
カーファックス・エステート
CM:翌朝になりました。朝食はガーリック・トーストです。
ニコラス:素晴らしい!
スティーヴ:大き目の鞄に白木の杭を詰めて、出かける用意をします。
CM:カーファックスへ行くわけですな?
ニコラス:突撃する気マンマンです。
スティーヴ:ドラキュラがカーファックスにいるとは限らないですけどね。状況証拠的にはかなり有力ですが。
CM:「でも、外すわけには行かないポイントでしょ?」と言うくららの指摘を受けて、皆さんはカーファックスへと出発します。まぁ、徒歩で行ける距離です。外観はヒリンガムと同じように塀に囲まれた邸宅だと思ってください。当然ヒリンガムのように手入れが行き届いてはいませんが。
トム:外から見える建物は?
CM:屋敷の母屋と思しき大きな建物と、ちょっと離れた場所に小さなチャペルのようなものが建っています。もう100年以上も住人がいない場所なので、塀の中は荒れ放題です。板石で整えられた小道も下生えにすっかり隠れてしまっています。芝生も伸び放題、雑草生え放題です。
ニコラス:ここでこそ《アンノウンの感知》じゃないの?
スティーヴ:そうですね。(コロコロ)成功。
CM:屋敷全体から強いアンノウンの気配が感じられます。
スティーヴ:「……まずはチャペルに行ってみよう」。
西の芝生の藪の中を抜けるかすかな道をたどれば、小さなレンガ造りの礼拝堂にたどり着く。礼拝堂は古い建物で、頑丈な扉は傷だらけになっている。レンガ造りの建物はツタに覆われていて、割れ目や隙間を埋めている。
礼拝堂の中にはホコリと漆喰の欠片に覆われた、小さな壊れた座席が並んでいる。部屋の壁と天井の漆喰が崩落して、大きな穴を開けている。祭壇があるべき場所には何もない。窓のガラスは残っているが、外側から無数のツタが覆ってしまっている。
スティーヴ:どうにか光が差し込んでいるといった感じですね。
トム:うむ。
CM:皆さん、チャペルに入る際に知覚力の一般判定をしてください。(全員成功)全員気付きますが、つい最近、中に入れるように正面扉からツタが剥ぎ取られているのが分かります。
スティーヴ:ふ〜む。<追跡>。M成功。
CM:足跡があって、チャペルの奥にある部屋へ続くと思われる扉へと続いています。その扉の先は、おそらく霊廟になっているのでしょう。元聖職者であったくららがすぐに気付きますが、「このチャペルには宗教的な品や聖なるシンボルがないわ」とのことです。
ニコラス:なるほど。……警戒しながら霊廟への扉を開けます。
石でできたドアには取っ手がついている。ドアの真ん中には十字架が彫られている。
ニコラス:最近、このドアを開けた形跡はある?
CM:そうですなぁ……。<追跡>で判定してください。
スティーヴ:(コロコロ)成功です。
CM:床のホコリの乱れ具合などから判断するに、最近、開けられた形跡があります。ドアに鍵は掛かっていないようですが、石扉で非常に重く、しかも歪んでいるのか動きが渋いので、簡単には開きません。ゲーム的に言うと筋力の一般判定に成功しないと開きません。
ニコラス:一番筋力が高いのは誰だ!? 50!!
トム:60でーす。
スティーヴ:私は20です(笑)。
トム:では「えいやっ!」。(コロコロ)49、成功。
CM:ゴ、ギ、ギ……という感じで扉は開きます。ニコラスはくららに「意外なところで役に立たないわねッ!」と言われます。
ニコラス:いやいや(笑)。「出目49だったら、俺だって成功していたよ!」。
一同:そういう問題じゃない(笑)。
CM:負け惜しみを聞いてくららは「はんっ!」と鼻で笑って霊廟へ入って行きます。
ニコラス:ムカツク(笑)。
中は洞窟のように暗く湿っぽい。空気は冷たく重々しい。何匹かの蛆と脚をたくさん持つ虫が湿った土の床を這い回っている。
ドアから入り込む一筋の光の中にネズミが姿を現す。ネズミは足を止めると君たちを凝視して、それから影の中に駆け込んで、壁の中に潜り込んでしまう。
霊廟には棺が6つある。
ニコラス:来た!
