トトメスの夜

第1章:シカゴの恐怖
1 2 3 4 5



指令

チルマスター(以下CM):さて、皆さんは前回の任務をこなしてそれぞれ自宅に帰って、訓練や学習をしていました。
スティーヴヒエログリフの学習をしていました。
ニコラスヤンデレ妹に会っていました。
トムヤンデレ妹だ!
CM:しばらく平穏な日々を過ごしていましたが、ある日、こんな指令が届きます。

中央司令部

同志のエンヴォイへ:

 ニュースで「骨髄殺人」と呼ばれる恐ろしい連続殺人事件について聞き及んでいると思う。現在の被害者は合計24人だ:ロンドン、パリ、ベルリン、ニューヨーク市で各6人ずつ殺されている。我々はこれが狂人のしわざ以上のものではないかと懸念している。もっと別の、恐ろしいもののしわざではないのかと。さらに詳しい事を調べるのが、君たちの次の任務だ。
 以下の情報は既に知っているかもしれないが、私にはこの任務に関する君たちの予備知識の有無が分からないのだ。すまないがこの怪事件に関してSAVEが掴んでいる事を話す間、我慢して欲しい。
 最初、この奇怪な殺人事件は4ヶ月前のロンドンで起こった。被害者はジョナサン・キース、若い商店主で、店の2階に一人で暮らしていた。ある日、キースが店を開けていなかったため、おそらく呼び鈴を押しても反応がなかったのだろう、店員が警察に通報して部屋に入ってもらった。
 キースの死体はベッドに横たわっていた。彼は前日の深夜に殺されていた。外科的に作られた大きな傷口が彼の胸元にあり、検死官は血液中に微量の麻酔薬を検出した。死因は、信じがたいが、骨髄の喪失だ。さらに恐ろしい事に、押し入られたり争ったりした形跡は見つからなかったのだ。まるで被害者が殺人犯を家の中に招き入れて、自ら殺人に身を委ねたかのようだった。
 ロンドンではさらに5件の殺人事件が起きた。毎回、状況は同じだ:侵入、抵抗、目撃者、手がかり、どれもない。被害者は男性も女性も、一人暮らしであることを除けば決まったパターンはなく、被害者間の接点は見つかっていない。そして4週間後、ロンドンの連続殺人は終わった。
 7日後に類似の殺人事件がパリで起こり、その都市で別の連続殺人として続いた。再び、当局は困惑させられる。1ヵ月後、正体不明の殺人犯はベルリンへ移動し、その1ヵ月後にニューヨークに来た。次にどこで惨劇が起こるかは、予測しようがないように思える。今までは、そうだった。
 この連続殺人事件について、重要で、心騒がされる発見をしたと思う:殺人事件が起こった全ての都市で、同じタイミングに、地元の博物館でトトメス王の展示会が開催されていたのだ。知っているとは思うが、昨年のトトメス・ザ・エルダー王の発見は、考古学界にちょっとした騒ぎを引き起こした。展示品はミイラ化されたトトメス王と彼の使用人の遺体、一緒に埋葬されていた宝物であり、現在、西欧諸国の主要都市を回っている。展示会は、ちょうどシカゴで始まったところだ。
 展示会と骨髄殺人との接点はどう見ても希薄なものだ――トトメスが夜になったら目を覚ますという確たる証拠はない。しかし、明確なパターンがあることが判明しているため、我々はこの可能性を徹底的に調査しなければならない。この手紙にシカゴへの往復の航空券とトトメス展の入場券を同封した。さらに、トトメスを発見した考古学者、ジェームズ・アサートン博士の講演のチケットも入れておいた。この講演は君たちがシカゴに到着した日の夜に予定されているから、出席する事ができるだろう。既に君たちの名前でホテルを予約してある。飛行機は明日の朝の便だ。
 シカゴオヘア空港でシカゴ警察署の警部ジェームズ・ナルティが迎えてくれるはずだ。ナルティは新米のSAVEエージェントだ。日々の責務が重要なため、彼が提供できる手助けは限られているが、貴重なものだ。君たちと会った時、彼が概要を説明してくれるだろう。ベルリンのエージェントの一人が、不覚にも展示会で目撃されてしまったらしい。殺人事件に関わっている者は皆、君たちに対して警戒しているだろう。
 何かを見つけたらすぐにダブリンの司令部に報告してくれ。10日以内に返信を受け取れるように手配する。
 幸運を。

