トトメスの夜

第2章:トトメスの夜
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トラブル

 くららを除くエンヴォイたちは日中は博物館内を巡回し、夜は車の中から異常がないかを見張る事にします。地味ですが、堅実な捜査です。
 当然、土産物店にアップルビーは出勤してきません。アップルビーという仕入れ元を失って、トトメス展のお土産は品薄となります。店員のキャシーは「アップルビーさんったら、どうしたのかしら?」と首を傾げています。もちろん、アップルビーの死体が消えた事は公開されていません。
 日中は何事もなく過ぎ、リンク博物館は6時に閉館すると、警備員の交代がある他は人の出入りはありません。
 2日間見張ってみましたが、特に事件らしき事は起こらず、エンヴォイたちは早くも痺れを切らします。

ニコラスもう、いっそ博物館に忍び込むか? それともナルティに頼めば、警備員として中に入れてもらえたりはしないかな?
CM:なるほど。その事をナルティに言えば、「確かに……それは手ではあるな。展示物のショーケースには警備装置がついているのだが、それは警察へも繋がっているんだ。君たちを警備会社の調査員ということにして、最新式の警備装置を取り付けるための下見をする、というストーリーでどうだろうか?」。
スティーヴ「なるほど。それなら夜間に館内に入れるな」。
CM:(ナルティ)「このストーリーならば来場客がいなくなってから館内に入ることに不自然性はないからな」。
トム「うむ」。
スティーヴ「手配をお願いします」。
CM:全員で行きますか? くららはまだ2負傷残っていますが……まぁ、彼女はこの中では一番負傷ボックスの数が多いので、平気でしょう。
ニコラスここはちょっと無理を押してもらいましょう。
CM:了解です。「ゲホ、ゲホッ! だ、大丈夫よ……」と言って、くららは親指を立てます。
一同:どんだけ重傷だよ!(笑)
CM:では翌日の夜。ちょっぱやでナルティが下見の手配をしてくれました。当然、ナルティも同行します。

 君たちはリンク博物館の真向かいに車を停める。夜の建物は不気味に静まり返っている。博物館の燐光性の石壁にライトが反射して、キラキラと光る。君たちを包む静寂を破るものは、時折湖岸通りを通過していく車の音だけだ。
 ナルティは君たちを先導して博物館のガラスドアまで階段を上がる。彼がこぶしでドアを叩いて待つと、数秒後に制服を着た人物が影から出て近づいてくる。警備員はナルティの顔を見ると、錠を外してドアを開ける。「遅くまでご苦労だな、ジム?」と彼は言う。
 「ああ」とナルティは応じる。「所長に連絡した件だ、ビル。彼らがその場所を点検する人たちだ」。
 警備員の顔に断固とした表情が浮かぶ。「すまん、ジム。許可できないな」。
 あと2人警備員がドアの方に近づいて、ビルの横に立つ。それから3人はまったく同じ動きでポケットから警棒を取り出す。彼らは凶暴な目つきでこちらに進んでくる。

CM:警備員3人が同時に、まったく同じ仕草で警棒を抜いて、威嚇するように振り回します。
ニコラス「待て! こんないたいけで無抵抗な子供を殴るというのか!? 話せば分かる!!」(※←16歳)
CM:残念ながら話しても分かる相手ではありません。全員ブロック・レスナーみたいな奴です。
ニコラスヤバイよ〜(笑)。
CM:ナルティは「彼らは操られているだけだ! なるべく傷つけないでやってくれ!!」と言います。活力を0にすれば気絶するので、負傷を与えないようにしましょう。なるべく。

 トム、ニコラス、ナルティを前衛に立てて、博物館の入り口を挟んだ攻防戦です。
 しかし警棒を持った警備員など所詮は人間。アンノウンに対抗すべく訓練を積んだエンヴォイたちの敵ではありません。ニコラスの強烈な<マーシャルアーツ>によるヌンチャク攻撃とトムの<ボクシング>技能の特殊攻撃「一撃昏倒」により、アンノウンに操られた3人の警備員は排除されました(トムが若干負傷を受けましたが)。

