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リサーチ

肥田の死。
怯える摩周。
友人二人に降りかかった不幸を、今はただ受け入れるしかない。
せめて二人が知りたがっていた、このペンダントの素性を調べて、気を紛らわそう。



キーパー:では、今は11:30くらいという事にしましょう。
織本さて、イメの森の老人に繋がる肥田君は死んでしまったので、とりあえず図書館で、専門外だけど鉱物図鑑でこのポケットの中の物(※ペンダント)っぽいものを素人目に当たってみます。
キーパー:じゃあ<図書館>ロールで。(コロコロ……織本のロールは失敗)30分ほど費やしましたが、分かりませんでした。
織本ダメだ。では方向性を変えて、このマークについて、言語学とか文字学のブースで当たってみます。
キーパー:ではそれも<図書館>で。
織本(コロコロ)成功。
キーパー:成功……では1D3を振ってください。(出目は3)数年前のニューズ・ウィークの記事に「タイで麻薬の密売人と暗殺者からなる教団を検挙した」という旨の報道がなされています。その記事の写真に写っているメンバーが着ている儀式用のローブに、それと似たマークが刺繍されています。
織本ほう。タイの麻薬の密売と暗殺の教団。なるほど。カルト集団か。「ヤバイじゃん、これ」。でも、タイか。次は歴史のコーナーに移って、タイの新興宗教を扱っているような文献があるかどうかを探します。(コロコロ)<図書館>は成功。
キーパー:そういう文献はあります。でも、このマークと同じマークは見つかりませんね。通り一片等の事しか書いてありません。「麻薬密売人が芋づる式に5千万人捕まった」とかです。
織本いやいや、人口全部じゃん(笑)。……次は白凰市の歴史コーナーに行って、イメの森近辺でこのマーク、いや、もっと広げて良いや、何か不可思議な記録がないかを漁ります。(コロコロ)<図書館>は成功。
キーパー:するとデータベース内に柳内秋芳教授の論文『白凰における異伝民俗学』が見つかります。その中の一章に白凰市ではあまり知られていない民話が収録されているそうです。
織本ほう! では時間をかけてそれを熟読します。
キーパー:すると司書が「こちらの本には閲覧に許可が必要です」。
織本「でも、どうしても読みたいんですよね」。
キーパー:<言いくるめ>ですかねぇ。
織本「どうしても、次の論文を書くのにこれがないとダメなんですよ」と言って<言いくるめ>。(コロコロ)06。成功、成功。「お願いします!」。
キーパー:司書は奥に一度引っ込むんですが「……やはりダメだそうです」。
織本……ダメなのかよ。
キーパー:でもこっそり司書が教えてくれるんですが、白凰市の歴史協会、Historical Society(※Arkham Horrorネタ)に別の一冊があるそうです。
織本ほう!
キーパー:なお、歴史協会は土曜日は正午から17時までしか開館していないそうです。
織本今何時だっけ?
キーパー:16:55です! と言うのは嘘で15:30くらいですね。バイクで行けば100分くらいかかります。と、これも嘘で歴史協会へは30分もあれば行けます。
織本では早速、すぐにでも向かいます。
キーパー:場所も難なく分かって、今度は書名までバッチリ分かっているので、本はすぐに見つかります。柳内秋芳著『白凰における異伝民俗学』です。では<日本語の読み書き>ロールを振りましょう。内容が難しいので、読み書きで代用します。(コロコロ……成功)では第4章の「白凰市での魔女狩り」という個所にイメの森に関する話が掲載されています。

 しかし邪悪の顔がその存在を全ての人に知られたその時であってさえ、過去に恨みを持っていた者たちを告発するために、聖なる罪状を乱用しようとする者たちがいるだろう。その一つの例が白凰の西端に住んでいた変わり者、小関修二郎の事例だ。この男が双方の敷地の境界線のことで隣人黒田某と揉めているのは周知のことだった。1915年の秋、黒田氏と彼の2人の息子が判事のところへ来て信じられないような話をした。彼ら3人がイメの森の中を進んでいると、前述の小関が広場で天空からの声と会話をしているのを見た。正義の熱情に駆られて(そのように三人組は主張した)、彼らは不運な小関に襲い掛かり、彼を殺してそこに埋めたのだった。その後、自分たちの行動を曇りのない道義心からやったことであると告白するために、彼らは白凰に来たのだった。
 善良な判事は、彼らの告白を聞いてもにわかには受け入れられなかった。それは小関氏と黒田氏が揉めていたことを知っており、自分の地所に狩りのために不法侵入する隣人を拘留して欲しいと、小関氏がしばしば請願に来ていたからだ。彼は陳述を聞くと、黒田氏と息子たちに翌日にもう一度法廷に来るように要請した。しかしその夜、黒田氏とその家族は密かに家を後にして、当局の懲罰を受けるよりはと、全ての所有物を持って中国行きの船に乗ったのだった。

織本なるほど。う〜ん。
キーパー:ここを探して読むまでに45分かかった事にしましょう。
織本魔女狩りの章の1節で、真相は分からないままか。直接この紋章について書かれている事はないって訳ね。
キーパー:ここでもう一度<図書館>ロールを。(コロコロ……成功)では、この1節に書かれている「小関修二郎」が住んでいた正確な場所が分かります。白凰市の西の端、イメの森の方角です。
織本ではバイクでその「白凰市の西の端」へ向かいます。ブブーン。
キーパー:ではその「西の端」という場所まで来ました。
織本小関さんと黒田さんの地所は森の中にあったんだっけ?
キーパー:そうですね。書物ではそうなっていました。当然森の近くまではバイクで行けますが、中までは入って行けません。もっとも、時刻は18:00を過ぎているので、森の中は真っ暗です。
織本明日は日曜日なんだよね? じゃ、明日来よ。帰りに摩周の家に寄ります。
キーパー:摩周は一軒家を借りています。安いボロ一軒家ですが。摩周の家に着いてみると、電気は点いていません。
織本……え? 一応呼び鈴を押します。ビー、ビー。
キーパー:ビー、ビー。返事はないです。
織本携帯電話をかけてみます。
キーパー:家の中で呼び出し音が鳴っているのが聞こえます。でも出ません。
織本「いねーのかよ?」。新聞が溜まっているとかはないよね? 「あるぇ? どこ行っちまったんだ、体調悪いとか言ってたくせに」。
キーパー:当然彼もツーリング同好会のメンバーなのでバイクを所持しているんですけど、バイクも停めたままになっています。少なくともバイクでは出かけていないみたいです。
織本携帯持たずに? バイクにも乗らずに? 徒歩でどこかに行った? どーしちゃったんだろ? 窓から中をうかがったりしますけど、電気はどこも点いていないんだよね? ……大丈夫かな?
キーパー:しばらく待ってみても、摩周は帰って来ませんでした。
織本諦めて家に帰ります。