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ナイトメア

疲れていたんだ。
肥田が死んで、摩周とも連絡が取れない。
不愉快な事が重なって、あんな夢を見たんだ。
その時は、そう思っていた



キーパー:では19:00くらいに帰宅しましたよ、と。まぁ、友達が死んだり、あちこち行ったりして非常に疲れた一日でした。……部屋に入ると、当然普段であれば冷蔵庫などの駆動音が聞こえるはずなんですが、それも聞こえないほどシーンと静まり返っています。
織本「……あれ?」。電気を点けます。
キーパー:では電気をつけようとするとパッと明るくなって、「おめでとーっ!!」っと歓声が上がります。
織本……は!?
キーパー:どうやらあなたの誕生日パーティが開催されているようです。ご両親、ご友人、ご隣人などがいて、「おめでとう、おめでとう! まぁ、まぁ、座りたまへ!」みたいな事になっています。
織本「ええ!? 何コレ、どゆこと!?」。
キーパー:「さあ、蝋燭を吹き消して! せーのっ!」。
織本え? え? とりあえず席について蝋燭を吹き消します。
キーパー:高校時代の友人もいて、「まぁ食べろよ、飲めよ!」みたいな感じで懐かしいですね。「最近何やってんの?」とか、当たり障りのない会話が交わされます。
織本えわわわわ……。あ! そういえば摩周はいる!? 摩周を探します!
キーパー:すると、部屋の一角に摩周がいます。
織本いるんだ? では摩周の方へ行って声をかけます。
キーパー:では摩周の方へ行こうとすると、彼は出口に向かってスタスタと、あなたから遠ざかって行きます。
織本「ちょっとゴメン!」と言って人をかき分けて摩周の方へ向かいます。「おい、摩周!」。
キーパー:あなたが「おい、摩周!」と声をかけたところで、背後からボーン、ボーンという柱時計の鳴る音がします。
織本? 家にそんな物あるんだっけ?
キーパー:……ないですねぇ。時計の鐘は12回鳴りました。どうやら真夜中のようですね。一瞬時計に目をやったあなたが摩周に視線を戻すと、彼はクルリとあなたの方に振り向いています。そしてこう言います。「紳士、淑女の皆様方、仮面を脱ぐ時間になりました!」
織本「え? 何言ってんの、お前?」。
キーパー:すると明かりがサッと落ちて、周りの壁に蓄光塗料でペンダント・ヘッドに描かれているマークがびっしりと描かれている事に気付きます。
織本!? なんだこれ!?
遠き都市カルコサキーパー:今まで歓喜の表情を浮かべていた友人知人たちの顔が、激怒と苦悶で歪んでいます。
織本摩周に向かって「おい、コレは一体どういう事なんだよ!?」と叫びます。
キーパー:すると摩周はスッと窓の方を指差します。そちらを見ると、窓の外に見える遠くの都市(もちろん、あなたの部屋から遠くの都市など見えなかったはずですが)にある高い塔が見えます。そしてその塔の“前”を青白い月が横切るのが見えます。明らかに見た事のない風景、オカシイ状況ですね。
織本オカシイですな。
キーパー:では、振りたそうなのでSANチェックを。
織本いやいや(笑)。(※コロコロ……成功したので喪失はなし)
キーパー:呆然とそれを眺めているあなたの肩を、誰かがポンと叩きます。「さあ、座って仮面を脱げよ!」。
織本「いや、意味が分からないんだけど。何だ、仮面て?」。
キーパー:「いやいや、今がその時だよ? 君以外は、みんな仮面を脱いでいるよ?」。
織本「いや、仮面とか着けてないし!」。みんな、仮面なんか着けてないんだよね? 「仮面なんか、誰も着けていないだろ!?」。
キーパー:すると「……え?」みたいな空気が流れます。ざわざわ、ざわざわ……。そして人込みの中から声が上がります。「間違いない! 彼は仮面をつけていない!!」。その声を聞くと、「仮面を着けていない?」という声がざわざわと広がっていきます。
織本ちょっと後退ります。
キーパー:そこで、当然周りにいる人は全員顔見知りだったはずなんですが、一人だけ知らない顔を見つけます。灰色に青ざめた顔をした、見た事のない大男です。あなたがその大男に気付くと、あなたとその灰色の大男の間にいた人たちがパッと退いて、そこに道ができます。
織本……。
キーパー:大男は近づいて来ます。他の人たちは「……仮面をつけていないぞ」「……仮面をつけていないなんて」とざわつきながら、あなたを睨みつけています。
織本近づいてくるそいつに向かって言います。「……お前、一体、誰?」。
キーパー:今までどこにいたのか、摩周君がスッとあなたの背後に現れます。そして顎をあなたの肩に乗せるように覆いかぶさってきます。そして耳元で囁きます。「生ける神の手に落ちるとは恐ろしいことだな!」
織本「お、お前、さっきから何言ってんの!?」。
キーパー:そこで、ガバッと、目が覚めます。
織本
キーパー:どうやら眠っていたようです。あまりの疲れに、玄関で突っ伏して寝入ってしまったようです。まるで気絶したかのような風情ですな。ここでSANチェックを一つ。
織本(コロコロ)成功。
キーパー:最近感じていたような、目覚めた時の体力の消耗と似た感じを受けます(※正気度喪失はなし)
織本「一段と今日はリアルだったな……」と感じるわけですな。「何なんだ、一体」。今、何時?
キーパー:深夜3:00くらいですね。寝なおそうと思ってベッドへ向かう時、廊下に面したキッチンの窓の外に誰かが立っているシルエットが見えます。
織本ビクッ! 「……だ、誰?」。
キーパー:スーッと横を向いて、立ち去っていく様子が見えます。
織本部屋の電気をつけてから、外へ出てシルエットを追いかけます。
キーパー:では織本は3階に住んでいる事にしましょう。ガチャっとドアを開けると、階段へ続く角を曲がる人影が見えました。まるで、夢で見た灰色の大男のような背格好です。
織本ああ! でも、とりあえず全速力で階段まで追いかけます。夜中なので大声を上げるわけにもいかないので。
キーパー:では角を曲がると、そこには誰もいません。大男が階段を駆け降りればそれなりの足音はするはずなのですが、そんな音もなく、まるでフッと消えてしまったかのようです。
織本一応下まで降りてみますけど、誰もいない? 誰もいない……。
キーパー:白々と、夜が明け始めます。