 ゴードン・ピム
 SAVE中央司令部
 ダブリン

CM:ゴードン・ピムという人物はSAVEの北米統括者ですね。ダブリンはSAVEの本部がある場所なので、何かの調査の途上、取り急ぎ中央司令部から指令を出したのかもしれません。指令書にはシカゴまでの航空券も同封されていましたので、これで現地集合ということです。
ニコラスもちろん、ファーストで?
CM:ビジネスです(笑)。
スティーヴでは、現地に行ったら慌しくなりそうなので、とりあえずトトメスについて下調べをしていきます。
CM:なるほど、そう来ると思ったよ。つーか、そう来るとシナリオでも想定されているよ(笑)。では<ジャーナリスト><捜査>、あるいは<考古学>のどちらかをできる時間があることにしよう。
スティーヴじゃあ<考古学>で。(コロコロ)98。L成功です。94からM成功だったのになぁ。
CM:君はエジプト人が先史文明において最大の発展をした種族の1つである事を知っている。王は王朝と呼ばれる王家の継承によって支配し、臣民から神として崇められていた。同時代の文明的な人種、特にギリシャ人は、エジプト人の科学に敬意を表していた。
トム歴史の教科書で見るような情報だな(笑)。俺は<捜査>技能で。(コロコロ)75、M成功。
CM:トムはトトメス・ザ・エルダーが展示品のミイラの1つとして世界を巡っている古代エジプトの王である事を知っている。世界中を「トトメス展」が巡業して回っているということです。ミイラの保存状態は素晴らしく、トトメス・ザ・エルダーの発見で考古学者は古代エジプトの歴史を改めて見直す事になりました。それに加えて、トトメスのピラミッドを発見した考古学者が、その分野では物議をかもした人物である事を知っています。つまり、ジェームズ・アサートン博士は、この分野ではあまり尊敬を集めている人物ではないということです。
ニコラスそのアサートン博士の経歴を調べたいんだけど。
CM:それは<考古学>ですね。
スティーヴ学会で何を発表していたかとか、そのあたりを調べるんでしょうね。
ニコラス<考古学>……技能なし。基本値18%。おりゃーーー! 86!
トム(笑)。
CM:失敗です。おそらくバック転の練習に余念がなかったのだと思われます(笑)(※ニコラスは前回の冒険の後<アクロバット>技能を取りました)。ジェームズ・アサートンの「ジェ」の字も出てきませんでした。
 (事前情報、振るわないなw)では、せっかくNPCとしてくららがいるので……。
スティーヴジェームズ・アサートンについて頼むよ、くらら(笑)。
CM:でもくららは<捜査>しか持っていないので、この事件全体について調べるということで。(コロコロ)38。H成功。役に立たないPCたちを尻目に、NPCが情報を取ってきました(笑)。トムが得た情報に加えて、当初からトトメスと共に埋葬されていた宝物の多くが展示品の一部に入っていない事が分かります。発掘品のすべてが展示品として世界を回っているというわけではないということですね。
ニコラスそれは展示されていないというだけで……。
トムどこかに保管されているのかも。
CM:ジェームズ・アサートンは現地の大学と共同で発掘を行っていたので、その現地の大学に保管されている物もあるんでしょうね。

CM:では皆さん、ビューーーンとシカゴへ飛ぶということで。



戻る 「Thutmose' Night」トップへ戻る 進む