トム:来た!
CM:棺には特に名前は書かれていません。黒い木製です。6つとも同じ造りのように見えます。棺にホコリが積もっていない所を見ると、つい最近運び込まれたのかもしれません。
スティーヴ:「よし、ニコラス、頼む」。我々は白木の杭や十字架を構えて不測の事態に備えていますので(笑)。
ニコラス:……分かりました。開けましょう!
CM:では適当に手前にあった棺をバタンと開ける、と。(何かありそうな雰囲気でダイスを振る。コロリ)ふむ。棺の中には誰かが横たわっているということはなく、ただ土が入っています。湿った、黴臭い土です。
ニコラス:土っていうのはどういう物なんだっけ?
スティーヴ:伝承通りだとすると、埋葬された場所、あるいは生まれた場所の土を入れておかないと、ヴァンパイアは棺の中で回復できないとされています。
CM:まぁ、ほぼ正解です。逆に言うと、この棺の中には土しか入っていませんでしたってことです。
スティーヴ:「では十字架を」。
ニコラス:「……」。土の上にプスッと。
スティーヴ:嫌がらせのようにニンニクも入れておきましょう。
トム:(笑)。
ニコラス:同じ要領で次の棺も開けていきましょう。
CM:分かりました。片っ端から開けていくというわけですね。(何かを判定しているかのように見せかけるために、無意味にダイスを振っていく。コロコロリ)ふむ。全ての棺に似たような土壌の土が入っていましたが、それ以外に何か変わったものが入っている事はありませんでした。つまり、6つとも状態は同じです。それら全てに十字架による浄化をほどこしました。ついでにニンニクによる嫌がらせも。
ニコラス:これら6つがダミーで、別に本物の棺があるって可能性はあるよね?
スティーヴ:どう考えてもご本尊は別にあるでしょう。
トム:ん? 棺は何個運び込まれたんだっけ?
CM:確か33個でした。
ニコラス:つまり、我々は33個の棺にニンニクと十字架を入れていかなければならんのですよ。
トム:それだけのニンニクと十字架だけでも大荷物だよ。
CM:現在、6つの棺が無力化されたとお考えください。
スティーヴ:しかもCMの様子を見るに、ランダムで何かが出てきそうですからね(笑)。
CM:(よしよし、引っかかった(笑)。これで緊張感を持って探索してくれるだろう)
エンヴォイたちはカーファックス・エステート全体を探索して、棺を見つけては十字架(およびニンニク)で無力化していく作業に入ります。
柱廊式玄関で4つ、大ホールで1つ、書斎で2つ、キッチンで1つ、大部屋で9つ、庭師のコテージで1つの棺を見つけ、それら全てを浄化しました(大部屋では9体のゾンビと、庭師のコテージではドラキュラの手下のカルパチアン・ヴァンパイアと戦闘しましたが、経験により戦闘技能やアートを強化したエンヴォイたちは危なげなくクリーチャーたちを排除したのでした)。
チャペルの6つを足して、エンヴォイたちはカーファックス・エステートで24個の棺を浄化した事になります。
CM:これでカーファックスの地所は全て探索を終えました。
トム:だよねぇ。
ニコラス:これで終わりか!?
スティーヴ:地下室とかがありそうなものですが。
CM:少なくとも、今日、皆さんが捜査した場所にはそれらしき入り口はなかった、ということです。
ニコラス:ここに33個の棺が運び込まれたんだよね?
CM:運送会社は間違いなくここに33個の箱を運び込んだという事でしたね。
ニコラス:「……残り9個。どこにあるんだ?」。
スティーヴ:「とりあえずヒリンガムに戻ろう」。
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