に乗せて運び去ります。後には何も残りませんでした。
一同:ふぅ〜。
スティーヴ「これが不滅性なんだろう」。
ニコラス「そういうことか。どこかへ運ばれて、復活するのか」。
CM:残っていたサーバントは、マネキンが倒れるようにしてパタンと倒れて動かなくなります。それを調べたくららが……(コロコロ)……<アンノウン知識>に成功して、このサーバントたちがゾンビである事を告げます。つまり、マミーではなかったので、こんなに弱っちかったわけです。
ニコラスなるほどね。
CM:しばらくすると我を取り戻したナルティが帰ってきます。
スティーヴ状況を説明します。トトメスがどのようにして消えたかも含めて。
CM:(ナルティ)「これでマミーを倒した事にはなるのか?」。
スティーヴ「いや、一陣の風と共に飛び去ったので、完全に倒したというわけではないと思う」。
CM:(ナルティ)「とりあえずはシカゴから追い払った、というところか」。
スティーヴ「エジプトまで帰ったのかもしれないが……」。
CM:(ナルティ)「これでシカゴが平和になったというのなら、私も少しは安心できるのだが。一階で簀巻きにしておいた警備員たちももうすぐ目覚める頃かもしれない。ここからは早々に立ち去った方が良いだろう」。



戻る 「Thutmose's Night」トップへ戻る 進む