一同:ヨシャシャーーーッ!(勝鬨)
スティーヴ<ボクシング>のノックアウト狙いはなかなか良いんじゃないですかね。
トム敵が昏倒してくれる相手ならね。
CM:人間相手なら、話は早いですね。<ボクシング><マーシャルアーツ>に唯一勝っている点ですね、昏倒狙いは。
スティーヴ昏倒は1D10分間だそうなので、縛って猿轡をかまして転がしておきましょう。
CM:了解、了解。ナルティも手錠を使って手伝ってくれるよ。減っていた活力は回復させて良いですよ。負傷ボックスは休息を取るまで回復しないので注意です。

 博物館内はぼんやりと照らされて、不気味なほど静かだ。少し明るいライトが売店、コート預かり所、ティラノサウルス・レックスの周りを照らしている。大ホールは誰か、あるいは何かがいても分からないほど濃い影に包まれている。

スティーヴ懐中電灯を点けて周りを照らしながら、地下へ向かいます。
CM:ではホールに入ったところで――

 ホールの反対側から足音が近づいてくる。警棒を振り回す警備員がさらに3人、完全に同じ歩調で視界に入ってくる。それから一斉に、彼らは君たちに向かって走り出した。

ニコラスまた(笑)。
スティーヴ銃で片付ければ話は早いんですが(笑)。
CM:「彼らを傷つけないでやってくれ!」とナルティが念を押します(笑)。

 同じ能力値の警備員が同じ人数で同じエンヴォイたちに襲い掛かっても、当然結果は同じになりました。若干の負傷を負わせるものの、4ラウンドで全員が昏倒します。

一同:ふぅ〜。
スティーヴ<応急手当>をしますよ。
CM:待てぃ! 甘い! 甘いぞ!! 警備員を倒した所で、地下へ続く階段から何者かが上がってきましたよ。
スティーヴ!? 使用人のミイラ!?
ニコラス……キャシー!?(※←土産物屋の店員のお姉ちゃん)
CM:いやいやいや(笑)。上がってきたのは警備員でもミイラでもありません。
スティーヴアップルビーのホテルで足首に噛み付いた、不定形のあいつ!?
CM:上がってきた奴ら(2体)は今まで見た事がない姿をしています。腕と足が2本ずつあって人間っぽいのですが、どこか人間とは違っていて、人間の出来損ないのような印象を受けます。弊衣蓬髪で、すべてがぐにゃりと歪んだ感じを受けます。
スティーヴ恐怖判定ですね。分かります。
CM:-15%でお願いします。
トムスティーヴニコラスH成功。
CM:くららは例によって失敗。戦力外という事でよろしく(意志力を13ポイント喪失して5ラウンド逃走)。ナルティは……(コロコロ)……「うおっ! 怖ぇ!!」。失敗(意志力を12ポイント喪失して2ラウンド逃走)。NPCは2人とも逃走だな。
トムこれが最終戦闘であれば、意志力を1D5ポイントを失って留まる価値もあるんだが……。
スティーヴいや、少なくともあと一回は戦闘があるでしょう。地下に行ってからが本番ですよ。
ニコラス【自信過剰】なので逃げませんよ!(コロコロ……)3ポイント喪失。
スティーヴ分かりました。付き合いましょう。(コロコロ……)2ポイント喪失。
トムそうしますか。(コロコロ……)1ポイント喪失。
ニコラス……《アストラル・アーマー》か? ここで使うべきなのか?
トムこの段階になったら、もう銃を使うべきなんじゃないかな? 敵は明らかに人間ではない事が分かっているわけだから。
CM:敵はミニオン(=手下)です。これからミニオン1、ミニオン2と呼びます。
スティーヴとりあえずイニシアティブを振りますか(ニコラス→ミニオンたち→トム→スティーヴ→ナルティ→くららの順)。
CM:おっとと、突然横の階段から現れたので、不意打ち判定が必要ですね。知覚力の一般判定をお願いします。
トム失敗!
CM:トムとナルティが失敗ですね。失敗した人は不意を打たれてこのラウンドの行動を失います。

【1ラウンド目】
ニコラスではミニオン1まで移動して攻撃。「アチョーーー!」。(コロコロ……)00。
CM:どんなに目標値が高くても、00は自動的に失敗です(笑)。次はミニオンの番ですね。ニコラスにミニオン1が2回攻撃。(コロコロ)スカ、スカ。ミニオン2は突然「ギャアアアアアアアアッッッ!」とすさまじい悲鳴を上げます。イビルウェイですね(※イビルウェイの《悲鳴》ディシプリン)。有効範囲内にいるのは……ニコラスとくららだね。2人は再び恐怖判定をお願いします。-15%です。
ニコラスええ〜っ!?
CM:(くららはM成功)くららは既に逃走が確定しているので……さらに9ラウンド逃走することになった(笑)。
ニコラス(L成功)ここに来て逃げるのは馬鹿馬鹿しいよな……。(ルールを見て)L成功だと2D10も意志力を失うの!? くっ……(コロコロ)7ポイント。
CM:さらにミニオン2は移動してニコラスに攻撃。
スティーヴ2回行動ができるんですか!?
CM:それがアンノウンのクリーチャーの恐ろしい所でしてね。(コロコロ)でも失敗。
トム銃を抜いて撃ちます! 目標はミニオン2。
CM:了解です。乱戦への発砲になりますので-30%(※乱戦参加者1人につき-10%ずつ。この場合ニコラス、ミニオン1、ミニオン2が乱戦中なので-10%×3=-30%)
トム<ピストル> は「見習」レベルなので2回射撃。H成功で1発命中です。
CM:SRが+2で9ですね。使ったこともないSRだな(笑)。
トム現在活力に38ポイント、負傷ボックスに7。
CM:デカ! 銃器のダメージ、デカ!! なるほど、銃なら負傷ボックスがなくなるほうが早いかもしれないな。(※トムは不意打ち判定に失敗したので、このラウンドは攻撃できない事を失念していました)
スティーヴ私も銃を撃ちますよ。同じくミニオン2に。活力に43、これは出目が良かった。負傷は12。
CM:ミニオン2、撃沈! 銃器、思った以上に強力だな(笑)。次のラウンド。

【2ラウンド目】
ニコラスミニオン1に攻撃(ヌンチャクの3回攻撃がすべて命中するものの、ダメージ・ダイスが振るわず)。
CM:イテテ。しかしまだ倒れません。ミニオン1は反撃。死ぬ前に何かしよう……うん、これだな。ニコラスは現在意志力の段階判定をしてください。いわゆるイビルウェイへの抵抗判定です。
ニコラス(コロコロ)47。M成功。
CM:こちらはH成功。ニコラスは1ラウンドの間、移動したり、戦ったり、アートを使う事ができません(※イビルウェイの《停止》ディシプリン)
スティーヴあ、凍った(笑)。
CM:しかもミニオンはさらに1発殴れます。動けないニコラスへの攻撃なので、「師範」レベルの<マーシャルアーツ>による-20%なし、こちらに+20%のボーナスという事で。
ニコラスいやいや! 動けなくとも、なんていうの? 威圧みたいなものを発します!
CM:ミニオンは「うお! 怖ぇ!!」という表情をします。どうやら威圧は効いているようです! ではこちらの+20%でいきます。(コロコロ)M成功(笑)。たったのM成功です。
ニコラスムカつく(笑)。
スティーヴ(笑)。
CM:現在活力を3ポイント失って、負傷を1ポイント受けてください。
ニコラスマジ!?
トムでは銃を撃ちますよ。M成功で現在活力に20、負傷に11。
CM:負傷により、ミニオン1も死亡。

CM:これでとりあえず博物館の1階は静かになりました。
スティーヴとりあえずここで一度休息を取って活力を回復させましょう。次はいよいよ地下1階のミイラ・ルームですからね。
CM:息を整えれば活力は回復します。まぁ、問題は意志力と負傷ですな(笑)。



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